マンション購入時に必ず発生する毎月の費用、何があるかご存知ですか?
住居として、また投資目的で分譲マンションを購入するという動きが活発になっていますが、想定外の出費に泣かされる事態は避けたいですよね。
ここではマンションを購入した場合に発生する毎月の費用の種類、何のために支払うのか、値上げの可能性やタイミングはあるのか、解説しています。
「なんだかわからないけど払わされている…」
そんな理不尽な思いを抱えてしまうことがないように理解しておきましょう。
最後まで目を通していただければ必要な費用とその詳細はもちろん、長期的な資金計画も立てることができますよ。
わかりやすく簡単にまとめていくので、重要なポイントをおさえつつ読み進めてみてくださいね。
このページでわかること
1. マンション購入後に毎月かかる費用は?
分譲マンションを購入した場合に必要になる毎月の費用についても知っておきましょう。
購入後必ず毎月必要になる金額なので、ローンの金額とあわせて購入計画に組み込んでおくのがおすすめです。
まずは簡単に表で説明します。
| 毎月かかる費用 | 金額 |
| 管理費 | 平均 15,970円 |
| 修繕積立金 | 平均 11,800円 |
| その他設備利用料 | (例)駐車場代 東京23区3万円~ |
(参考:国土交通省「平成25年度マンション総合調査結果」「月/戸当たり管理費」の箇所)
(参考:国土交通省「平成25年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状」「月/戸当たり修繕積立金の額」の箇所)
(参考:いえどき「マンションの駐車場料金の相場はいくら?」)
① 管理費
管理費はマンションの共用設備のメンテナンス・清掃や備品の管理・管理人業務費など管理会社に支払われるお金です。
管理費がどのくらいの金額かかるのかは、チラシ・WEB項目などにも記載される物件概要の「管理費(月額)」の部分をチェックすればわかります。
国土交通省が行った「平成25年度マンション総合調査」によると、分譲マンションの管理費の月額平均は15,970円となっています。
(参考:国土交通省 マンション総合調査 月/戸当たり管理費)
② 修繕積立金
修繕積立金とは、マンションの大規模修繕に備えて毎月積み立てるお金で、想定外の費用が発生する場合などは追加徴収となる場合もあります。
こちらも管理費と同じくチラシやWEB広告に記載される物件概要の「修繕積立金(月額)」の部分をチェックすればわかります。
国土交通省「平成25年度マンション総合調査」によると、修繕積立金平均額は11,800円となっています。
(参考:国土交通省「平成25年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状」「月/戸当たり修繕積立金の額」)
③ その他設備利用料
その他設備利用料とは、駐車場、駐輪場、バイク駐輪場・ルーフバルコニー・専用庭などの使用料のこと。
こちらもチラシや広告で事前にチェックできる費用です。
物件により、分譲でもルーフバルコニーや専用庭が共用部分とされているケースもあるので、購入前にしっかり確認しておきましょう。
分譲マンション購入時に、駐車場の区画が決まっているからといって「購入した」と勘違いしてしまう方もいらっしゃるので注意してください。
東京23区では月額3万円、山手線駅近くの分譲マンションの駐車場は4万円を超える場合もあります。
同じく東京でも23区外、多摩地区などでは駅徒歩5分の立地でも9,000円前後で借りることもできます。
(参考:アルファジャーナル 賃貸とは違う?分譲マンションの駐車場の仕組み)
2. 車を持ってなくても駐車場代は支払わなきゃいけないの?
”車を持っていない=駐車場は必要ないので駐車場代は支払わない”ということは可能です。
ただし分譲マンションを購入すると、共有部や駐車場もその資産の一部ということになります。
問題になるのは駐車場料金(利用料金)ではなく駐車場のメンテナンス代・修繕費用なんです。
裁判などで争われた例もありますが、「修繕費は駐車場を利用していなくても支払うべき」とされることが多いと言われています。
駐車場料金を払っていない=使っていないのに支払うのは理不尽と感じる方もいると思いますが、マンション購入時には駐車場を含めた長期修繕計画も確認しておくようにしましょう。
(参考:ライオンズマンション公式 マンション購入講座 7.駐車場使用料)
3. 安い管理費に騙されてはダメ!注意すべきポイント
分譲マンション購入時に気になる管理費、「安ければ良い」と簡単に判断してしまうのは間違いです。
というのも、マンションを販売したい業者としては「管理費を安く見せれば売れる」と判断して管理費会計に駐車場料金を組み込んでいる場合があるからです。
分譲マンション購入時には管理費の料金だけではなく、その内訳も気にするようにしておく必要がありますね。
(参考:幻冬舎 GOLD ONLINE)
4. 管理費や駐車場代が値上げする3つの理由
管理費や駐車場代は値上げされることもあるものですが、値上げのタイミングはある程度予測も可能です。
設備の充実が図られたり、築年数がある程度経過した時、保険料の値上げなどがその理由となります。
(参考:LIFUL HOMES管理費や修繕費が値上がりするタイミングは数回ある)
① 築年数が10年を超えたため
ライフルホームズが調査した管理費や修繕費が値上がりするタイミングを見てみました。
こちらを見ると、築年数が5年,10年,20年を超えたタイミングで値上がりしているケースが多いことがわかります。
| 築年数 | 値上がりしたという回答の率 | 1万円以上値上がりの回答率 |
| 築年数5年未満 | 25% | 12.5% |
| 築年数5~10年 | 45.9% | 25.6% |
| 築年数10~15年 | 47.9% | 31% |
| 築年数15~20年 | 57.3% | 35.3% |
| 築年数20~30年 | 67.8% | 39% |
(参考:LIFUL HOMES管理費や修繕費が値上がりするタイミングは数回ある)
値上がりしたという回答の中には、1,000円以上10,000円未満の値上がりも含まれています。
参考のために1万円以上の値上がりがあったという回答率も記載しておきました。
築年数が10年、15年、20年を経過したタイミングでの値上げの可能性があるということを念頭に購入計画を立てましょう。
② 物件が加入している保険料が値上げされた
保険料は保険会社による料金の見直しで適宜料金が改定されてしまうもの。
そのため、管理費に含まれている物件そのものにかかる保険料が上がれば管理費が上がってしまうことはいうまでもありません。
③ 管理人常駐や宅配ポスト設置など設備面の充実
以下のような出来事があると、管理費や修繕費などが値上げになる要因となります。
- 宅配ポストを新しく設置した
- 管理人が24時間滞在するようになった
- 今までなかった駐輪場が設置された
- ごみ収集場所ができ、管理されるようになった
これも長期修繕計画などを確認しておくと、事前に予測することができる場合もあります。
5. まとめ
ここまで、管理費・修繕積立金・その他設備利用料(駐車場代含む)について詳しく解説してきました。
まとめますと、以下がポイントでした。
- 値上げされる可能性の高い時期は5年刻みにくる
- 修繕積立金と管理費の相場はそれぞれ11,800円/15,970円
- 車を持っていれば駐車場代は必要になる
- 車が無くても駐車場の修繕積立金は払う必要がある
- 管理費や修繕積立金の値上げには設備や管理体制の充実も含まれる
知識がないと理不尽に感じてしまうような部分も含まれますが、理解できれば納得もできます。
これから先の人生も見据えた資金計画のためにも、覚えておいてくださいね。




