3LDKといえば、リビングダイニングに居室が3つある間取りです。
「部屋の数×エアコン台数」と考えるのであれば、リビングダイニングも含めて4台設置という計算もできますが、これだと設置費用だけでなく月々の電気代も気になります。
かといって3LDKでエアコンが1台では「理想とする快適な暮らしとかけ離れてしまうのではないか」という不安もあるはずです。
そこで今回は3LDKとエアコンの設置台数に関するお悩みについて徹底解説!
エアコン設置台数の目安や電気料金との関係など、3LDKならではの問題もわかりやすく説明していきます。
このページでわかること
1. 3LDKはエアコン1台でも大丈夫?
3LDKといっても、暮らし方や人数によってもエアコンの使い方には違いがあります。
ですから状況によってもエアコンの設置台数には違いが出てきます。
1-1. 3LDKに1人暮らしの場合は1台でも十分に快適
あまりいらっしゃらないかもしれませんが、3LDKに1人暮らししているのであればエアコンは1台でも十分です。
1人暮らしですから自宅で過ごすメインスペースはリビングダイニングとなるでしょうし、リビングダイニングに近い部屋を寝室にすれば、リビングダイニングにエアコンが1台でも十分快適に過ごすことができます。
1-2. 3LDKに2人暮らしの場合でも工夫次第でエアコン1台で大丈夫
2人暮らしの場合も、2人のメインルームとなるのはリビングダイニングになるはずです。
ですから寝室をリビングダイニングに近い場所に設定すれば、2人暮らしの時と同じように過ごすことがでるでしょう。
ただし2人の個室にそれぞれのベッドを置くのであれば、それぞれの寝室に1つずつエアコンを設置したほうがお互いのプライベートは確保できます。
しかし、ルームシェアをしている場合は話が別で、これに当てはまりません。
お互いの居室に1台ずつ、リビングに1台で合計3台あると快適ですね。
リビングには取り付けず、お互いの部屋を開けて空気の循環をさせれば、間取りによっては可能ですが、部屋を開け放すことが条件ですのでお互いのプライベートをなくすことになるかもしれません。
そして後述の電気代の問題も出てくる可能性もありますので、総合的に考えればルームシェアは3台が良いかもしれません。
1-3. 3LDKにファミリーで暮らす場合も条件が合えば1台でもOK
ファミリー世帯に人気がある3LDKですが、この場合でも条件さえ合えばエアコン1台でも十分快適に暮らすことができます。
条件として挙げられるのが「寒冷地であること」です。
冷房よりも暖房の需要が高い寒冷地であれば、わざわざエアコンを部屋ごとに設置しなくても家族の共有スペースであるLDKに1台設置していれば十分です。
他にも「高台で風通しが良い」「高層フロアで涼しい」などの条件があれば、あえて部屋ごとにエアコンを設置しなくでも夏を快適に過ごすことができます。
日本では数少なく、避暑地と呼ばれる良い気候の地域でないと難しいので少数派でしょう。
1-4. 夏の平均気温が高い地域ではエアコンは部屋数設置が必須
夏の平均気温が高い地域では、夜、エアコンがないと暑さで眠れないという地域もあります。
さらに風通しの悪い部屋の場合は、自然風によって部屋の温度を下げる効果は期待できません。
ここ数年の夏の暑さは命の危険を伴うほどの暑さになってきてしまいました。
寝ている間に脱水症状を起こしてしまうこともありますし、日中部屋で過ごしているだけでも熱中症になってしまう場合もあります。
ですので気温が高い地域に住んでいるのであれば、脱水症状や熱中症のリスクを回避するためにも部屋ごとにエアコンを設置したほうが良いでしょう。
命の危険に関わることになりますので、よく使用する部屋全てにあると安心できるということになります。
2. 3LDKで快適に過ごすために必要なエアコンの台数は?
3LDKの場合、「部屋数=エアコンの設置台数」とは限りません。
設置場所やエアコンのサイズ、間取りによっても必要になるエアコンの台数は変わってきます。
2-1. LDKの広さをチェックしよう
「家族が増えたので1LDKから広い3LDKに引越す」という場合、LDKの広さによっては1LDKの時に使っていたエアコンでは冷房が効きにくいと感じることがあります。
そもそも、LDKの広さは「居室の数」によって変わります。
1LDKの場合、LDKの広さは12.4㎡(8畳)以上、2LDKや3LDKの場合は15.47㎡(10畳)以上となります。
つまり同じLDKでも部屋の数によって広さの範囲が変わります。
2-2. 部屋の使い方によっても必要なエアコン台数は変わる
部屋の使い方は「暮らし方」とも関係があります。
3LDKで暮らすのはファミリー世帯とは限りません。
「かさばる荷物が多い人」「ゆとりのある空間で暮らしたい人」であれば、3LDKに1人で暮らす人もいらっしゃいます。
実際に1人で1LDKに暮らすとなれば、普段使う部屋はリビングダイニングと寝室がメインとなるはずです。
残りの2室は、趣味の部屋として使ったり物置にするなど部屋を使う目的がはっきりしてきます。
とはいえ毎日使う部屋でなければ、わざわざエアコンを設置する必要はありません。
むしろ設置しないほうが、エアコンの掃除やメンテナンスの必要がない分メリットが高くなります。
ですので、必要な台数は1台または2台になります。
3LDKに同居人がいるという場合は、同居人の数だけ家での時間の過ごし方が違ってきます。
しかもファミリー世帯の場合は子供の成長とともに家族の家での過ごし方に変化が出てきます。
特に子供が受験を控える年齢になると、家族で過ごす時間よりも個室で受験勉強に費やす時間のほうが長くなります。
受験生の親ができることといえば「勉強に集中しやすい環境を提供すること」ですから、快適に過ごすことができるようにと子供の行動範囲内にエアコンを設置することを検討する必要があります。
エアコンの設置台数は「家での過ごし方」と深く関係してきます。
つまり「3LDKだから部屋ごとにエアコンを設置しないといけない」のではなく、「家での過ごし方によってエアコンの設置台数は決まる」ということです。
3. 3LDKのエアコン設置台数と電気代の関係
3-1. 部屋の広さによって消費電力には違いがある
エアコンを設置する場合は、部屋の広さに合わせてエアコンサイズを選択することが電気代の節約になります。
その理由は、広さによってエアコンの消費電力が変わってくるからです。
| エアコンサイズ(部屋の広さ) | 消費電力 |
| 6畳(9.29㎡) | 約440W |
| 8畳(12.4㎡) | 約500W |
| 10畳(15.47㎡) | 約560W |
| 12畳(18.58㎡) | 約720W |
| 14畳(21.69㎡) | 約800W |
| 16畳(24.76㎡) | 約1040W |
3-2. 部屋のサイズに合っていないエアコンは電気代が高くなる
エアコンの設置台数が増えれば電気代は高くなります。
でもエアコンの電気代はそれだけが原因で高くなるわけではありません。
実はエアコンのサイズには部屋の広さによって目安が決められています。
部屋の広さよりもエアコンのサイズのほうが大きい場合はそれほど問題ありませんが、エアコンのサイズが小さい場合は機械をフルパワーで稼働させなければ部屋の温度を下げることはできません。
フルパワーで稼働をさせるということはエアコンに負担がかかるということです。
そうなれば消費電力も大きくなりますので、電気代は高くなってしまいます。
特に1台のエアコンで複数の部屋をカバーするのであれば、設置する部屋よりも大きいサイズのエアコンを選ぶ必要があります。
3-3. 消費電力によって電気代は変わってくる
消費電力の違いは電気代にも関係してきます。
消費電力が100Wの場合、1時間あたりの電気料金は2.7円です。
3LDKの居室の広さで最も多い6畳用のエアコンの場合は1時間あたり11.8円、8畳用の場合は1時間あたり13.5円となります。
ちなみにリビングダイニングでは10畳の場合は1時間あたり15.1円、12畳だと19.4円、14畳だと21.6円となります。
3-4. 家で過ごす時間が長い部屋を優先してエアコンを設置する
エアコンの設置台数に悩む場合は、優先順位をつけてみると考えやすくなります。
この時のポイントは「家で過ごす時間が長い場所=優先順位が高い場所」と考えることです。
1人暮らしの場合は寝室で過ごす時間よりもリビングダイニングで過ごす時間のほうが長くなると思います。
その場合はエアコン1台で乗り切ろうと思うのであればLDKに設置するのがおすすめです。
家族で3LDKに暮らす場合は、子供の成長に合わせてエアコンの設置台数を考えてみるのがおすすめです。
子供が小さい時期は、1日の大半をLDKで過ごすので、LDKと寝室に設置するのがおすすめです。
ただし子供は成長すると、家族との時間よりもプライベートな時間を優先するようになります。
特に思春期を迎えるころには受験勉強などもかかってきます。
勉強に集中できる環境にするためにも、居室それぞれにエアコンを設置することが必要になってきます。
4. 3LDKの間取りで気になるエアコンの電気代を節約する方法
4-1. フィルター掃除をこまめに行う
フィルターにほこりが溜まると、エアコン内で冷やされた空気が外にうまく排出できなくなります。
このような状態だとエアコンの効きが悪いと感じるはずですから、風量を上げて室温を下げることになります。
もちろん風量を上げれば消費電力は大きくなりますから、結果として電気代が高くなります。
ちなみにエアコンのフィルターが汚れていると、正常時より15~20%程度エアコンの能力が下がるといわれています。
この違いは電気代と大きく関係しますので、節約を考えるのであればフィルター掃除は欠かせないといえるでしょう。
4-2. LDKにエアコンを設置する場合は換気扇の使い方にも注意が必要
LDKにエアコンを設置する場合は、キッチンの換気扇の使い方にも注意が必要です。
キッチンは調理をするたびに温度の変化が起こる場所です。
もちろん調理によって空気が暖められることも温度変化の原因にはありますが、もう一つの原因として「換気扇の存在」があります。
せっかく冷やされた室内の空気も、換気扇を回しているとそこから外に出て行ってしまいます。
部屋の空気の入れ替えには欠かせない換気扇ですが、必要以上に使うと温度が下がらなくなるため電気料金が上がる原因になります。
4-3. 扇風機を併用する
空気は温度によって重さが変わります。
暖められた空気は軽いため部屋の上部にたまりますが、冷やされた空気は重いため部屋の下部にたまります。
そのため効率よく部屋全体の温度を下げるのであれば、扇風機を併用するのが効果的です。
5. 3LDKにおすすめのエアコンはどれ?
5-1. エアコンカタログの見方
エアコンカタログを見てみると、「10~12畳」など広さの目安が書かれています。
これは「10畳以上12畳未満に適したエアコン」という意味ではありません。
最初の数字は「木造平屋南向きの場合」に適した広さを表しており、次の数字は「鉄筋コンクリート住宅の南向きの場合」に適した広さを表しています。
木造住宅の場合は断熱性が低いため、鉄筋コンクリート住宅よりもエアコンの能力が落ちます。
そのため適正サイズの数値が低くなります。
もちろんこのほかにもエアコンの能力が下がる条件はあります。
窓の広さや窓の向き、建物の断熱性能も関係してきますので、エアコンを選ぶ際には間取りなどをもとに専門家に相談してみるのがおすすめです。
5-2. LDKに設置するエアコンは2ランク上のエアコンを選ぶのがポイント
LDKにエアコンを設置する場合、換気扇やレンジフィルターなどから冷気が外に逃げてしまいます。
そのため部屋のサイズにあったエアコンでは効きが悪いと感じる原因になります。
特に3LDKをエアコン1台でカバーしようと考えているのであれば、十分な容量があるエアコンを選ぶことが大切です。
5-3. 子供部屋に設置するエアコンはスタンダードタイプで十分
子供部屋にエアコンを設置する場合は、一般的な機能がついているエアコンで十分です。
子供部屋のエアコンは、平日の昼間は一切使いません。
またリビングダイニングで過ごす時間もありますから、基本的に寝るとき以外はほとんど使いません。
このように一日中使わない部屋のエアコンは、一般的な機能がついていれば問題ありません。
5-4. 1日中エアコンを使う場所がある場合はフルスペックエアコンがおすすめ
専業主婦や自宅で仕事をしている場合は、1日中エアコンを使うこともあります。
このように常にエアコンを稼働する場所には、フルスペックエアコンを設置するのがおすすめです。
特に省エネレベルが高いエアコンを選ぶと、電気代の節約にもなります。
6. まとめ
3LDKでも、ライフスタイルや家族構成によってエアコンの設置台数は変わります。
もちろん設置台数が増えれば電気料金も上がりますが、賢くエアコンを使えば、「部屋数=エアコン台数」でなくても快適に過ごすことができます。
特に子供がいるファミリー世帯の場合は、子供の成長とともに家族の暮らし方にも変化が出てきます。
暮らし方の変化に合わせてエアコンの設置場所や台数を変えてみるのも、電気代の節約につながる賢い利用方法といえます。




