PTA役員は共働き・フルタイムという理由で断っても問題ない?

共働き、フルタイムで働く保護者の方は非常に大変です。

まして学校のPTA活動で役員に選出されたときなどは、さらに大変です。

実際のところ、家計を一部支えるためにどうしても仕事を優先させなければならないため、選出されても断ることが必要な場合もあるでしょう。

ここでは「PTA役員選出の強制力の有無について」と「断り方」について考えてみます。

1. PTA役員は共働き(フルタイム)でも断れない?!

保護者の方にとって、春には一大イベントがあります。

そうです、「PTA春の役員決め」イベントですね。

特に母親にとっては、憂鬱なイベントであるイメージがあります。

このPTA役員選出、誰かが立候補して引き受けてくれれば良いのですが、なかなかそうはいきません。

どのクラスでも、多くの母親が下を向き沈黙するのが定番の風景なのです。

さあ、「私はPTA役員がしたくてもできない理由」は言い終わったでしょうか?

では、じゃんけん(くじ引き)タイムといきましょう。

ため息...。

そもそも、PTA役員をやりたくない主な理由は何でしょうか?

無駄な会議、集会が多すぎる

これは、普段「いかに効率よく仕事を進めるか」を課題としている中間管理職が多い世代には、非常に苦痛となるでしょう。

保護者同士の人間関係を持ちたくない

現代ならではの理由です。

普段の職場では、仕事と割り切ってある程度ビジネスライクにやっているのに、子供のことがあるため、そうはいかないのです。

誰もPTA役員などやりたくないのに、クラスから決まった人数を選出させられるから

これは、PTA役員という仕事がすでにあって、そこに決まった人数を当てはめようとするから起こることですね。

そもそもPTAの活動自体がボランティアに当たるものですから、自主的な活動を自らの意志ですべきなのですが、多くのPTA団体では「自主的な意志で活動する」という方は少数派です。

PTA役員は共働きの家庭や、母親がフルタイムで仕事をしている家庭には、非常に負担となるケースが多いのです。

もちろん、仕事のことだけでなく介護や子育てなどで、現実的にPTA役員を引き受けることができない方も多いことでしょう。

このPTA役員、断ることはできないのでしょうか?

結論から言うと、「理論的にはもちろん可能」です。

しかしながら断る理由を明確に持ち、人間関係を崩さない配慮をしなければいけない、というハードルがあります。

そもそもPTA役員はおろか、PTAの加入そのものに強制力がありません。

ですから、PTA役員を断ることは可能です。

共働きで働く家庭や、母親がフルタイムで働く家庭では、それが立派な理由になります。

生きていくために必要な仕事に対して、自らの意志で行うボランティア活動が優先されることは、理論上ありえません。

ただし、表立ってそれを言ってしまうと人間関係が崩れます。

波風がなるべく立たなくしないように断ることが必要です。

3. PTA役員選出の強制力とは? 辞退する方法と注意点

PTA役員選出は、くじ引き、投票、じゃんけんなどが行われることも多いと思いますが、その結果、役員に選出されてしまってもそれに対して強制力はありません。

これはPTAという団体が、そもそも加入に強制力もないものですし、日本国憲法や民法の例を出すまでのこともないことです。

ひと昔前は、母親が家庭にいて、子供の育成や家事の役割を専任で担ってきました。

しかしながら社会の多様性やライフスタイルの変化に伴い、女性の社会進出が進みました。

そうした現代において、PTAの在り方・意義・業務負担が全く変わっていないのですから、このミスマッチが起こるのは当然のことです。

それなのに、抜本的な見直しは全国的に広まってはいません。

むしろ、このミスマッチはどんどん深刻化してきています。

さて、選出された方で「上手い理由で何とか辞退したい」と考えている方もいるでしょう。

ここではその方法と注意点を紹介していきますが、ちょっとその前に一言。

もし明確に辞退する理由がないのであれば、引き受けてみるのも判断の一つです。

どうしてもPTA役員の選出方法がネガティブであるため、良いイメージがないのも理解できるのですが、実際はやってみて良かったという意見もありますし、基本的には子供のための意義のある活動という事実は変わりません。

嘘などを言って逃げ回る...という保護者を子供は見たいと思わないでしょう。

もちろん、明確な理由がある場合は話が別ですが、しっかり考えてみましょう。

早い時期から「はっきりできないと伝えておく」ことが重要

これは非常に重要です。

家庭が共働きである場合や、母親もフルタイムで働いている場合は、現実的にPTA役員をするのは難しいでしょう。

そのため、そういった家庭事情を周囲の保護者にしっかり伝えておきましょう。

役員選出を投票で決定する場合、事情を知っている方は積極的に投票しようとは思わないでしょう。

嘘は絶対言わない

断る際には、嘘は絶対言ってはいけません。

その後の人間関係や、最悪の場合は子供にも良い影響を与えません。

また「転勤の可能性」というのは、PTA役員を選出されたときに良く使われるお断り理由ですが、確定しているものではないなら「言い方」にも注意が必要です。

PTA役員をやってくださる方に配慮をする

PTA役員に選出されたのに断った場合は、あなたに代わり引き受けてくださった方がいたことになります。

そういった方への配慮を忘れずに、行動することが重要です。

もちろん仕事の息抜きなどは必要なのですが、「PTA役員を辞退したのに遊んでいる」と陰口をたたかれないような行動が必要です。

断る理由を明確に

もちろん、プライベートな理由で断らなければならないこともあると思いますので、全てのケースに当てはまるわけではありませんが「そういった役員の仕事は苦手なので」「家から遠いので」などと、ちょっとだけフワッとした理由を発言してしまうと周囲の印象が良くありません。

理論的に納得できる理由を準備するべきです。

断り方こそが最も大事

これはしっかり読んでいただきたい部分なのですが、PTA役員を断る理由が明確であるからといって、「〇〇ですので無理です」などと感情的に断ることはしてはいけません。

断るにも言い方があります。

「役員は難しいのですが、今後はこういった形で協力したい」という提案や、「今回は難しいが、次回以降はできるだけ前向きに考えたいと思う」といった代案をしっかり提示しておくと良いでしょう。

4. まとめ

いかがでしたでしょうか?

PTA役員の選出について、ここまで考えてきました。

では、ポイントをわかりやすくまとめます。

  • PTA役員は共働き、フルタイムであれば断る理由になる
  • PTA役員選出に強制力はない
  • 基本的には、PTA活動はボランティア活動である
  • PTA団体の在り方にこそ、変化が必要とされているのでは?
  • 断る場合には早い時期から「はっきりできないと伝えておく」ことが重要
  • PTA役員を断る理由で、嘘は絶対言わない
  • PTA役員をやってくださる方に配慮をする
  • PTA役員を断る理由で曖昧理由はタブー
  • PTA役員の断り方、配慮こそが最も大事

文中にもすでに記述しましたが、子供は地域で育てるものです。

ですから共働き、フルタイムである理由からPTA役員を断る場合にも、しっかりとした周囲への配慮が最も重要です。

もちろん、PTAの在り方の問題提起は多くありますが、子供のために自身の時間と労力を割いてくださっている方が多くいるのは事実です。

しっかりと感謝の気持ちを忘れないことが大事です。