
車を所有し、なおかつマンションに居住を考えるなら、駐車場は避けて通れない問題です。
マイカーの保管場所も同時に考えなければならないからです。
基本的には分譲であっても賃貸であっても、駐車スペースの使用料は別に発生します。
マンションの居住場所は所有できても、駐車場は住民の共用部分とみなされるためです。
また、賃貸の場合は、そもそも駐車場がない物件もあります。
どちらにしても、家賃にプラスして駐車場代金がかかることになるわけです。
さらにマイカー離れも深刻になってきた近年では、駐車代金が上昇傾向にあるといいます。
一体どういうことなのでしょう。
そこで、この記事では、マンションの駐車場代金について徹底解説!
マンション駐車場をとりまく現状と、少しでもお得に借りるための対策までレクチャーします。
このページでわかること
1. マンションの駐車場代金はどのくらい?
車を持つ人にとって、月々支払う必要があるのが駐車場代金です。
マンションに居住するなら、どこかに駐車スペースを確保しなければならないですよね。
敷地内に停める場合は、住人の共用スペースとして管理組合に使用料を支払います。
それ以外にも、自宅の周辺の駐車場を月極契約で借りる方法があります。
家賃が高額な都市部では、家賃に比例するように、駐車代金が高くなる傾向になります。
たとえば、東京23区内で最も駐車代金がかかるとされる中央区では、月5万円以上かかる駐車場もあります。
比較的リーズナブルだとされる練馬区でも、駐車代金の相場は1~2万円前後となっています。
一方、郊外や地方では、駐車場代金はおおむね安くなっていき、一部安いところでは、5千円台を切るところも。
それでも年間にすると5万円弱かかることになりますから、結構な出費には変わりありませんよね。
(参照:【2018年度版】東京23区月極駐車場の相場決定版!!)
(参照:全国津々浦々!各都道府県の月極駐車場の平均料金・相場はいくら?)
2. 駐車場代金がもったいない?マンションと戸建の違い
固定費として家計への影響も大きいマンションの駐車場代金。
ところが、戸建ての場合は、駐車場代金がかからないことがほとんどです。
マンションと戸建てで、駐車場代金にどういった違いが出てくるのでしょうか。
まずはこの点から確認しておきましょう。
2-1. 戸建ての場合
戸建て住宅に車を停める場合、所有する敷地内であれば基本的に使用料金は不要で、月々の駐車場代金を心配することはなくなります。
ただ、注意点もあります。
そもそも家などの建築物を建てるときは、敷地の面積に対して建ぺい率や容積率というものを考えなくてはなりません。
建ぺい率とは敷地の面積における建物を建てられる割合を指し、容積率は敷地面積に対する延べ面積(建築物の各階の床面積の合計)のことをいいます。
つまり、車庫部分も建築物と見なして計算することになりますから、家そのものが駐車場部分の分だけ小さくなる可能性があるんです。
住居部分に車庫を含むような形で作るビルトインガレージや敷地内であっても別にしっかりしたカーポートを設けるときに、このようになる場合があります。
もちろん、緩和条件がありますが、戸建てできちんとした駐車場を設けたい場合は、頭に入れておいたほうがよさそうです。
一定の条件に該当すると、車庫が固定資産税や都市計画税の対象となることもありますので、自治体の窓口などでまずは確認しておくことをおすすめします。
2-2. マンションの場合
上でもふれましたが、マンションの場合は、敷地内であっても駐車代金がかかります。
住んでいる地域の地価や駐車場ニーズの高さにより、駐車場代金はまちまち。
ただ、管理組合に管理費や修繕費を支払っていますから、メンテナンスをお任せできます。
しっかりしたセキュリティ対策が取られているマンションも多く、個人で対策するのが難しい防犯面でも安心できます。
3. 空き駐車場って問題なの?
マンションの戸数よりも駐車場が少ない、居住者でも駐車場は抽選で当たらなければ借りられない……。
特に都市部では、マンションの駐車場を探すのに苦労しがち。
ところが最近、空いている駐車場も目立ち始めています。
一体どういうことなのでしょうか?
3-1. どうして空き駐車場ができるの?
よく言われるように、車に興味を持つ若い世代は減少し続けています。いわゆる「車離れ」ですね。
経済的に余裕がない若者も多く、車にお金をかける余裕がありません。
必要な時だけ車を利用する、カーシェアリングやレンタカーの普及も、若者の車離れに拍車をかけているといわれます。
加えて最近耳にするのが、高齢者の運転ミスによる事故。事故報道などを目にして、免許を返納し、運転をやめる高齢者も増加しています。
そもそも都市部では、公共交通網が充実していますから、車の必要性を感じない人が多くなった結果、車離れが加速し、駐車場の必要性も薄れているのです。
この傾向は、今後も顕著になっていくでしょう。
3-2. 空き駐車場の増加で生じる問題
こうした空き駐車場の増加は、思わぬ問題ももたらしていきます。
通常、駐車場を利用している人が支払った駐車場代金は、マンションの管理費や修繕積立金にあてられています。
ところが、駐車場を借りる人が少なくなると、当然ながら駐車場代金収入が減少。
減った分の収入を補填するため、管理費や修繕積立金などを値上げしなければならなくなるのです。
すると、現在、駐車場を借りている人たちは、さらに高額の駐車場負担を負わなければいけなくなってしまうかもしれません。
さらに、そうなると、重い負担を嫌って、車を所有することをやめる人もでてくるかもしれません。
「車離れ」は、駐車場をすでに利用している人にとっても、他人事ではないんです。
3-3. 対策すべきこと
管理費や修繕積立金が不足し、マンションの住人の負担が増えることはできる限り避けたいものです。
空き駐車場を減らすために、早めの対策をとることが大切です。
といっても、マンション駐車場利用者にできることはそう多くありません。
そこで、ここではマンション管理者やオーナーに向けた対策を4点ご紹介します。
- 住民に駐車場代金の見直しを周知
駐車場代金が高いなどの理由から、居住者の利用率が低い駐車場もあります。
そういった場合、まず、近隣相場との比較の上、駐車場代金の見直しを検討するのが手です。
外部の駐車場よりメリットがあれば、敷地内の駐車場を契約する人が増える可能性もあり。
また、そもそもマンション所有者が自分のマンションの駐車場の空きに気づいていないということも多いです。
潜在的なニーズはあるのに、それを捉えきれていないことがあるんですね。
そこで、周知やアピールも重要になります。
- 外部の人に貸す
マンションの駐車場をマンション所有者以外の人に貸す、サブリース(転貸)を取り入れるのも一案です。
敷地内の一部をコインパーキングとし、来客用として使用する方法もありでしょう。
- 管理組合の無駄を見直す
これまで駐車場使用料を管理費収入の柱としていたなら、見直しが必要になります。
可能であれば、機械式駐車場の稼働を部分的なものにするなども検討の余地があるといえます。
- 管理規約や使用細則の改定を検討
駐車場の利用が多かった時代に作られているマンションの管理規約や使用細則は、時代にそぐわない面も。
たとえば、これまで1戸につき1台の使用のみ認められてきたマンションでは、2台目の利用を許可するなどの見直しを考えてもいいでしょう。
4. まとめ
駐車場代金は、エリアの地価やニーズによって異なります。
マンションに住むのか、戸建てを買うのかといった条件でも違いがありますし、それぞれのメリット、デメリットもあります。
また、近年では、空き駐車場が問題となり、駐車場の稼働率の影響も避けられません。
駐車場を快適にお得に利用するためには、こういったポイントを理解しておくことが重要なんですね。
物件や駐車場を選ぶ時の参考になれば幸いです。




