賃貸の連帯保証人を解除したい!具体的な方法や費用を徹底解説!

賃貸契約者といっしょに債務を負担する責任を負う連帯保証人。

「血のつながった子ども・親類だから」「長年来の友だちだから」と、連帯保証人になるのは非常に危険です。

借主がトラブル・滞りなく家賃を支払っていれば問題ありませんが、万が一問題が起こった場合の責任・義務が非常に大きいためです。

この記事では、賃貸の連帯保証人をどうにか解除したい方のために、賃貸の連帯保証人は解除できるか、できるならばその具体的な方法や費用について、徹底的に解説しています。

1. 賃貸の連帯保証人の解除方法はあるの?

結論からお伝えすると、賃貸の連帯保証人を解除したい場合の方法は、“あると言えば、ある”となります。

しかし、ただ単に「連帯保証人を辞めたい、契約を解除したい」では、不可能に近いんです。

賃貸借契約を結んで物件を貸すということは、長期的に考えると貸す側にとっては多くのリスクがあります。

契約当初では問題なく収入のあった方でも、その後病気や事故に遭うなど家賃の支払いが遅れてしまったり、払えなくなったりする可能性もありますし、そういった事情がなくても支払いが滞る場合もあります。

また、賃借人の不注意によって部屋が著しく傷んでしまった場合は、修理修繕が必要になることもあります。

物件を貸す側は連帯保証人を立てることで、このような家賃滞納や部屋の破損・傷みなど、今後起こりうるさまざまなリスクを回避し、安心して貸すことができるんですね。

(参考:http://nextlife-sendai.co.jp/2015/08/08/renntaihosyouninn/

連帯保証人がいなければ、上述のようなリスク回避ができず、家賃滞納など損害・損失があった場合、そのまま貸主が被ることになります。

そのため、ただ「辞めたい」という要望だけでは、ほぼ100%、連帯保証人の解除はできません。

1-1. そもそも連帯保証人は解除できるの?

先ほども述べた通り、賃貸の連帯保証人は解除できないことはありません。

賃貸借契約での「連帯保証契約」は、物件を貸す側(貸主、賃貸人)、つまりその家のオーナー(家主、大家さん)などと、連帯保証人との間で結ばれる契約です。

“お互いの合意の元で結ばれた契約”ですので、一方の主張だけでは契約を解除することはできませんが、逆に言えば、賃貸人が承諾してくれれば連帯保証人の解除が可能だということです。

(参照:http://www.townandcitylawoffice.com/010/0092/

(参照:https://owners-age.com/blog/soudan004

しかし、ご説明したように、連帯保証人がいなくなるという状況は賃貸人にとって非常にリスクが高いです。

そのため、「連帯保証人を辞めたい」と申し出ても、すぐに承諾してもらえることはまずありえないでしょう。

連帯保証人を解除するためには、まず、これらのリスク回避ができるように準備する必要があります。

つまり、連帯保証人を辞める代わりに、別の新たな保証人、または保証会社をつけることができれば、これまでと同様にリスクが回避できまるので、解除を承諾してもらえる可能性があるんです。

(参照:https://www.bengo4.com/c_1/c_1798/c_1045/c_1801/b_661969/

ただし、一度連帯保証人を引き受けた後、解除したいからと別の新たな保証人を探したとしても、見つかる可能性は低いでしょう。

一般的に考えて、「連帯保証人を解除する」ということは、何らかのトラブルがあったと捉えられます。

それが、家賃の滞納なのか当人同士の仲違いやトラブルなのかはわからないにしても、何か問題があったのではと思われてしまうのですね。

そうでなければ、つまり、家賃滞納などがなく、スムーズに賃貸契約が履行されていれば、 連帯保証人を解除するということはしないだろうということです。

「賃借人の代わりに家賃を払わなければいけないかもしれない」という状況であるのに、連帯保証人になってくれる人がいるわけはありませんよね。

そこで、連帯保証人が見つからない場合、保証会社に依頼するほかありません。

保証会社は、「家賃保証会社」や「賃貸保証会社」とも言い、賃貸借契約を結ぶ際に連帯保証人を代行してくれるサービスを行う会社です。

保証会社との契約は、賃借人本人と直接結び、賃貸人は間には入りません。

家賃滞納や部屋の修繕が必要になった場合に、一時的に費用を立て替えて賃貸人に支払い、その後賃借人に請求するという仕組みです。

賃貸人にとっては、滞りなく家賃や修繕費用が支払われるため、金銭的なリスクは低くなります。

そのため、最近では保証会社が必須の賃貸借契約も増えてきています。

(参照:http://www.townandcitylawoffice.com/010/0092/

(参照:https://j-senryaku.co.jp/rent-arrears2/

その一方、まだ保証会社に対しての理解が浅い賃貸人(大家さん、家主さん)もいらっしゃいます。

この場合、連帯保証人の解除のために、保証会社について大家さんや家主さんに説明、理解してもらう必要があるでしょう。

また、賃借人にとっては、保証会社に依頼すると家賃とは別に保証料が必要となり、金銭的な負担が増えてしまうというデメリットもあります。

さらに、保証会社との契約には審査が必要で、審査に通らなければ契約することはできません。

すでに家賃滞納などをしてしまっている場合には審査に落ちてしまう可能性もあるため、「連帯保証人を解除したい」という状況では保証会社とも契約できないということも考えられます。

保証会社によっては連帯保証人がいることが契約の条件となっていることもありますので、やはり、連帯保証人の解除はそれほど容易なものではないと肝に銘じておきましょう。

保証会社については、のちほど、さらに詳しく触れていきたいと思います。

2. 連帯保証人とは

では、なぜこんなにも「連帯保証人の解除」が難しいのでしょうか。

これまでご説明したように、賃貸借契約を結ぶ場合、賃貸人にとっては非常にリスクがあります。

賃借人が家賃などの費用が払えなくなったとき肩代わりするのが“連帯保証人”であり、連帯保証人を立てることでリスクを回避し、賃貸人も安心して契約できるという仕組みですので、簡単に解除できてしまっては意味がないというのは当然の話ですよね。

連帯保証人とは、本来の債務者と連携して、同等の責任・債務を負担することを約束する契約を結んだ人のこと。

原則として、連帯保証人は債務がなくなるまで解除することはできません。

ここでいう「債務者」とは、部屋を借りている本人(賃借人)のことであり、「債務」とは賃貸借契約の場合、家賃(賃料)・家賃相当額(賃料相当損害金)、原状回復費用や残置物撤去費、強制執行した場合の費用などが当たります。

連帯保証人はこれらの債務を、本人(賃借人)に代わって、保証する役割を担うんですね。

(参照:https://www.chintai-jimusho.com/blog/%E4%BA%8B%E5%8B%99%E6%89%80%E7%A7%BB%E8%BB%A2/%E9%80%A3%E5%B8%AF%E4%BF%9D%E8%A8%BC%E4%BA%BA%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%A8/

(参照:https://kigyobengo.com/media/useful/553.html

2-1. 連帯保証人の債務

部屋を借りている本人(賃借人)と連帯保証人が“しなければならないこと”(債務)は以下となります。

債務(賃貸借契約の場合)

  • 家賃の支払い
  • 家賃相当額(賃料相当損害金)の支払い
  • 原状回復費用の支払い
  • 残置物撤去費の支払い
  • 強制執行した場合の費用の支払いなど

以下では、各債務について、少し詳しく解説していきます。

(参照:https://j-senryaku.co.jp/rent-arrears2/

① 家賃とは

ここでいう家賃は単なる賃料ではありません。

マンションやアパートの管理費・修繕費や駐車場代なども含まれます。

これらの支払わなければいけないというのが第一の債務となります。

② 家賃相当額(賃料相当損害金)とは

家賃相当額(賃料相当損害金)とは、賃貸借契約が終了した後も賃借人が部屋や建物を明け渡さない場合、賃貸人が請求することができるお金のことです。

たとえば、過剰な家賃滞納や近隣とのトラブルなど何らかの問題が起こってしまった場合、契約期間が満了し、契約更新が行われなかった場合、賃借人が転居のため賃貸借契約を途中解約した場合などで賃貸借契約が終了することになったとします。

普通であれば契約終了の日までに、部屋を明け渡さなければいけませんよね。

この日までに賃借人が退去しない、または荷物などが置かれたままになって部屋を占拠している場合に、家賃に相当する金額分を、日割りで賃借人に請求することができます。

契約が終了すると「家賃(賃料)」ではなく、「家賃相当額(賃料相当損害金)」に呼び方が変わるということですね。

(参考URL:http://www.your-realestate-lawyer.com/qanda/2011/05/post_4/

③ 原状回復費用とは

賃貸借契約が終了し部屋を明け渡す時は、部屋を契約前の状態に戻さなくてはいけません。

といっても、長期間住んでいれば当然経年劣化もあるため、まったくすべてを戻さなくてはいけないわけではありません。

契約で定められた通りに、普通に生活していれば問題はないでしょう。

しかし、賃借人の故意または過失により、著しく部屋に傷みや毀損があると判断されれば原状回復費用が必要です。

通常、契約当初に納めた敷金が、退去時の原状回復のための費用に充てられますが、敷金の金額以上に費用が必要になれば請求されます。

(参考URL:https://www.athome.co.jp/contents/words/term_2032/

④ 残置物撤去費とは

以前の入居者が残した私物を“残置物”と言います。

先ほども触れましたが、賃貸借契約が終了して部屋を明け渡す時には、契約前の部屋の状態に戻さなくてはいけません。

しかし、たとえば賃借人が夜逃げをして連絡が取れなくなってしまった場合、家具や他の荷物が置き去りにされているケースもあります。

次の入居者を受け入れるため、荷物の処分・撤去にかかる費用が「残置物撤去費用」です。

価値のある物は競売にかけて滞納家賃の補填に充てますが、ほとんどは処分費用がかかります。

また、残置物があまりにも多ければ、専門業者などに依頼して撤去となります。

こういった一切の費用もまとめて「残置物撤去費用」です。

残置物は通常、連帯保証人が撤去しますが、賃貸人が対処したときに残置物撤去費用が請求されます。

ちなみに、賃借人の夜逃げなどで残置物があるときには、賃貸人の判断で勝手に処分してしまうとのちのちトラブルになることもあるため、注意が必要です。

(参考URL:https://syuei0216.co.jp/0611574/

⑤ 強制執行費用とは

強制執行とは、法的な手段を用いて、国家機関が権利者の権利内容を強制的に実現させる手段のことです。

賃貸借契約では、賃借人に部屋を明け渡させる・残置物の撤去がこれに当たります。

強制執行を行うためには、“残置物撤去費用”の他にもさまざまな費用が必要となります。

訴訟を起こすとき必要となる、裁判所に納める印紙や切手代、強制執行の申立費用、弁護士費用や、催促・解除の内容証明郵便の通信費が挙げられます。

これらの費用がかかった場合、賃貸人からの請求があれば、弁護士費用と内容証明郵便の通信費以外は支払わなければいけません。

また、弁護士費用や通信費に関しても、最初の賃貸借契約書に記載があれば請求可能です。

(参考URL:https://smtrc.jp/toushi/landlord/column/2015_05.html

2-2. 連帯保証人の権利

次に、連帯保証人が“することができる”権利について、解説いたします。

連帯保証人は単なる保証人とちがって、認められていない権利もありますので、保証人と連帯保証人のちがいには注意が必要です。

① 契約解除・賃借人を退去させる権利がない

賃貸人に合意を得ることが、契約解除の唯一の方法です。

どちらか一方の主張だけではできませんので、代わりとなる新たな連帯保証人や保証会社が見つからない限り、非常に難しいと言えます。

ここまで読み進めてくださった方の中には、「連帯保証人が賃貸人を退去させれば解決なのでは?」と考えた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、残念ながらこれは有効ではありません。

なぜなら、「賃貸借契約」は賃借人と賃貸人の間の契約だからです。

この契約を結んでいるのはあくまでも“賃借人”であり、賃借人の承諾なしに賃貸借契約は解除できません。

これは賃貸人側も同じで、「賃借人」と「賃貸人」の合意なければ賃貸借契約は解除できません。

(参考URL:https://j-senryaku.co.jp/rent-arrears2/

(参考URL:https://www.chintai-jimusho.com/blog/%E4%BA%8B%E5%8B%99%E6%89%80%E7%A7%BB%E8%BB%A2/%E9%80%A3%E5%B8%AF%E4%BF%9D%E8%A8%BC%E4%BA%BA%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%A8/

② 賃貸人からの請求を拒否する権利がない

連帯保証人は、単なる“保証人”であれば認められる権利も行使することができないよう、民法上で定められています。

保証人との大きな違いは以下の3点に関わっています。

  • 催告の抗弁権
  • 分別の利益
  • 検索の抗弁権

「催告の抗弁権」とは、賃借人が家賃を滞納して賃貸人から請求がきた場合に「まずは契約者(賃借人)本人に請求してください」などと請求を拒否することができる権利です。

単なる“保証人”の場合はこの権利がありますが、連帯保証人にはありません。

そのため、請求されればその金額を支払わなければいけませんし、たとえ賃借人より先に連帯保証人へ請求がきたとしても、拒否することができません。

「分別の利益」とは、保証人が複数いる場合に、人数で割った分の債務が返済義務で済むということです。

たとえば、債務(家賃滞納)が90万円分あったとします。

単なる“保証人”の場合、3人いれば一人30万円の返済義務があることになります。

しかし、連帯保証人の場合、何人いても分別することはできず、それぞれに全額分の返済義務がありますので、請求された連帯保証人が90万円を支払わなければいけません。

ただし、一度全額支払った後に、他の連帯保証人に人数で割った分の金額を請求することは可能です。

「検索の抗弁権」とは、「賃借人本人が十分に財産を有しており、支払い能力がある」と証明することができれば、財産を差押さえなど賃借人本人へ請求するように求めることができる権利です。

“保証人”にはこの権利がありますが、連帯保証人にはありません。

滞納された家賃の請求が連帯保証人へいった場合、たとえ賃借人本人に支払い能力があったとしても請求を拒否することができず、支払わなければいけません。

(参考URL:https://www.chintai-jimusho.com/blog/%E4%BA%8B%E5%8B%99%E6%89%80%E7%A7%BB%E8%BB%A2/%E9%80%A3%E5%B8%AF%E4%BF%9D%E8%A8%BC%E4%BA%BA%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%A8/

https://j-senryaku.co.jp/rent-arrears2/

2-3. 連帯保証人のリスク

たとえ家族であっても、連帯保証人になるのは非常にリスクが高いです。

以下の3つのリスクがあるからです。

  • 自らの意志だけでは契約を解除できない
  • 契約者(賃借人)本人と同等の責任がある
  • 請求がくれば拒否できず、全額分の返済義務がある

加えて、このほかにも忘れてはいけないリスクがあります。

賃貸借契約が続く限り、連帯保証契約も続く

自らの意思だけでは解除できないということは、契約期間が明確に定められていないということです。

連帯保証契約は、賃貸借契約が続いている限り継続します。

「賃貸の契約期間が2年間だから」と、その期間だけ連帯保証人になるつもりでいても、賃貸借契約が自動更新の場合、契約を解除しない限りは連帯保証契約も自動的に契約期間が延長されます。

また、賃貸借契約が解除されたとしても、賃借人が住み続けていたり荷物が置き去りにされていたりなど、部屋が明け渡されない場合には家賃相当額(賃料相当損害金)が発生し、連帯保証人はこれを支払う義務があります。

(参考URL:https://www.chintai-jimusho.com/blog/%E4%BA%8B%E5%8B%99%E6%89%80%E7%A7%BB%E8%BB%A2/%E9%80%A3%E5%B8%AF%E4%BF%9D%E8%A8%BC%E4%BA%BA%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%A8/

契約当初には、負担の金額がわからない

借金の連帯保証人の場合には、契約を結ぶときに「万が一のとき、どのくらいの金額を保証するのか」が明確にわかります。

しかし賃貸借契約の場合は違います。

「どのくらいの期間住むのか」「どのくらい家賃を滞納してしまうか」は、契約当初は知る由もありません。

また、滞納した家賃に加えて、強制執行費用や残置物撤去費用などが加わる恐れもあります。

そのため、契約当初に考えていたよりはるかに多額の債務を負うことも十分に起こり得るのです。

連帯保証人は、「契約者(賃借人)同等の責任」を負うにも関わらず、「請求に対しての拒否ができない」上に、「最終的に負担すべき金額や期間が不明」、さらには「自分の主張だけで容易に解除できない」という、かなり厳しい立場にあるのです。

(参考URL:https://www.chintai-jimusho.com/blog/%E4%BA%8B%E5%8B%99%E6%89%80%E7%A7%BB%E8%BB%A2/%E9%80%A3%E5%B8%AF%E4%BF%9D%E8%A8%BC%E4%BA%BA%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%A8/

3. 連帯保証人を解除するための具体的な方法

それではこのような連帯保証人を解除するための具体的な方法には、どんなものがあるのでしょうか。

連帯保証人の解除には、以下、二つの方法があります。

  • ①「賃貸人の合意」
  • ②「賃貸借契約の解除」

それぞれ詳しくみていきましょう。

① 賃貸人の合意を得て解除する

連帯保証契約は、双方の合意のもとで結ばれる契約で、解除するためには契約を結んだときと同じく、双方の合意が必要だということを再三にわたってお伝えしてきました。

実際、連帯保証人を解除するためには、唯一、この方法しかありません。

賃貸人と話し合い、「連帯保証人を解除したい」という主張が聞き入れられれば、無事、連帯保証人を辞めることができます。

しかし、そう簡単にはこの主張が聞き入れられることはありません。

賃貸借契約は、賃貸人にとってもリスクのある契約です。

連帯保証人がいることで、賃貸人は安心して賃貸借契約を結ぶことができるのです。

連帯保証人解除の合意を得るためには、新たな連帯保証人か保証会社を用意することが必要不可欠となります。

とはいえ、新たに連帯保証人を見つけることは、現実的ではありません。

“何らかのトラブルがあった、もしくは今後あるかもしれない”相手の連帯保証人になってくれる人なんて、当然見つかるわけがないからです。

したがって、保証会社を見つけて「保証契約」を結ぶのがもっとも現実的な方法と言えます。

保証会社とは

先ほども簡単にご説明しましたが、「保証会社」とは、賃貸借契約の“連帯保証人”を代行してくれる会社で、家賃滞納があった場合などは賃借人の代わりに一時的に家賃を立て替えてくれるサービスを行っています。

立て替えた分は、後ほど契約者(賃借人)に請求されます。

賃貸人にとっては、滞りなく家賃を回収できますし、個人の連帯保証人と比べても督促の連絡などもスムーズだというメリットがあります。(参考URL:https://www.bengo4.com/c_1/c_1798/c_1045/c_1801/b_661969/

保証会社との契約は、通常、実際に物件に住む賃借人が結ぶこととなります。

しかし、すでに家賃滞納などが起こっているなど賃借人に支払い能力がない場合は、結局、「連帯保証人が保証料を支払う羽目になり、それほど状況が変わらない」ということにもなりかねません。

保証料は、会社によってさまざまです。

また、保証会社と契約するためには、審査に通る必要があり、審査基準も会社によってさまざまです。

この基準は明確には公表されていませんが、どういった系統の会社かによって審査の難易度が違うとされています。

そのため、賃借人の経済状況などに応じて保証会社を選ぶとよいでしょう。

また、一つの会社で審査が落ちてしまっても、他の会社ではOKということもありますので、なかなか審査に通らない場合でも諦めずに他の会社をあたってみるようにしましょう。

<信販系の保証会社>

クレジット会社関連の会社が運営している「信販系」の保証会社は、審査の難易度がもっとも高いと言われています。

過去のローンやクレジットカードの履歴といった“信用情報”が審査基準となります。

<LICC系の保証会社>

LICCとは、一般社団法人全国賃貸保証業協会のことです。

(参考URL:http://jpg.or.jp/

LICCの内部で情報が共有されていますので、過去にLICC系の保証会社を利用した方で、家賃滞納など問題があった方は審査に通りにくくなると言われています。

<独立系の保証会社>

クレジット会社関連でも、LICCでもない、独自の基準で審査・サービスを行う会社です。

他の会社との情報共有などがないため、もっとも審査に通りやすいと言われています。

これまでも家賃滞納などをしてしまっていた場合や、審査が通らずなかなか保証会社と契約できないという場合は、独立系の会社をあたってみましょう。

保証会社によって保証範囲はさまざま

審査基準や保証料と同じく、保証範囲も会社によってさまざまです。

家賃滞納についてはどの会社でも保証してくれるものの、その他“更新料”や、退去時に必要となる“原状回復費用”、“残置物撤去費威容”などについては、保証してくれるかどうかは会社次第となります。

また、保証金額の限度や期間が設けられている場合もあります。

基本的には、入居してから退去までの期間が保証期間となっています。

限度額は「家賃の24か月分」が多い傾向にあるようです。

(参考URL:https://j-senryaku.co.jp/rent-arrears2/

② 賃貸借契約を解除して、連帯保証人を解除する

連帯人を解除するもう一つの方法は、「賃貸借契約を解除すること」です。

連帯保証契約は賃貸借契約に付随するものですから、そもそもの賃貸借契約を解除してしまえば連帯保証人を解除できるという考え方です。

賃貸借契約の解除は、「賃借人から解除を申し出る」か「賃貸人から解除する」かの2パターンがあります。

前者の場合、連帯保証人から賃借人と話し合い、賃借人本人に解除を申し出てもらうほかありません。

話し合いで解決するのであればそれに越したことはありませんが、本人と連絡が取れない場合や説得しても聞き入れられないなど、すでに手を尽くした・施しようがないというケースもあるでしょう。

この場合、“賃貸人から契約を解除してもらう”方法を取ることになります。

しかし、賃貸借契約も、連帯保証契約と同じく、契約者双方の合意のもとで結ばれた契約です。

そのため、賃貸人から一方的に契約を解除し、退去させることはできません。

ただし、契約を交わした当事者同士の間で、契約をし続けるのに問題がある場合、その限りではありません。

つまり、“何らかの事情で契約続行が困難になった”という事実があれば、賃貸人から契約を解除することが可能です。

きちんと家賃が支払われないなどといった「信頼関係の破壊」も、今後契約を続けるのに問題がある理由としては十分です。

賃貸人が賃借人に対して“退去を求める”形で契約の解除を申し出ることができます。

訴訟という方法も

それでも、賃借人が部屋を明け渡さない場合、賃貸人は訴訟を起こして契約を解除するということになります。

訴訟を起こすのは、“最後の手段”と言ってよいでしょう。

というのも、訴訟をするには、非常に多くの時間と労力と費用が必要になります。

連帯保証人と賃貸人との協議のうえで訴訟をする場合も、どちらがどのくらいの費用を負担するのかきちんと決めておかなければ、のちのちトラブルを招くことにもなりかねません。

訴訟をする場合、賃貸人側に実害をつくる必要があります。

賃貸借契約は、賃貸人と賃借人双方の合意のもとで交わされる契約で、お互いの信頼関係で成り立っています。

そのため、どちらか一方の都合や主張だけで一方的に解除することはできません。

訴訟を起こして賃貸借契約を解除するためには、明確な理由が必要なのです。

とはいえ、この記事をご覧の連帯保証人の方は、「今現在でも実際に家賃滞納があり、自分が肩代わりしている」という方も多いかもしれません。

ですが、残念ながらその時点では訴訟を起こすことはできません。

なぜなら、「賃貸人側にとっては、実害がないから」です。

賃貸人側にとっては、家賃がきちんと支払われているならば、契約において何ら問題はありません。

連帯保証人が肩代わりすることで、事実上、“家賃滞納が解消されている”状態になるためです。

この状態では、賃貸人と賃借人の間に、信頼関係の破壊があると明示できないのです。

そのため、訴訟を起こす場合は、賃貸人にとっての実質的な実害をつくることが必要になります。

つまり、連帯保証人側もあえて家賃滞納分を支払わず、賃貸人に不利益をつくらなくてはいけません。

訴訟を起こすための“賃貸人への実質的な実害”の目安は、一般的には“3か月分の家賃滞納が必要”とされています。

信頼関係の破壊を示すためには、滞納家賃が1か月だけだと不十分であると判断されるのです。

(参考URL:https://owners-age.com/blog/soudan004

訴訟中の賃料や訴訟費用はどうなるの?

先ほどもお伝えしたように、訴訟をするには非常に多くの時間と労力と費用が必要です。

訴訟から部屋が明け渡される期間としては、家賃支払いの督促や契約解除の通知を内容証明郵便から提訴、口頭弁論、判決まで最低でも3か月必要ですし、賃借人が部屋を明け渡さない場合の強制執行となる場合はさらに日数がかかります。

費用としては、内容証明郵便のほか、裁判所に納める切手・印紙代、強制執行申し立て・執行費用が必要ですし、弁護士を雇って手続きしてもらう場合にはその費用も必要になります。

訴訟は、家賃滞納の“実害”のある「賃貸人」から「賃借人」に対して起こすものですから、本来であれば、訴訟費用は「賃貸人」が負担するということになります。

また、訴訟期間中も、当然新しい入居者を迎えることはできませんので、この期間の家賃収入分は賃貸人が損する形になります。

しかし、「1-2. 連帯保証人の厳しい現実」の項目でもご説明したように、連帯保証人は本来の債務者(契約者・賃借人)と同等の責任・負担をしなければならず、その債務の中には、家賃(賃料)、家賃相当額(賃料相当損害金)、原状回復費用、残置物撤去費、強制執行費用が含まれるのでしたよね。

この、「残置物撤去費用」と「強制執行費用」は訴訟費用の一部ですし、訴訟期間中の家賃に関しても「家賃相当額(賃料相当損害金)」と言うことになります。

また、当初結んだ賃貸借契約書に記載があれば、訴訟のための弁護士費用や内容証明郵便の費用も賃借人・連帯保証人に請求することができます。

つまり、訴訟中の家賃・家賃相当額や訴訟費用は、場合によっては全額連帯保証人側が負担しなければならない可能性があるということです。

これに加えて、訴訟を起こすためにあえて滞納した3か月分の家賃も、きちんと支払う必要があります。

(参考URL:https://saiken-pro.com/columns/23/

(参考URL:https://smtrc.jp/toushi/landlord/column/2015_05.html

訴訟費用の負担についてはあらかじめ相談しておく

訴訟は本来、賃貸人から賃借人に対して起こすものです。

そのため、訴訟費用は賃貸人が負担するのが普通です。

しかし、連帯保証人の都合による訴訟ということになると、賃貸人は連帯保証人に対してこの費用を請求することができます。

と言っても、問題のある入居者との賃貸借契約が継続することは、賃貸人にとってもデメリットが多いです。

今後トラブルが大きくなる可能性もありますし、もし、賃借人・連帯保証人ともに夜逃げなどをしてしまった場合、全額を賃貸人が負担しなければいけません。

賃貸人にとっても、できるだけ早く部屋を明け渡してもらえる方が良いので、場合によっては賃貸人と連帯保証人で訴訟費用を折半するなど折衷案で落ち着くこともあります。

訴訟後のトラブルを避けるためにも、訴訟を起こす時にはあらかじめ賃貸人と話し合い、訴訟費用などの負担額を決めておくようにしましょう。

(参考URL:http://www.townandcitylawoffice.com/010/0092/

4. まとめ

賃貸における連帯保証人は、部屋の借主(賃借人)と同等の責任・債務を負担しなければならず、さらに貸主(賃貸人)から請求があれば、拒否できません。

また、契約当初には、トータルの負担額や期間などがわからないという、非常にリスクの高い立場に立たされてしまいます。

連帯保証契約は、賃貸人と連帯保証人との間で交わされる契約で、合意のもと締結されます。

そのため、お互いの合意がなければ連帯保証人を解除することができません。

賃貸人の「合意」を得ることが、連帯保証人を解除するための唯一の方法となります。

ただし、大元である「賃貸借契約」を解除することで、それに付随する連帯保証契約を解除する方法もあります。

これには、①連帯保証人が賃借人を説得する、②訴訟を起こす、という2パターンがあります。

訴訟を起こす場合、多くの費用は連帯保証人の負担となりますが、部屋が明け渡されることで賃貸人側にもメリットがありますので、賃貸人が部分的に負担してくれることもあります。

のちのちトラブルになる可能性もありますので、費用については訴訟の前にきちんと話し合っておくことにしましょう。

といっても、訴訟は、非常に時間と労力、そして費用がかかります。

あくまでも最終手段として考え、「別の保証人・保証会社を用意して解除の合意を得る」か「賃借人を説得して退去させる」方法を取れるように努めてください。