新宿区は日本一の歓楽街と日本一利用者の多い駅を擁しており、まさに大都会といえる地域です。
交通の便も非常によく、遊び・グルメ・ビジネスのすべてがそろう街ですが、住む上での環境や中心部以外の環境はどうなのでしょうか?
ここでは新宿区に住む上で知っておきたいさまざまな情報をまとめ、項目ごとに解説をしています。
単身・一人暮らしの人やファミリー向けの情報、子育てや物価、住む上で気を付けなければいけないことについても解説していきます。
(掲載情報は2019年7月時点での情報です)
このページでわかること
新宿区の住みやすさの特徴
新宿区は東京都庁をはじめとした高層ビル群や、日本一の歓楽街として知られる歌舞伎町があります。
新宿駅の利用者数は日本で最も多く、全体的に賑やかで遊びやビジネスの街という印象がある人も多いでしょう。
しかし、東側の神楽坂では江戸や昭和の雰囲気を楽しめるほか、コリアンタウンといわれる新大久保では多数の韓国料理店が軒を連ねているなど、さまざまな表情を持っているエリアでもあります。
では住むとなると新宿区はどうなのでしょうか?
新宿駅近くは遊びやビジネスには最高ですが、住まい探しでは家賃も高く治安もあまりよくないので、ファミリーや静かな暮らしを求める人には不向きです。
エリアを選べば家賃も下がり、利便性を維持したまま緑が多く静かに暮らせるエリアもあります。
新宿区は場所によって住みやすさが大きく変わる区だといえるでしょう。
(参照:https://ask-koumuin.com/shinjuku/)
ファミリー世帯にとっての新宿区の住みやすさ
新宿区はファミリー世帯には場所を選べばとても住みやすいエリアです。
ファミリー世帯が新宿区に住む場合、気になるのは治安や子育てのしやすさですよね。
治安に関しては歌舞伎町周辺や駅の近くはどうしても不安を抱えることになってしまいます。
しかし、駅や歓楽街から離れれば安心して子どもを育てられる環境なので、ファミリーで住む場合は早稲田・四ツ谷・神楽坂など、治安がよくて学校や遊びの施設も数が多いエリアを選ぶのがおすすめです。
子育てのしやすさに関しては、新宿区は2017年度の待機児童数が27人と非常に少ないので共働きをしながら子育てができる環境が整っています。
大きな病院も数多くあるので、子どもが急に体調を崩したときにも安心です。
また、夜間保育・産後・子育て相談に加えて「ゆりかご・しんじゅく」という妊婦の方を対象とした事業も行っているのもポイントです。
この事業は看護職による面談・相談や1万円分のギフト券プレゼントなどを行うもので、子育て支援も特徴的といえるでしょう。
(参照:https://curazy.com/archives/209514)
単身・一人暮らしにとっての新宿区の住みやすさ
単身・一人暮らしの人にとって、新宿区は非常に住みやすいエリアです。
交通の便や買い物のしやすさは文句なしですし、物件の数も多く、希望するエリアや家賃に合った住まいを見つけやすいでしょう。
社会人はもちろん、早稲田大学・東京理科大学などの大学も新宿区内にあるので、学生さんにも住みやすい地域です。
特に高田馬場や早稲田エリアは学生が多く、学生向け物件や割安のスーパーも目立ちます。
学生向けの物件は家賃が安めに設定されているので出費を抑えたい場合はこうしたエリアを狙えば、さらに快適に住むことができます。
(参照:https://chintaibest.com/kuchikomi_shinjuku/)
新宿区の住みやすさ情報
新宿区は単身・一人暮らしの人にとっても、ファミリーにとってもエリアを選べば住みやすいことがわかりました。
中心部を離れれば公園や散歩に適した静かな道も意外と多いので、新宿=歓楽街というイメージとは全く違った静かな生活をすることができます。
続いては実際に住むときに気になる家賃相場や治安、災害への強さなどの情報を掘り下げて解説していきます。
①家賃相場
新宿区に住む上で多くの人が気になるのが家賃の相場ですよね。
東京23区内は全体的に家賃が割高で、港区や千代田区と比べると安いものの新宿区の家賃相場も高めです。
1LDKの間取りに絞り、いくつかのエリアの家賃相場を見てみましょう。
| 新宿駅周辺 | 17万7,000円 |
| 高田馬場駅周辺 | 16万7,000円 |
| 新大久保駅周辺 | 14万3,500円 |
| 神楽坂駅周辺 | 15万4,000円 |
| 下落合駅周辺 | 13万6,000円 |
このようになっています。
コンパクトな間取りの1Rでも6~11万円前後と都心ならではの家賃設定です。
ちなみに、新宿区内で最も1LDKの家賃が高いのは西新宿駅周辺の27万円、安いのは落合南長崎駅周辺の10万9,500円でした。
エリアによって同じ間取りによって家賃が倍以上違うというのは新宿区の多様性を表しているようですね。
(参照:https://blog.ieagent.jp/eria/sinjyukuyachinsouba-48423)
②世帯年収
2018年度の新宿区世帯年収は543万5,251円とされており、これは全国で11位の世帯年収です。
この数字は平均値となっており、新宿区内の世帯年収割合は以下の通りとなっています。
| 300万円未満 | 30% |
| 300万円~500万円 | 22% |
| 500万円~700万円 | 14% |
| 700万円~1,000万円 | 11% |
| 1,000万円以上 | 11% |
世帯年収が300万円未満の世帯が最も多く、全体の30%にもなっています。
一方、700万円以上の世帯年収を持つ割合も22%に上ります。
新宿区では収入格差が非常に大きく、生活レベルにもこの収入格差がはっきりと表れることがあると考えられます。
(参照:https://www.nenshuu.net/prefecture/shotoku/shotoku_city.php?code=131041)
③アクセス・駅数
新宿駅は日本一利用者が多い駅で、乗り入れている路線も豊富でアクセスは非常によいです。
私鉄・東京メトロ・都営地下鉄など11路線あり、分単位で運行しているのでどこに行くにも苦労しません。
新宿区内は新宿駅を中心に29の駅があります。
四ツ谷・高田馬場・早稲田・落合・新大久保・神楽坂など、一度は聞いたことがある有名な駅が多いです。
いずれの駅からも新宿駅まですぐに行けるので、新宿区内に住んでいればアクセスで困ることはまずありません。
(参照:http://www.23-5.com/23sin.html)
④治安状況
歌舞伎町という歓楽街があることもあり、新宿区の治安は良好とはいえません。
犯罪発生件数は23区内でもつねに上位に入るほどですが、近年は治安対策に力を入れていることで犯罪件数は5年連続で減少傾向にあります。
東京五輪を控えていることで、さらに治安に対する意識が高まっており、歌舞伎町を含めて多くの場所が昔よりも安全になっています。
とは言え、治安に加えて騒音の問題もあることから、住む場合には歌舞伎町や新宿駅周辺は落ち着かないのであまりおすすめできません。
(参照:https://chintai.mynavi.jp/contents/sumaioyakudachi/20190329/shinjuku/)
⑤地震・災害
新宿区は人口31万人で、さらに仕事や遊びでやって来る人数も多いことから、首都直下型地震や大雨などの特殊な災害による被害は甚大になると考えられています。
東京都庁や区役所も被災し、ライフラインや移動手段が絶たれることでの影響も非常に大きくなるため、災害対策に加えて業務を中断しない、または復旧を迅速に行うための取り組みをしています。
帰宅難民を含め、避難人数が多くなることから神宮外苑などの巨大な広域避難場所も用意されています。
各エリアに避難所や災害時のマニュアルが用意されているので、住み始めた際には必ず確認しておきましょう。
新宿区ハザードマップ:https://www.city.shinjuku.lg.jp/anzen/anshin00_100002.html
(参照:https://www.juken-net.com/main/sinsaitaisaku/sintai_shinjuku/)
⑥子育て環境
新宿区の子育て環境は中心部から少し離れた場所であれば非常によいといえるでしょう。
待機児童の少なさや病院の多さもさることながら、学校・大学の数が多いのもポイントです。
通学にも便利ですし、ほかの区へのアクセスも良いので学校の選択肢を広げやすいです。
幼稚園・保育園
新宿区には認定こども園が6つ、私立幼稚園が9つあります。
待機児童の数が新宿区は非常に少なく、2017年度は前年から31人も減少して27人に抑えることができました。
共働きがしやすい環境が整っていると考えてよいでしょう。
幼稚園は昔から運営されているところが多く、しっかりとした方針のある教育をしている園もあります。
9つの幼稚園それぞれに特色があるので、子どもの性格や教育方針を考えて選べるのはとても嬉しいですよね。
なお、区立・私立の幼稚園利用料は世帯の年収によって異なります。
(参照:https://machimachi.com/articles/2017-12-27-201101-1749)
(参照:https://curazy.com/archives/209514)
児童手当・行政サービス
新宿区では独自に「ゆりかご・しんじゅく」という妊婦の方を対象とした事業も行っています。
妊婦さんや子育て中のママを対象に、看護職による面談・相談を行ってさまざまな悩みや不安をサポートしてくれます。
また、1万円分のギフト券プレゼントももらえるので、赤ちゃんへのプレゼントを少し豪華にできるのも嬉しいですね。
児童手当は新宿区でももちろんもらえますが、給付額には所得や子どもの人数・年齢による制限があります。
また、申請を行わないと給付されません。
0歳からもらえる手当なので、赤ちゃんが産まれたら必ず申請を行うようにしてください。
申請は新宿区本庁以外にもエリアごとの出張所で申請できますが、夜間窓口では受け付けていません。
(参照:https://tokyo.machishiru.jp/shonzyukuku-jidoteate/#i)
⑦病院
新宿区は大きな病院が多く、国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院・東京医科大学病院・JCHO東京新宿メディカルセンターなどがあります。
救急対応ももちろんしているので、万が一の時にも安心ですね。
地域密着型の診療所や中規模の医院の数も多く、アクセスも良い病院が多いので一人暮らしで体調を崩してしまった時も通院に困ることは少ないでしょう。
(参照:https://byoinnavi.jp/tokyo/shinjukuku/000)
⑧スーパー・スポット
生活していく上で必要不可欠なのがスーパーやドラッグストアですよね。
コンビニエンスストアは新宿区内にとても多く、少し歩けばすぐに見つかるほどです。
スーパーやドラッグストアも数が比較的多く、業務用スーパーもあるので食材を安く手に入れることもできます。
繁華街近くでは24時間営業や深夜まで開店している店舗も数多くあります。
遊びやデートに適したスポットも非常に多く、グルメに遊びにレジャーになんでもそろっています。
代表的なスポットとしては以下があります。
・きらびやかな大人の街、歌舞伎町
・映画デートに使える「TOHOシネマズ新宿」や「バルト9」
・コアな趣味にどっぷりはまれる「新宿ゴールデン街」
・自然や癒しを求めるなら「花園神社」や「新宿御苑」
ほかにも「侍ミュージアム」「新宿思い出横丁」など個性的なスポットが多く、飲食店も数えきれないほどあるので遊び場には全く困らないでしょう。
新宿区に住む場合の注意点
新宿区は交通の便が非常によく、仕事にも遊びにも困らない場所です。
しかし東京23区の中でも治安が悪く、物価や家賃も高いエリアであることは注意しなければいけません。
とくに歌舞伎町周辺は外国人も多く、ここ数年で大幅に改善しているとは言えまだまだ闇の部分も深く犯罪も少なくない場所です。
表通りは安全そうでも一本裏道に入ると途端に雰囲気が変わることもあるので、繁華街近くに住む場合は周辺の環境や防犯面をよく確認するようにしましょう。
家賃や物価はどうしようもないものですが、中心部を離れたり駅を選んで住んだりすることで大幅に価格が変わってきます。
人気があるエリアはどうしても家賃も物価も高いですが、私鉄だけの駅や路線が少ない駅近くは中心部の半分くらいの家賃になることもあります。
利便性や華やかさでは劣りますが、静かで無理のない暮らしができるので新宿区に住む場合は予算に合わせていろいろなエリアを見てみてくださいね。
新宿区に住むメリット・デメリットまとめ
ここまで新宿区のいろいろな面をお話してきました。
最後に新宿区に住むことでのメリット・デメリットを解説します。
新宿区に住む上での一番のメリットはやはり「利便性の良さ」と言えるでしょう。
新宿駅は日本で一番利用者が多い駅で、乗り入れ路線数も非常に多いのでどこに行くにも便利です。
中心部から離れたエリアでもすぐに新宿駅まで来れるので、区外や遠出をする時も困ることがありません。
また、買い物やグルメに困ることもまずないですし、24時間営業のお店も多いので夜勤があったり不規則な仕事をしていたりする人にも暮らしやすい環境です。
デメリットは治安の悪さと物価の高さが挙げられます。
家賃は特に驚くほど高いエリアもあり、駐車場代金だけでも地方の家賃以上になることも珍しくありません。
住む場所を選ぶことでどちらもリスクを回避できるので、新宿区に住む場合はまずは物価や治安に注目してエリアをいくつかに絞り込むと良いでしょう。
大都会に住むというのは1つのステータスになります。
自分に合った環境の住まいを見つけて、快適で充実した暮らしをしてくださいね。




