
2LDKの間取りはカップル・夫婦などの2人暮らしやルームシェアする若者に人気の間取りです。
2LDKの間取りには、寝室や個人の部屋として使える2部屋+リビング・ダイニング・キッチンが一緒になった広めの空間があります。
リビング・ダイニング・キッチンが1つの空間にあるため、家具や家電のレイアウト次第で部屋全体の印象や使いやすさが大きく変わります。
とくにキッチンは冷蔵庫や食器棚の配置ひとつで使い勝手が大きく変わり、家事の効率に大きく影響します。
では、どのように配置するのが使いやすいキッチンへの近道なのでしょうか?
ここではそんな2LDKのキッチンに多い間取りや配置例をご紹介し、家具・家電配置のポイントを解説しています。キッチンをもっと広く気持ちよく使える空間にしたいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。
1. 2LDKの間取りにおすすめのキッチン配置例
2LDKのキッチンと言っても、広さや間取りは多種多様です。
キッチンとリビング・ダイニングが一緒になっているので全体の間取りとしては広いものの、実際にキッチンとして使えるスペースには限りがあります。
備え付けのキッチンカウンターのデザインと、配置する家具・家電次第ではすぐに手狭になってしまうことも。
ここでは2LDKに多いキッチンの間取りに合わせて、家事動線を考えた効率よく使える配置例を紹介していきます。
キッチンの形状は以下の5パターンに分けられます。
- I型キッチン
- ペニンシュラ型
- L型キッチン
- Ⅱ型キッチン
- アイランドキッチン
この形状ごとに、配置例を紹介していきますね。
①I型キッチンの配置例
I型キッチンは最もオーソドックスで多くの2LDKのキッチンでも見かける形状です。

キッチンカウンターが取る面積が小さめなので、コンパクトな物件で使われることが多いですが、広々としたキッチンでも採用される万能タイプの配置になっています。
スペースをあまり使わずにシンク・コンロ・冷蔵庫を配置できるため、キッチンとして使えるスペースが小さめだったり、広くスペースを使ったりしたい場合にはI型のキッチンの間取りがおすすめです。
家事動線は横一直線で左右に頻繁に動くことになるため、横幅は360cm程度までのサイズを選ぶと使いやすいです。
キッチンが広くカウンタースペースに余裕がある場合は、そこにコーヒーメーカーやトースターなどを置くと忙しい朝の時短ができますし、対面に作業台を置けばアイランドキッチンのように大人数での作業やパーティにも使えます。
アレンジしやすい配置のキッチンと言えるでしょう。
しかし、小さめの物件に多いコンパクトなキッチンの場合は作業スペースが十分に取れず、不便さを感じてしまうことがあります。
料理をたくさんしたい場合は作業スペースが十分に確保できるかの確認もしておきましょう。
②ペニンシュラ型の配置例
ペニンシュラ型とは、やや聞きなれない名称ですが、いわゆる「カウンターキッチン」「対面キッチン」と言われるタイプで、左右のどちらかが壁についている形状のことを言います。(イラストでは、右側が壁に接していますね)

キッチンが壁からせり出しているような形状となり、ペニンシュラ=半島のように見えるためこの名前が付けられています。
ペニンシュラ型キッチンの場合は壁面に冷蔵庫を配置し、対面となるカウンターにシンクとコンロを配置することが多いです。
壁側にあるキッチンカウンターを広く使えるので、ここを収納に使ったり作業スペースとして活用したりできます。
解放感とデザイン性があり、料理の受け渡しがしやすいというメリットがあるので、子どもがいる場合や会話や料理を楽しみながら調理をしたい人におすすめです。
ダイニング側にカウンターが付いているタイプであれば、スツール(背もたれのない腰掛けタイプのイス)を置いてそこでちょっとした食事をとったり、揚げ物をそのまますぐに食べれたりと楽しみ方が多いキッチンです。
しかし、調理中の臭いがリビング・ダイニングまで広まってしまうというデメリットがあります。
コンロ部分に壁や遮蔽物があり、臭いが広まりにくい作りになっているタイプであれば臭いを抑えられるので、ペニンシュラ型キッチンを選ぶ場合は臭いの流れも考慮すると失敗しにくいです。
③L型キッチンの配置例
L型キッチンとは、部屋の角を利用してL字にシンクやコンロを配置しているキッチン形状で、比較的広くキッチンスペースを取れる物件に多い作りです。

キッチンカウンターがすべて壁側にまとまっているので、キッチン内を広く使ったり、作業台を別に置けたりするメリットがあります。
L型キッチンは、コンパクトなアパートやマンションの2LDKだとあまり見かけませんが、1戸建や広めのマンションでは人気のキッチンタイプです。
よく使うシンクとコンロ間の動線が短く、冷蔵庫も近くに配置できるので効率よく動けるのがおすすめの理由です。
料理好きでキッチンを長時間使う人や、キッチンカウンターの上によく使う家電をまとめて置いてすぐに使える状態にしておきたい人にも便利な間取りです。
スペースに余裕があれば作業台やラックを配置し、さらに使い勝手をよくすることもできるでしょう。
L型キッチンのレイアウトでネックとなるのは奥まっているコーナー部分で、ここをどのように使うかによって収納量や使い勝手に大きな差が出てきます。
スパイスが入った小瓶置き場につかったり、コーヒーメーカーをおいたり、あえて収納には使わずにグリーンを配置してみたり…使う人によって個性が出やすいのがL型キッチンです。
④Ⅱ型キッチンの配置例
Ⅱ型キッチンとは、シンクとコンロを対面する形で配置して、まさにⅡの形したキッチンの形状です。

一見すると似ているペニンシュラ型とのちがいは、シンクとコンロが分離しているという点にあります。
Ⅱ型キッチンは、ここで紹介しているキッチン配置例の中では、最も省スペースで効率よく家事動線を作ることができます。
写真で紹介しているのは大き目のⅡ型キッチンですが、コンパクトなタイプもあるのでキッチンに使える面積が少ない場合にも採用できるデザインです。
ただし、狭すぎると作業効率が落ちてしまうので、間の距離は作業する人数が1人なら90cm程度、2人になる事が多いなら120cm程度は確保しておくとよいでしょう。
シンク下収納や食器棚、冷蔵庫の扉の開き方も考慮して、自分たちの生活にとって十分な空間があるか確認してください。
よく使うシンクとコンロが前後にある状態になるので、あまり動かずに手早く洗い物と調理を進めることが可能です。
シンクとコンロは真正面ではなく、あえて少しずらして配置されているレイアウトの方が自然な動きで調理を進められるのでおすすめです。
⑤アイランドキッチンの配置例
アイランドキッチンは、シンクやコンロのあるキッチンカウンターを島のように配置しているタイプで、ペニンシュラ型やⅡ型キッチンと似た間取りです。

ペニンシュラ型やⅡ型キッチンとのちがいは、キッチン部分が壁に接していないという点で、壁に接していないことで解放感を高めることができます。
また、Ⅱ型キッチンとのちがいは、シンクとコンロが分離されていない点にあります。
配置的には省スペースのⅡ型キッチンに似ていますが、アイランドキッチンはアイランド部分を広く取ってその部分に作りたての料理を並べたり、パーティを楽しんだりすることを想定しています。
アメリカのテレビドラマや映画に出てくる豪邸のキッチンは、アイランド型が多いことから、高級感なキッチンというイメージを持っている人も多いでしょう。
ペニンシュラ型とちがって壁に接していないため、調理中の臭い対策は基本的に換気扇のみで行うことになります。
そのため、キッチン~リビングまでの距離があり臭いが届きにくい広々とした間取りで、来客が多かったり、たくさんの料理を作ったりする機会が多い家庭の間取りにおすすめのキッチンです。
また、アイランドキッチンは汚れが拡がりやすく、少しの汚れでもリビングやダイニングから見えると気になってしまいます。
その対策として汚れ防止用のパネルの配置、コンロの前に背の低いラックを置くなど使い方を工夫することで、おしゃれで使いやすいキッチンにすることができます。
⑥番外編:キッチンに洗濯機が設置されている場合
2LDKの物件では少なめですが、キッチンに洗濯機が設置されている場合もあります。
洗濯機の分キッチン内の収納とスペースが減ってしまいますが、じつはメリットが多い配置なので2LDKのキッチン配置にもおすすめです。
布巾やエプロンなど汚れやすいものをこまめに洗えることや、家事の多くをLDK内でできるので小さな子どもがいても安心できるのが大きなメリットと言えます。
洗剤や洗濯用品をキッチン収納にまとめることも可能なので、脱衣所の生活感を抑えて、おしゃれな空間にできることもメリットとして挙げられます。
脱衣所をパウダールーム風にしたい人、LDK内で家事を済ませたい人におすすめです。
2. 2LDKのキッチン配置に合わせた冷蔵庫・食器棚のレイアウト
キッチンは料理や洗い物といった時間がかかる家事を行うため、利用する時間が長くなる場所です。
そのため、使いやすさと作業効率のよさはとても重要で、家事ストレスを貯めないために家電や家具の配置をよく考える必要があります。
では、どのようなレイアウトが使いやすいキッチンへの近道なのでしょうか?
大きなポイントは“ワークトライアングル”と呼ばれるシンク・コンロ・冷蔵庫間の距離と家事動線にあります。
キッチン内の作業効率を重視するなら、このワークトライアングルを意識した冷蔵庫と食器棚のレイアウトが大切で、これに合わせた食器棚の配置をしていくことが重要になるのです。
そこで、以下では、冷蔵庫・食器棚のレイアウトを3点に分けて解説します。
- ワークトライアングルを意識する
- 家事動線を考えて決める
- 扉の開き方に注意して配置する
①ワークトライアングルを意識する
シンク・コンロ・冷蔵庫間の距離は「ワークトライアングル」と言われており、これを意識しているかどうかでキッチン内の作業効率が大幅に変わります。
そのため、新築やリフォームをする場合には非常に重視されています。
ワークトライアングルは以下のイラストのイメージです。

正三角形に近いほど動きやすくなり、広すぎても狭すぎてもよくありません。
このように、シンク~コンロ間は120㎝~180㎝、コンロ~冷蔵庫間は120㎝~270cm、冷蔵庫~シンク間は120㎝~210cmの範囲内に正三角形を意識して配置するとキッチンの使い勝手が大幅に向上します。
実際には上図のようなきれいな三角形にすることは難しいですが、距離を意識するだけでも使いやすくなります。
ワークトライアングル3辺の合計は360㎝~600cmが最適とされているので、広いキッチンでも冷蔵庫の位置はこの範囲内に配置するように心がけてみてください。
おわかりかと思いますが、食器棚などもこの範囲内か近くにあるのが理想的です。
ただ、I型キッチンの場合はシンク・コンロが横並びになっている配置が一般的なため、ワークトライアングルを作るのがむずかしい場合が多いです。
その場合はシンク・コンロ・冷蔵庫間の動線が360㎝以内に収まるように配置すると、左右の動きが減って効率よく作業ができるでしょう。
ワゴン・ラックを途中に配置してよく使う調理器具を収納しておき、無駄な動きを減らすのもおすすめです。
一方、L字型キッチンやアイランド型キッチンなどの場合、ワークトライアングルを意識して、レイアウトを決めやすいです。
まずはシンク・コンロの場所を確認し、次いで冷蔵庫の場所を決定、その上で家事動線を考えて食器棚を配置すると調理~配膳、片付けに至るまでの流れをスムーズにできるでしょう。
②家事動線を考えて決める
次のポイントは、家事動線を考えて、食器棚の位置を決めることです。
食事ごとに必ず行うことになる調理~配膳~片付けまでの間に食器棚を使うのは、以下の場合です。
- 料理を盛り付けるための食器類を取り出すとき
- 洗った後の食器を片付けるとき
そのため、熱々の料理が完成するコンロや野菜を切る作業スペースと、食器を洗うシンクから離れすぎていない方が便利だと言えます。
ベストはシンクとコンロ(作業スペース)の間に食器棚があるレイアウトです。
ダイニング側に食器棚を置いてしまうと、食器を取り出すのも片付けるのも面倒に感じることが多くなり、落として割ってしまうリスクも高くなるのでおすすめしません。
食器類が少ない場合は、キッチンカウンターの上に小さな棚を配置してそこに収納してもいいでしょう。
手を伸ばせばすぐに取り出せて、洗い終わったらまたすぐに収納できるので非常に効率的です。
しかし、コンロに近いと油汚れが付きやすく、収納量が少ないという問題があるので、キッチンのデザインや持っている食器の数に応じて検討してください。
どうしてもキッチンにスペースがなく食器棚を置けない場合は、お茶碗・お椀をはじめ、よく使う食器だけをワゴンやラックに収納してキッチン側に配置しておくのも効果的です。
食器棚とコンロやシンクを行き来する回数が少し減るだけで楽になったと感じられるはずです。
③扉の開き方に注意して配置する
食器棚はなるべくシンクやコンロの近くに配置した方が使い勝手がよいため、ワークトライアングルを考えると自然と冷蔵庫からも近い位置に配置することになります。
そこで気を付けないといけないのが冷蔵庫と食器棚の扉が開く方向です。
広いスペースがあるキッチンであれば問題はありませんが、コンパクトなタイプだと冷蔵庫を開くと食器棚が開かなかったり、扉を開くとぶつかってしまったりすることが発生しがちなのです。
食器棚と冷蔵庫では、冷蔵庫の方が扉を開け閉めする回数が多いので、まずは冷蔵庫の扉をスムーズに開け閉めできて、物を取り出すときや庫内の掃除をする時に不自由のない十分なスペースを確保しましょう。
この時に、冷蔵庫の扉が開く方向にも注意して、両開きの場合はどちらの扉もぶつからずに開くようにしてください。
片側開きの場合も壁が邪魔にならない位置がよいです。
食器棚は冷蔵庫よりも開け閉めする頻度は低いですが、大きなお皿を取り出すことがあることと割れ物を取り扱うということに注意しなくてはいけません。
少しぶつけただけで大切な食器が欠けたり割れたりしてしまうことがあるので、冷蔵庫と同様にいつでもスムーズに開け閉めできる状態がベストです。
最近のデザインに多いスライドタイプの扉が付いている食器棚は、扉が開いたときのスペースを考えなくてよいので、コンパクトなキッチンや空間を広く使いたい時の強い味方です。
3. 狭いキッチンを広く使うための配置のコツ
2LDKと言っても広さはさまざまで、LDKの広さも10畳~30畳以上とかなりの幅があります。
広くてゆとりのあるキッチンであれば冷蔵庫や食器棚を置いてもまだスペースがありますが、マンションやアパートだと2LDKのキッチンはコンパクトなことも多いです。
ここではそんな小さめのキッチンを少しでも広く使い、調理も片付けもストレス少なくできる配置のコツを紹介していきます。
一番のポイントは「床に置くものを減らす」ということです。
食器棚やワゴン・ラックなど、収納スペースを上手く活用して床に置いてあるものを減らすのがキッチンを広く使う配置のポイントになります。
- 家事動線を遮らない配置をする
- 大型の家具はなるべく置かない
- 大型家具を置くときは白色を選ぶ
- 備え付けの吊戸棚やシンク下収納を活用する
- 吊り下げ収納を使う
- シンクやコンロの上を作業スペースにする
- デッドスペースを有効利用する
①家事動線を遮らない配置をする
キッチンで作業を行う際に頻繁に行き来するシンク・コンロ・冷蔵庫の間のワークトライアングルと、キッチンからダイニングに行き来する間の動線は非常に重要です。
頻繁に行き来するこの場所のスペースをしっかりと確保しておくことが狭いキッチンでも不自由なく使えるポイントになります。
そのため、家具やゴミ箱、ラックなどの配置はワークトライアングル・家事動線を遮らないようにすることが鉄則です。
これを意識すると自然と作業の流れに合った通路ができるので、キッチンの狭さを感じにくくなり、広く使えるようになります。
②大型の家具はなるべく置かない
キッチンに最低限必要な設備は、コンロ・シンク・冷蔵庫です。
これに加えて、食器棚やストック置き場など必要に応じて増やすことになりますが、狭いキッチンを広く見せたかったり、少しでもスペースを広く確保したかったりする場合は、大型の家具は置かないのが正解です。
食器棚は背が低くて上に物が置けるタイプを選べば、炊飯器やレンジなどをまとめてコンパクトに配置することができます。
冷蔵庫も同様に必要最低限のサイズにすることで圧迫感がなくなり、キッチンが広く感じます。
食品のストックやよく使う調理器具はラックやワゴンに収納することで邪魔になりにくくなるでしょう。
③大型家具を置くときは白色を選ぶ
大型の冷蔵庫や食器棚がどうしても必要になる場合は、白色の製品を選ぶのがオススメです。
キッチン内の圧迫感を緩和して広く見せることができます。
前述したように“背の低い家具”というポイントも意識すれば、かなり空間にゆとりのあるキッチンレイアウトを目指すことができます。
キッチンに置く家電の炊飯器・オーブンレンジ・トースターなども合わせて白色がメインカラーになっているタイプを選ぶと、明るく解放感ができ、清潔感もアップするので気持ちよく使えるキッチンになります。
実際に空間が広くなるわけではありませんが、色次第で雰囲気が大きく変わるのでキッチンが狭くて圧迫感が気になる場合は色を変えてみてください。
④備え付けの吊戸棚やシンク下収納を活用する
ほとんどのキッチンには備え付けの吊戸棚やシンク下に収納できる場所があります。
サイズや設置されている高さによっては使いにくいと感じることもあるかもしれませんが、こうした最初からある収納を最大限に活用することで余計な家具を配置せずにすむため、キッチンを広く使うことが可能です。
吊戸棚は高すぎて使いにくいことが多く、重たいものを収納するのには向いていません。
しかし、ラップやゴミ袋のストックなどの軽いものや、使用頻度が低い季節物の調理器具、お弁当箱などの収納場所としては活躍してくれます。逆にシンク下は重たいものの収納に向いているので、調味料のストックや重たい調理器具の収納場所として最適といえます。
⑤吊り下げ収納を使う
キッチンのレイアウトや収納を考えるときに、困ることが多いのが調理器具です。
ボウルやザル、レードルやフライ返し、フライパンの蓋におろし器など、調理する際に頻繁に使うものだけでもかなりの数があり、さらにかさばるものが多いため、収納スペースを圧迫して棚やラックを増やしてキッチンを狭くする原因になります。
そんな調理器具はS字フックなどを使って吊り下げておくことでかなりの省スペースができます。
換気扇カバーやシンク回りなど、キッチン内は引っ掛けられる場所が意外と多いですが、S字フックをかけられる場所がなさそうなら、突っ張り棒を渡したりマグネットフックを使ったりして吊り下げ収納場所をレイアウトしてもいいでしょう。
注意しないといけないのは、吊り下げ収納を行う調理器具は使用頻度が高い調理器具だけに絞り込まないと、キッチン全体がまとまりのない散らかった印象になってしまうという点です。
また、重たいものは落下する危険性があるので、レードルやフライ返し、軽いザルやボウル程度に絞って吊り下げるようにしましょう。
⑥シンクやコンロの上を作業スペースにする
狭いキッチンの悩みで多いのが素材を切ったり、ボウルで混ぜたりするための作業スペースの小ささです。
そんな悩みを解決するのがコンロカバーやシンクのサイズよりも大きいまな板です。
これらを活用することで、コンロやシンクの上を臨時の作業スペースとして使えるようになり、作業用テーブルで家事動線を遮る必要がないのでキッチンを広々と使えるようになります。
コンロカバーはその名の通りコンロの上に低いテーブルのようなカバーを載せ、その上で調理をできるようにするものです。
コンロを使っていないときにだけ使える商品ですが、パン作りの時や下準備した素材を並べておくときなどはとても役立ちます。
シンクのサイズよりも大きなまな板は、シンクの上に蓋をするような形でそのまま材料を切れるようになるのでとても便利です。
出た野菜くずなどをすぐに捨てられるという利点もありますし、キッチンカウンターが水でびしょびしょになることも防げます。
⑦デッドスペースを有効利用する
キッチンはキッチンカウンターや冷蔵庫など、配置場所を変えられないものが多く、デッドスペースができてしまいがちです。
そんなデッドスペースを上手に利用することで、棚を1つ減らしたレイアウトや飛び出しているラックやワゴンを減らしてキッチンを広く使えるようになります。
壁と冷蔵庫や棚の間にある微妙な隙間にはスリムタイプのゴミ箱やラックを格納したり、フックを利用して掃除用具を吊り下げたりするのに最適です。細々としたものでも隙間に入れることができれば、キッチン全体がスッキリしていくので広くなった気がするはずです。
意外と見落としがちなデッドスペースはコンロやシンクの奥部分です。
20cmほどのスペースしかありませんが、小さいスパイス棚を配置できますし、ちょっとした調理器具を立てておくと小型のワゴン1つ分くらいの収納にできるので床に置いてあるものを減らすことができます。
4. まとめ
2LDKの間取りの物件は人気が高く、2人暮らしはもちろん、1人暮らしや小さな子どもがいる家庭など、多くの世帯からのニーズがあります。
アパートやマンションもあれば一軒家でも2LDKの間取りはあり、LDKや各室の広さにはかなりの幅があります。
いずれのタイプでもLDKがつながっているため、リビング・ダイニングは解放感があり広々と使えるというメリットがあります。
一方、臭いが広まりやすかったり、家具や家電の配置次第では使いにくくなったりするという問題も出てきます。
ここで紹介した2LDKのキッチン向けの配置は、いずれもこうしたLDKに起こりがちな問題を解消できるものです。
一番のポイントはキッチン内のワークトライアングルを大切にして家事動線を遮らずにスムーズに動ける環境を作るという点です。
これを意識するだけでキッチンはとても使いやすくなるはずです。
加えて、白色の家電や家具を選んで圧迫感をなくすことや、収納を工夫して床に置いてあるラックやワゴンを減らしたレイアウトを行うことでキッチンをより広く使えるようになります。
冷蔵庫や食器棚を変えるのはなかなか難しいですが、収納を見直して小さな棚やワゴンを減らすだけでも随分と動きやすいキッチンになるはずですので、まずはできることから試してみてください。




