入居したばかりの賃貸マンションの床・フローリングは、ワックスで一面ピカピカしていて気持ちがいいものですよね?
でも住み続けていくとあれだけピカピカしていた床やフローリングの表面にだんだんくすみが出てきます。
こんな時には、賃貸マンションでもワックスがけをしても大丈夫なのでしょうか?
今回は賃貸マンションの床・フローリングのワックスがけで悩んでいるあなたのために、賃貸マンションならではの注意点をまとめて解説!
ワックスがけをする場合の注意点や費用だけでなく、退去するときにワックスがはがれていた場合の修繕費用についても詳しく紹介していきます。
このページでわかること
1. 賃貸マンションの床(フローリング)にワックスがけをしても大丈夫?
1-1. 賃貸マンションでも床・フローリングのワックス剥がれが気になる人は多い
賃貸マンションでは「いつか退去するかもしれない」という考えもありますよね?
退去するとなれば原状回復をするのが入居者の義務ですので、余計なことは極力しないことが一番です。
でも床のくすみが目立ってくると、どうしても「ワックス掛けたいなぁ」という気持ちがふつふつと浮かんできます。
でもこれはどうやらあなただけの考えではなく、賃貸マンションの入居者の間ではよくある悩みなのです。
ただし問題は「ワックスがけはそれほど簡単ではない」ということです。
賃貸マンションの床やフローリングのワックスは、市販されている床・フローリング用ワックスとは違います。
使われている薬剤も違いますが、塗り方もプロと素人では全然違います。
だからこそ入居者のほとんどが「余計なことをして修繕費用を請求されるくらいならやらない方がいい」と考えます。
でも本当は入居したての頃のようなピカピカした床やフローリングにもう一度会いたいという人がほとんどなのです。
そこに「賃貸マンション」ということが関係しているだけなのですが、このことが大きなハードルになってしまい現状としてはそのまま放置してしまう人の方が多いのです。
1-3. 実は放置している方が床にとってはダメージが大きい
「ワックスがけをして余計な費用を負担させられる位なら我慢しよう」という気持ちもよくわかりますが、床の状態をこれ以上悪くさせたくないのであれば放置しない方が断然良いのです。
そもそもワックスは見た目の美しさのためだけに塗られているのではありません。
特に木材の床の場合、いろいろな条件によって老朽化してきます。
さらに様々なものに直接触れるのでキズもできやすいです。
そこで床の劣化防止やキズ防止の目的で使われるのがワックスなのです。
ですからワックスが剥がれれば、こうした様々な事から床を守ることが出来なくなります。
アッとえていうならワックスを塗った床を「完全防備した戦士」なら、ワックスが剥がれてしまった床は「丸裸の戦士」です。
この状態で戦えば怪我どころか致命傷を負います。
だから本来のワックスの効果から考えれば、剥がれた状態のまま放置しないことの方が床を良い状態で保つことが出来るのです。
2. 賃貸マンションの床(フローリング)にワックスをかける場合の注意点
2-1. ワックス掛けの基本は「剝がす→塗る」
床やフローリングのワックスがけの基本は、「剝がす」と「塗る」の2つです。
まず「剝がす」の方です。
これは古いワックスの剥離作業のことを言います。
新しいワックスを塗る場合、古いワックスが床の表面に残っていると塗りむらが出来、仕上がり具合が悪くなります。
ですからどのタイプのワックスを塗る場合でも、まずは古いワックスを剝がす作業から始めます。
古いワックスがすべて取れると、ようやく「塗る」の作業に移ります。
塗る作業は簡単そうに見えますがとても難しいです。
塗るワックスの量は全て均一にならなければいけませんし、塗り残しがないように丁寧に塗っていかなければいけません。
しかも時間とともにワックスは乾燥してしまうので、塗りむらが出来た部分をあとから塗り直すということは出来ません。
つまり一発勝負です。
さらにワックスをかけた後はしっかりと乾燥させることもワックスの効果を高めるポイントです。
乾燥までにかかる時間は天気・気温・湿度などによって変わりますので、作業するタイミングによっても違ってきます。
ただこのポイントさえ分かれば、プロでなくてもワックスがけは出来ます。
ちなみにワックスはがしも市販されている剥離剤を使えば簡単にできますし、最近では女性でも掃除感覚で簡単にワックスがかけられる便利なものもあります。
ですからポイントが分かれば、費用をかけずにピカピカの床を復活させることはできます。
2-2. 業者に頼むと高くなる
ワックスがけを業者に依頼すると、作業スペースの広さによって料金が変わります。
しかもあなたが個人的に依頼するのであれば費用はあなたが負担します。
2-3. 放置する前にまずは管理会社に相談を!
ワックスをかけずに放置すれば床やフローリングの状態はどんどん悪くなりますが、自己判断で処理するよりは管理会社に一言相談してみるのがおすすめです。
場合によってはワックスがけが建物の管理上必要だと判断され、管理会社が費用を負担してくれることもあります。
逆に「わざと汚したわけではないので、退去したとしても請求の対象にはなりませんよ」と説明してくれることもあります。
こうした相談は電話で簡単にできますので、不安に思うことがあったらすぐに管理会社に相談することが大事ですよ。
3. 床(フローリング)のワックスがけ費用
フローリングのワックスがけには「剥離作業」と「塗装作業」の2つがあります。
そのため実際に業者に依頼するのであれば、この2つの作業の費用を請求されることになります。
剥離作業の相場は20㎡で1~2万円です。
塗装作業はワックスの種類だけでなく作業員の人件費、作業時間(日数)によっても変わります。
もちろん部屋数が増えればその分作業個所は増えますので、請求される金額は高くなります。
4. 賃貸マンションの床(フローリング)のワックス剥がれは退去時に修繕費を請求される?
4-1. あなたが原因でワックスが剥がれてしまった場合
賃貸マンションでは、契約の際に「故意に設備を破損・故障した場合には借主がその責任を負う」という内容が書かれているのが一般的です。
ですからあなたの使い方が原因で床やフローリングの一部だけワックスが剥がれてしまった場合は、修繕費を請求される可能性があります。
ただ問題なのはワックスをかける時には、古いワックスをはがさなければいけないということです。
あなたの使い方が原因でワックスの一部が剥がれてしまったとしても、新しくワックスを塗るのに床全体のワックスをはがさなければならないのであればその費用を請求されることもあります。
ちなみにワックスをはがす作業は非常に手間がかかるので、作業スペースの広さによって料金が変わります。
どんなに小さな部屋であっても1万円以上はしますので、故意にはがしてしまったのであればその費用の負担は覚悟しておいた方がよいでしょう。
4-2. 経年劣化で剥がれてしまった場合
長年住み続けていた結果ワックスが剥がれてしまった場合は、ほとんどの場合敷金の範囲内で対応できます。
さらにワックスがけの作業はルームクリーニングの一部に含まれていますので、費用として必要になるのは「既存のワックスをはがす作業費(剥離作業)」と考えられます。
もちろん剥離作業は手間がかかりますが、新たにワックスをかける時にはこの作業を行わないと塗りむらが出来てしまい本来のワックスの効果が発揮できません。
ですから退去後に行われるハウスクリーニングの前には、必ず床のワックスの剥離作業が入ります。
ただワックスがけは般的な掃除の範囲とは考えにくいものです。
またワックスをかけることによって建物の維持・管理となることもあって、最近では「床のワックスがけは家主が負担するのが妥当」という考えもあります。
ですから明らかにあなたの暮らし方に問題があるのでなければ、ワックスがけの費用を退去時に請求されることはありません。
5. まとめ
賃貸マンションの床やフローリングのワックスが剥がれたときは、出来ればセルフメンテナンスでも良いのでワックスがけをした方が床の保護のためには良いです。
ただし床のワックスは、住み続ければ自然と剥がれてくるものです。
ですから普通の使い方をして剝がれてしまったものについて、あなたが費用を請求されることはまずありません。
ただしセルフメンテナンスをするにしても、まずは賃貸契約書の内容をよく確認するようにしてください。
契約内容によっては「良かれと思ってやったことが契約違反だった」ということもあります。
この場合は費用の請求を受ける可能性もあります。
いずれにしても困った時にはすぐに管理会社に相談してください。
きちんと状況を報告して相談をしていたのであれば、退去することになったとしてもあなたが損をすることはないはずです。




