4LDKの戸建て住宅では、将来のことも考えて、早い段階から親と同居を始める人が増えています。
でも実際に親と同居となれば、メリットだけでなくデメリットもあります。
年代の違う親との同居では、ライフスタイルや考え方の違いなどもあり、いざ同居を始めてみると「考えていた暮らし方と違う」と後悔する人もいます。
そこで今回は、4LDK戸建て住宅で親と同居するときのメリット、デメリットを紹介します。
お互いが快適に暮らせる部屋の使い方のポイントや注意点なども、あわせて紹介していきます。
このページでわかること
1. 4LDKに親と同居は可能?
4LDKは、ダイニングキッチンに4つのお部屋がある間取りです。
親子2世代の生活であれば十分な間取りですが、子育て世代とその親世代の3世代同居となれば、色々と生活の面でも問題が出てきます。
とはいえ、きちんと同居する上でのポイントを押さえていれば、親との同居は可能です。
1-1. 水回りは各世帯で独立させておく
キッチン・トイレ・お風呂などの水回りは、親世帯と子供世帯のそれぞれに独立させておくことがポイントです。
年代が違えば、生活リズムや食の好みも大きく違います。
いくらお互いに努力をしたとしても、これらに関してはすでに習慣となっていることも多いので、同居をきっかけに考え方を変える、ということは難しいでしょう。
ですから多少お金がかかったとしても、水回りは各世代で独立しておくようにするのが、親と同居をする上での大事なポイントになります。
1-2. いきなり同居は長続きしない
「いずれ親と同居する」ということがあらかじめ決まっているのであれば、金銭的なことを考えると「一日も早く同居したほうがいい」と思うのも当然です。
でも、これは同居で失敗する典型的なパターンです。
お互いの生活リズムや価値観の違いを理解するためには、「いざとなったときに逃げることができる場所」を確保しておくことが大事です。
でもいきなり同居となると、家の中で家族間トラブルが起きた場合に、一時避難する場所がなくなってしまいます。
しかも専業主婦ともなれば、家の中が生活すべての拠点になるので、そこから離れてストレスを発散することが難しくなります。
そうなると最終的に「別居だ!」「離婚だ!」となることもよくあります。
このように最悪の事態にならないためにも、まずは実家の近くでプレ同居を始めてみましょう。
お互いに徒歩で行き来することができる距離であれば、それぞれの生活リズムや価値観なども、日々の交流を通して見えてきます。
こうして少しずつ距離を近づけてから同居をすれば、家族同士がトラブルを起こすということも極力避けることができます。
2. 4LDKに親と同居するメリット
2-1. 家にかかる費用を親が負担してくれる
親にとって、子供世代との同居はうれしいものです。
老夫婦二人だけでは会話も少なくなりますが、そこに若い家族が加わるのですから、毎日の生活にもハリが出てきます。
そんなうれしい未来が待っているのですから、「子供たちに負担のかかる家の費用は親が持つ」という人が圧倒的に多いのです。
子供の教育費など、将来のお金をできるだけためておきたいと考える子育て中の子供世代にとっては、親からの金銭的な援助は大きなメリットです。
2-2. 子育てを手伝ってくれる
子供世代が子育て真っ最中で共働きだとすれば、仕事・家事・育児を完璧にこなす、ということはとても難しいことです。
特に、育児に関しては悩みも多いはずです。
都市部になれば保育園の待機児童問題も深刻ですし、子供ですから急な発熱や体調の変化も度々起こります。
そのたびに、保護者は保育園や学校からの呼び出しがあります。
でもフルタイムで共働きをしていると、こうした呼び出しのたびに仕事を早退するのはなかなか難しいものです。
ですが、こうした場合でも親と同居していれば、いざとなったときに頼みやすいというメリットがあります。
つまり同居中の親の存在は、共働き夫婦にとって心強いサポーター役でもあるのです。
3. 4LDKに親と同居するデメリット
3-1. 嫁姑問題は避けて通れない
別々に暮らしているときには良好な嫁姑の関係も、いざ同居となれば、様々なトラブルが起こります。
同居後に起こる嫁姑問題で最も大きな問題は「水回りの共有」です。
特に家を任されている女性にとって、最もプライベートな空間になるのが「キッチン」なので、この場所が嫁と姑の対立の場になってしまうのです。
何しろキッチンは生活の要である「食」とつながっているため、年代によって異なる食事の好みがバトルの中心になっていきます。
別々に暮らしているときには「相手に合わせよう」という気持ちがお互いに生まれますが、毎日のことになれば話は別です。
もちろん、親との同居は食事だけがトラブルの元とは限りません。
価値観の違いが大きいのですから、生活をする上では様々な考え方の違いが出てきます。
こうした様々な違いに対するストレスが、「キッチン」に関する不満をきっかけに一気に爆発し、そのまま一気に嫁姑戦争に…。
しかもキッチンは、家の中で唯一女性が権限を持っている場所なので、一度始まった嫁姑バトルが円満に解決することはほとんどありません。
3-2. 「お金を出す代わりに口も出す」が親の立場
同居にまつわる様々なトラブルを未然に防ぐために、2世帯型住居にリフォームするケースが増えています。
でもこの時に、リフォーム代やリフォームに伴う仮住居費用などは、決して簡単に出せる金額ではありません。
だからといって、この時にすべて親に負担してもらうと、後で大変なことになります。
なにしろ親がお金を出すということは、同居後のお金の使い方や暮らし方にも、親が口を出すということになります。
すでに子育てを終えた親世代と、子育て真っ最中の子供世代では、いくら親子であっても金銭感覚に違いがあります。
子供世代からすれば、「家のお金と子供の教育に関するお金は別のもの」と考えるのでしょうが、親世代から見れば、「家のお金も子供の教育に関するお金も同じ」と考えます。
つまり「親世代が、子供世代の子育てについても口出しをしてくることがある」ということです。
このことをきちんと理解せずに親の提案に乗ってしまうと、必ず後から後悔します。
3-3. 夫側の親との同居のほうがトラブルは多い
そもそも嫁姑問題が起こりにくい妻側の親との同居は、比較的トラブルが起こりにくいようです。
ただし夫側の親との同居となると、なかなかうまくいきません。
仕事で家を空ける時間が長い男性に対して、女性は家で過ごす時間の方が長い傾向にあります。
つまり、家の中は女性の力が強いわけです。
でも2世帯同居となれば、家の中に2人の女性がいるわけですから、それぞれの主張が事あるごとにぶつかってしまいます。
それだけに「夫側の親との同居はデメリットしかない」という意見もあります。
4. 4LDKに親と同居する場合の間取りや部屋の使い方
4-1. まずは二世帯住宅にリフォームしよう
親との同居では、どんなに仲が良くても必ずトラブルが起こります。
少しでもトラブルのもとを断つためにも、同居の前に二世帯住宅にリフォームをしておきましょう。
特に水回りは、フロアごとに別々で設置します。
水回りが世帯ごとに分離していることで、それぞれの価値観を尊重し合いながら同居することができるようになります。
4-2. 1階は親世帯、2階は子供世帯がベスト
一日の大半を家で過ごすのは親世帯のほうですから、親世帯のほうが1階フロアを占有するのが理想です。
ただし共有スペースは1階に置いておくのが、3世代同居のポイントです。
広いLDKにメインルームを1室とすれば、家の中での動線もコンパクトにまとまりますし、子供家族と一緒にくつろぎの時間を過ごすこともできます。
また将来、介護が必要になったときのことも考えれば、親世帯が1階を利用するほうが機能性としても優れています。
4-3. 2階は子供部屋を中心にしたコンパクトな作りに
子供世帯の間取りは、子供部屋を中心にしたコンパクトな作りにするのがおすすめです。
夫婦のメインルームを1室確保し、残りの2部屋は子供部屋にすれば、機能的かつ効率の良い間取りになります。
もちろん水回りは、親世代とは独立させておくのがポイントですが、メインが1階となるので、こちらはあえてコンパクトにまとめておくのがよいでしょう。
さらに、子供世帯の生活フロアの水回りをあえてコンパクトにすることによって、親世代への配慮をアピールすることもできます。
つまり「一応独立させておくけれども、メインはあくまでも1階にありますよ」ということを目に見える形でアピールすることができるのです。
ちょっとしたことではありますが、こうした細かい配慮も親世代との同居では大事なことなのです。
5. 4LDKに親と同居する場合の注意点まとめ
4LDKの戸建て住宅で親と同居をする場合は、「家の費用をどこまで負担するのか」と「水回りをどうするのか」が大きなポイントです。
リフォームをせずに現状のまま同居をする、という選択肢もありますが、やはり2つの世代がお互いにストレスを感じることなく同居をするのであれば、リフォームは必須です。
せっかく同居をするのですから、お互いに気持ちよく一つ屋根の下で暮らせるように、時間をかけて準備をしていきましょう。




