家賃9万円に一人暮らしは高い?安い?必要な年収やおすすめの間取りとは?

都内で1人暮らしの平均家賃が8万円といわれていますが、それよりも1万円高い「家賃9万円」は一人暮らしの家賃としては高いのでしょうか?

それとも工夫次第では安いと感じるのでしょうか?

そこで今回は家賃9万円の賃貸マンション・アパートに住むために必要な年収や、家賃9万円でおすすめの間取りについて分かりやすく解説します。

1. 家賃9万円は1人暮らしには高い?安い?

1人暮らしで家賃9万円の賃貸マンション・アパートに住むためには、「契約前に必要なお金を準備できるのか」と「生活費とのバランスはとれているのか」の2つが問題になります。

まず初めに賃貸マンション・アパートに住むためには、「初期費用」が支払えることが条件になります。

初期費用は家賃の高い・安いに関係なく、賃貸住宅に住むために必要なお金です。

初期費用には様々な項目がありますが、それぞれを計算するときに基準となるのが「家賃」です。

ですから家賃が高くなるほど、契約時に支払うお金は高くなります。

また生活費とのバランスも家賃9万円に住み続けるためには注目すべき点です。

一般的に「家賃は年収の3分の1を目安にする」といわれています。

単純にこの計算式に家賃9万円を当てはめてみると「家賃9万円×3=27万円」となりますので、月収27万円があれば計算上はバランスがとれているといえます。

ただし生活費は、あなたの暮らし方や年収、ボーナスの有無によっても変わってきます。

ですから家賃について考える時には、あなたの収入と併せて1か月の生活費をきちんとシミュレーションする必要があります。

1-1. 家賃9万円で必要になる初期費用の目安

家賃9万円の賃貸マンション・アパートに契約するためには、家賃をベースに計算された初期費用の支払いを済ませる必要があります。

初期費用といっても様々な項目があります。

主な内訳としては【敷金】【礼金】【前家賃】【管理費・共益費】【仲介手数料】【火災保険料】があります。

敷金と礼金の目安はそれぞれ家賃の0~2か月分です。

敷金は「預り金」、礼金は「謝礼金」としてどちらも家主(大家さん)に支払うものです。

預り金という意味がある敷金は退去するときに返ってきますが、礼金はお礼の意味で支払うため返ってくることはありません。

管理費・共益費は、建物の維持管理や賃貸住宅の運営に使われるお金です。

築浅の賃貸マンションであれば7000円前後が目安ですが、築年数の古いマンションやアパートの場合は5000円前後が目安です。

こちらは家賃と同じく毎月支払うものなので、前家賃とセットにして契約時に支払います。

仲介手数料は物件の仲介や管理をしている不動産会社に支払います。

相場は「家賃1か月分+消費税」ですので家賃9万円の場合は9万7200円です。

火災保険は、あなたが原因で火事を起こしてしまった時に損害を賠償するための保険です。

最近では火災保険に加入することが条件となっているケースがほとんどなので、こちらも初期費用として考えます。

賃貸住宅の火災保険は、不動産会社が紹介する火災保険に加入することが一般的です。

契約期間は原則2年間で、保険料は1.5~2万円が相場です。

また家賃9万円の物件になると、入居時に鍵の交換をするケースがほとんどです。

一般的な鍵の場合、交換費用は1.5~2万円が相場です。

ただしオートロック式など特殊な場合は2~3万円が相場になります。

これらをすべて合わせたものが契約時に支払う「初期費用」となります。

項目 金額
敷金 0~180,000万円
礼金 0~180,000万円
前家賃 90,000円
共益費・管理費 5000~7000円
仲介手数料 97,200円
火災保険料 15,000~20,000円
鍵の交換費用 15,000~30,000円
合計 222,200~604,200円

1-2. 初期費用は現金一括払いが基本

賃貸マンション・アパートを契約するのであれば、契約時に家賃を基準に計算した初期費用を支払わなければいけません。

もちろん家賃を基準に計算するので、家賃9万円となれば一括で支払う金額もかなり高額になります。

しかも契約時に支払う初期費用は、【現金一括払い】が基本です。

最近は高額な初期費用をクレジットカード決済できる不動産会社も増えてきました。

確かにカード決済にすればまとまった現金が手元にない場合でも初期費用を支払うことはできますし、その分を引っ越し費用などに充てることもできます。

ただしクレジットカードでの初期費用の分割払いには注意が必要です。

初期費用を現金で一括払いする場合には、提示された金額以上の支払いはありません。

ところがカードで分割払いをする場合は、1か月あたりの支払い額には必ず金利手数料が含まれてきます。

つまり総額で見ると分割払いにした方がより高くなってしまうわけです。

ですからこのこともきちんと理解したうえでなければ、初期費用のカード分割払いはあなたにとって決してお得とは言えないのです。

1-3. 1人暮らしの生活費の目安【男性編】

項目 金額
光熱費(電気・ガス料金) 7,000円
水道代 3,000円
通信費(電話・インターネットなど) 11,000円
食費 40,000円
交際費 10,000円
医療費 3,000円
雑費(日用品・クリーニング・洋服代など) 20,000円
合計 94,000円

家賃9万円に1人暮らしをするということは、ここで提示した生活費の目安に「家賃+管理費・共益費」が加わります。

ですから1か月あたりの生活費の合計は18万9000円~19万1000円となります。

1-4. 一人暮らしの生活費の目安【女性編】

項目 金額
光熱費(電気・ガス料金) 8,000円
水道代 3,000円
通信費(電話・インターネットなど) 11,000円
食費 20,000円
交際費 10,000円
医療費 3,000円
雑費(日用品・クリーニング・洋服代など) 30,000円
合計 85,000円

家賃9万円に1人暮らしをするということは、ここで提示した生活費の目安に「家賃+管理費・共益費」が加わります。

ですから1か月あたりの生活費の合計は18万円~18万2000円となります。

1-5. 1人暮らしの平均貯金額

1人暮らしをする人の多くが、毎月貯金をしています。

ただし貯金額は手取りや暮らし方によっても変わってきます。

1人暮らしの生活費で最も節約できるのが「食費」です。

3食全て自炊という人であれば、1か月に2万円以下の食費も可能です。

ところが「料理が苦手」「仕事が忙しくて自炊が出来ない」という場合は、1か月の食費が5万円以上になるケースも多いです。

そこで「基本的に自炊をする」という人を例に、家賃9万円で1か月に貯蓄に回すことが出来る金額の目安を計算してみると次のようになります。

月収(手取り) 貯蓄の目安
20万円 0~1万円
21万円以上25万円未満 3~5万円
25万円以上 6万円~

2. 家賃9万円で1人暮らしするために必要な年収は?

2-1. 年収300万円

年収300万円の場合、手取りは約230万円です。

ボーナスなしの場合であれば1か月の手取りが約19万円ですから、生活費を切り詰めれば何とか家賃9万円でも暮らすことはできます。

ただし年に2回のボーナスがあるのであれば、年収300万で家賃9万円は不可能です。

2-2. 年収350万円

年収350万円の場合、手取りは約270万円です。

ボーナスなしの場合であれば1か月の手取りが約22万円ですから、家賃や生活費を支払っても毎月1~2万円の貯蓄ができます。

ただし年に2回のボーナスがあるのであれば、1か月の手取りが約19万円ですから、よほど節約をしなければ生活は出来ないと考えた方がよいでしょう。

2-3. 年収400万円

年収400万円の場合、手取りは約305万円です。

ボーナスなしの場合であれば1か月の手取りが約25万円ですから、月々約5万円の貯蓄が出来ます。

ボーナスが年に2回ある場合も1か月の手取りが約22万円ですので、月々の支払いにもゆとりがありますし貯蓄に回すお金もしっかり確保することが出来ます。

3. 東京都内で家賃9万円の1人暮らしだとどんな間取りが選べる?

・今人気のソーシャルアパートメントも家賃9万円なら可能

シェアハウスの進化系として今大注目なのが「ソーシャルアパートメント」です。

空き室が目立つようになったといわれているシェアハウスに対して、ソーシャルアパートメントは、常に満室状態。空き室が出てもすぐに入居者が決まってしまうほどの大人気です。

最大の魅力は「シェアハウスなのにきちんとプライバシーが確保されている」ということです。

シェアハウスというと一軒家をみんなでシェアするというスタイルになるのですが、ソーシャルアパートメントは豪華なマンション一棟を、みんなでシェアするというスタイルです。

そのためプライバシーは、賃貸マンションの1人暮らしをするのと同じように完全に確保されているうえに、共有ラウンジや設備が豪華なのです。

つまり「豪華マンションで1人暮らしを満喫しながらシェアハウスライフも同時に楽しむことが出来る」というわけです。

4. まとめ

家賃9万円の1人暮らしは、家賃と生活費と収入とのバランスがとれていれば適正年収とズレがあったとしても十分に暮らしていくことが出来ます。

また間取りも様々なタイプがあるので、暮らし方のバリエーションも広がります。

ただし物件数が多いということは選択肢の幅が広いということですから、あなたがどんな部屋に住みたいのかをハッキリしておかないといくら内見しても決まりません。

そうならないためにも「1人暮らしでどんなことをしたいのか」がある程度決まってから物件選びをするのがおすすめです。

この方が効率的でもありますし、あなたの理想のお部屋に出会える確率がグッと上がります。