4LDKのマンションを高く売却するコツ

4LDKのマンションは、広々とした間取りと生活のしやすさから、不動産市場でも人気の物件です。

中古の状態であっても良い価格がつくことが多く、特に家族連れの方などに人気の物件となっています。

しかし、あまりにも条件が良い4LDKの中古マンションの場合には価格が上がりすぎてしまい、逆に敬遠されてしまうようなことも少なくありません。

4LDKのマンションの適正価格を探し、その中でできるだけ高く売却する方法を探ってみましょう。

1. 4LDKマンションの売却例

・郊外4LDKから駅近3LDKへ買い替え

ここでは、郊外の4LDKのマンションに住んでいたとある老夫婦世帯が、高齢で車の運転もできなくなり、駅から徒歩5分のマンションに住み替えた例を見てみましょう。

郊外の4LDKマンションは戸建て住宅と競合するので、なかなか厳しいところもありましたが、なんとか売却に成功しました。

購入したのは、同じマンションの3LDKに住んでいる方でした。

その方は、以前3LDKの部屋を購入したのですが、子供が増えて手狭になったこと、売りに出ていた部屋が最上階だったということで、同じマンションの3階から最上階へ買い替えをしました。

タイミングがあえば、このような例も十分に見受けられます。

売却に成功した老夫婦は、売ったお金に少し資金を追加して、駅に近い4LDKよりも狭い部屋を購入しました。

駅に近くなったことで、車に乗らなくても買い物ができるようになった、と喜んでいらっしゃいました。

2. 4LDKマンションの売却価格はいくら?資産価値の見極め方

4LDKマンションの売却価格は、どのくらいの金額になるのでしょうか?

まずは、売却価格を決めるポイントをいくつか紹介していきます。

・築年数

一番わかりやすいポイントは、ずばり「築年数」です。

築年数は建物が建てられてから何年経ったかということですが、建物は古ければ古いほど安くなっていきます。

余談ですが、建物は古ければ古いほど安くなるというのは世界共通ではなくて、イギリスでは古い家には古いなりの価値が認められて、逆に高くなる場合もあります。

しかし日本の場合は、基本的に「古いほど安い」のです。

古ければその分安くなるので、売却を検討しているのであれば、どうしようか悩んでいるうちにマンションの価格はどんどん下がっていくものと考えた方が良いでしょう。

・構造

4LDKの間取りがあるマンションなら、その構造はほとんどが「鉄筋コンクリート」「鉄骨」「鉄骨鉄筋コンクリート」です。

どれも頑丈な造りなので、どの構造が人気で高くなる、どの構造が不人気で安くなると、いうことはありません。

ただし、鉄筋コンクリートの場合で、部屋の中までコンクリートでできた柱や梁が入っている場合は、リフォームのときに邪魔になり、自由に作業ができません。

鉄筋コンクリートのマンションでそういった造りになっている場合、リフォームを検討している人に人気がなくなり、少し安くなる可能性があります。

4LDKの場合は、部屋の数が多すぎるため、2つの部屋をつなげて広くしたいという要望もあります。

購入者の選択肢を広げて、購入希望者を多くすることが高く売却する秘訣です。

部屋の改装ができないことで購入希望者が減ることもあるので、そういった意味ではマンションの構造は重要です。

・部屋の広さ

同じ4LDKでも部屋の広さによって価格は変わります。

もちろん広ければ高く、狭ければ安くなります。

基準となるのは「専有面積」です。

専有面積とは、購入した部屋の合計面積のことで、購入者が利用できる空間の広さを表します。

・建物内の部屋の位置

マンションは部屋の高さ、位置によって価格が決まります。

低ければ低いほど安く、高ければ高いほど高く、窓が多く取れる角部屋の方が、窓が少ない中部屋より高いものです。

ですが、角部屋よりも安い中部屋は外の気温の影響を受けにくいので、夏は涼しく、冬は暖かいという特徴もあります。

また低層階の部屋は安いのですが、エレベーターを使わなくても階段で生活できたり、地震のときにも揺れが少なく、逃げやすいというメリットもあります。

・耐震性

今までもマンションは耐震について対策をしてきましたが、東日本大震災の後は耐震性を売りにするようなマンションも出てきました。

今までは構造を強くしたり、地面に杭を打ち込んだりすることで、耐震性を高めてきました。

最近は建物の基礎の部分に「免震ゴム」と呼ばれるゴムを設置して、地震の揺れを軽減させる方法もあります。

そういった免震マンションは、地震が起こったときにゆっくり揺れることで、建物自体のダメージを少なくし、地震後の補修を減らす効果があり人気です。

部屋の中も激しく揺れるのではなく、ゆっくりと揺れるので、室内の損害も少ないのです。

ただし、ゴムの上に建物が乗っているので、震度の小さい地震でも揺れやすいというデメリットもあります。

現在マンションを購入する人は、耐震性についてかなり気を使っています。

ちゃんとマンションがアピールできる耐震性を持っているかというのは、価格を決める上で重要になってきます。

・立地

マンションの立地は、「立地が命」と言われるほど大切で、価格に影響するポイントは大きいものです。

一番人気なのはやはり駅近です。

駅に近くなるほど便利なので、値段も高くなりますし、逆に駅から遠くて、駅までバスを使うような場所は安くなります。

地方には、駅からかなり離れたところにも普通にマンションが建っていますが、今後そういう物件は資産価値の下落を免れないでしょう。

なぜ駅から遠いマンションの価格が下落するのかというと、「戸建てと競合する」からです。

例えば土地が余っていて、戸建てが建てられるような環境では、そこに家を買いたいと思った人にとって、戸建てかマンションか自由に選べるため、申し分ない土地と言えるでしょう。

しかし、駅に近くて便利なところは、必然的に空いた土地が少なくなります。

すると結局、駅近のマンションしか購入者の選択肢がありません。

もしも空いた土地があったとしても、売値が高額になり、とても手がつけられる価格ではなくなってしまうでしょう。

マンションは駅に近いからこそ意味があります。

駅から遠いマンションに住んでいる場合は、価格の下落を考えて、早めに売却した方が良いでしょう。

特に4LDKという間取りは、戸建てと直接競合します。

駅に近くて4LDKなら珍しい物件となりますが、駅から遠い場所であれば、購入者は4LDKの戸建てと比べてしまうでしょう。

4LDKを買う方は、家族の人数が多いケースがほとんどです。

ただし、子供が大勢いる場合は騒音が気になるので、戸建てが買えるエリアでわざわざマンションを買う人は少ないでしょう。

・共有設備

マンションが戸建てと違うところのひとつに、共有設備があります。

豪華なマンションなら、マンション内にプールやフィットネスジム、シアタールーム、パーティールームなどがあって、受付にはコンシェルジュがいたりします。

子育て世帯が多いマンションでは、子供の室内遊び場があったり、集会場があったりします。

また最近では、入居者の家族や友人が泊まることができる「ゲストルーム」を完備しているマンションも多く見られます。

マンションの共有設備は面積の関係もあって、後から増やすのはかなり大変です。

購入する方にとっても便利な共有設備は魅力的です。

とはいえ、豪華すぎる設備は維持費にお金がかかります。

日常的に使える子供の遊び場やゲストルームがついているマンションは、子育て世帯に人気があり、価格も下がりづらくなっています。

・内装設備

マンションの価値を決めるのは、ほとんどが自分ではどうにもできない「外的要因」ですが、自分で価値を上げることができるのが「内装設備」です。

古いマンションをそのまま売りに出すと、見た目が悪いためか、安くなりがちです。

そういったマンションは、キッチンやトイレ、お風呂などの水回りを入れ替えたり、壁紙やフローリングを張り替えたりすることで、きれいになって、売却価格が高くなりやすいのです。

不動産は第一印象が大切なので、部屋に入って古さや汚さが目立つと、購入者は一気に買う気がなくなってしまいます。

しかし、内装をきれいにするだけで、簡単に売却価格を上げることができるほど、内装は重要です。

・周囲の環境

購入者が家を選ぶときには、周辺の環境も重視します。

特に借りるときと違って、購入する場合はもっと重要になります。

マンションや周辺の自治体のゴミ置き場のルールを守れない人が多くて、ゴミが散乱しているようなマンションを買いたいと思う人は少ないでしょう。

またマンションを買いたい子育て世帯が、周りの小学校の生徒がどんどん減っていると聞くと、購入意欲が下がってしまいます。

逆に、新しい駅ができる、大型ショッピングモールができる、などの好条件が出てくれば人気になって、価格が上がりやすくなります。

もしそういうニュースが出てきたら、いわゆる「売り時」と思っていいでしょう。

3. 4LDKマンションの専有面積で売却価格を設定

マンションの売却を不動産会社に依頼すると、売却価格を設定してくれます。

売却価格の設定方法は、簡易的なものなら誰でも簡単にできます。

・同じマンションの売却価格を探す

今はネットでいろいろな情報が出ています。

不動産の売却情報もインターネットで簡単に探せるので、同じマンションで売られている部屋を探しましょう。

1つでも良いのですが、できれば2つあると査定がしやすくなります。

・専有面積で割る

次に、調べた物件の価格を、広告に書かれている専有面積で割ります。

すると、1平方メートルあたりの単価が出ます。

単価が出たら、今度は自分の部屋の専有面積で、その数字をかけます。

あとは、売られている部屋の階数や、角部屋などの特性を考えて微調整をします。

細かく計算すると大変ですが、このような感じでざっくりと自分の部屋の金額を査定することができます。

自分でいくらくらいか把握しておくと、不動産屋さんとの交渉のときに目安になるので、相手の言いなりにならずに済みます。

4. 4LDKマンションの需要がある世代や世帯に売却する

4LDKマンションの需要がある世代や世帯を考えてみましょう。

・シェアハウス運営者

近年、1つの物件に数人でシェアして住む「シェアハウス」が人気です。

マンションは、戸建てに比べて共有で使えるフィットネスジムやシアタールームがあるので、シェアハウスにも人気でしょう。

規約で禁止されている場合もありますが、シェアハウス運営には4LDKは魅力です。

・子育て世帯

部屋数を必要とするのは、やはり子育て世帯です。

子供が大きくなったら、子供部屋を作ってあげたいのが親心ですね。

4LDKなら4人家族でも、5人家族でも対応できます。

4人家族の場合は、両親の寝室、子供部屋2つ、で3部屋あれば足りるので、3LDKでも良いでしょうが、5人家族の場合は4LDKが欲しいでしょう。

・介護が必要な場合

親が高齢で介護が必要となった場合、親と一緒に住むことを考えないといけませんね。

そうなると、親のために部屋が1つ必要になります。

戸建ての2世帯住宅も良いのですが、2世帯住宅は広くて作るときにお金がかかる割に、購入者が限られるので、高く売却できません。

そのため、資産価値としては低いのです。

2世帯住宅が嫌いな方で介護が必要な家族には、4LDKマンションがおすすめです。

部屋数にゆとりがありますし、マンションは基本的にバリアフリーなので、車椅子になっても生活が楽です。

マンションは立地の良い場所にあるので、買い物などの生活利便性も高いでしょう。

介護が終わって部屋が余った場合でも、リフォームして、リビングや部屋を広く使えたりして便利です。

・自宅で仕事をする

最近は自宅で仕事をする人が増えています。

自宅で仕事をするには、専用の部屋がある方が良いですね。

4LDKなら部屋に余裕があるので、子供部屋も作れて、仕事専用の部屋も作れます。

商品販売の仕事の場合は、在庫を置いておく倉庫も作ることができます。

自宅で習い事などの教室ビジネスをする場合も、4LDKは便利です。

一部屋潰して広いリビングにすることもできますし、部屋をつなげて教室をつくることもできますし、使い方の幅が広がります。

5. 4LDKマンションを売却するコツまとめ

4LDKのマンションを売却するコツをまとめると、以下のようになります。

・内装設備が古いモノは事前に交換

・汚れたり破れたりしている壁紙は張替え

・事前に自分で売却価格を把握

・立地が悪い場合は、早めに売却

現在、マンションの間取りは3LDKのものが多いので、4LDKは希少価値があります。

面積が広いので、それだけ売却金額が高額になってしまうため、購入できるお客さんは少なく、売却完了までに時間がかかります。

しかし、人気自体は3LDKよりある場合が多いので、必ず買ってくれる人が現れるのを信じ、あせらずに待ちましょう。