引越しに際しては、普段はなかなか接する機会のない様々な手続きが必要になります。
住所変更を行わなければならないものも多岐にわたるため、それぞれどのような手続きが必要なのか、事前に確認する必要があります。
手続きが不十分なために、トラブルが起きてしまうこともあるため、事前に余裕をもって準備を全て済ませておくことがとても大切になります。
あらかじめ手順を把握してスケジュールを組むことで、不要なトラブルを防ぎスムーズな新生活を送れるようにしましょう。
今回は引越しに伴う手続きの中でも、バイクに関する手続きについて、詳しくご紹介していきます。
バイクにはどんな手続きが必要なのか、なかなか情報に触れる機会が少ない人も多いかと思いますので、こちらでしっかり確認して、気持ちよく新生活のスタートを迎えられるよう準備しましょう。
また実際に転居先にバイクを運ぶ際の方法や、その注意点に関しても紹介していますので、こちらについてもチェックしてみてくださいね。
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このページでわかること
1. 原付と大型バイクでは引越し手続きが異なる!
バイクにも色々な種類がありますが、バイクの排気量によって、引越しの手続きをする場所が変わってくることをご存知でしたか?
バイクは主に排気量によって5種類に分けることができます。
- 50ccまでを原付バイク
- 51~125ccを原付二種(税金上はさらに51~90ccと91~125ccに分けられます)
- 126~250ccを軽二輪
- 251~400ccを普通二輪
- 401cc以上を大型二輪
と区分されています。
原動機付自転車、すなわち原付と軽二型から大型バイクでは、引越しの際の手続きをする管轄が変わります。
原付は市町村で、125ccを超える軽二輪から大型バイクまでは、運輸支局での手続きを行うよう義務付けられています。
「運輸支局」とはなかなか聞きなれない名称ですが、もともと「陸運支局」と呼ばれていた組織で、国土交通省の下にある部署です。
そのため、125ccを超える軽二輪から大型バイクは管轄が市町村ではなく「国」になるのです。
運輸支局は兵庫県・沖縄県を除く各都道府県と、北海道の主要都市に設けられています。
兵庫県では神戸市東灘区にある「兵庫陸運部」が、沖縄県では浦添市にある「陸運事務所」がそれぞれ運輸支局と同じ役割を果たしているので、そちらで手続きを進めるようにしましょう。
2. 原付バイク(50~125cc)の引越し
原付バイクは管轄が市町村になるため、手続きも市町村の窓口で行います。
もし同一市町村内での引越しであれば、転居届のみ提出するだけで自動的に住所変更が行われるため、原付の住所変更は不要になります。
その場合はナンバープレートの変更も不要なので、転居届を提出するだけで済みます。
しかし別の市町村に転出する際は、引越し前に住んでいた市町村で廃車申告をする必要があります。
廃車申告にはナンバープレート、標識交付証明書(原付の車検証のようなもの)、印鑑、身分証明書、軽自動車税廃車申告書兼標識返納書の提出をします。
軽自動車税廃車申告書兼標識返納書は役所で手に入る他、市区町村によっては、役所のホームページから用紙をダウンロードできるところもあるので、確認してみましょう。
事前に記入を済ませておくと、手続き当日に時間を節約することができますよ。
そしてナンバープレートの返納まで済ませると、廃車申告受付書を発行してもらえるので、転居先での手続きが済むまで大切に保管しておきましょう。
転居先の市区町村での手続きは、転居前の市区町村で発行してもらった廃車申告受付書、廃車証明書、標識交付証明書、新住所の住民票、印鑑を持って役所で行います。
手続きが終了すると、新しいナンバープレートを交付してもらえます。
もし引越し先まで原付に乗って移動する場合は、転居先の市区町村の役所で、廃車の手続きから登録の手続きまでを一括で行うことも可能になっています。
また、どちらの手続き期間も、住所変更後15日以内とされてているため、注意しましょう。
もし自分で手続きに行くことが難しい場合は、委任状を用意することで代理人に手続きをしてもらうこともできます。
3. 軽二輪バイク(126~250cc)の引越し
126~250ccのバイクから、管轄が運輸支局に変わります。
引越し先が、同じ運輸支局である場合と違う運輸支局である場合とで手続きが変わってくるので、転居前後の住所から運輸支局を確認しておきましょう。
まず同じ運輸支局の管轄内の引越しであれば、ナンバープレートの変更はないため、住所変更の手続きだけをします。
手続きには、軽自動車届出済証(車検証のようなもの)、自動車損害賠償責任保険証明書、新住所の住民票、印鑑を持っていきます。
もし転居先が他の運輸支局の管轄の場合は、住所変更の手続きに加え、今まで使っていたナンバープレートの返納も必要になります。
こちらの手続きも、届け出の提出期間は、住所変更後15日以内とされています。
手続きに行くことが難しい場合は、委任状を用意し代理人を立てて手続きを行うようにしましょう。
万が一、軽自動車届出済証を紛失している場合は、運輸支局で再発行してもらうことが可能です。
4. 小型二輪バイク(251cc以上)の引越し250
251cc以上のバイクについても、手続きは管轄の運輸支局で行います。
こちらも管轄する運輸支局が変わらなければ、住所変更の手続きだけとなり、管轄する運輸支局が変わる場合は住所変更とナンバープレートの変更が必要になります。
手続きに必要なものは、自動車検査証、住民票、手数料納付書、申請書、印鑑、自動車損害賠償責任保険証書となっています。
管轄する運輸支局が変わる場合は、今まで使っていたナンバープレートの返納も必要となります。
こちらも手続き期間は、住所変更後15日以内とされています。
他のバイクの手続きと同様に、委任状で代理人の手続きが可能になっているので、手続きに行けない人は委任状の用意もしましょう。
5. 所有者が変わったら名義変更を!
引越しの際に、登録してある所有者が違う場合、名義変更の手続きも必要になってしまいます。
ただでさえ忙しい引越し前後に、手続きの手間を増やさないためにも、所有者が変わった際にはすぐに名義変更の手続きも済ませておきましょう。
名義変更も、排気量によって提出先や必要書類が変わってきます。
原付バイクの場合は、一度廃車の手続きをしてからでないと名義変更ができません。
手続きを行う場所は、住んでいる市区町村の役所となります。
発行された廃車証明書を新しい所有者に渡し、新しい所有者が名義変更手続きを行います。
名義変更手続きは、新しい所有者の住む市区町村の役所で行いましょう。
軽二輪バイク、小型二輪バイクの名義変更は、管轄の運輸支局で行います。
軽二輪バイクの名義変更手続きは、新しい所有者の住所を管轄する運輸支局で行います。
小型二輪バイクに関しては、車検が切れていると名義変更ができないため、車検を通してから新しい所有者の住所を管轄する運輸支局で手続きをします。
6. 自賠責保険の住所も変更!
引越しに際して、バイクの住所変更だけでなく、自賠責保険の住所変更も必ず行いましょう。
自賠責保険は、車号番号で管理されているため、住所変更をしていなくても事故の際に保険金は支払われます。
しかし、保険会社からの案内が届かなくなるため、自賠責保険が切れていることに気が付かない可能性があります。
自賠責の期限が切れても契約が確認できない場合は、国土交通省から警告はがきが届くようになっていますが、こちらも届かなくなってしまいます。
不要なトラブルを避けるためにも、自賠責の住所変更もしっかりと行うようにしましょう。
手続きの方法は保険会社により変わってくるため、加入している保険会社のホームページを確認、もしくは保険代理店へ連絡して確認するようにしましょう。
7. 実際にバイクの引越しを行う際の方法とメリット・デメリット
ここまでは、行政上のバイクの引越し手続きについて、詳しく紹介してきました。
では実際に、転居先にバイクを物理的に移動するには、どのようにして持っていけばよいのでしょうか。
最も簡単なのは、実際に自分でバイクを運転して転居先まで移動するという方法ですね。
ただ、実際の引越し先までの移動に車を利用したり、引越し先がかなり離れているためにバイクで移動することは難しい場合もあるでしょう。
どうしてもバイクが運転できない場合に友人・知人などにバイクを運転してきてもらうという方法もありますが、事故やトラブルのリスクもあるのであまり良い方法とは言えません。
自分で運転して持っていく以外に、バイクを引越し先まで持っていく方法としては以下のようなものが挙げられます。
- 引越し業者に頼む
- バイクなど車両運搬の専門業者に頼む
多くの引越し業者では、車やバイクの運搬を行うオプションサービスを用意しています。
引越しをしてくれる業者に見積もり時についでに頼めば、余計な手間もかからずスムーズにバイクの運搬までしてもらうことができます。
しかし、実際にバイクを運搬するのは引越し業者ではなく、車両の運搬を専門に行う業者であることも多いようです。
そのような場合、引越し業者に「仲介手数料」を支払うことになるため、運搬料金が割高になることもあります。
引越し業者が車両運搬を行っている場合も中にはありますが、運搬を専門で行っていないスタッフが行う場合には、不要なトラブルを生む可能性もあります。
自分でバイクなど車両運搬を専門に行っている業者に頼む場合、車両の扱いを心得ているスタッフが運搬を行うため、安心して運搬を任せることができます。
さらに、専門業者では運搬だけでなく、先述した住所変更などの面倒な手続きを代行してくれるサービスを行っているところもあり、業者に一任するだけで必要な手続きがすべて終了する、という大きなメリットもあります。
ただ、専門業者に自分で依頼する場合には、引越し業者とは別に日程調整などを行う必要が出てくるために、日程が上手く合わないような場合も出てきます。
特に3~4月などの引越しシーズンは、日程が合わなくなるようなことも多く、そういった点は注意しておくべきでしょう。
また、必要な手続きまですべて代行してもらった場合には、料金が割高になってしまう可能性もあります。
どの方法にもメリット・デメリットはありますが、引越しのバタバタした中で運搬することを考えると、引越し業者経由で専門業者に一任するのが最も手軽で安心だと言えるでしょう。
住所変更などの手続き代行まで行ってもらえれば、なおスムーズに引越し先でもバイクに乗れるようになりますよ。
8. まとめ
バイクの種類によっても手続きが変わってくるため、所有しているバイクではどのような手続きが必要かをしっかり確認しておきましょう。
バイクを複数もっている人は、手続き場所が変わる場合もあるので、しっかり計画をたてて、変更漏れがないように準備してください。
バイクの運搬についても、頭を悩ませている方は多いかと思いますが、今回紹介した3つの方法から自分にとって最も都合の良い方法を選ぶとよいでしょう。
また、面倒な住所変更などの手続きを代行してもらうという選択肢も、頭に入れておくといいですね。
しっかり準備をして、気持ちよく新生活をスタートさせてくださいね。




