2LDKのお部屋探しをしているときに、時折見かけるのが「DEN」の表示です。
DENという表示そのものにあまりなじみがない人の方が多いのですが、実はその意味を知るとこれまでの暮らしをもっと楽しむことが出来る間取りだということが分かります。
そこで今回は最近目にすることが増えてきたDENの意味と使い方を紹介しながら、2LDK+DENだから実現できるワクワクするような暮らし方を紹介していきます。
このページでわかること
1. 「2LDK+DEN」の「DEN」とはどんな意味?
「DEN」は「デン」と読みます。
間取りを表す表示には広さや形などによって決まりがありますが、DENにはそれがありません。
DENを英和辞典で調べてみると、「巣穴」「ねぐら」「ほら穴」のほかに「隠れ家」という意味があります。
ちなみに「男性の私室」という意味もあります。
この英語の意味から派生してできたのが、間取りを表す表示「DEN」というわけです。
さすがに建築用語としては「巣穴」「ねぐら」「ほら穴」と意味では使いません。
どちらかというと「隠れ部屋」「私室」「書斎」「仕事部屋」などの用途で使うスペースとして使われています。
居室としては狭いスペースで、収納でもないお部屋をDENというイメージを持ってもらえると良いですよ。
土間やサービスルームをDENと表記されていることもあり、明確に決まりがなく雰囲気で呼ばれている曖昧な表現になります。
2. 2LDKの間取りで気になる「DEN」の部屋の使い方
2LDKでDENがある間取りということは、単純に言えば「2LDKにプラスαの部屋がある」ということです。
そもそも2LDKの場合、15.47㎡(10畳)以上のリビングダイニングに2つの居室がある間取りです。
そのためゆとりのある1人暮らしをしたい人から子供がいるファミリーにも人気があります。
1人暮らしの場合は、広いリビングダイニングとは別に寝室とプライベートルームの2部屋が出来るので十分な広さといえます。
ところが2LDKを子供2の4人家族で住むとしたら、少し手狭に感じるのではないでしょうか。
特に子供がいる4人家族の場合、居室2つを「子供部屋」と「夫婦の部屋」に分けると、残りは共有スペースであるリビングダイニングしかありません。
もしも子供が受験を迎える年齢になれば、勉強に集中が出来るためのスペースを準備したいと思うようになるでしょう。
またご主人が家に仕事を持ち帰ることが多い場合は、仕事をするためだけの部屋が欲しくなるはずです。
かといって居室を増やすために3LDKに住み替えると、子供が独立して夫婦2人暮らしとなった時に広すぎて使いづらさを感じるようになります。
そんな時にぜひ注目してほしいのが「DEN」の存在です。
2-1. DENは家の中でも比較的良い場所に設置されている
DENには「ほら穴」や「巣」といいう意味があると説明したので、イメージとしては暗くて窓もない狭いスペースというイメージを持ってしまったかもしれません。
しかしそれは真逆のイメージであるDENがたくさん存在します。
実際のDENは、家の中で比較的良い場所に配置されていることが多いようです。
例えば「窓があって陽当たりが良い」「リビングダイニングのすぐ隣にある」「子供の学習机が置けるほどのスペースがある」など広さも配置場所も思っている以上に好条件なのです。
こんな素敵なスペースが付いている部屋のことを意味していたと分かれば、もっと詳しく知りたいと思いますよね?
もちろんDENの魅力はこれだけではありません。
2-2. 子供の成長に合わせて柔軟に暮らしを変えられる
子供2人の4人家族で2LDKとなると、子供部屋を一人ずつ準備することが出来ないことで悩みますよね。
確かに子供が2人いるファミリーの場合は、子供部屋などのことも考えて3LDKに住み替えるという人が多いです。
そのためファミリー向けのマンションの場合、3LDKの間取りが主流です。
しかし賃貸マンションにしても分譲マンションにしても、居室が1つ増えると価格が上がります。
子供も大きくなるにつれて習い事や塾などに通い始めますし、大学に進学するとなれば入学金や授業料などこれまで以上にお金がかかってきます。
それだけに「できるだけ家計を節約して子どもの教育費に充てたい」という人も多いはずです。
そんな時こそDENの出番です。
DEMは広さや形の基準はありませんが、居室として使うには少し手狭であることがほとんどです。
居室としての条件を満たしていないでも子供の勉強部屋として使うのであれば十分な広さがあります。
しかもDENは家の中でも比較的良い場所に作られていることが多いのです。
つまりこれまで通り子供部屋を子供たちの寝室にしながら、勉強に集中しなければいけない年齢になったらDENを学習室にすれば良いのです。
これならわざわざ間取りを変えなくても、子供にきちんとした学習環境を作ってあげることが出来ます。
2-3. 子供のプレイルームにもできる!
子供用のおもちゃは月齢が低いほどかさばり、ちらかってしまいますよね。
もちろん親が子供のために購入するものもあれば、「孫のために」と祖父母からプレゼントされるおもちゃなどもあります。
しかもこうした子供のおもちゃは「初めての○○記念」という特別な思い出もついてくるので、ゴミとして処分するのにためらってしまいます。
でもどんどん増えていくおもちゃのほとんどは、収納しづらい形をしていたりかさばってうまく収納できないものばかりです。
さらに困ったことにまだ小さな子供だと、おもちゃに夢中になっているうちは良いのですがすぐに飽きてしまうので、次から次へとおもちゃを引っ張り出してきます。
そうなるとあっという間に部屋の中がおもちゃだらけになってしまいます。
そんなときに急に来客が・・・大変です。
片づけをするにしてもあまりにも盛大におもちゃを広げられてしまうと、「早く片付けなくちゃ」と焦る気持ちと同時に「もういい加減にして!」という怒りも出てきてしまうかもしれません。
そんなときにDENが使えます!
特に子供が小さいうちはDENがリビングに近い位置にあると便利です。
リビングに近いので家事をしながらでも様子を見ることが出来ますし、子供が自由におもちゃを出してもDENのスペース以上におもちゃを広げることはありません。
また急な来客があってもDEN以外におもちゃはありませんから、DENの中が見えないようにしてしまえばOK!
これなら子供のおもちゃのことでイライラする回数も減りますので、育児も楽しくなるはずです。
2-1. ワークスペースが出来て夫婦それぞれの趣味の時間が持てる
子供が成長し子育てにそれほど手がかからなくなってからは、夫婦それぞれの時間の使い方にも変化が出てきます。
それまで育児にかかりきりだった奥さんも、家事の合間に趣味を楽しんだり自宅でできる仕事を始めることもできるようになります。
またこれまで家に帰れば育児の手伝いでクタクタになっていたご主人も、子供に手がかからなくなればこれまでできなかった趣味の時間を楽しむこともできるようになります。
そんな夫婦2人のためのワークスペースとしても使えるのがDENの魅力です。
特にDENを使う時間が夫婦でズレている場合は、時間によってそれぞれの専用ワークスペースとして使うことが出来ます。
例えば専業主婦の奥様の場合、家事がひと段落する昼間にワークスペースを利用します。
夕方になれば夕食の準備などがあるので、奥さんの定位置はリビングルームに移動します。
これに対して外で働くご主人は、帰宅し食事や入浴を済ませた後にゆっくりと1人で過ごす時間が出来ます。
そこでリビングルームからDENのワークスペースへと移動します。
このように2人で1つのワークスペースを使うにしても、使い方や時間によって専用個室として使うこともできます。
2LDKでこれだけゆとりのある時間の使い方が出来るのも、DENというプラスαのスペースがあるからといえます。
3. マンションの間取りによくある「S」と「DEN」の違い
DENと同じく最近目にすることが増えてきたのが「S」の表示です。
2LDKで「S」が付く場合は2SLDKと表示されるのですが、実際にSが付く間取りの見取り図を見てみると居室の数は2つです。
では「S」は何を意味するかというと、「サービスルーム」を「S」と記載しているものです。
「サービスルーム」はなにかというと、建築基準法で定められている居室としての基準を満たしていないスペースのことを指します。
居室として認められるためには換気や採光など細かな基準を満たしていないといけません。
つまりサービスルームはこの基準を満たしていないから「居室」としてカウントできないというわけなのです。
「S」と「DEN」の違いは?
分類として言うとこの2つは同じ部類に入り、明確な違いはありません。
「2SLDK」「2LDK+DEN」これはどちらも2LDKに1部屋プラスされたという間取りになります。
しいて2つの違いを説明すると、部屋として明確な決まりに当てはめられなかった部屋としてS、ちょっと部屋としては狭いけど収納としては広いスペースをDENと鳴ると思います。
しかし、DENと表現するほうがかっこいいなど、決まりのない表現になりますのでいくらでも製作者の思い通りにされていることを念頭に置いてください。
2SLDKを3LDKと表現してしまう不動産屋もあります。
明確な違いが無いので、しっかり間取りを見て、それがどのような広さなのか、窓があるかなど確認して暮らしの想像をしてくださいね。
4. 2LDK+DENの意味と部屋の使い方まとめ
少しずつ目にすることが増えてきた「2LDK+DEN」という間取りの表記は、家族のライフスタイルの変化に合わせて柔軟に暮らし方を変えることが出来る注目の間取りです。
これまでは「家族が増えた・子供が大きくなった=広い間取りに住み替える」という選択肢しかありませんでした。
しかしDENがあることによって「暮らし方を変えても住まいを変えない」という選択肢が出てきました。
これこそが「DENがある暮らし」のメリットといえるのではないでしょうか?




