賃貸物件に住む人の多くが2年ごとに支払う必要があるのが更新料です。
家賃の1~2カ月分を支払うケースが多いので大きな出費になりますね。
最近は更新料がない物件も増えてきています。
更新料なしの物件のデメリット・メリットはどこにあるのでしょうか。
お金がかからないという大きなメリットに目が行きがちですが、見逃すとあとで後悔することになるようなデメリットが潜んでいる可能性もあります。
これから賃貸物件を探す人はぜひ目を通してみてください。
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このページでわかること
1. 「更新料なし」の賃貸物件とは?
賃貸物件に長く入居していると発生するのが賃貸契約の更新時に発生する「更新料」です。
支払うのが当たり前に思われがちですが、実は法律で定められているわけではなく、昔からの慣習として続いているだけです。
そのため地域による差や大家の考えにより、更新料に差があります。
最近では更新料を取らない物件も増えてきており、これが「更新料なしの賃貸物件」といわれています。
更新料は家賃の1~2カ月分程度になることが多く、2年ごとに契約更新を行うことが多いので入居者にとっては大きな負担になります。
特に学生や新社会人にとっては大きな出費なので、それがないというのはとても助かりますね。
そのため、更新料なしの物件は人気が高くなっています。
しかし、実は更新料なしの物件にはデメリットもあるのです。
2. 「更新料なし」の賃貸物件を契約する7つのデメリット
更新料なしの物件があると思わずそちらを優先して選びたくなってしまうものです。
確かに更新料なしの物件は契約更新時に更新料というまとまった出費をせずに済みますが、思わぬデメリットが潜んでいる場合があります。
すべての更新料なしの物件に当てはまるわけではありませんが、契約をする前に以下のことを確認してみましょう。
2-1. 不人気物件や事故物件の可能性がある
賃貸物件を貸し出している大家や不動産業者は、空室があることを非常に嫌います。
不人気の物件や事故物件はどうしても空室になってしまいがちなので、何らかのメリットを付けて入居希望者を集めたいと考えます。
その時に取られる手段の1つに「更新料をなしにする」があります。
そのため、更新料なしの物件の中には駅から遠かったり、3階以上の物件なのにエレベーターがなかったりと、なんらかの不便さがある場合があります。
また、過去に自殺や事故といった事件があった物件である可能性もあります。
気になる場合は契約前に確認し、自分がそこに住み続けることを想像してみてください。
不便さや居心地の悪さを感じ続けると途中で退去したくなり、違約金を支払うことになりかねません。
2-2. 思わぬ制約がある場合も考えられる
普通の物件は生活をする上で不自由しない作りになっており、迷惑をかけない範囲で自由な生活をすることができます。
しかし、更新料がなかったり家賃が相場よりも安かったりするような物件は何らかの問題を抱えている可能性があります。
例えば年齢や入居人数に制限がある、シャワーや洗濯機を使う時間に制限がある、騒音に対して非常に厳しいなど、物件独自の規約や制限があるケースがあります。
住み始めた後に気づいても手遅れですので、あまりにもお得感が強い物件の場合はどのような制約があるか要チェックです。
2-3. 家賃や敷金・礼金が高い場合がある
更新料なしの物件は、あくまでも更新料がないというだけです。
更新料を取らない代わりに相場よりも少し高めに家賃や管理費になっていたり、敷金・礼金が高めに設定されていたりする可能性があります。
更新料をとらないというマイナスを、どこかに少しずつ上乗せすることで補填していることが考えられるからです。
各種費用は物件の賃貸情報を見ればすぐにわかる事ですので、初回更新までに必要になる費用の総額を確認してみてください。
もしかしたら更新料ありの物件と同じくらいになったり、高くなってしまったりする可能性があります。
2-4. オプション費用が高額になる場合がある
賃貸物件におけるオプション費用というのは、鍵の交換費用・消臭費用・各種手数料など、契約時にかかる各種費用のことをまとめて言います。
更新料なしの物件はこうしたオプション費用が高めに設定されていることがあります。
入居時だけでなく、更新時に更新料という名のものは取られなくても、事務手数料や更新手数料などといった費用がかかる場合も考えられます。
更新時の契約内容や必要になる費用は必ず確認するようにしましょう。
2-5. 契約一時金や退去時の負担金がかかる場合がある
前述したオプション費用と少し似ていますが、契約一時金・退去時負担金とがかかる物件もあります。
通常の賃貸契約だと契約一時金や退去一時金などがかかることはありません。
しかし、更新料なしの物件だと請求される可能性もあるのです。
特に退去時の費用については要注意です。クリーニング費用を別途請求されたり、高い違約金が発生しやすい契約内容になっていたりする可能性もあります。
通常の賃貸契約では負担しなくてもよいような費用が入っていないか確認してみてください。
2-6. そもそも契約更新が出来ない物件の可能性がある
賃貸物件の中には、大家さんが期間限定で貸し出していたり、すでに取り壊しが決定していたりする物件があります。
そういった物件は更新を受け付けないので、更新が出来ない=更新料なしと記載している場合が稀にあります。
特に古い物件・貸家で発生することが多いです。
思わぬ引越しは費用もかかりますし、新しい物件を探すという時間的・精神的な負担も大きくなります。
長く同じ物件に住むつもりの場合は契約更新ができる物件にしないと痛い目に遭うことになってしまいます。
2-7. 物件によっては入居審査が厳しいことがある
更新料なしの物件は、前述したようなデメリットがない場合もあります。
そういった物件はエリアや物件のグレードによっては人気物件となり、競争率がかなり高くなってしまいます。
そのため、借主の職場や年収、素行や性格に加えて連帯保証人の質が問われる入居審査が厳しくなることがあります。
通常の物件では何ら問題のない申請内容でも審査に通らないことがあり、通るものだと思っているとガッカリする結果になるかもしれません。
3. 「更新料なし」の賃貸物件を選ぶ3つのメリット
更新料なしの賃貸物件のデメリットを解説しましたが、もちろんメリットもあります。
デメリットもメリットも人によっては当てはまらないことがありますので、自分の生活リズムや環境と照らし合わせて考えてみてくださいね。
3-1. 金銭的・精神的な余裕がでてくる
やはり最初に言えることは更新料という大きな出費がないことで、金銭的にも精神的にも余裕が生まれるというメリットです。
2年に1回程度とは言え、家賃1~2カ月分の出費はやはり痛いものです。
賃貸契約の更新が近づいてくるとお金の心配でいっぱいになってしまったり、参ってしまったりする人も少なくありません。
更新料なしの物件ではそのようなことがないので、毎月の家賃や管理費が少し高めだとしても余裕をもって更新を迎えることができます。
3-2. 更新料に囚われずに住み続けられる
前述したように更新料の支払いに悩む人は少なくなく、支払いが厳しいと感じる場合は更新をせずに退去し、別の物件に移り住むことを選ぶ人もいます。
引越しするつもりであったのならよいですが、気に入っていたのに更新料が支払えないせいで退去せざるを得ないというのはとても悲しいですよね。
更新料がない物件ではそのようなことが起こらないので、気に入った物件であれば更新料に囚われずに住み続けられます。
更新時には事務手数料がかかることもありますが、更新料に比べると小さな額なのでそれが原因で退去ということもないでしょう。
3-3. 物件によっては住民の質がよい
更新料なしの物件は人気が高く、エリアや物件のランク次第では入居希望者が殺到します。
競争率が高くなると、大家さんは入居者を選ぶことになり、できるだけ信頼できてトラブルが少なそうな人物を優先して入居させます。
言い方は悪くなってしまいますがふるいにかけるような状態になるので、自然と入居者は生活が落ち着いている人や身元がはっきりしている人、性格や素行に問題がない人が増えていきます。
入居審査が厳しめになるというデメリットと表裏一体ですが、安心して住み続けたい場合にはメリットになります。
4. 「更新料なし」物件を契約する場合の注意点
更新料なしの物件を契約する場合は、最初に解説したデメリットをしっかりと理解することが重要です。
更新料がかからない=安く済むと安易には考えず、更新料の分がどこかに上乗せされていないか?と少し疑ってかかるくらいがおすすめです。
特に家賃と敷金・礼金、各種手数料の項目は他の更新料ありの物件と比べて、どれくらいの差があるか確認してみてください。
退去時の扱いや請求される費用についても書面での確認をしておいた方が間違いありません。
事故物件かどうかが気になる場合は、不動産業者に聞くだけでなく自分でもリサーチしてみましょう。
不動産業者には事故物件であることの告知義務がありますが、その規定はとても曖昧なので隠されてしまう可能性もあります。
ネットで気になる物件を検索するだけでも出て来たり、事故物件の一覧を掲載しているサイトもあったりするので、更新料がない上に相場よりもはるかに家賃が安い場合はチェックしてみましょう。
5.「更新料なし」物件のメリット・デメリットまとめ
更新料なしの物件には金銭面的なゆとりができるという大きなメリットがありますが、デメリットも潜んでいます。
お金が関係する部分が非常に多いので、更新料なし物件を探す場合は細かくチェックするようにしてくださいね。
もちろんデメリットがほとんどない更新料なしの物件もありますし、人によってはデメリットであると感じないこともあります。
予算や生活環境を考慮した上で、快適に住める物件を探してみてください。
大切な自分だけの空間ですので、更新料や家賃だけに囚われず、環境面も考慮して落ち着ける住まいを見つけてくださいね。




