3DKのハウスクリーニング料金の相場と賃貸退去時のトラブル防止策

賃貸住宅を退去するときには、借りた状態に返すために、ハウスクリーニングをします。

しかしこのハウスクリーニングの金額が予想以上に高かったり、不必要な場所までクリーニングされてその費用がすべて借り主の負担になったりするなど、思いもしないトラブルに発展する可能性があります。

せっかく引越し先が決まって、新居で心機一転するつもりで気持ちよく引っ越しをしようと思っても、クリーニング料金でもめたらせっかくの気分も台無しですよね。

不要なトラブルを避けるために、まずは3DKのハウスクリーニングの相場から見ていきましょう。

1. 3DKのハウスクリーニング料金の相場とは?

3DKのハウスクリーニングの料金は、マンション、アパートなどのワンフロアの物件と一戸建て住宅では、多少変わってきます。

ハウスクリーニングの料金の相場はそれぞれ、

  • アパート、マンション 44,000円〜
  • 一戸建て       55,000円〜

です。

〇〇円からとしたのは、同じ3DKでも広さや設備の状況で作業量が変わってくるからです。

アパート、マンションよりも一戸建ての方が高いのは、階段部分も含めワンフロアの物件よりも作業面積が広くなる場合が多いからです。

作業範囲は、

  • キッチン
  • 換気扇
  • 浴室
  • 洗面所
  • トイレ
  • ガラス、サッシ、網戸
  • フローリングワックス
  • 畳、カーペット
  • 玄関
  • 靴箱
  • 収納内部
  • ドア
  • スイッチプレート
  • 照明
  • 洗濯機置場
  • 玄関、ベランダ、バルコニー

など多岐にわたるため、ある程度の料金が必要になってきます。

部屋が広くなればそれだけ高くなるのがハウスクリーニングですが、特にハウスクリーニングの作業で時間がかかるのが、水回りの設備です。

キッチンやトイレ、お風呂、洗面所などの水回りは、きれいにしておくと部屋全体がきれいに見えますが、逆に汚いと目立つ部分なので、ハウスクリーニング業者としては水回りを重点的にきれいにします。

そのため、3DKよりも狭い1Kの部屋でも、キッチン、トイレ、お風呂、洗面所などの設備の数はあまり変わらないため、ハウスクリーニング料金の相場は32,000円~と料金はそこまで安くなりません。

時期によっても料金が変わるので、注意してください。

3月、4月などの引っ越しシーズンは、引っ越し件数の増加に伴いハウスクリーニング屋さんが忙しくなり、その分高くなります。

逆に引っ越しがないシーズンなら、もしかしたらいつもより安くなるかもしれません。

2. 3DK賃貸退去時に請求されるハウスクリーニング料金の相場は?

先程紹介した料金は、自分で業者に直接頼んで、部屋に荷物がない状態で掃除をしてもらうことを想定したときの金額です。

賃貸住宅を退去するときには、大家か、大家に変わって不動産屋や不動産管理会社が立会をします。

立会時に部屋の汚れや傷みを双方で確認して、その後に立ち会った大家、もしくは大家の代理人の不動産管理会社の人が、壁の修繕やハウスクリーニングの見積もりを取ります。

不動産管理会社の人がとる見積もりは、部屋を次の人に貸せる状態にまで戻すための修繕の見積もりです。

そのため見積もりの内訳を、大家の負担と部屋の借り主の負担とに分けます。

そうしてできた見積もりを借り主に持っていき承諾を得ることができれば、敷金から料金を差し引いて、残った敷金を返還します。

料金が敷金から差し引いても足りなければ、請求がきます。

と、こんな感じで不動産業者が動くため、不動産業者が自分たちの利益を得るために、出てきた部屋の修繕費やハウスクリーニングの料金に自分たちの利益を上乗せすることがあります。

そうなると、さきほどの相場の料金よりも1割~2割ほど、高い場合は3,4割高くなることもあります。

先程の料金を原価だとすると、

・原価

  • アパート、マンション 44,000円〜
  • 一戸建て       55,000円〜

・利益1割上乗せ

  • アパート、マンション 48,400円〜
  • 一戸建て       60,500円〜

・利益2割上乗せ

  • アパート、マンション 52,800円〜
  • 一戸建て       66,000円〜

・利益3割上乗せ

  • アパート、マンション 57,200円〜
  • 一戸建て       71,500円〜

・利益4割上乗せ

  • アパート、マンション 61,600円〜
  • 一戸建て       77,000円〜

利益が乗ってない状態のハウスクリーニング費用も比較的安いところで相場を出しています。

そのため、ハウスクリーニングを請け負う業者が高くなれば、それだけ利益を乗せたあとに高くなります。

たまに退去のときに大家本人が出てきて、利益を乗せないでハウスクリーニングをする場合がありますが、それはラッキーです。

大家本人が出てきた場合でも、利益を上乗せして、ハウスクリーニング業者からキックバックをもらう人もいるので、大家本人だからと言って絶対に安くなるわけではありません。

3. 賃貸退去時によくある金銭トラブルの実例

賃貸の退去時には工事の負担を巡ってトラブルになりやすいです。

特に最近は、借り主もインターネットのおかげで情報が増えたこと、大家側は景気が悪いので取れるところから取りたいという気持ち、借り主も景気が悪いので費用負担したくない、ということで、揉めることも増えています。

金銭トラブルの実例として、

  • 契約書に書いてあるからすべて借り主負担にさせようとする
  • 借り主の責任以外のところも借り主に負担させる

などの場合があります。

ここから個別に説明していきます。

3-1. 契約書に書いてあるからすべて借り主負担にさせようとする

とある大手の賃貸アパート業者が使う手段です。

その手段はまず、入居時に契約書に「ハウスクリーニングは借主負担」「畳の表替えは借り主負担」など、契約者に不利になるような退去時の負担を明記しておきます。

そして、退去のときに「契約書に書いてあるから」と、すべて入居者の負担で工事しようとします。

このケースの場合、実際には退去時のガイドラインが作られているため、契約書に書かれているからと言ってなんでもかんでも借り主の負担にできるわけではありません。

実際に、契約書に書いてある内容で借り主に負担させようとした大家側が、裁判で負けた例もあります。

3-2. 借り主の責任以外のところも借り主に負担させる

壁紙を一部破ってしまったり汚してしまった場合には、その部分だけを変えることはできないので、1面すべて張り替えないといけません。

しかし、1面だけ変えると、古いところが日焼けしていて、新品に変えたところと色が変わってしまいます。

そんな場合でも、「借り主は1面の費用だけで良い」のですが、色が変わるという理由で借り主負担にさせようとする場合があります。

本当は大家側の負担のはずなのに、借り主負担になるとトラブルに発展することがあります。

4. 3DKのハウスクリーニング料金の相場より高額請求された時の対処法

ハウスクリーニングで高額請求されても、そのまま了承してはいけません。

場合によっては安くなることもあるので、そういうときの対処法を紹介します。

4-1. まずはハンコを押さない

高額費用を請求するような管理会社ほど、早くハンコを押させたがります。

そして一度ハンコを押したら、その書面を盾にして料金を請求してきます。

そのため、まずはすぐにハンコを押さないことが大切です。

ハンコを押さないでおかしいなと思ったり疑問があったりしたら、「一度持ち帰って検討します」という形で、その場で結論を出さないようにしましょう。

4-2. 現場の写真を撮っておく

部屋で立会をしている場合なら、現場の写真をとっておくと良いです。

問題点を主張するときに役に立ちますし、相手の不動産業者の人は必ず現場の写真を撮っているので、同じ立場になるためにも自分で撮っておきましょう。

写真を撮っておくことで、のちのち金額の話し合いをするときに自分の主張に自信が持てますし、話が大きくなった場合にも証拠として役に立ちます。

4-3. 消費者生活センターに相談

一番良いのが消費者生活センターに相談することです。

同じ様な質問が多く寄せられているので、トラブルに関する正しい対応を教えてくれます。

4-4. 市町村の無料法律相談

市町村で定期的に行われている無料法律相談を利用するのも良いです。

地元の弁護士などの法律の専門家に相談できるので、もしトラブルが深刻になった場合に、そのままスムーズに依頼できて便利です。

4-5. 相手も実際は早く解決したい

間に不動産会社が入っている場合、実際には不動産会社の人も早く解決したい場合が多いのです。

不動産会社にとって本業は、不動産物件の紹介と仲介であり、そちらの方は利益が多いのです。

本業のついでに不動産管理をしている場合は、なおのこと管理の仕事に時間を取られたくありません。

なるべく退去でのトラブルは避けたいため、最初は強気で高額を請求したとしても、それを相手がつっぱねた場合、すぐに要求を引っ込めることもあります。

高額請求されたら、まずは知識を身に着け、身につけた知識で相手にしっかりと主張することが大切です。

相手も「払ってくれたらいいな」くらいで、言ったもの勝ちだから言っているという場合も多いです。

5. 3DKの相場より安いハウスクリーニング料金の業者にも要注意!

相場より安い場合にも注意が必要です。

トラブルになりそうな場合もあります。

5-1. 後から金額が変わってくる

安い業者でも仕事が適当な人は、注意が必要です。

見積もりを正確にとっていない場合は、後から金額の変更をしてくる場合もあります。

5-2. 作業が雑

安い場合にはいろいろ理由があると思いますが、ハウスクリーニングをする人の能力が低いこともあります。

ハウスクリーニングの仕事を始めたばかりの人を一人で作業に行かせて、作業に見落としがあるなんて場合も。

5-3. かえって部屋が汚れる場合も

ハウスクリーニングで使う薬品をこぼしてしまったり、洗面台に物を落として傷つけてしまったり、能力が低い人が作業をすることで、部屋が余計に汚れてしまう場合もあります。

6. 3DKのハウスクリーニング料金の相場と注意点まとめ

3DKのハウスクリーニング料金の相場と注意点についてまとめると、

  • 料金は部屋の広さで変わる
  • 時期によっても変わる
  • 退去時の書類にはすぐハンコを押さない
  • まずは知識を身につける
  • 言いたいことはしっかりと主張する

という感じです。

ハウスクリーニングは部屋を退去するときに必要ないくつかの費用の中で、一番大きな金額になりやすいです。

そのため、ハウスクリーニング費用についてしっかり知っておくと、3DKの部屋を退去するときに無駄な費用を請求されないようになり、退去費用を節約できます。