親ならば誰もが一度は通るPTA役員とその種類とは?

PTAとはParent-Teacher Associationの略称で、親、先生、学校が協力し、より良い教育を行うために作れられた組織です。

その役職の種類は大きく2つに分かれ、仕事内容も大きく違います。

そのため人によって向き・不向きや楽さなども大きく異なります。

子供1人につき1回は、PTAの役職につかなければならない、などといった雰囲気もあるため、役職を辞退することは特別な理由がない限り難しいようです。

親ならば必ず1回は経験するであろう、そういったPTAの役職について学んでいきましょう。

1. PTA役員の種類と仕事内容の違いとは?

PTA役員は、大きく分けると2つの種類に分かれます。

〇学年役員

PTA全体の方針や方向決めを行います。

選考があり、選考会で決められます。

〇専門役員

学年役員以外の役員です。

こちらは種類が多く、それぞれ与えられた役職の業務を行います。

そして学年役員には次のような役職があります。

・会長

PTA全体の代表をします。

リーダーとなるので、様々なイベントで前に立ってスピーチをしたり、学校同士の交流会などに出席したりする必要があります。

やることが多く、様々な活動に参加しなければならないので、複数人いる学校もあります。

リーダーシップがあり、前に立つことが好きな人が向いているでしょう。

・副会長

会長の業務の補佐をします。

会長が他のイベントに参加している時や、やむを得ない理由で欠席した時などに会長の代わりとなり、PTA全体に指示を出したり、前に立ってスピーチをしたりすることもあります。

・書記

会議の時などにメモを取り議事録を作成したり、今までの書類の管理をしたりします。

メモを取ることが得意な人やマメな性格の人におすすめです。

・会計

PTA全体の会計事務を行います。

簿記の資格を持っていたり、会計事務を今までにやったことのある人だと、スムーズに業務を行うことができるでしょう。

・監査(会計監査)

会計が行った計算などの業務に誤りがないかを確かめます。

行うことは監査だけとはいえ、ミスをしてしまえば大きなトラブルにつながる可能性があるので、しっかりと行う必要があります。

専門役員には次のような役職があります(学校や県によって名前が異なったり、一緒になっていたりします)。

・学級委員

学年全体を取りまとめます。

学年全体での親たちの交流会を企画することもあります。

そこで気づいたことを会長や副会長、それ以外の役職の人たちと共有し、学校の課題解決にも取り組みます。

親同士で仲良くなりたい人や、色々な人と関わりたい人には向いているでしょう。

・広報委員

PTAが行ったことをまとめ、広報誌を作成します。

文章を書くことやまとめることが好きな人におすすめです。

・地区委員

学校生活の安全を守るために、学校内外のパトロールを行ったり、学校周辺の道に交通安全の看板を作り設置したりします。

子供たちが安心して学校生活を送るために行動します。

・教養委員

子供たちの教養になるようなイベントを企画、運営します。

人形劇やオーケストラの鑑賞に子供たちを連れていくこともあります。

・体育委員

運動会やマラソン大会の運営やサポートをします。

それ以外にも子供たちの保険、健康につながるような活動を企画、運営することもあります。

・環境委員

子供たちの学習環境の保全に取り組みます。

花壇に花を植える、学校内外を掃除するなど、子供たちが学校で気持ちよく過ごせるように環境を整えます。

・選考委員

本部役員の選考に関する業務を行います。

推薦はもちろん、選考会の運営もします。

・ベルマーク委員

ベルマークが集まるように箱を設置したり、それらを集計したりします。

この委員が昔からあり今も残っている学校もありますが、ベルマークを集めなくなり、もうなくなってしまっている学校もあります。

これらの役職の中から、自分のやりたいことや適職を考えて慎重に選びましょう。

2. PTA役員の種類で楽なのはどれ?学年ごとの違いはある?

それぞれの業務に対する興味や好き嫌いもありますが、PTAの役職は種類によって楽さ加減が変わります。

また子供1人につき1役職のような雰囲気もあるため、仕事に求められるハードルの低いうちに役職についたほうが良いでしょう。

・PTAで楽な役職

季節によって繁忙期と暇な時期が分かれるような役職(体育委員や広報委員)は、繁忙期さえ過ぎてしまえばあとは暇なため、人によっては楽といえそうですね。

ベルマーク委員や選考委員は、「外に出て仕事をするのが嫌」という人には楽に感じるでしょう。

役員会は、主に子供たちのいなくなった後の時間、夜に行われることが多いようです。

ですから、役員会に頻繁に出席しなければならないような役職だと、PTAの活動に多くの時間を取られることになるでしょう。

また役職人数が少ないとその分、責任が重いため楽とは言えなそうですね。

そのため学年役員は避けた方が無難です。

・子供が低学年のうちに何かの役職についておいた方が楽

子供が低学年のうちになるべく早く、何かの役職についておくことをおすすめします。

なぜかというと、PTAの仕事は学年を追うごとに周囲からのハードルが上がり、大変になっていくからです。

低学年のうちに役職についておけば、何かで失敗したとしても「まだPTAの仕事を知らないのでしょうがないな」と寛大に見てくれるでしょう。

このこと以外にも、その役職に仲が良い人がいるか、仕事を押し付けそうな人はいるかなどの人間関係面からでも仕事の楽さは変わってきますね。

そのため、周囲の友人たちと相談や情報交換をして、自分にあった楽さの役職を選択しましょう。

3. PTA役員の選出方法と辞退・免除規定について

・PTA役員の選出方法

学年役員は、選考委員が選考会を開き、推薦、立候補者の中から決めます。

しかし候補者が出なかった役職に関しては、選考委員が推薦した人たちから選ぶことになります。

そのため、選考委員は学年役員になってくれそうな、役員にふさわしそうな人を探し出し「推薦しても良いか」といったことを事前に当人と話し合うこともあります。

専門委員に関しては、立候補者が出た場合には話し合いや多数決、出なかった場合にはくじ引きで決めることがあります。

役員の選出方法は、学校によって大きく異なる場合があるので、気になる方は学校や友人に聞いてみることをおすすめします。

・PTA役員の辞退・免除規定

やむを得ない事情がある場合、役員を辞退できたり免除になることがあります。

これには様々な理由がありますが、以下のような例は比較的、辞退や免除の理由となりやすいようです。

  • 今までにPTAの役職経験がある場合
  • 母子・父子家庭の場合
  • 妊娠中
  • 下の子供が乳幼児などで手が離せない
  • 他の場面(町内会など)で重要な役職にすでについている
  • 親などの介護に追われている

このようにPTA役員になることが不可能な状態で、周りからの理解が得やすいような理由だと辞退、免除されることがあります。

しかし、ただ単に面倒さいといったその場しのぎの理由だけで辞退・免除をしてしまうと、嘘だったとしたら人間関係が悪化してしまいます。

また、子供が上の学年になったときに役職を任せられてしまい、それまでよりも煩わしくなってしまうことがあります。

そのためできることなら、早いうち、時間があるうちに役職を引き受けてしまうことをおすすめします。

4. まとめ

PTAには学年役員と専門委員の2種類があり、様々な業務があります。

どのようなことを楽だと感じるかについては個人差がありますが、役職によって一般的に感じる楽さは異なります。

どんな役職にせよ、できるだけ早いうちに役職についてしまうことをおすすめします。

PTA役員として選考会に推薦される場合もありますが、役職に就くことが不可能な場合、辞退・免除が許される場合もあります。

自分の状況や好きなこと、やりたいことなどを考慮して、どのPTA役員に立候補するか、しないかを考えてPTAの仕事を乗り切っていきましょう。