
都市部を中心に高層マンションの建設ラッシュが話題ですが、近年ではファミリー層を中心に低層マンションへの人気が高まっています。
低層マンションとは、一般に2~3階建ての高さのマンションのことを指し、ほかのマンションと同じように賃貸や分譲という形で住むことができます。
なぜ今、低層マンションに人気が集まっているのでしょうか?
それは、高層マンションにはない魅力が低層マンションにたくさんあるためです。
ここでは、低層マンションの魅力について解説していきます。
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このページでわかること
1. 周辺の環境が良い
低層マンションは高層マンションと異なり、閑静な住宅街にあることが多いです。
なぜかというと、いわゆる閑静な場所(都市計画で第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域に指定されている地域)にマンションを建てようと思った場合、建築可能な建物の高さが厳しく制限されているため、低層マンションしか建築することができないためです。
一般的にマンションを建築するとき、ディベロッパーは収益を上げるため戸数が多い高層マンションの建築を考える傾向にありますが、上記の地域ではそれが不可能なのです。
このような地域に住むと、周辺に高い建物が建ってしまうことがなく、日光が遮られる心配もありません。
そのため、マンションの低層階でも比較的日当たりが良い物件が見つけやすくなっています。
また、建ぺい率(建築面積の敷地面積に対する割合)も商業地域が80%であるのに対して、第一種低層住居専用地域では30%から60%となっているため、敷地に余裕があります。
このようにゆったりとした広さで建てられた低層マンションであれば、平置きの駐車場を確保することができるかもしれません。
低層マンションは、余裕のある作りで住環境が良い場所に建っていることがメリットの一つなのです。
また、低層住居居住地域には基本的に商業施設の建築を行うことができません。
そのため、パチンコ店や風俗店が入るような雑居ビルなどが建つことはありません。
このような規制があるため、不特定多数の人が周辺地域に入り込むことが少なく、セキュリティー面で考えれば、ほかの地域と比較すると安心して住むことが出来る環境であるといえます。
2. 固定資産税を戸建てより低く抑えることができる
低層マンションが建っている地域の多くは、閑静な住宅街です。
このような場所は、住宅地の中では比較的固定資産税が高い傾向があります。
低層マンションを購入した場合、同じ地域で一戸建てを購入したときに比べて、固定資産税を低く抑えることができます。
固定資産税は土地と建物の両方に課される税金ですが、建物に課される固定資産税は、建物が経年劣化して年々価値が下がっていくと考えられるので、建築年数が経つほどに課税金額も下がっていきます。
しかし、土地に課せられる分に関しては、土地の路線価により「課税標準額」が決まります。
そのため、路線価が下落しない限り、土地にかかる固定資産税が低くなることはありません。
そこで、低層マンションの場合、一戸建てなどと比較して土地の持ち分が少ないため、固定資産税が安くなる傾向にあります。
固定資産税と同様の理由から、相続税や贈与税も一戸建てに比べて安くなります。
3. マンション内外での暮らしの機動力が高い
低層マンションは、敷地内の移動や自分の専有部分内外の出入りが容易で、生活する上での機動力が高いことも魅力の一つです。
高層マンションに比べて入居人数が少ないため、エレベーターの混雑が少なくなるだけではありません。
低層であることから、階段を利用した行き来も容易です。
エレベーターを利用してゴミ捨て場にごみを捨てに行くと、エレベーター内に匂いがこもるというような、高層マンションで聞かれる不満も少なくなります。
階段の利用が容易であることから、地震や火事、停電などの災害が起こった場合に、エレベーターが停止してしまっても避難しやすいという点も見過ごせませんね。
階段を利用しやすいという点は、低層マンションの安全性を高めているといえます。
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4. 高層マンションに比べると間取りが取りやすい
低層マンションは、遮音性を向上させる「中空スラブ工法」などの工法を採用しています。
「中空スラブ法」は、床板であるスラブの内側が中空になるようスペースを設けて厚くすることで、上階や下階への遮音性を高める効果があります。
また、室内に梁が突起のように張り出さないよう壁の中に埋め込むことで、天井をフラットにして、室内をすっきり見せることができるようにした構造であることも少なくありません。
そのほか、柱を共用廊下やバルコニー側に出すアウトポール設計を採用することで、室内の壁の出っ張りをなくすことも可能です。
そのため、家具のなどのレイアウトがしやすい構造になっているというメリットがあります。
低層マンションには、遮音性を確保しつつ、すっきり広々とした室内空間を作る工夫がなされている物件が多くあるのです。
5. 地震などの災害に強い
前の章でも解説しましたが、低層マンションには、地震などの災害が起こった際にエレベーターが止まったとしても、避難がしやすいというメリットがあります。
高層マンションの場合には、階段を使って避難しようとすると、時間と体力が必要となります。
また、階段に人々が殺到することが予想され、将棋倒しになる危険なども考えられます。
地震の後に、断水などが続いた場合でも、低層階であれば階段を使い、給水車から支給される水を室内に持ち帰ることも、それほど大変なことではありません。
また、低層マンションは敷地に余裕がある建て方の物件が多いため、仮設トイレなどの設置もしやすいでしょう。
災害に至らない程度の地震であっても、揺れは高層階ほど大きく感じますが、低層マンションであれば、それほど大きな揺れを感じずに済む可能性が高いです。
6. 住民の間で良好なコミュニティを築きやすい
タワーマンションなどの大規模マンション、または商業地域内にあるマンションなどは、間取りがさまざまであるため、住民の家族構成もまた多様であったり、生活パターンも異なっていたりなどの理由から、あまり住民同士の交流が行われない傾向があります。
それに比べて低層マンションは、小規模で戸数が少ない場合が多く、間取りも似ているため、同じような価値観を持った住民が集まる傾向が強く見られます。
このような環境の中では、住民同士が自然に顔見知りになり、良好なコミュニティが形成されやすいと言われます。
このようなコミュニティが形成されることによって、住民間のトラブルが発生するリスクが下がります。
また住民同士の顔が分かっているため、住民以外の人物がマンション内に侵入しづらくなり、結果としてセキュリティ面でもよい環境が作られることになります。
7. 一戸建て感覚の生活も可能
低層マンションは、都市計画上、建ぺい率が低く抑えられていることが多いので、土地にゆとりがある建て方になっている物件が多いようです。
そのため、平置き駐車場が完備されていたり、一階であれば専用庭付きの物件もあったりするなど、一戸建てのような感覚で生活することも可能です。
8. まとめ:低層マンションは魅力的!
ここまで、低層マンションの魅力について解説してきました。
まとめますと、低層マンションの魅力は以下の7点となります。
・高層マンションと異なり、閑静な住宅街にあることが多く、周辺環境が良好
・戸建てに比べて、固定資産税などを抑えることができる
・敷地内の移動や敷地内外の出入りが容易で、生活上の機動力が高い
・すっきり広々とした室内空間を作る工夫がなされている物件が多い
・地震などの災害が起こった場合、高層マンションに比べて、避難しやすい
・良好なコミュニティが形成されやすい
・平置き駐車場や庭付きの物件など、一戸建てに近い物件も存在する
高層マンションにはない低層マンション独自の魅力について、おわかりいただけたかと思います。
低層マンションは静かな住環境にあることが多いので、ファミリー層や熟年層に人気がある物件が多くなっています。
マンションへの引っ越しを検討されている方は、このようにたくさんの魅力がある低層マンションへの入居も検討してみてはいかがでしょうか。




