「光熱費を見直したい!」と感じている人が多いようです。
ある調査によると、見直したい家計支出のトップは光熱費。
携帯電話代や食費以上に気にしている人が多いという結果になっていました。
といっても、光熱費は世帯規模や生活スタイルによって大きく変わる費用。
見直しの仕方も、世帯規模や生活スタイルで、変わってきます。
そこで、この記事では、3LDKという間取りに注目!
平均的な光熱費を確認したうえで、3LDKの光熱費の節約術をご紹介していきます。
(2019年9月13日更新/2018年11月1日公開)
このページでわかること
1. 光熱費とは?
まず、光熱費とはそもそもどういう費用なのか確認しましょう。
光熱費とは、電気代・ガス代などの費用を指します。
光熱費(こうねつひ)
調理・照明、冷暖房のための電気・ガス・石油などの費用。
(大辞林 第三版の解説)
電気代は、エアコン、冷蔵庫、テレビ、洗濯機、照明などを使うときにかかる費用のこと。
ガス代は、ガスコンロやお風呂などを使うときにかかる費用です。
光熱費といった場合、水道代を含まないのが一般的で、水道代を含める場合は「水道光熱費」といったり、「光熱費(水道代含む)」とすることが多いようです。
1-1. 光熱費は見直したい支出No.1
そんな光熱費ですが、多くの人が「減らしたい」と思っています。
KDDIが2016年に発表した調査によると、見直したい家計項目のトップは水道光熱費(82.9%)。
携帯電話料金(76.3%)、食費(76.2%)などをおさえて、ダントツに多くの人が「見直したい」と回答しているんです。
水道光熱費節約に対する関心の高さがうかがえる結果ですね。

(「今、見直したい家計費目トップは「光熱費」2016年「家計に関する調査」を実施」より作成)
ただ、この調査で注目したいのは、水道光熱費を「見直したいが、よくわかない」という回答も多い(37.7%)という点。
携帯電話料金(33.5%)や食費(33.8%)をおさえて、トップになっているんです。
このことから、水道光熱費に疑問はもっているものの、よくわからないという方が多いということがうかがえますね。
1-2. 平均的な光熱費は?
それでは、各家庭の平均的な光熱費はどのくらいなのでしょうか?
そんなときに頼りになるのが「家計調査」です。
「家計調査」は各世帯の収入や支出を調べる調査で、総務省統計局が毎年実施しています。
電気代や水道代といった水道光熱費も調べているんですね。
「家計調査」によると、2018年の水道光熱費(月額)は以下となります。
- 電気代 ・・・9,151円
- ガス代 ・・・4,216円
- 水道代 ・・・4,131円
- その他 ・・・1,179円
- 水道光熱費(合計)・・・1万8,677円
年額ですと、以下となります。
- 電気代 ・・・10万9,812円
- ガス代 ・・・5万0,592円
- 水道代 ・・・ 1万4,148円
- その他 ・・・ 4万9,572円
- 水道光熱費(合計)・・・22万4,124円
| 水道光熱費 | 月額 | 年額 | |
| 電気代 | 9,151円 | 109,812円 | |
| ガス代 | 4,216円 | 50,592円 | |
| 上下水道代 | 4,131円 | 14,148円 | |
| その他の光熱費 | 1,179円 | 49,572円 | |
| 合計 | 18,677円 | 224,124円 |
(総務省統計局「家計調査(2018年)」統計表から作成)
2. 世帯規模別の平均光熱費はいくら?
光熱費は、世帯規模や生活スタイルによって、変わってきます。
家族が増えるほど、増えていくんですね。
総務省「家計調査」では、世帯人員別の水道光熱費も集計しています。
下記が世帯規模別の平均的な水道光熱費(月額)です。
| 電気代 | ガス代 | 水道代 | その他 | 水道光熱費(合計) | |
| 1人暮らし | 5,852円 | 3,104円 | 2,142円 | 749円 | 11,847円 |
| 2人暮らし | 9,559円 | 4,364円 | 4,167円 | 1,517円 | 19,607円 |
| 3人暮らし | 11,024円 | 5,101円 | 5,268円 | 1,441円 | 22,834円 |
| 4人暮らし | 11,719円 | 5,036円 | 5,965円 | 1,044円 | 23,764円 |
| 5人暮らし | 12,846円 | 4,954円 | 6,819円 | 1,132円 | 25,751円 |
(総務省統計局「家計調査(2018年)」「第4表 世帯人員・世帯主の年齢階級別 1世帯当たり1か月間の収入と支出(総世帯)」より作成)
以下では、各項目を少し詳しく見ていきましょう。
2-1. 3人家族の場合
水道光熱費全体
3人で生活を送る場合、平均的な水道光熱費は1ヶ月あたり2万2,834円となっています。
1年で 27万4,008円。大きな金額であることがわかりますね。
以下で内訳を見てみましょう。
電気代
3人暮らしの場合の電気代の1ヵ月平均は1万1,024円。年間で13万2,288円です。
水道光熱費全体は2万2,834円(月額)ですので、水道光熱費の半分は電気代が占めていることになります。
ただ、電気代は、エアコンの影響で、季節によって変動したり、家電のタイプによって変動したりします。
この数値はあくまで平均値ということに気をつけてください。
また、部屋が多くなっていくと、家族それぞれに個室を用意するようになります。
そうなると個々に電気代がかかっていくため、思っていた以上に多くなってしまうこともありえます。
共有スペースを活用して、電気代を抑えていくのがポイントです。
ガス代
3人暮らしのガス代は1ヶ月あたり平均5,101円となっています。年間で6万1,212円です。
料理を作る時やお風呂を沸かす時など、ガスも日常生活では不可欠な存在。
マンションやアパートといった集合住宅より、戸建住宅の方がガス代は高くなる傾向にあると言われています。
水道代
3人暮らしの水道代は1ヶ月あたり平均 5,268円。年間で6万3,216円となっています。
お料理などをする場合に、高額になってしまうこともありますので、家族3人で生活する上では用心すべき光熱費の一つです。
2-2. 4人家族の場合
水道光熱費全体
4人で生活をする場合、平均的な水道光熱費は1ヶ月あたり2万3,764円。年間で28万5,168円となっています。
3人暮らしの場合(2万2,834円)と比べて、1ヶ月当たり900円程度アップしていますね。
電気代
4人暮らしの場合、1ヶ月あたりの電気代の平均額は1万1,719円。年間で14万628円となっています。
4人暮らしでも、電気代は、水道光熱費全体(2万3,764円)の半分程度を占めているということがわかりますね。
電気代は、使用している電化製品や季節によって変化しますが、3人家族の場合(1万1,024円)と比べると、1ヶ月あたり700~800円ほどアップするようです。
注意点としては、引越しなどをして戸建住宅に住むようになると、ライフスタイルが代わり、金額が一気にアップするケースがあることが挙げられます。
ガス代
4人暮らしの場合、1ヶ月あたりの平均ガス代は5,036円となっています。年間で6万432円。
3人暮らしの場合は、1ヶ月あたり平均5,101円でしたから、ガス代はほとんど変わっていないと言えるでしょう。
ただ、ガス代は料理や住環境によって変化するため、高額にならないように注意する必要があります。
水道代
4人暮らしの場合だと、1ヶ月あたりの平均水道代は5,965円。年間7万1,580円となっています。
3人暮らしの場合、1ヶ月あたり5,268円でしたので、月当たり約700円アップということになります。
ただ、水道代は住んでいるエリアによって変わります。
自治体に確認をしながら、料金体系をあらかじめチェックしておくといいでしょう。
また集合住宅より戸建住宅の方が、水道代が高くなる傾向にあります。
2-3. 5人暮らしの場合
水道光熱費全体
5人で生活をする場合、平均的な水道光熱費は1ヶ月あたり2万5,751円。年間で30万9,012円となります。
4人暮らしの場合(2万3,764円)と比べて、1ヶ月あたり2,000円程度増えています。
内訳をみますと、この増加の主要因は、電気代(1,100円増)と水道代(850円増)のようです。
電気代
1ヶ月あたりの電気代は、5人暮らしだと1万2,846円。年間ですと、15万4,152円となっています。
ライフスタイルの変化によって、家庭でスマートフォンやパソコンなど、電気を必要とする家電も増えています。
ですから平均額は、増加傾向にあると言われています。
ガス代
ガス代は5人家族だと、1ヶ月平均で4,954円となっています。年間では5万9,448円です。
使用する人数も増えていくので、高額にならないように注意したいところですね。
戸建住宅かどうか、プロパンガスかどうかなどによって、金額に変動が発生することもあります。
水道代
水道代は5人家族だと平均で1ヶ月あたり6,819円となっています。年間ですと、8万1,828円です。
使用にあたっては、2ヶ月分まとめて請求されるケースが多いため、意識しながら金額をチェックするようにしましょう。
2-4. 2人暮らしの場合
水道光熱費全体
2人で生活をする場合、平均的な水道光熱費は1ヶ月あたり1万9,607円。年間ですと23万5,284円となっています。
5人で生活する場合(2万5,751円)と比べると、1ヶ月あたり6,000円ほども変わってくることになります。
電気代
2人暮らしで1ヶ月あたりの平均的な電気代は9,559円。年間で11万4,708円です。
繰り返し述べていますように、季節によって変動がありますから、節約をしながら金額を抑えていくようにしましょう。
ガス代
2人暮らしのガス代は1ヶ月あたり4,364円となっています。年間5万2,368円となります。
ただ、使用しているガスの種類によって料金が高くなってしまうこともあります。
都市ガスを利用している家庭ならば、割安で利用している人が多いですので、調べてみるのもいいかもしれません。
水道代
2人暮らしの水道代は1ヶ月あたり平均4,167円となっています。1年あたり5万4円です。
基本的に折半している傾向が強く、バランスを取りながら水道代を支払っているようです。
2-5. 1人暮らしの場合
水道光熱費全体
1人暮らしの場合、平均的な水道光熱費は1ヶ月あたり1万1,847円。年間ですと14万2,164円となっています。
2人で生活する場合(1万9,607円)と比べると、1ヶ月あたり8,000円ほど低くなっています。
また、5人で生活している場合(2万5,751円)と比べると、1ヶ月あたり1万4,000円ほど安くなっています。
この変化の主要因はやはり電気代と水道代。いずれも2人暮らしの場合と比べて、半額程度になっています。
電気代
1人暮らしならば電気代は、3,000~4,000円程度となっていますが、部屋の室内灯も使用する数は少ないので、当然ながら数人の家庭よりも割安となっています。
さらに、日中仕事で外出している場合は、平均よりも安くなっていることもあります。
ガス代
ガス代は1人暮らしだと、1ヶ月あたり3,000円前後となっています。
ガスは季節によって変わることもありますが、暖房などが必要な冬場に平均よりも高くなる傾向にあります。
水道代
1ヶ月の1人暮らしでの水道代の相場は、平均で2,000円前後となっています。
外出などの機会が多ければ、水道を利用するタイミングも減るので、金額が抑えられることもあります。
3. 3LDKに住んで光熱費が高いと感じた場合の節約術
3LDKで生活していて、どうしても光熱費が高いと思う時には、さまざまな節約方法があります。
多角的な観点から節約を試みることによって、より光熱費を抑えていくことができます。
3-1. 電気代は契約しているアンペアから見直す
契約アンペアは、電力会社とあらかじめ取り決められたもので、大手電力会社だと数値によって電気料金が変動します。
契約アンペア数が低くなっていると、1回で使える電気量が減ります。
そして電気料金も併せて安くなる仕組みとなっているので、ライフスタイルに合わせて見直していくと節約できますよ。
契約アンペアを低くしても、日常生活で電気を使うタイミングをずらせば、不自由を感じません。
頻繁に使う家電などの利用タイミングを変えることによって、契約アンペア数が低くても快適に過ごすことができます。
3-2. 省エネ機能が付いている家電を選択する
家族が増えた時に、冷蔵庫などの大型家電を中心に省エネ機能が付いている家電を購入すると、節約につながります。
とりわけ冷蔵庫は家族の人数が増えるほど、貯蔵する食材の量も増えますね。
大型にする必要もあるので、より消費電力が上がってしまうこともあります。
3LDKとなると家族で住む機会も多くなりますが、同じ容量の冷蔵庫を比較しても、メーカーによって省エネ率に大きな差が生まれることがあります。
家電量販店などで比較しながら、ベストな省エネ機能がついている家電を選択するようにしましょう。
3-3. お風呂でシャワーを使う際に節水する
シャワーを頻繁に使う時は、節水できるシャワーヘッドに変えるといいでしょう。
節水可能なシャワーヘッドは、通常よりも穴の大きさが小さかったり数が少なくなっているので、使用するお湯の量も減ります。
これで節水となるので、ガス代の節約にもつながります。
3-4. 炊事で水を使う量を検討する
調理をする際、特に水道を利用するのが食器などを洗う時です。
洗い物は家族が増えるほど量も増えるため、水道の使用量も飛躍的に伸びてしまうことがあります。
食器洗い機など特に水道を利用する家電については、節水機能がついている商品を選んでみるといいでしょう。
アダプターなどが販売されているので、節水効果を期待することができます。
4. 平均的な光熱費と3LDKの節約術まとめ
3LDKならば家族で暮らしていることが多く、光熱費も気になってしまうところですね。
しかし3LDKなので電気代やガス代、そして水道代が高くなってしまうのは仕方ない、とすぐに諦めるのは早計です!
色々節約術を考えて、それを実践するようにしましょう。
各電力会社やガス会社などを選ぶだけでなく、提供されているプランもチェックしながら変更すると、得することがあります。
これで節約可能なケースがあるので、使い方や選び方を工夫することで、数千円節約することができるケースもありますよ。
例えば電気代を節約したい時は、一緒に生活している家族の電気を利用しているパターンをチェックしておきましょう。
時間や季節によって光熱費の変化が大きくなるので、特徴を理解しておけば、3LDKの光熱費を大幅に節約することができますよ。




