賃貸の入居審査に落ちる確率は20%

賃貸マンションやアパートの申し込みをすると、必ず入居審査というものを受けます。

申し込みをする時には不動産会社の担当者から「審査は簡単なものなので特に心配はいりませんよ」といわれるのですが、あとから電話で「審査に通りませんでした」という連絡が来ることもあります。

実は入居審査委に落ちる確率は20%もあり、誰でも通るというわけではありません。

ただ審査に落ちてしまうケースにはある特徴があります。

そこで今回は入居審査に落ちやすい人のタイプや物件の特徴をわかりやすく解説!

もしもあなたが審査に落ちてしまった場合、その後の物件探しのポイントについても紹介します。

1. 賃貸の入居審査に落ちる確率は20%

賃貸物件の入居審査では、いろいろなことがチェックされます。

まず一番重要なのは「希望者が毎月確実に家賃を支払うことが出来るのか」ということです。

大家さんの収入は、月々に入居者が支払う家賃です。

空きがない賃貸住宅であれば、大家さんは最初に想定していた通りの家賃収入が得られます。

ところが空きがないのに家賃の未払いをする住人がいると、予定していた家賃の収入よりも低くなってしまいます。

しかも未払いのまま入居者が夜逃げしてしまえば、未回収の家賃は当然回収できなくなります。

こうしたことを避けるために審査で「本当に家賃を支払うことが出来る収入があるのか?」ということをチェックするのです。

ただしチェックするのはこれだけではありません。

もしものことを考えて保証人をつける場合、その保証人の収入についてもチェックします。

家賃の未払いがあった場合、入居者本人が支払いに応じない場合は保証人に請求するしかありません。

ところがその保証人が未払い分の家賃を支払うだけの能力がなければ、請求しても意味がありません。

そのほかにも入居者の人柄もチェックします。

賃貸マンション・アパートではほかにもたくさんの入居者がいます。

入居者同士のトラブルは管理している大家さんとしては一番避けたいことです。

その点「礼儀正しい性格」「温厚な人柄」「誠実な人」などは、こうしたトラブルの原因になることはまずありません。

そのため入居希望者の人柄についてもチェック対象となります。

このように入居のための審査では、いろいろな角度からチェックされます。

そのため審査には数時間~3日程度時間がかかりますし、審査に落ちてしまう人もいます。

その割合は思っている以上に高く、希望者の約20%が落ちてしまうのです。

2. 賃貸の入居審査に落ちる確率が高い人

契約社員の場合

契約社員の場合、契約期間が過ぎると雇用の解約をされてしまうことがあります。

すぐに新しい雇用先が見つかればよいですが、もしも見つからなければ無収入状態になってしまいます。

これは大家さんとしては大きな不安材料になります。

いくら貯金があったとしても、確実に毎月収入がある方が大家さんとしては安心なのです。

そう考えると、「契約社員で手取りが30万円以上ある人」よりも「大手企業の正社員で手取り20万円の人」のほうが安心して家賃を支払ってもらえると考えます。

正社員なのに転職を繰り返している人

正社員であっても入居審査に落ちやすい人はいます。その代表的なのが「転職を繰り返す人」です。

しかも最近は雇用形態よりも勤続年数を重視するケースが増えてきているのです。

働き方が昔よりも幅広くなっているので、正社員以外の働き方を選択する人も増えています。

ところがそれと同時に正社員であっても何度も転職を繰り返す人も増えています。

そのため契約社員でも「勤続年数10年」となると、審査での印象はかなり良くなります。

ところが正社員であっても「1年以上同じ会社で働いたことがない」という場合は、「将来安定した収入が見込めなくなる可能性がある」と判断します。

ですから「正社員だから審査に通る」ということではないのです。

あくまでも「同じ条件で契約社員と正社員を比べた時には正社員の方が有利」というだけで、「正社員であれば落ちることはない」ということとは違うのです。

建築・土木関係で働いている人

建築・土木関係の仕事をしている人も、審査では落ちやすいタイプといえます。

もちろん建築・土木系の大手企業に正社員として働いている場合は問題ないのですが、一般的に建築土木関係では家族経営や個人経営など小規模な会社がほとんどです。

社員としてこうした会社に勤めていても、実質上は日雇い労働と同じことが多いです。

しかも雇用保険に入っていないことが圧倒的に多いので、仕事中に怪我をすると収入の保証がありません。

こうなると順調に仕事があるときは問題ありませんが、「仕事が暇になって出勤日が月の半分しかない」「仕事中に大けがをして3か月入院生活になった」となれば、家賃の未払いが起きる可能性が高くなります。

そのため建築・土木関係の仕事をしている人は、通常の審査よりも「勤続年数」「年収(月々の手取り)」「雇用条件」など細かいところまで厳しくチェックされます。

そのため審査に落ちやすい傾向があります。

スマホの分割払いで未払いを何度も繰り返す人

「借金があると落ちやすい」というのは誰でもイメージがしやすいはずです。

ところがあなたが今持っているスマホが原因で審査に落ちてしまう可能性があるということはご存知でしょうか?

スマホの購入というと、ほとんどの人が分割払いにしますよね?

何しろ最近のスマホは高性能を売りにしているので、現金で一括払いをする人はほとんどいません。

その代り分割払いにして月々の使用料と一緒に支払いをするというのが一般的です。

ところがスマホは今や日常生活で欠かせないものです。

ひと昔前までは「電話が出来る」「メールが出来る」という程度の機能でしたので、電話の使用料が1か月に数万円になるなんてことはよほどの事情がなければありませんでした。

でも今のスマホは、1台あればほとんどの電子機器類の代用が出来ます。

昨日も多様化していて「写真を撮る」「テレビを見る」「ネットで情報を検索する」のほかに「ゲームを楽しむ」という機能もあります。

しかもスマホのゲームには課金システムがあるものも多く、ゲームのし過ぎで使用料が数万円になることもよくあります。

さすがにスマホの使用料が1か月に数万円となれば、その支払いはかなりの痛手です。

そうなると使用料の未払いが起こります。

ただしスマホの購入代も使用料と一緒に請求されるので、結果として「スマホの分割払いが未払いになる」と同じことになります。

これはカードローンの返済と同じです。

分割払いはあくまでもローンと同じ仕組みですので、未払いが3か月以上続くとブラックリストにのります。

このブラックリストは審査のうえで必ずチェックされます。

「たかがスマホの使用料」と思っているかもしれませんが、あなたがスマホの購入金額を完済していないのであれば使用料の未払いが審査に落ちる原因となります。

「落ちる条件はないはずなのに…」という場合は、あなたのスマホが原因かもしれないと考えてみてくださいね。

奨学金の返済に困っている人

大学進学の際に奨学金を利用する人が増えていますが、その金額を完済するまでにはかなりの期間がかかります。

奨学金制度といっても、これは「お金がもらえる制度」ではありません。

「お金を借りる制度」と考えなければいけないので、大学を卒業すれば返済が待っています。

もちろん借りたお金は完済するまで毎月決められた返済額を支払い続けます。

ところが大学新卒の正社員の給料ではなかなかゆとりのある暮らしはできません。

まして収入が不安定な非正規雇用の場合は、さらに厳しい現実が待っています。

そこでつい「きちんと支払いをするのだから数か月の遅れは大丈夫だろう」と思ってしまうと、これが落ちる原因になります。

そもそも奨学金はスマホの購入と同じで、一度立て替えてもらったお金を分割して返済していくものです。

そのため3か月以上未払いとなるとブラックリスト入りします。

当然ですがブラックリストに載っている人は、審査で落ちる確率がグッと上がります。

3. 入居審査に落ちる確率が高い賃貸物件

入居希望者の年収または1ヶ月の手取りが、家賃の3分の1を超えている場合は審査に落ちる可能性が高いです。

そもそも賃貸住宅では「適正家賃」があります。

ライフスタイルも多様化しているので一概には言えないのですが、一般的に収入の3分の1を超える家賃の場合は「支払い能力がない」と判断されます。

つまり1ヶ月の手取りが18万円なのに家賃15万円の物件に審査を申し込んでも通らないということです。

ここではわかりやすくするためあえて極端な例を挙げましたが、金額が上がっても考え方は同じです。

手取りが100万円あっても家賃が100万円であれば当然「支払い能力がない」となります。

かといって手取りが100万円で家賃50万円であっても、これだけの収入があるのであれば当然生活費にかかる費用も高くなります。

このように家賃が高い物件の場合は家賃が入居者の収入の3分の1以下でなければ、どんなに収入があっても審査に落ちる可能性が上がります。

4. 入居審査に落ちた場合の賃貸物件の探し方

申込者を変えてみる

「夫婦・ファミリーで暮らす」または「同居人がいる」というのであれば、申し込みをする人を変えることで審査に通る可能性があります。

ですから同居人がいるのであれば、審査に落ちた人以外の名義で再審査してもらってみましょう。

公営住宅を申し込む

公営住宅の場合は入居の条件がありますが、条件を満たしていれば民間の賃貸住宅のような入居審査はありません。

ただし公営住宅は人気があります。

また管理する自治体によっても応募条件に違いがあります。

ですからまずは公営住宅の応募条件をあなたが満たしているかを確認してください。

手続きなどで不安な場合は、公営住宅を管理している自治体窓口に相談するのが一番です。

一般の不動産賃貸仲介業者も申し込みの手伝いを無料でしてくれるので、まずは不動産仲介会社の担当に相談してください。

人柄をアピールして不動産会社を味方につける

審査には希望者の人柄も関係します。

不動産屋によっては申込みをする物件の管理をしていて大家さんと親しい会社さんであることがあります。

その場合は、不動産会社の担当さんと大家さんで入居の合否が決められることもあります。

ですのでこれは調査会社というよりは、対面接客をする不動産仲介会社の担当さんの印象が関係します。

ですから電話で問い合わせをする時も、明るく誠実さが伝わる話し方をするようにします。

不動産会社に直接相談に行くときには、清潔感のある服装を心がけます。

このようにちょっとしたことですが意識するだけであなたの印象はかなり変わります。

不動産の担当者としては、少しでも良いお客さんを大家さんに紹介した方が得をします。

ですから審査の基準に落ちてしまってもギリギリのラインで落ちている場合は、あなたの人柄を大家さんにアピールして入居を認めてもらえるように説得してくれることもあります。

不動産仲介のみをおこなっている会社の担当さんであれば、審査が落ちてしまった際に他の手を考えてくれるでしょう。

それでもやはり「すぐに連絡がつく」「電話を無視しない」「保証人に連絡がちゃんとつく」「書類を期日までに集められる」など、信頼のできる人でないと一生懸命他の手を考えてくれません。

ですので、印象を良くしなければいけないのではなく、誠実な対応をしましょう。

5. まとめ

「よほどのことがなければ落ちることがない」といわれる入居審査ですが、実際には申し込みをした人の約20%が落ちています。

でも落ちやすい人のタイプや物件の特徴が分かれば、対策も見えてきます。

また「審査に落ちるかも…」と不安に思っている場合は、素直にそう思う事情を不動産仲介会社の担当さんに相談してみるのが一番良い方法です。