御札と出会った

賃貸マンションの物件情報を探しているとき、備考欄に「告知事項あり」と書いてあるのを見たことはないでしょうか。

その物件は、事故物件の可能性があります。

ここでは、事故物件とはいったい何なのか、事故物件はどのように見極められるのかをご説明します。

また、事故物件に住むメリットとデメリットも考えてみましょう。

 

おすすめ賃貸マンション情報

都内で理想のマンションを見つけるなら「賃貸情報サイトいえどき」がおすすめ!写真付きの詳しい物件情報を今すぐCheck!

1. 賃貸マンションの事故物件とは?告知事項ってなに??

「事故物件」という言葉は法律や辞書などに定めがないので、あいまいに使用されています。

簡単に例を挙げると、前の入居者さんがお部屋の中で亡くなった物件を「事故物件」と呼んでいます。

自殺・他殺、その他事故によってお部屋で亡くなった場合は事故物件にあたりますが、老衰や病気による自然死の場合は事故物件と呼ばないことがあります。

一人暮らしのお年寄りが老衰により自然死して長期間発見されなかった場合は事故物件と呼ぶ可能性が高いですが、自然死であってもすぐに誰かに発見された場合はその可能性は低くなります。

その他では、お部屋で火災が起こった場合、物件の近くに嫌悪施設や暴力団の事務所がある場合など、人の死亡に関係のない物件も事故物件と呼ばれることがあります。

嫌悪施設とは、その存在が嫌われる施設・構造物・建築物の総称のことで、以下があります。

  • 品格が下がるような施設(パチンコ店やラブホテル等)
  • 公害発生の危険性がある施設(粉塵の出る工場、プレスの機械や鍛造機の騒音が出る工場工場や焼却施設、下水処理施設等)
  • 不快感や危険感を与える施設(葬儀場や火葬場、刑務所、ごみ処理施設等)

事故物件と似たような意味で、「心理的瑕疵(かし)物件」という言葉を使う場合もあります。

「瑕疵」とは欠点や欠陥を意味し、「その事実があることを知っていれば、賃貸契約をしなかった」と言われてしまうような物件のことをいいます。

その事実とは、前の賃借人がお部屋の中で亡くなったことや、不思議な現象?が起こってしまうことです。

物件情報の備考欄に「心理的瑕疵あり」と書いてある物件は事故物件なので、この言葉は頭に入れておきましょう。

ただし、ほとんどの物件は「告知事項あり」になっており、詳細は問い合わせてみないとわかりません。

 

「告知事項」とひとことに言ってもどういうものがあるのでしょうか?

なんだそんなものもあるのか、と思うような例もありましたので、ご紹介します。

1-1. 告知事項例)駅から近すぎて電車が通るたびに振動する

駅から近いことは良いことなのですが、なんでもすべて限度があるように、とある物件は近すぎたようです。

「告知事項」の内容を問い合わせてみると、

駅から近すぎて電車が通るたびに音が鳴り揺れます。ファミリータイプのお部屋なのですが、お子様のお昼寝には全く向いていません。
夜に家にいらっしゃって電車の音や揺れがおさまる頃に就寝される方でしたらご紹介可能です。

とのことでした。

駅から近い、というより、線路に近すぎたのでしょう。

朝5時から夜中1時ころまで定期的に揺れる部屋、なかなか寝かせてくれませんね。

 

1-2. 告知事項例)上階の部屋から足音がすごく響く

木造のアパートなら誰しも聞こえて、共同生活に置いてある程度我慢しないといけないものではあります。

ですが、それは「告知事項」と記載されてしまうほど大きいそうです。

鉄筋コンクリート造でしっかりしているマンションで築年数は古いものでした。

上階の方はそのマンションの区分所有者で、何度言っても改善は見れなかったそうです。

短期解約が相次ぎ、ついには告知事項にまでなってしまった上階の方の足音。

世の中に不満があるなら団駄を踏まず、声を大にして行政に訴えてほしいものです。

 

1-3. 告知事項例)反社会的勢力の事務所が

①なぜ、入っているのでしょうか、結構キレイなマンション内に

そこはSOHO相談可能の賃貸マンションでした。

区分所有されているのでしょうか。

さすがにどの部屋番号かは教えてもらえませんでした。

②静かな路地、窓を開けたらそこに怖そうなお兄さん

角地にあるマンションで、入り口は大きめの道路に面しているのですが、告知事項として出ていたお部屋は細い路地を臨むお部屋でした。

その細い路地の向かいにその事務所があり、発砲事件が起きたとニュースで出ていたとのことです。

窓は開けてはいけない…

 

事故物件と言っても実は様々なお部屋がありますので、人の死に関係のある物件だと思っていた方は、その他の理由が場合があると知って驚いたかもしれません。

ただし、前の賃借人がお部屋の中で死亡した物件を事故物件と呼ぶのが一般的なので、ここではそれを前提として説明していきます。

 

2. 事故物件の賃貸マンションを見極める5つの方法

2-1. 相場よりも家賃が安い

条件が同一であれば家賃が安い物件を選びたくなるものですが、相場よりも明らかに家賃が安い物件は事故物件の可能性があります。

相場といってもわかりにくいですが、その地域の同じような広さの物件と比較して、家賃が特に低い物件があったら備考欄を確認してください。

「告知事項あり」や「心理的瑕疵あり」などと書いてありませんか。

書いていなくても安心してはいけません。

何も記載がないので問い合わせてみたら、実は…ということもあります。

他の見極め方も知っておくことが必要です。

 

2-2. 不自然にリフォームされている

住みたい賃貸マンションを見つけたら、賃貸契約の前に内見をすることになります。

その際にお部屋の中の一部だけリフォームされていたり、マンション内でそのお部屋だけ特別にリフォームしたという話を不動産会社から聞いたりしたら、事故物件の可能性が考えられます。

前の賃借人が死亡してしばらく発見されなかった場合は、その部分の床だけリフォームされることがあります。

物件情報からはわからなくても、不自然なリフォームに気付いた場合は、その場で不動産会社に確認することが重要です。

 

2-3. マンション名や外装が最近変わった

前の賃借人が他人に殺されたという理由で事故物件になった場合は、新聞やテレビで取り上げられ、マンション名や外装が世間に知れ渡ることがあります。

そうなると次の賃借人が見つかりにくいので、マンション名の変更や外壁の塗り替えが行われることがあるそうです。

住みたい賃貸マンションがある地域で殺人事件が起きた場合は、マンション名や外装が違うからといって安心はできないということです。

 

2-4. 前の賃借人が住んでいた期間が短い

不動産仲介会社は事故物件を賃貸借契約してもらう場合、賃借人となる方に契約前に告知する義務があります。

ただし、告知事項についての明確な規定がなく、告知が必要な期間も決められていないので、大家さんと不動産会社で話し合って告知するかどうかを決めています。

事故から2年経過すれば告知は不要と判断することもあるようです。

また、前の賃借人が死亡した場合には告知が必要で、前の前の賃借人が死亡した場合には告知は不要とされることが多いです。

このことを悪用して、前の賃借人には低家賃・更新なしの1年契約で貸し、その次の賃借人には告知しない不動産会社もあります。

賃貸契約をする前に、不動産会社に前の賃借人が住んでいた期間を聞いてみるとよいでしょう。

 

2-5. 事故物件かどうか、インターネットのサイトで調べる

物件情報を見ても事故物件かどうか判断できない場合でも、インターネットで調べることができます。

全国の事故物件を公表しているサイトがあり、ここには正確な場所だけでなく事故物件になった理由や時期が記載されています。

大島てる

賃貸マンションの所在地を入力するだけで簡単に調べることができます。

すべての事故物件を網羅しているわけではないですが、賃貸契約をする前に一度調べておくと安心です。

ただし、すべてが正しい情報ではなく中には嘘の情報も入っていることもあります。

 

おすすめ賃貸マンション情報

都内で理想のマンションを見つけるなら「賃貸情報サイトいえどき」がおすすめ!写真付きの詳しい物件情報を今すぐCheck!

3. 事故物件の賃貸マンションを借りるメリット・デメリット

3-1. メリット

これまでは、「知らないうちに事故物件に住んでいた」ということが起こらないように、事故物件の賃貸マンションの見極め方を見てきました。

ここでは少し視点を変えて、事故物件に住むメリットを考えてみます。

・家賃が安い

前の賃借人が死亡したお部屋に住むことは「気味が悪い」「不快」とネガティブに感じる方が圧倒的に多いため、事故物件は同一条件の物件と比較して賃借人が見つかりにくいのが通常です。

同一条件で同じ家賃なら、誰でも事故物件でない部屋を選ぶはずです。

しかし、家賃を安くすれば話は変わります。

家賃が安ければ、事故物件であっても借りようと考える人が少数います。

それを見越して家賃を安めに設定しているのです。

 

・同じ家賃でより好条件の物件に住める

これは、「家賃が安い」というメリットから導かれるメリットと言えます。

広さ、駅までの距離、その他の条件はすべて良くても、家賃が予算より2万円オーバーという理由であきらめていた物件があったとします。

その物件が後に事故物件になり、家賃が2万円下がったらどうでしょうか。

ぜひ借りたいと思う方もきっといるはずです。きっと。

 

3-2. デメリット

事故物件に住むのはなんとなく嫌だという方が多いですが、住んだ後のデメリットを考えたことがある方は少ないかもしれません。

実はどんなデメリットがあるのか、考えてみましょう。

・家賃が安いのは最初だけ

家賃が安いという理由で事故物件に住んでも、その家賃がずっと続くわけではありません。

2年ごとに更新される賃貸契約の場合、最初の2年間は安く、更新後の3年目から通常の家賃に戻り、他と比べても同じような家賃を払わければいけないということもあるそうです。

この点は、賃貸契約の際に確認すれば問題ないので、契約書に押印する前に更新時の賃料交渉について確認することを忘れないようにすることが大切です。

口頭ではなく、重要事項説明や、念書など何でも良いので書面でその旨が確認できれば安心です。

 

・悪いことがあると物件のせいにしてしまう

事故物件に住んでいると悪いことがあると思い込んでいる方は、悪い出来事を事故物件のせいにしがちです。

そのようなスピリチュアルな人は事故物件を借りないのが一番ですが、家賃の安さにひかれて借りた場合、考え方を変えなければ気持ちよく過ごすことができません。

事故物件に住んでも嫌な気持ちにならない気にならない方は、このデメリットは無視していただいて結構です。

 

4. まとめ

事故物件の賃貸マンションの見極め方を紹介しましたが、事故物件かどうか調べる方法でもっとも確実なのは、不動産会社に確認することです。

事故物件ということを告知したがらない不動産会社も、告知しないことによって後でトラブルになるのは避けたいと思うものです。

契約してしまってから気付いても遅いので、賃貸契約をする前に遠慮せずに尋ねましょう。