賃貸物件の入居審査は、入居希望者の状況により不合格になる場合があります。
一度審査に落ちると、同じ物件では再審査を申請しても通らない可能性が高いです。
賃貸物件を貸す側は、基本的に審査の不合格理由を伝えません。
そのため、原因は自身で推測し、改善に努めなければなりません。
本記事では、賃貸の入居審査に通らない主な理由を挙げます。
心当たりがないか確認しましょう。
賃貸物件により入居審査が異なることにも注意してください。
以上を踏まえたうえで、入居審査に通らなかった場合の対処法を紹介します。
必要条件をクリアして新しい入居先を見つけましょう。
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1. 賃貸の入居審査に通らない10の理由
賃貸物件の入居審査に不合格になる原因は主に以下の10パターンが考えられます。
1-1. 家賃のわりに収入が低すぎる
理想の家賃は収入の1/3といわれています。
目当ての物件の家賃のわりに収入が低すぎたり、全くない場合は入居審査に不合格となる可能性が高いです。
大家をはじめ貸主が最も警戒するトラブルは家賃の滞納であり、現在も多くの物件で家賃滞納のトラブルが発生しています。
督促時に入居者の収入が不安定だったり全くないことがわかると金銭事故の可能性が高くなり、貸主は多大な迷惑を被ります。
一人暮らしを希望する学生、無職、生活保護受給者などは審査に落ちやすいです。
このほか、仕事が長続きしないフリーター、風俗、水商売、自営業、外資系など、収入の安定性が見込まれなかったり、離職率が高かったりする職業も審査に通らない物件が多いです。
ネットビジネスを展開する人、仮想通貨などのデイトレーダーで生計を立てている人、フリーランス (自営業) なども収入が不安定であり、物件によっては支払い能力を疑われることがあるため注意してください。
1-2. 風紀や治安上の問題
タトゥーなどがあり、見た目で怖い印象を与えたり、話す態度があまりにも悪かったりすると、入居を断られる可能性が高いです。
髪の毛がボサボサだったり、何日も体を洗っていないために体臭がしたりして清潔感がない場合も入居審査で落ちることがあります。
風紀的観点から、風俗や水商売に関わっていたりする場合もよく思われない場合があります。
職業を秘密にしていると、相手側から警戒され、入居させてもらえない可能性が高いです。
内見時に物件に対してクレームや意見を述べすぎた場合も貸主に悪印象と判断される場合があります。
内見時の物件に対する意見は2つまでにとどめましょう。加えて家賃や初期費用の値切りを要求する人も嫌う相手が多いので要注意です。
1-3. 連絡先がはっきりしない
賃貸契約時に連絡先を書いていない場合も入居審査で不利になります。
連絡先は貸主側の緊急連絡時に確実に繋がるために必要で、申込書でも記入必須です。
他の人に迷惑をかけないために連絡先を空欄にする人もいますが、連絡先がわからないことでトラブルになった場合は原則入居者の責任になります。
貸主側がこれを未然に防ぐため、連絡先が空欄の場合、入居を断られる可能性が高いです。
1-4. 連絡先が非血縁関係者
緊急連絡先は両親や兄弟姉妹などの血縁関係者にしましょう。
友人や勤務先の同僚などを連絡先に書く人もいますが、その場合、審査に落ちる可能性が高まります。
友人や同僚は非血縁関係者であるため、本人と関係が切れる可能性が高いと考えられています。
もし家族と絶縁しているなどの理由でどうしても非血縁関係者の連絡先を書かなければいけないときは、貸主側に誠意をもって事実を正直に説明しましょう。
1-5. 夜勤の職業
工場勤務や土木作業員、医療関係、風俗や水商売など、夜間の仕事の機会が多い人は入居を断られる可能性があります。
夜間の仕事が中心になっている人は、昼夜逆転の生活になっている場合が多いです。
そのため夜間に物音をよく立てることで隣人などとトラブルになる可能性があります。
転職の機会がない場合は、職業を正直に伝え、面談などの際に好印象をアピールできるよう心がけましょう。
1-6. 転居理由をまともに答えられない
転居理由が正当でない場合も入居を断られる可能性があります。
特に近くに恋人や知人が住んでいるからだけの不純と思われやすい理由は審査に不利になります。
職場に近かったり、家賃が安く部屋が広かったりなど、貸主が納得する理由を述べましょう。
1-7. 過去に金銭トラブルを起こしている
過去に何度も家賃や公共料金を滞納していたり、自己破産をしていたり、クレジットカードや借金などに関連した金融トラブルを起こしていたりすると入居審査を通らない可能性が高いです。
主は確実に家賃を払うことができる保証を確かめますので、金銭トラブルの経歴はマイナスの印象を与えます。
1-8. 同棲やルームシェアが目的である
夫婦ではない恋人同士の同棲や友人同士のルームシェアを目的とした入居も断られるケースがあります。
夫婦以上に仲違いで片方が住居を去る可能性が高いからです。
ルームシェアなどで家賃を折半していても、片方が去ることで残された一人が全額を負担しなければならなくなるため、支払い能力がなければ家賃滞納に至ります。
こうしたトラブルを懸念し、同棲やルームシェア目的での入居は貸主側が警戒するケースもあります。
1-9. 精神疾患がある
精神疾患がある場合も入居審査が厳しくなります。
精神異常による異常行動や暴力沙汰などにより、同居人や隣人などとトラブルになる可能性があるためです。
貸主側からの連絡にもまともに対応できないことも懸念され、入居を断られる場合があります。
1-10. 夜逃げ
家賃滞納などを理由に夜逃げして転居を図る人もいますが、この行動はおすすめしません。
家賃滞納のまま無断で住居を去った事実が保証会社や、賃貸住宅会社間で情報共有されるケースがあるためです。
場合によっては会社の垣根を越えて、警戒すべき人物の情報が出回ることもあります。
そのため夜逃げが発覚することで入居審査を断られることがあり、入居できてもあとで退去処分になる可能性が高いです。
家賃を滞納してしまった場合は、大家さんや連帯保証人へ相談したり、生活困窮者自立支援制度の活用、または法テラスの弁護士などへの相談などを活用しましょう。
2. 保証会社によって入居審査の基準がちがう
賃貸物件の入居審査の基準は保証会社や大家などにより異なるため、事前にチェックする必要があります。
入居審査にはほとんどの賃貸物件で共通する項目があり、申込者および保証人の個人情報、申込者の勤務先の情報などが当てはまります。
以上だけが全てでなく、保証会社や大家が独自の基準を設けます。
同じ職業でも、寛大に受け入れる貸主がいれば、そうでない貸主もいます。
同じ家賃のマンションに同じ年収の人が申し込んでも、マンションの貸主により長期的に支払い能力が維持できると判断する場合としない場合があります。
年収がある程度まで上がっても、現在の業種の経験が浅い場合や、業種が水商売など特殊であるだけで審査に落ちるケースもあります。
そのため、自身が貸主に受け入れられるかは運次第という面も少なからずあります。
3. 賃貸の入居審査に通らなかった場合の対処法
賃貸物件の入居審査に不合格となった場合は、相応の対処をしたうえで、次の入居審査に臨む必要があります。
以下に6つの例を挙げます。
3-1. 不動産屋の印象をよくするよう心がける
態度や見た目が悪いことで入居審査を通らない場合があるため、言葉遣いや面談時のマナーを正しく行いましょう。
清潔感のある服装も相手の印象を左右します。
会社の面接を受けるイメージで臨みましょう。
3-2. 連帯保証人を立てる・変える
自身の収入面だけで家賃を払い続けることができる保証がない場合、連帯保証人を立てましょう。
連帯保証人は第3親等以内の親族か、月収が家賃の5倍以上あり、親族に近い信頼関係を結んでいる人が望ましいです。
また、元々の連帯保証人の収入が安定していないことも入居審査に不合格となる原因になるため、別の人を連帯保証人として頼ることも考えられます。
3-3. 家賃債務保証会社を利用する
家賃債務保証会社という、連帯保証人がいない人のための代行会社に頼む例もあります。
物件を借りた人が家賃を払えなかった際、保証会社が代わりに家賃を保証してくれます。
しかし保証会社も、過去に公共料金や家賃などの滞納や借金などの金銭トラブルがあると受け入れてもらえない場合があります。
物件によっては、指定の保証会社しか利用できない場合や、保証会社自体の利用を認めていない場合もありますので事前にチェックしておきましょう。
3-4. 確定申告を提出する
自営業、フリーランス、投資家など収入が安定しづらいイメージの強い業種の人は昨年分の確定申告を提出すると、貸主の一定の信頼を得ることができます。
3-5. UR賃貸住宅に目を向ける
UR 賃貸住宅は都市再生機構が運営しており、入居審査が収入のみを基準としています。
複数の賃貸住宅で職業上などの理由で入居審査に落ちてしまう場合は UR 賃貸住宅に目を向けてはどうでしょうか。
礼金、仲介手数料、更新料、保証人および保証料が無料なのも UR 賃貸住宅のメリットです。
3-6. ビレッジハウスに目を向ける
ビレッジハウスは、国籍、職業、年齢不問で、礼金、仲介手数料、更新料、保証人に加え、敷金も不要の賃貸物件です。
家賃は最安で2万円台ですが、部屋の広さは2K以上のものが多いです。
複数の賃貸住宅で入居審査に受からない場合は、こちらに目を向けることも考えられます。
4. まとめ
入居審査に受からない原因は、貸主側から直接希望者に伝えることはありません。
しかし主たる原因として、家賃を払えるだけの収入がない、職業上の問題がある、連絡先などの不備、金銭トラブルの過去があるなどが考えられます。
入居審査に受かるようにするため、相手に好印象を与えられるよう清潔な服装や健全なマナーに気を配ったり、保証人や保障会社に依頼したりするなどの方法が考えられます。
入居審査の不合格が度重なる場合は、 UR 賃貸住宅やビレッジハウスなど、審査基準の低いところに注目するのもいいでしょう。




