賃貸契約における「入居日」「契約日」などの違いとは?

賃貸契約を結ぶときは、契約書をしっかりと読んで、それに納得した上で押印する必要があります。

そこで、気になるのが「契約日」や「入居日」などの違いです。

不動産業者でも初心者の方は間違えているケースがあるくらいにややこしいです。

その違いを見ていきましょう。

 

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1. 賃貸契約における入居日、契約日、申込み日の違いについて

社会人の方や結婚をされた方であれば、一度は賃貸に住んだことがある方も多いのではないでしょうか。

そして、これから賃貸に住む方もいらっしゃるでしょう。

その時に契約書を交わすのですが、「〇〇日」の違いについて理解しておく必要があります。

では、その違いとはどのようなものがあるのでしょうか。

1-1. 申込み日とは?

よく、とあるテレビ番組などで、賃貸住宅を見て回った女性が「この物件に決めます!」と言っていることがありますね。

このように、「この物件に住む」と不動産業者に伝えてから、審査を受けるための書類を書いてそれを送付した日が「申込み日」となります。

こちらの申込み日は、よく契約した日と間違われてしまうこともありますので、気を付けましょう。

1-2. 契約日とは?

申込みをしてから、多くのケースでは審査があります。

その審査をパスして初期費用の入金をした場合、その日が契約日です。

契約書を書いた日が契約日と思ってしまいますが、正確には初期費用を払ったところで契約成立となります。

よく入居日と混同されてしまうケースが多いです。

1-3. 入居日とは?

実際に引っ越しを終えて入居した日が入居日となります。

家賃発生日と同日だと思われがちですが、必ずしもそうとは限らないため注意が必要です。

日割りをしてくれるところであれば、そのようなラグを防ぐことはできます。

しかし、中には家賃発生日が定められているケースもあります。

詳しいことは後の章で触れていきます。

2. 入居日と家賃発生日について

なぜわざわざ、このように細かく「〇〇日」と定められているのかと言うと、家賃が発生する日等、お金にまつわることに関わってくるためです。

「入居日から家賃が発生する」と思われがちですが、そう単純にいかないケースもあります。

そのため、貸主が待ってくれない場合は、賃貸発生日と入居日にラグが発生することがあります。

2-1. 入居日と家賃発生日の関係性

引っ越した方の話を聞くと、「家賃を重複して支払った」という話を聞いたことはありませんか?

それは、入居日と家賃発生日のタイムラグがあるためです。

特に単身者向けの賃貸物件においては、既に家賃発生日が決まっているケースがあります。

それは「申込み日から10日後を家賃発生日とする」というものです。

審査がどれくらいかかるのかにもよりますが、審査が長いと今住んでいるところの家賃と新たな家の家賃とで二重に支払いが必要になってくることもあります。

この場合であれば、入居しているかどうかは関係なく、申込み日から10日後には家賃が発生します。

もし「家賃発生日と入居日は同じ」と思っていると、この時点でトラブルに発展する可能性があります。

お金にまつわることは重要です。

そのため、本当に「家賃発生日と入居日は同じ」で良いのか、「申込み日から〇日後が家賃発生日」と定められているのかは確認しましょう。

2-2. 二重家賃は嫌!そんな時はどうする?

もしどうしても、この二重に家賃を支払うのがきついということであれば、フリーレント期間を設けているところに引っ越すことも手です。

この制度は、1か月から3か月くらいの間の家賃を無料にする制度のため、二重家賃が発生しにくくなります。

最近は進学や就職に合わせて12月くらいにフリーレント物件が増える傾向にあります。

4月から進学や就職のために引っ越しの必要がある人が増えてくるため、その前の1月から3月には引っ越しを済ませておきたいということであわただしくなる傾向があります。

そこで3か月くらいのフリーレント期間がある物件があれば、12月には契約をしてしまって、3か月間のフリーレント期間を使い果たした後に引っ越しを完了します。

そうすれば借主もゆっくりと物件を選んで早めに決めることができますし、貸主も早めに借主を確保できるというwin-winの関係性になれます。

ただ、注意点としては「入居日」や「家賃発生日」が3月であっても、「契約日」は12月となっている点です。

そのため、更新の時にうっかりとする方が多いため気を付けましょう。

このような点においても、「入居日」「契約日」「家賃発生日」など様々な日にちを正確に把握しておくことが大切になってきます。

2-3. ただし、フリーレント物件には注意も必要!

フリーレント物件は良いことずくめに見えますが、注意点もあります。

それは、契約期間より前に解約すると違約金が発生する可能性があることです。

時に事情により半年から1年以内に退去をして、他の所に引っ越すこともあります。

そのような時に違約金は発生します。

入居期間が半年であれば家賃の2か月分、1年未満であれば家賃1か月分であるケースが多いです。

さらにはクリーニング代の負担は入居者がするというケースがあります。

よく会社での借り上げ物件だから、もし引っ越しをするとしても会社が費用負担をする場合もあります。

そのような時でも、違約金やクリーニング代は自分で負担しないといけないケースが多いです。

したがって、2年間にわたって住まない可能性が高い人は、敢えてフリーレント物件を選ばない方も多いです。

3. 入居日はどうやって決める?

では、入居日の決め方を見ていきましょう。

3-1. 二重家賃の日数が短くなるようにする

急な引っ越しでなければ事前に入居日を決めることができます。

できれば、二重家賃が発生する日が1日でも短いほうが良いのは言うまでもありません。

例えば末日に退去を考えているとしましょう。

その末日を入居日にした場合、二重家賃になるのは一日だけで済みます。

逆に末日までの契約に対して15日に新居に移ると、残りの日数分は住んでいないにもかかわらず、前の家の家賃を支払う形になります。

そうなると、その金額分をロスすることになります。

したがって、仮に末日に契約が切れる場合、その日を入居日にするように調整するほうが良いです。

もし日割り計算ができないのであれば、計画は綿密に立てましょう。

しかし、中には退去日を自由に選べて、その月の家賃は日割り計算をするところもあります。

著者も複数回引っ越し経験がありますが、そのようなやり方を採用しているところが多くありました。

そのようなところであれば、何日間も二重家賃を支払う必要性はなくなります。

3-2. 入居日を決めるのは、必ず引っ越しの見積もりを取ってから

時期的な問題もありますが、引っ越し業者が繁盛期の場合、価格も高いですし、その日に引っ越しができない可能性があります。

そして、今住んでいる部屋、これから引っ越す部屋の不動産業者、それぞれに都合があります。あまり日程をコロコロ変えるのは好ましくありません。

したがって、引っ越しの見積もりが取れてから考えるようにしましょう。

ちなみに、引っ越し業者の繁盛期と言われるのは3月から4月です。

この時期に引っ越しを考えている場合は、なおのこと慎重になる必要があります。

経験上の話をすると、著者は繁盛期を外した時期の引っ越しが多かったですが、この時期は非常にスムーズです。引っ越し費用面でも少々の無理は聞いてもらえる可能性も高いです。

閑散期であれば比較的スムーズですが、それでもより得をするためには引っ越しの見積もりを取ってから入居日を決めましょう。

4.  入居日は変更できる?

慎重に入居日を決めたとしても、中には変更を余儀なくされてしまうこともあるでしょう。

入居日の変更はできるものなのでしょうか?

4-1. 契約の変更自体は難しい

初期費用を払った場合は、入居日の変更は契約上難しいものになります。

しかし、もしかしたら貸主の方もOKして下さる可能性があるため、相談してみる価値はあるでしょう。

一から契約書を作る可能性があります。

ただし、追加料金の支払いなどがある可能性もあるため、それは覚悟しましょう。

4-2. 入居日が遅くなること自体は問題なし!

基本的に貸主としては払うものさえ払ってもらっていたら、入居日が遅くなること自体は全く問題ありません。

貸主にとっての感心ごとは、人が住んでいるか否かではなく、家賃が入るか否かが大きいところがあります。

そのため、家賃発生日が来たら家賃さえ支払っていれば問題としないケースが多いです。

ただ「入居日が遅れるから家賃発生日を遅らせてほしい」という交渉は難航するでしょう。

多くの方は入居が1か月遅れるくらいであれば、交渉はせずに余分に1か月分の家賃を払う覚悟を決める方が多いです。

4-3. だた、入居日が早くなる場合は事前に確認が必要

逆に入居日を早める必要がある時は、少々難航するでしょう。

もし前の入居者の方がまだ住んでいるとなると、退去するのがいつかが大きな問題となります。

仮に既に退去をしている場合でも、ハウスクリーニングや修繕などやるべきことはあります。

交渉してみる価値はあるかもしれませんが、叶うかどうかは難しいところがあります。

5. まとめ

なぜ「〇〇日」をしっかりと把握する必要があるかと言うと、家賃の発生日などに関係ある重要なことであるためです。

しかし、こちらは不動産業者の方であっても、中には誤解している場合もあるため、もしこの「〇〇日」において、疑問を感じた場合は、質問をするようにしましょう。

もしかしたら、互いに認識の違いがある可能性があります。

二重家賃にならないためにも理解を深めておきましょう。

また、長く住む確率が高いということであれば、フリーレント物件を検討してみるのも良いでしょう。

その代わりデメリットの把握も同時に必要です。