マンションを売却するには物件の価値に加えて、いかに購買意欲を高めることができるかが鍵になります。
どのような準備をしておけば良いのか、内見・内覧希望者に対してはどう接すればよいのかなど、実戦で役立つ方法を解説をします。
このページでわかること
1. マンション売却時の内見・内覧会を成功させるコツ
マンション売却の決め手になることが多い内見・内覧会。
これを成功させることで売却できる可能性がぐっと高くなるので、できる限りの準備をして万全の態勢で臨む必要があります。
自分がマンションを購入する立場だったら…と考えつつ見てみてください。
1-1. 事前準備のポイント
内見・内覧会を行うことが決まったら、最低でも以下の準備しておきましょう。
- 相場はどの程度なのかの調査
- いつから内見・内覧を始めるのか
- ハウスクリーニング等を行う
- 必要な資料(分譲時のパンフレットや修繕履歴など)の準備
- 物件のアピールポイントをまとめる
こうした準備をするとスムーズに進みやすくなり、内見・内覧会でも良い印象を持ってもらいやすくなって売却できる確率が高くなります。
1-2. 内見申し込みへの上手な対応方法
内見の申し込みを受け付け始め、実際に希望者が現れたらどういった対応をすると良いのでしょうか?
申し込みがあった時点で、その物件が評価され始めていると考えて、丁寧で誠実な対応をすることが求められます。
日時を決めることなどの基本的なことに加えて、以下の点を意識してみてください。
・ 後に予定を控えていない時間をさりげなく狙う
午前中や午後の早い時間はあとに予定がある可能性が高いため、午後を自然な形で指定してもらえるように意識してみましょう。
・ 売りたいという気持ちを強く出しすぎない
内見したら買わないと申し訳ないというプレッシャーを与えてしまうと、せっかくの申し込みがキャンセルされることがあります。
・ 内見にお子様が来るかどうかの確認
お子様を連れて内見に来られた場合、お子様を飽きさせない準備をしておくとゆとりをもって内見してもらえます。
・ 最後に日時や連絡先の確認と名乗ることを忘れない
内覧予定日時の確認と連絡先の確認に加え、自分の名前を再度名乗り連絡先も伝えておくと内見のキャンセル率が下がります。
1-3. 内見当日の対応方法
ハウスクリーニングや周辺の清掃など、見た目の印象を良くする準備をしたら、あとはいかにアピールするかです。
内見者がやって来たらどのような対応をすればいいのでしょうか?
・ 分譲時のパンフレットや修繕履歴を提示する
分譲当時と比べて現状はどれくらい劣化しているのか、どういった場所が修繕された履歴があるのかという点を、内見者はとても気にします。
すぐに資料を提示できるように準備しておくと、しっかりと管理されているという印象になりますし、不安も解消することが出来るので大きなプラスになります。
・ お子様がいる場合は飽きさせない工夫をする
お子様を連れて内見に来られた場合、お子様が飽きてしまい早めに内見を切り上げるということが多々あります。
物件の魅力を伝えきれないと非常にもったいないので、お子様がいる場合はお菓子や遊具を準備して、飽きさせない工夫をしておくと印象も良く、しっかりとアピールすることが出来ます。
・ 不自然でない程度に相手の名字を呼ぶ
「お客様に合ったお部屋だと思います」よりも「〇〇様に合ったお部屋だと思います」というように、個人のお名前を呼ぶことで定型文感がなくなり、自分たちの為に話してくれているという印象を持ってもらえます。
・ 実際の暮らしぶりをリアルに伝える
より購買意欲を高めるには、そこでの暮らしをリアルに想像してもらうことが効果的です。
お子様がいる家族なら公園はどこにあるのか、スーパーはどこを使っている人が多いのか。
単身者であればセキュリティ面や交通の利便性をアピールするなど、内見者の生活に合ったセールストークが重要です。
良い面だけでなく、ネガティブな情報も必ず伝えるようにすると信頼関係を築きやすくなります。
何千万円もする大きな買い物になるので、マイナス面もしっかり伝えて納得してもらった方が購入へと踏み出してもらえる確率が高くなります。
1-4. 居住中と空き家の違い
現在も居住者がいる物件と空き家になっている物件では、内見希望者に対してのアピール方法が大きく異なります。
空き家の場合は、ハウスクリーニング等で過去の居住者の気配や使用感をなくすことが非常に重要になります。
対して居住中の物件の場合は、リアルで心地よい生活感を伝えることが内見成功の鍵になります。
居住中でも綺麗に保っておくことは重要です。
リビングやダイニングは片付け、水回りは水垢やサビ・カビがない清潔な状態にしておくなどの準備は必須です。
また、内見者は臭いも気にします。
「自分が住んだ時もこの臭いが残るのでは?」と思われてしまうとマイナスになります。
他人の住まいの臭いはどうしても感じてしまうものですが、洗える布製品系のものは洗濯し、キツすぎない芳香剤等で部屋の臭い和らげておくことも忘れないようにしましょう。
2. マンション売却までに必要となる内見・内覧会の回数
マンションを売却するまでには何度も内見・内覧会を行うことになります。
大体何回くらいで売却が決まるのか、とても気になる部分ではないでしょうか?
地域の人気度や物件の質で大きく異なりますが、10件くらいの内見・内覧会で売却に結びつくことが多いようです。
10回を大幅に超えても売却に至らない場合は、内装の状態や内見者へのアピール方法などを見直してみると良いかもしれません。
3. 内見・内覧者は来るのにマンション売却が成約しない?!確認すべき3つのこと
内見が10件をとっくに超えたのに売れないのはなぜなのか…とても悩んでしまいますよね。
そんな時は以下の3つのポイントを見直してみてください。
・ 内見者に合ったアピールが出来ているか
内見に来た人の家族構成や、ライフスタイルに合った物件のアピールはできていますか?
お子様がいない家庭に幼稚園や公園の説明をしていたり、車利用が多い人に駅の近さをアピールしたりしても効果が薄いです。
内見者が実際に住んで利用しそうな施設や、便利だと感じるポイントをメインに紹介するようにしましょう。
・ マイナス部分を伝えているか
マンション購入はとても大きな買い物だからこそ、
売主であるあなたへの信頼もとても重要で、信頼を得るには物件のマイナス面も誠実に伝える必要があります。
内見者は細かな点もしっかり見ているので、相手が気づいているのに伝えていないネガティブな面があると、一気に不信感を持たれてしまいます。
・ 売り出し価格は適切か
どんなに内見・内覧会で良いアピールが出来ても、相場よりも高い物件はなかなか買い手が付きません。
内見者に対してできる限りのことを行っても売れない場合は、売却価格の再考も視野に入れてみてください。
時間が経つほどにマンションの価値は下がってしまうので、売却価格を下げて早く売った方が良いこともあります。
4. マンションを売却したいのに内見・内覧申し込みが来ない場合の対処法
内見・内覧の申し込みが来ないのは非常に困った状態です。
そんなときは以下のポイントを見直して、まずはマンションの存在を多くの人に知ってもらえるようにしましょう。
- 広告活動が適切に行われているかの確認
- 広告の内容は物件の魅力を伝えられているか
- 売り出し価格が周辺相場に合っているか
いずれも重要なポイントですが、特に広告活動と内容の確認は売主も参加するメリットが大きいです。
物件の本当の魅力を伝えたり、囲い込みという売主を不利にする不動産業界の悪しき習慣に巻き込まれないようにしたりする予防にもなります。
囲い込みとは、マンションの売主と売却の媒介契約をした不動産会社が、ほかの不動産会社に契約をさせないことを言います。
こうすることで不動産会社は仲介手数料を独り占め出来ますが、物件は売却されるチャンスを大きく削がれてしまうので、売主には不利益となってしまいます。
囲い込み自体は違法ではないため、発見も改善も難しい習慣です。
売主も広告活動に参加すれば予防と発見ができるので、大切なマンションの宣伝は任せきりではなく、自分でもこまめにチェックするようにしましょう。
5. まとめ
宣伝や売却価格が重要なことはもちろんですが、内見・内覧会でのアピール次第で最後の一押しがることも多いです。
内見に来た人のライフスタイル、家族がいれば一緒に住む人のニーズが何かを見極めて物件の魅力をアピールしてみてください。
物件の質や周辺環境だけでなく、売主であるあなたも評価されているということも忘れないようにしてくださいね。




