PTA役員を途中辞退・途中交代する方法とトラブル事例まとめ

Parent-Teacher AssociationいわゆるPTAは、ある意味で日本独特の制度と言えます。

学校において家庭と教師をつなぐ役目を負う委員会組織がその役割でありそれを取り仕切るのがPTA役員の仕事です。

しかし、共働きが増えた日本の昨今の現状ではその存在意義さえも問われています。

この微妙な立ち位置の組織もやはり所詮は人間同士で構成されるもの、ましてやその中心を担う役員となると、それがゆえにトラブルも避けて通れないのは事実です。

そう言ったことに対応するためにはどうしたら良いのか?

そして、その仕事を果たすことができなくなってしまった場合には途中で辞退・交代することはできるのか?

を事例を交えてながら探って行きます。

1. PTA役員を途中辞退・途中交代することは可能?

そもそもPTA自体は任意の加入なのです。

もちろん法的な強制力もありません。

よって、そのPTA役員を途中で辞退あるいは交代することも当然ながら可能なのです。

ただし、一度引き受けたからにはいわゆる社会的な責任が問われて来ますので、先ずは引き受ける際によく考えること、そして、余儀なく途中辞退・途中交代する際には、周囲の賛同を得られるような理由とその後の処置までを事前に周到に考えて準備しておくなどの対策が必要となって来ます。

2. PTA役員を途中辞退・途中交代する時の理由や断り方

途中辞退・途中交代の場合は、役員選定の際に既にわかっていたような理由や断り方では逆に揚げ足を取られて否定されてしまう可能性がありますので注意しなければなりません。

それを考慮して以下のような辞退理由を挙げてみます。

2-1. 親の介護が必要になった

親の年齢にもよりますが、事故などで突然介護が必要になる場合、加齢により介護が必要になる場合など、以前は問題なかったが最近あるいはある日突然に介護が必要になり、役員の仕事を行う時間が取れなくなってしまった、という理由です。

2-2. 転勤もしくは転職により引っ越す予定がある

当人もしくは配偶者の方の転勤や転職が決まり、他の土地へ移らざるを得なくなったという理由です。

ただしこれは辞退した後に何ヶ月経っても引っ越ししなかった場合には「あれは嘘だったのか」と問い詰められる恐れがあります。

そのような時は「急に予定が伸びたがまだその可能性は残っているのです」など、この先も当地に停まれない可能性があることをはっきりと示唆しておいた方が良いでしょう。

2-3. 妊娠した

当人もしくは配偶者の方の妊娠がわかり、役員の仕事に支障が出そうなので辞退したいという理由です。

これはもうある意味で自然の摂理なために致し方ないですし、偽らざる事実ですので誰も文句の言いようがない理由でしょう。

2-4. 他の学校のPTA役員もしくは町内会や子供会の役員に選ばれた

お子さんに兄弟姉妹がいて、それぞれ異なる学校に通われている場合にこのような辞退理由が有効となります。

そうで無い場合は当然ながらこの理由は通用しませんので注意が必要です。

2-5. 病気になった(持病が悪化した)

内臓に関する病気あるいは精神的な病気になってしまった場合、これも辞退理由として通用する要因です。

或いは、もともと持っていた病気がひどくなってきたために役員を続けられないという理由も真っ当な辞退理由になり得ます。

外的な怪我などは重傷でない限りはある一定期間で復帰できてしまうので、あまり途中辞退理由には適していません。

2-6. 明確な理由を言わずに毅然と断る

これは半ばゴリ押しである部分も否めませんが、もし正当な理由がない場合でもどうしても役員を続けられないというのであれば、理由を言わずにハッキリキッパリとかつ毅然と途中辞退を申し入れる、ということです。

当人の人間性にもよりますが、人というのはキッパリと言われると案外それ以上は突っ込めなくなるものです。

その心理を利用して明確に毅然とした態度で申し出るということが重要です。

以上のような理由で途中辞退・途中交代を申し出れば、当人がよほどの信頼のない人でない限りは周囲の方にも納得していただけるでしょう。

ここで重要なのは、基本的には事実だけを述べて嘘はつかないこと。

もし、どうしても嘘をついてまでも途中辞退・途中交代を申し出る場合には、後で疑いをかけられるような内容になっていないかを事前によく吟味しておくことが重要です。

3. PTA役員に関するよくあるトラブル

役員を途中辞退または途中交代しようとすると、様々なトラブルが発生します。

ここではどんなトラブルが起きるのか?を挙げてみます。

3-1. 途中辞退したら子供にも影響する、と言われて途中辞退できなくなる

他の役員や先生から、「役員を途中辞退されると子供さんに非難の目が向けられる可能性もあるので」などと半分脅しのようなことを言われて辞退をしにくい状況を作られてしまう。

3-2. 交代者になってくれる人が見つからず途中辞退できない

そもそも役員選出の際に立候補者が何人いたのか?を考えてみれば、途中辞退などと言い出した人に対して、代わりに私がやりますと自らも申し出て来る神様のような人はほぼ存在せず、交代を拒否され続けて結局は任期の最後までやらざるを得ない、なんていうケースも起こります。

3-3. 交代前までの内容は当人しかわからないので、と途中辞退を咎められる

これも交代者になりたくない一つの逃げ口上なのかもしれませんが、当人がこれまでやってきた内容は当人しかわからないので移管のやりようがない、移管されても交代者が大変苦労する、などの意見を言われて途中辞退を咎められてしまうケースです。

3-4. そもそも途中辞退自体が規則で認められてない、と途中辞退を咎められる

PTAの会則の中で役員の途中辞退・途中交代を認めていないので、そのような申請をされても受理されないというケースです。

これは当人が事前確認不足であることを指摘されてしまうことが考えられるため、非常に弱い立場になってしまいがちです。

これらのトラブルを回避するためにはやはり事前の規則内容の確認、そして何と言っても次に交代してくれる人に事前にお願いしておいて同意をもらっておくというような周到な根回しがとても肝要になります。

ちなみに、途中辞退・途中交代が子供に影響するということはよっぽどの突拍子もない辞退理由を持ち出さない限りは往往にしてあり得ません。

4. 学区によるPTA役員の仕事内容の違い

冒頭にも書いたように、PTAへの加入自体が任意でありますので、役員になるのは当然ながら任意となります。

でももしPTAに入りそして役員を任されたとなった場合に理解しておくべきことがあります。

それは学校や学区によってもPTA役員の仕事内容は違ってくるということです。

なぜそのような違いが生まれて来るのかというと、学校側PTAまたはPTA役員に期待される内容も異なる上に、地域の習慣や文化、そして児童数や生徒数によっても仕事内容が異なって来るからです。

ですので、一般的にはPTA役員はこうだからという固定観念を持つのではなく、あくまでPTA役員としてその学校の役に立つには何をすべきか何を求められるのかを把握する必要があるのです。

5. PTA役員を途中辞退・途中交代する方法とトラブル事例まとめ

ここまで読んでくだされば、PTA役員の途中辞退・途中交代は簡単ではないことがお分かり頂けたかと思います。

それに加えて、ただでさえ様々なトラブルが起きうるPTAという仕組み・枠組みの中で、役員にはその負担が大きくかかって来ることは事実です。

そして途中辞退や途中交代にはそこにまたトラブルが発生します。

そのことを踏まえてPTA役員を受けなければなりませんし、どうしても途中辞退や途中交代を余儀なくしなければならない場合には、正当で且つ誠実な理由を、誠意を以って関係者皆さんに説明して子供や学校に迷惑のかからない形を取ることが先決であり重要なことなのです。

PTA役員を引き受ける場合には、途中辞退した場合のトラブルなどについても踏まえたうえで検討をしてみるとよいでしょう。