広いリビングダイニングに居室が4つある4LDKは、住む人の人数や家族構成によっていろいろな暮らし方が出来る間取りです。
でも4LDKで理想の暮らしを手に入れるためには、4つの居室とLDKを上手く使い分けるための部屋割りにポイントがあります。
今回は4LDKで住む人の人数や家族構成別におすすめの部屋割りを紹介していきます。
このページでわかること
1. 4LDKの部屋割りと使い方【一人暮らしの場合】
4LDKで一人暮らしの場合、まず物件選びの時点で「リビングダイニングが広い物件」を探すのがポイントです。
4LDKの場合、LDKの広さは15.47㎡(10畳)以上あります。1人暮らしの場合は家で過ごす時間の多くをリビングダイニングで過ごすので、リビングダイニングで広さを実感できることが快適さを感じるポイントになります。
そしてもう一つのポイントは「4つの居室がコンパクトであること」です。
広いリビングダイニングがありますので、それぞれの居室は用途によって使い分けるのが理想的です。風通しの良い部屋を寝室に、もう一つの部屋は趣味などをする時の作業部屋にします。
ここからが一人暮らし用の部屋割りのポイントです。
4LDKといっても専有面積には違いがあります。
もちろん専有面積が広ければ、その分価格も上がります。ただし4LDKで70㎡未満となれば価格は3LDKとほぼ同じです。
でも専有面積が狭いということは「収納スペースが少ない」ということです。
ですから4つある居室のうちの1室は「巨大収納スペースとして使う」がおすすめなのです。
あらかじめ収納のための部屋として割り振っておけば、あとから収納家具を買い足す必要もありません。
また1室まるごと収納スペースなので、かさばるシーズン用品なども一括で収納できます。
これならいつ友人が遊びに来ても部屋の中はスッキリしているのでいつでも安心して招待できます。
もちろん収納ルームに荷物が収まらなくなったら物を整理・処分するタイミングだとわかるので、必要以上に物が増えすぎなくなります。
2. 4LDKの部屋割りと使い方【二人暮らし・同棲の場合】
・友人との二人暮らしの場合(ルームシェア)
友人と二人でルームシェアをする場合は、1人暮らしの時と同じようにLDKが広い物件を探すのがおすすめです。
ルームシェアでのLDKは、二人の共有スペースでもあるだけでなくリビングとしての役割も大きいです。
二人の共通の友人を家に招待するときやそれぞれの家族が遊びに来た時にも、広いLDKがあればダイニングスペースとしても使えますし仮眠スペースとしても使うことが出来ます。
ちなみに友人との二人暮らしの場合の部屋割りのポイントは「お互いの寝室を隣合わせで配置しないこと」です。
いくら仲の良い友人だったとしても、寝る時くらいはお互いにプライベートを確保したいですよね?
でも部屋が隣合わせだと壁越しに部屋の音が漏れてしまいます。
これではせっかく個室があってもプライベートは守れません。
プライベートな時間は確保しつつ程よい距離感で友人と二人暮らしをするのであれば、お互いの寝室(プライベートルーム)は廊下を挟んで配置するのがおすすめです。
廊下を挟んでいるので、お互いの部屋のドアを閉めればそれぞれの部屋の音が気にならなくなります。
・同棲カップルの場合
同棲カップルの場合「寝室は一緒でいいよね?」となりがちですが、寝室は一緒でも個室はそれぞれ確保しておくのがおすすめです。
同棲の場合、お互いの家族が突然家に遊びに来ることもあります。
もちろんお互いの家族が二人の同棲に賛成しているのであればよいのですが、「実は家族の一人に反対されている」という場合はちょっと厄介です。
この場合、ある日突然反対している方の家族が同棲中の家にやってきてどんな風に暮らしているのかチェックしたりします。
ここで寝室が一緒になっているのを見つけると「結婚もしていないのに!」とさらに反発されてしまうことも…。
さすがに同棲するほどの関係ですからそこまで古典的な反対のされ方はないとは思いますが、やはりけじめを気にするのであれば形だけでも「寝室は別々にしていますよ!」とアピールしておくのがポイントです。
もちろんそれぞれの個室を準備することにはもう一つの意味があります。
同棲中の彼・彼女とも時にはケンカをすることがあるはずです。
でも部屋のすべてが二人の共有スペースになっていると、一人になれる場所がありません。
ケンカの内容にもよりますが、ほとんどの場合お互いに少し距離を開けて冷静になってみると仲直りできるものばかりです。
そのためにもお互いに安心して一人になれる場所を確保しておくのはおすすめですよ。
・新婚さんの二人暮らしの場合
新婚さんの二人暮らしの場合は、「いつかは子供が欲しいな」という想いもあるはずです。
将来子育てをすることを考えているのであれば、子育て環境の良い場所で物件探しをするのがポイントです。
もちろん子育てに良い環境については、夫婦によってそれぞれ考え方に違うはずです。
でも子供が大きくなったら共働きをするということも考えれば、「買い物に便利」「治安が良い」「子供が通える病院が近くにある」の3つは条件の中に入れておくのがおすすめです。
例えば車を持たない暮らしをするのであれば、最寄りの駅周辺にスーパーやドラッグストアなどがあることは絶対条件に入れておきましょう。
また奥さんや子供だけで夜に歩いても安心できる環境(治安が良い)も整えておくべきです。
最後は「子供が通える病院」です。
子供が出来ると何かと病院のお世話になります。
小児科だけでなく歯医者や耳鼻科、皮膚科なども比較的よく利用します。
でも小さな子供の場合はちょっとした体の変化が出た時にすぐに対応すれば、症状も軽くて済みます。
ですから子供の体調の変化に気が付いた時、すぐに診てくれるかかりつけの病院が家の近くにあるととても便利です。
ただこれはあくまでも子供が生まれてからの話です。
子供が出来るまでは、夫婦二人きりの時間を思いっきり満喫するのが一番です。
そのためにも4つある居室の中で最も広い部屋を二人の寝室にします。
残りの2室は夫婦それぞれのプライベートルームにします。特にそれぞれのプライベートルームが必要ないのであれば1室は趣味や作業のための部屋にし、もう1室は収納用の部屋にしましょう。
こうすれば子供が生まれて子供部屋が必要になった時も、作業部屋と収納部屋を子供部屋にすればよいだけなので部屋割りを大きく変える必要がありません。
3. 4LDKの部屋割りと使い方【3人家族の場合】
・子供1人の3人家族の場合
子供1人の3人家族の場合、子供部屋をどの位置に置くのかが一番悩むところですよね?
もちろん子供が小さいときには子供部屋をあえて作らないという人の方が多いです。
でも子供が小さいうちから子供部屋を作り、自立心を養うという子育て方法もあります。
このように子供が小さいうちに子供部屋を作る場合は、リビングダイニングに面した部屋を子供部屋にするのがおすすめです。
リビングダイニングに面しているということは部屋の出入り口がリビングダイニングにつながっているので、台所やリビングにいながら子供の様子をチェックすることが出来ます。
また子供が友達を家に連れてくる場合も、リビングにいながら子供部屋の様子をチェックすることが出来ます。
ただこの部屋割りは子供が小学生の間までと考えておきましょう。
子供も中学生になると自宅での自主学習時間が長くなります。
特に受験を控える年齢になると、勉強に集中できる環境を整えてあげることも大事になります。
ですから子供との3人家族の場合は「子供の成長に合わせて部屋割りを変える」がおすすめです。
暮らし方は家族の生活リズムの変化に応じて柔軟に変えていくことが、4LDKを家族3人で快適に過ごすためのポイントです。
・夫婦2人に介護が必要な親が同居する3人家族の場合
子育てが終わった夫婦に介護が必要になった親が同居する3人家族の場合、介護を必要とするレベルによって部屋割りを変えるのがポイントです。
日常生活の中で介護をほとんど必要としない場合は、リビングを通らずに玄関、トイレ、お風呂に行くことが出来る部屋に親の個室を配置するのがポイントです。
わざわざリビングを通らなければトイレやお風呂に行くこともできないとなると、家族に気を使って部屋から出てこなくなる可能性もあります。
また友達を部屋に招待するにしても、共有スペースであるリビングを通らなければ出入りが出来ないため気兼ねして家に連れてくるのを遠慮してしまいます。
これに対して日常生活のほとんどに介護が必要な場合は、リビングルームに面した部屋を親の個室にするのがポイントです。程よい距離感を保ちつつも何か異常があった時にすぐに対応が出来るようにするためには、共有スペースのすぐそばに親の個室がある方が何かと便利です。
ただし日常生活において介護が必要となれば、介護ベッドのほかにも廊下や玄関に手すりを付けたり浴槽やトイレのリフォームなどが必要になります。
大掛かりなリフォームが必要な場合は、介護がしやすい部屋に住み替えるということも検討してみましょう。
4. 4LDKの部屋割りと使い方【4人家族の場合】
子供2人の4人家族の場合、「子供部屋をどのタイミングで作るのか」が部屋割りのポイントになります。
子供部屋は「小学校入学のタイミングで作る」が多いのですが、小学校低学年で子供部屋を作っても実際にはほとんど使いません。
ほとんどの場合、小学生の間はリビングのダイニングテーブルを学習机代わりにしていることが多いので「あえて小学生の間は作らない」という人も多いです。
このように子供が小学生の間は子供部屋を作らないのであれば、ひと時の間「ご主人の仕事部屋」を作ってみるのはいかがでしょうか?
これは子供にもいい影響を与えます。
部屋が4つもあれば「僕(私)のお部屋が欲しい」と必ず言い出します。
その時にご主人の仕事部屋を見せて、「あなたが○○才になったらお父さんの仕事部屋を子供部屋にしてあげるよ」といっておけばよいのです。
これなら子供も「○○才になったら自分の部屋がもらえる」と納得できますし、ご主人も仕事部屋があることで家に持ち帰った仕事に集中する環境が出来ます。
ちなみに子供が小さいうちは寝室を大人と子供で分けるのではなく、「母親+子供」と「父親」の2つに分ける方法もあります。
これなら子供が夜中に急に具合を悪くしたときにもすぐに気が付きますし、子供同士で寝る訓練にもなります。
5. 4LDKの部屋割りと使い方【5人家族の場合】
子供3人の5人家族の場合は、子供の成長に合わせて部屋割りを変えるのがおすすめです。
子供の成長に合わせて部屋割りを変えるためには、和室のある4LDKを選びます。
・子供が小学生までの部屋割り
子供が小学生までの部屋割りは、リビングに面した和室を子供たちと母親の寝室にします。
小学生までの間は、子供たちは家で過ごすほとんどの時間をリビングで過ごします。
こうして子供たちの活動スペースをリビングに集中しておけば、家事をしながらでも子供の様子を見ることもできます。
父親の部屋は仕事部屋兼寝室として広めの部屋を一つ確保しておきます。
ベッドを置く場合は大き目のダブルベッドにしておきます。
こうしておけば子供たちだけで夜眠れるようになったら、夫婦二人の寝室として使います。
そして新たに父親用の仕事部屋を1室作ります。
残りの一室は収納用の部屋として使います。
子供のおもちゃや学用品などはかさばる上に数年間保管しておかなければならないものばかりです。
また洋服のおさがりなどをストックしておくスペースも必要になるので、あえて子供部屋を作らず収納用の部屋として使いましょう。
・中学生になったら子供部屋を作ろう
上の子供が中学生になったら、子供部屋を作ってあげましょう。
中学生になると自宅で勉強する時間も増えますし、部活などが始まると帰宅時間も遅くなります。
少しでもプライベートな時間を確保してあげることもこの年齢の子供には必要です。
このタイミングで残りの2人子供部屋を一気に作りましょう。
それまで夫婦の寝室として使っていた少し広めの部屋を、下の2人の子供部屋にします。
ただしここでは個室として使わせるのではなく「2人で共有して使う部屋」とします。
ここでのポイントは「2人にそれぞれの専用スペースを作ってあげること」です。
スペースをとらずに一人ひとりのプライベートスペースを作るのに便利なのが2段ベッドです。
ちなみにこの段階で2人分の学習机を準備する必要はありません。
小学生の間は自分の部屋で勉強をするということはなかなか難しいです。
親が見守りながら勉強を進めていくようにするのが理想的なので、学習机は置かずにダイニングテーブルを代用させます。
・子供3人が受験を迎える年齢になったらそれぞれの個室を作ろう
子供が3人とも受験を迎える年齢になったら、一人ずつの個室を準備します。
そのためにもこのタイミングで夫婦のプライベートルームは、リビングに面した和室に変えます。
そして寝る時にはベッドではなく布団を使うようにします。
こうすれば夜は寝室になりますが、昼間はリビングダイニングとして広く使うことが出来るようになります。
4室ある居室のうち3室は子供部屋となりますが、共有スペースであるダイニングルームの隣が夫婦のプライベートルームなので子供たちの生活リズムに変化があった場合もその様子をすぐに察することが出来ます。
また大学進学や就職など人生の節目を迎える年ごろになると、それまでとは違い身近な大人のアドバイスを子供の方から求めてくるシーンも出てきます。
このようなときのためにも「この場所に来れば親に相談が出来る」というスペースをあらかじめ作っておくことはとても大事なことです。
6. 4LDKの部屋割りと使い方【6人家族の場合】
子供4人の6人家族の場合は、「広い共有スペース」と「子供部屋」の使い分けがポイントになります。
・優先すべきは居室の広さではなくLDKの広さ
6人家族の場合、子ども一人ずつに子供部屋を作るということは間取りの関係上ほぼ不可能です。
でも6人家族で4LDKは暮らせないということではありません。
あえて個室を作らなくても良い位広い共有スペースがあればよいのです。
そもそも4LDKのリビングダイニングの広さは15.47㎡(10畳)以上となっています。
専有面積が広くなればその分価格も高くなりますが、価格相場の安い地域であれば80㎡以上の4LDKが都心の3LDKと同じくらいの価格で手に入ります。
こうした穴場情報などを駆使して専有面積が80~90㎡で30.98㎡(20畳)のリビングダイニングを手に入れましょう。
この際それぞれの居室の広さはそれほど問題にしません。
居室はあくまでも子供が大きくなったときの寝室になればよいだけなので、勉強などをする場所は全て広いLDKにまとめてしまいます。
・「お父さんの部屋」を作ろう
子供が小さいうちから「お父さんの部屋」を作っておきましょう。
場所はリビングダイニングから最も遠い場所または4つある居室の中で最も静かな部屋を選びます。
これは将来一番上の子供が受験を迎える年ごろになった時のための子供部屋となります。
・和室があるなら基本的に布団を使う
和室がある4LDKなら、子供が小さいうちはみんなまとめて布団で寝かせましょう。
ベッド1人分ずつ置くよりも経済的ですし、朝起きたら布団は押し入れに収納しますので昼は自由に子供たちが部屋を使うことが出来ます。
・4人目の子供部屋は一番上の子供が独立してから!
子供が4人いても、個室を必要とする年齢は重なってはいません。
ですから4人目の子供が個室を必要とする頃には一番上の子供が進学・就職をするタイミングになっています。
ですからあいた子供部屋を4人目の子供部屋にすればよいのです。
7. まとめ
今回は4LDKで暮らす人数や家族構成別に部屋割りモデルを紹介してみましたが、あなたの暮らし方のヒントになったでしょうか?
住む人の人数が増えれば同じ間取り・同じ広さでも暮らし方は変わります。
また子供がいる家庭でも子供の成長によって暮らし方が変わります。
決められた間取り・限られた広さで快適に過ごすためには柔軟に暮らし方を変えていくのがおすすめですよ。




