子どもの習い事で人気なものの1つに「ピアノ」があります。
ただし本物のピアノとなると値段も高いですしスペースや音の問題も気になります。
そんな時にふと「電子ピアノなら大丈夫なのでは?」と思ったりしませんか?
ところが賃貸マンションの場合は電子ピアノであってもNGがほとんどです。
そのためそのことを知らずに電子ピアノを購入し、あとから「ルール違反です」と指摘されることもあります。
そこで今回は賃貸マンションで電子ピアノの購入を考えているあなたのために事前に知っておいてほしいポイントを3つに分けて解説!
契約前に知っておくべきポイントや電子ピアノでトラブルにならないためのマンション選びのポイントを紹介します。
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このページでわかること
1. 電子ピアノも禁止されている賃貸マンションはある
1-1. 賃貸マンションではピアノ禁止の物件も多い
賃貸マンションでは、管理規約というものがあります。
管理規約は賃貸マンションの住民が守らなければいけないルールが書かれています。
そしてその内容をさらにわかりやすく記したものが使用細則です。
使用細則では管理規約に書かれている内容をさらに詳しく説明しています。
なぜそこまで細かく説明するかというと「住民全員が快適に暮らすため」です。
賃貸マンションは共同住宅ですから、お互いにルールを守って暮らすことが求められます。
でも生活するうえでのルールを「常識の範囲内で」という一言で片づけてしまうといろいろなトラブルが起きてしまいます。
そこで細かな点においてもルールを決める必要があるのです。
賃貸マンションで定められているルールの中で注意が必要なのが「禁止事項」です。
禁止事項はご近所トラブルを起こさないために作られたルールでもあります。
その中には「ピアノ禁止」というルールもあります。
賃貸マンションでピアノを禁止する理由は「騒音トラブルを防ぐ」ということです。
騒音トラブルはご近所トラブルの中でもトップ3に入る問題です。
そのため賃貸マンションではトラブル回避のために「ピアノ禁止」としているケースが多いのです。
1-2. 賃貸マンション契約上では電子ピアノとピアノは同じとみなされる
ピアノの種類には種類あります。
一般的に「ピアノ」と呼ばれているのはアップライトピアノとグランドピアノの2種類です。
アップライトピアノはピアノの弦が縦方向に張ってあるので、本体そのものがコンパクトになっています。
しかも値段もグランドピアノと比べるとグッとお手頃なので、ピアノのお稽古始めにおすすめです。
これに対してグランドピアノは、弦が横方向に張られています。
しかも正確な音を出すにはフレームを開ける必要があります。
ですから部屋の広さだけでなく天井の高さも必要です。
さらに音の響きもアップライトの比ではありませんので、ピアノ専用の防音装置が必要です。
ただピアノの種類はあと2つあります。
1つはキーボードです。
コンパクトですので移動もできますし、スペースをほとんど必要としません。
ただしキーボードをたたく強さは音と全く関係ありません。
ですからピアノのお稽古道具としては使うことはできません。
問題は4つあるピアノの種類の中で最後の1つです。
これが「電子ピアノ」です。
電子ピアノも音が出る仕組みそのものはキーボードと同じなのですが、技術の進歩によって現在の電子ピアノはアップライトピアノとほぼ同じレベルまで性能が上がっています。
つまり「ピアノの電子版」です。
一般的な電子ピアノのイメージは「キーボードとアップライトのいいとこどり」といった感じだと思いますが、現在の電子ピアノはほぼアップライトピアノと同じです。
弾き方もピアノと同じなので、アップライトピアノに代わるお稽古道具として使われています。
そのため賃貸業界では「電子ピアノ=ピアノ」とするのが常識となっています。
1-3. ペダルを踏む振動は想像以上に下の階に響く
賃貸マンションがピアノを禁止している理由は、ピアノの音だけだと思ってはいませんか?
実はこの考えはただの思い込みです。
私自身幼いころからピアノを習っていたのでよくわかるのですが、ピアノの音はメロディーとして聴こえる音だけが騒音ではないのです。
例えばペダルの音。これは思っている以上に振動があります。
ピアノのペダルには種類があり、どのペダルを踏むのかによって出る音に違いが出ます。
踏む時の力はペダルの効果と関係ないのですが、技術レベルが上がるほどペダルを踏む足にも力が加わってきます。
しかもピアノは指だけで音を鳴らすのではなく、体全体を使って音を出します。
つまり優雅なイメージがあるピアノですが、実際に弾くとなると全身運動に近いのです。
そのためペダルを踏むときの振動はマンションの下のフロアに思いっきり響きます。
私がそのことに気が付いたのは、友人が電子ピアノを弾いていた時でした。
友人はヘッドホンをつけて電子ピアノを弾いていたのでメロディーとしての音はしないのですが、その間も部屋の中ではペダルを踏む音が延々と聴こえています。
しかもクライマックスに近づいていくとその音がどんどん大きくなります。
この時の記憶が今も強く残っているので、電子ピアノのペダルの音が騒音になることがよくわかるのです。
実際に電子ピアがある家の下の階に住んでいる友人に聞いてみると、ペダルを踏む音が気になることがあるといいます。
まだお稽古を始めたばかりのようなので、1日20分程度の練習だといいます。
ただし本格的にプロを目指すのであれば平日でも最低3時間、休日は1日6~8時間はピアノの練習をします。
これを知ればピアノのペダルが騒音になることも納得できるでしょう。
2. 電子ピアノが弾きたい場合の賃貸マンション選び3つのチェックポイント
2-1. ピアノ禁止ではない物件を選ぶ
電子ピアノはピアノとみなされます。
ですから「本物のピアノでなければ、バレなければ大丈夫」と思うかもしれません。
でもそれは無理です。
考えてもみてください。
引っ越しをする時に電子ピアノのような大型家財を他の住人にバレずにどうやって部屋の中に運び入れるのでしょうか?
もしも電子ピアノのサイズが大きすぎて玄関から入らなければピアノ専門の引っ越し業者を利用して運び入れなければいけません。
この場合はクレーンを使ってベランダから搬入しますから一発でバレてしまいます。
周りにバレることなく部屋の中に電子ピアノを運び込んだとしても、電子ピアノが問題になる騒音は様々な音があります。
メロディーとして耳にする音だけではなく、ペダルを踏む音や鍵盤をたたく音も騒音です。
こうした音は床や壁を通して響きますので、いずれ周囲にバレます。
こうしたことも考えれば「こっそり電子ピアノを弾く」というリスクがどれだけ高いかわかったはずです。
それにこれだけ制約がある中でピアノを弾くとなれば、思いっきりピアノを弾く楽しみも味わえません。
そこで電子ピアノをどうしても弾きたいのであれば、契約の内容に「ピアノ禁止」とされていない賃貸マンションを探すことです。
正直言うとピアノ禁止ではないマンションを探すのは難しいです。
でも音大の周辺にある賃貸マンションであれば、ピアノ持ち込みOKの賃貸マンションもたくさんあります。
ですから地道に探していけば賃貸マンションであっても電子ピアノが弾ける物件は必ず見つかります。
2-2. マンション1階を選ぶ
マンションの階選びも重要です。
そもそも戸建て住宅であってもピアノを置く場所は1階です。
これは搬入がしやすいというだけではありません。
2階に置くと振動が下の階に響いてしまうからです。
戸建て住宅であってもこれだけの配慮が必要なのですから、賃貸マンションの場合はさらに注意しなければいけません。
ですから電子ピアノを弾くことを前提にマンション選びをするならば「1階」が絶対におすすめです。
2-3. 防音性の高い賃貸マンションを選ぶ
防音性の高いマンションを選ぶことも大事なポイントです。
マンションといっても構造によって防音性は異なります。
防音性の高い物件は家賃も高めですが、周りとのトラブルを避けるためにも防音性にこだわってマンション選びをするのがおすすめです。
3. 電子ピアノでも注意したい賃貸マンショントラブルの事例
3-1. 深夜にヘッドホンをつけて演奏してご近所トラブル
電子ピアノですからヘッドホンをつければメロディーとしての音は出ません。
でも限りなく本物のピアノに近い現在の電子ピアノでは、ペダルを踏む音や鍵盤をたたく音は本物と同じです。
しかも厄介なのは音だけでなく振動も響くことです。
特に深夜はみな眠っていますから、日中は気にならない音でも目立ちます。
そのためヘッドホンをつけていても深夜に演奏をすればご近所トラブルになります。
3-2. 長時間の練習が騒音トラブルになる
電子ピアノはヘッドホンをつければ音を消して練習をすることが出来ます。
でもヘッドホンをつけずに練習をした方が、練習をする本人にとってはストレスがありません。
一般常識の範囲でいえば、日中にピアノの練習をしても特に問題はありません。
ただこれは30分とか1時間の範囲までが限界です。
ところがピアノ技術レベルが上がると、練習時間も長くなります。
まして将来プロを目指したいと思うのであれば、平日・休日問わずピアノの練習は続けなければいけません。
上級者になれば「練習を1日休むと、元に戻るのに2倍かかる」というのがピアノの常識です。
そのため長時間ピアノの練習をするのが日常生活の一部になります。
私自身も子供の頃平日は学校から帰宅したら夜7時までは毎日ピアノの練習をしていましたし、学校が休みの日は朝10時から夜7時まで昼食以外はずっとピアノの練習でした。
当時は一戸建てに住んでいましたが自宅の隣がアパートだったので、住人から「ちょっとうるさいのよね?」という苦情はちょこちょこありました。
ただ私の場合は一戸建だったので、こうした苦情がご近所トラブルに発展することはありませんでした。
でも当時私の家族が賃貸マンションに住んでいたならば、相当なご近所トラブルになっていたと思います。
3-3. スパルタ指導が「虐待」と勘違いされる
ピアノは指の力がすべて同じにならないと上手に弾けません。
でも人にはそれぞれ利き手があるのと同じように、指にも利き指があります。
だから「ドレミファソ」を順番にひいても、指の力が弱い小指や薬指の音はほかの指よりも音が小さくなります。
でも鍵盤を押す力がどの指も同じにならないと、レベルの高い曲は弾けません。
それにピアノ教室で練習をするよりも何倍も長い時間自宅での練習が必要になります。
そのため子どもにピアノを習わせると、親がつきっきりで練習に付き合うようになります。
ただ残念なことに小さい子どもは繰り返しの練習が苦手です。
しかも間違いを指摘されると、練習することがイヤになってしまいます。
でも親の立場としては「ここは私がしっかりと指導しなくては!」という気持ちになるので、結果としてスパルタ指導になってしまいます。
ただし電子ピアノの場合、音を出さずにヘッドホンを使って練習します。
ですから周りの住民の耳に聞こえるのは親が子供を叱る声だけです。
しかも指導に熱が入るとついつい言葉もきつくなります。
そのため周りの住人から「このご家庭はお子さんに虐待をしているのでは?」と勘違いされ、児童相談所に通報されてしまったという例があります。
こうしたトラブルは本物のピアノでは起こりにくいのですが、音を消して練習が出来る電子ピアノではよくあるトラブルです。
4. 電子ピアノでも賃貸マンション契約時には注意が必要!
賃貸マンションで電子ピアノを弾きたいと思うのであれば、マンション選びの段階で「ピアノOK」を条件に入れて探すのが常識です。
中には「周りにバレなければ大丈夫」という意見もありますが、実際にピアノを弾いていた私の経験上必ずいつかはバレます。
もちろんピアノOKの物件を探すのは大変です。
でも本当に電子ピアノを弾きたいと考えているのであれば、堂々とピアノが弾ける環境を手に入れることが大事です。
ハードルは高いですが諦めなければ必ず見つかります。
ぜひ頑張って理想のマンションを探してくださいね!




