
アパートやマンションを借りるときの初期費用の相場は家賃の6か月分といわれています。
突然家賃の6か月分といわれても、何にどんな費用がかかるのかピンとこない人もいるのではないでしょうか。
この記事では賃貸の初期費用の計算方法や、具体的に家賃に対していくら初期費用がかかるのかを解説します。
初期費用が高い物件・安い物件の特徴も紹介していますので、引っ越しを考えている人は参考にしてみてくださいね。
(掲載情報は2020年1月時点での情報です)
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このページでわかること
1. 賃貸の初期費用の相場は家賃の6ヵ月分が目安
賃貸の初期費用の相場は家賃の約6か月分です。
6か月分と聞くと、とても高い気がしますよね。
賃貸の初期費用としてどういったものが必要なのか見ていきましょう。
2. 賃貸の初期費用の計算方法
賃貸の初期費用にはどのような項目があるのでしょうか。
それぞれ見ていきましょう。
1. 敷金
敷金とは、退去時の原状回復のために使われる費用です。
修繕などの必要がなかったり、原状回復のために全額使われなかったりした場合には、退去時に返金されます。
家賃滞納時の費用として充てられることもあります。
家賃1か月分が目安ですが、最近は敷金0円の物件も珍しくありません。
ただし、敷金0円の場合に代わりに、退去時の清掃費用があるケースもあります。
2. 礼金
礼金とは大家さんに家を貸してもらったお礼として支払うお金のことで、目安は家賃1か月分です。
賃貸物件が少なかった時代は、家を貸してくれたことへの感謝という意味が強かったと言われています。
しかし、近年では賃貸物件が増えており、敷金も礼金もかからないいわゆる「ゼロゼロ物件」も少なくありません。
特に大家さんが「早く借り手を決めたい」と考えている場合には、敷金も礼金も0円になることがあります。
3. 仲介手数料
仲介手数料とは、その物件を紹介してくれた不動産会社へ支払うお金です。
仲介手数料は原則、貸主から家賃0.5か月分以内、借主から家賃0.5か月分以内と決まっています。
同意のあるときに限り、一方から家賃1か月分以内を受け取ることができるものの、貸主と借主から受け取る合計額が家賃1か月分を超えてはいけないとされています。
仲介手数料は課税対象なので、別途消費税が必要です。
4. 前家賃
入居する月の家賃を前払いします。
通常1か月分ですが、月の途中から入居する場合、日払い分の家賃も必要です。
中にはフリーレント といって一定期間の家賃がかからないような物件もあります。
家賃だけでなく、共益費や管理費なども見落とさないように注意しましょう。
5. 保証会社利用料
近年は保証会社に入る必要がある物件が増えてきています。
保証会社とは借主が家賃を滞納した場合に、借主の代わり支払う役割を担っています。
身内に保証人をお願いできない場合には、保証人なしで家を借りられるというメリットがあります。
しかし、保証会社利用必須となっている物件もあり、保証人をお願いできる人がいるにも関わらず保証会社を利用しなければならなく、初期費用が高くかかるという見方も。
保証会社の利用料は、初年度は家賃の50%~100%となっていることが多く、2年目以降は滞納がなければ安くなることもあります。
6. 火災保険料
万が一のときのために、火災保険に入る必要があります。
費用は2年で2万円程度です。
物件によってどの火災保険に入るか決められている場合と、火災保険に入る義務はあるもののどの火災保険に入るかは選べる場合があります。
火災保険の補償内容や、加入する火災保険が決められているかは事前に仲介業者に問い合わせてみましょう。
7. 鍵交換代
防犯上、入居時に鍵交換を行います。
費用の目安は2万円です。
ただし、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」 では、破損や紛失ではない場合の鍵交換は貸主の負担と考えられています。
あくまでガイドラインであるため、義務ではないのですが、交渉してみる余地はありそうです。
8. 消毒代
入居前に消毒を行うための費用です。
費用の相場は2万円程度となっています。
しかし消毒はスプレーを噴射するだけともいわれており 、借りたい物件で必須でないなら交渉してみてもよい項目です。
9. 引っ越し費用
賃貸契約そのもの以外にも、引っ越し費用がかかるので計算に忘れずに含みましょう。
引っ越し費用は、時期・距離・荷物の量によっても変わりますが、5万円~6万円は考えておきましょう。
3. 【家賃別】賃貸の初期費用目安
|
家賃 |
初期費用 |
|
5万円 |
33万5,000円 |
|
5万5,000円 |
36万250円 |
|
6万円 |
38万3,000円 |
4. 賃貸の初期費用の内訳
1. 家賃5万円の場合
家賃5万円の場合の初期費用の目安は、33万7,500円です。
内訳は下記の通りとなっています。
- 敷金:50,000円
- 礼金:50,000円
- 仲介手数料:27,500円
- 前家賃:50,000円
- 保証会社利用料:50,000円
- 火災保険料:20,000円
- 鍵交換代:20,000円
- 消毒代:20,000円
- 引っ越し費用:50,000円
2. 家賃5万5,000円の場合
家賃5万5,000円の場合の初期費用の目安は、36万250円です。
内訳は下記の通りとなっています。
- 敷金:55,000円
- 礼金:55,000円
- 仲介手数料:30,250円
- 前家賃:55,000円
- 保証会社利用料:55,000円
- 火災保険料:20,000円
- 鍵交換代:20,000円
- 消毒代:20,000円
- 引っ越し費用:50,000円
3. 家賃6万円の場合
家賃6万円の場合の初期費用の目安は、38万3,000円です。
内訳は下記の通りとなっています。
- 敷金:60,000円
- 礼金:60,000円
- 仲介手数料:33,000円
- 前家賃:60,000円
- 保証会社利用料:60,000円
- 火災保険料:20,000円
- 鍵交換代:20,000円
- 消毒代:20,000円
- 引っ越し費用:50,000円
5. 初期費用が相場より安い賃貸の特徴
初期費用が相場より安い賃貸物件にはどのような特徴があるのでしょうか。
1. 人気がない
築年数が長い、駅から遠いといった何かしら不便な理由があって、費用が抑えられている場合があります。
人それぞれ気にするポイントは違いますので、こだわる部分と条件が一致しているかしっかり確認しましょう。
2. 訳アリ物件
いわゆる事故物件で、室内で人が亡くなったなどの事情により、告知事項ありとされている物件です。
6. 初期費用が相場より高い賃貸の特徴
初期費用が相場より高い賃貸物件の特徴を見ていきましょう。
1. 時期
4月の新生活に向けて、2月~3月は引っ越しをしたい人が多いため、初期費用は高くなる傾向にあります。
逆に6~8月は引っ越す人が少ないため、初期費用の交渉がしやすい時期です。
7. 賃貸の初期費用の相場情報まとめ
賃貸の初期費用の相場を解説してきました。
よく聞く「賃貸の初期費用の相場は家賃6か月分」というのは、
- 敷金
- 礼金
- 仲介手数料
- 前家賃
- 保証会社利用料
- 火災保険料
- 鍵交換代
- 消毒代
- 引っ越し費用
といったさまざまな費用が含まれることがわかりましたね。
初期費用を高くしないためには、引っ越しの時期を選ぶといったコツがあることも紹介しました。
初期費用が安い物件を選ぶときは自分の必要としている条件と一致しているか、細かい部分まで確認しましょう。




