冬の暖房器具といえば昔から石油ストーブが定番ですよね? でも賃貸では、多くの場合、「石油ストーブ禁止」になっています。
でも石油ストーブは昔から馴染みのある暖房器具なのに、どうして賃貸では禁止になっていることが多いのか不思議に思っている人も多いですよね?
そこで今回は賃貸で石油ストーブが禁止されている理由について分かりやすく解説! 無断で使用するとどうなるかや、賃貸でおすすめの暖房器具についても紹介します!
おすすめ賃貸情報
このページでわかること
1. 賃貸は石油ストーブ禁止が多い
1-1. 契約内容を確認
最近の賃貸住宅では「石油ストーブ禁止」としているところが多いといわれます。
もちろん、なかには「石油ストーブOK」の物件もありますが、NGとOKの比率を比べてみると「NG」の方が多いようです。
でも今あなたが気になっているのは「私が住んでいる家はどちらなの?」ということですよね? このことを調べるのはむずかしくありません。
まずあなたが賃貸契約をしたときに手渡された「賃貸借契約書」を取り出してみてください。
賃貸借契約書は、貸主(大家さん)と借主(あなた)との間で正式な賃貸契約を交わしたことを証明する書類です。
そのなかには「入居者として守らなければならないルール」も含まれています。
その中には「禁止事項」が書かれていて、その内容に今回テーマとなっている「石油ストーブ禁止」に関することも書かれています。
契約書の中の「禁止事項」は、入居者が必ず守らなければならないルールです。
あくまでも「禁止」と書かれているのですから、この項目に書かれていることを行えば、ルール違反となります。
あなたの手元にある契約書の禁止事項に「石油ストーブの使用(場合によっては「石油ファンヒーターの使用」も含まれていることがあります)」と書かれているのであれば、あなたの部屋での石油ストーブは禁止です。
その代わり契約書の禁止事項に「石油ストーブの使用」と書かれていないのであれば、あなたの部屋で石油ストーブを使ってもルール違反ではありません。
1-2. 石油ストーブが禁止の理由
賃貸住宅で「石油ストーブ禁止」が多い理由は、ズバリ「火事のリスクが高いから」です。
石油ストーブの燃料は「石油」です。
電気ファンヒーターのようにスイッチを入れればすぐにつくわけではなく、燃料となる石油が入っていなければ使うことができません。
石油が燃えやすいことはみなさんご存知のとおりです。
加えて、石油ストーブを使っている家では、室内に補充用の石油が入ったタンクが保管されています。
家庭用の石油タンクといえばボリタンクが一般的です。
ポリタンクの素材には燃えやすいポリエステルが含まれています。
ですから、石油入りポリタンクが部屋にあることも、火災のリスクを高めていると言えます。
石油ストーブに石油を補充することも火事のリスクに
石油ストーブが原因で起きた火災には「石油ストーブに石油を補充した時のこと」が原因であるケースも多いです。
たとえば、ストーブが点火している状態でタンクに石油を補充してしまった場合は、補充する際に飛び散った石油が点火部分に触れることで、炎が大きくなって燃え広がってしまうおそれがあります。
ただし、この補充方法は「石油ストーブの使い方」としても禁止されていますので、火事が起きるリスクは非常に高いです。
ただし、火がついていない状態であっても火災のリスクはあります。
スイッチが入っていない状態で石油ストーブのタンクに石油を補充していても、何らかの原因で床に石油をこぼしてしまうことってありますよね?
床がフローリングであれば拭き取りやすいのでリスクは低いのですが、これが畳の上にこぼれてしまうと火事のリスクは高くなります。
もちろんフローリングの部屋でも寒い冬の時期ですから、暖房効果を高めるためにフローリングの上にカーペットやラグマットを敷く人の方が多いはずです。
カーペットやラグマットは布製品ですから、石油などがしみ込むとなかなか落ちません。
ですから、家事のリスクは畳の場合と同じように高くなります。
このように畳やカーペットなどの上に石油をこぼしてしまった場合、こぼした石油に引火して火事が起こることが多いです。
きちんと拭き取ったつもりであっても乾燥した冬の時期ですから、静電気が起きても引火する可能性があるのです。
さらにこの場合、火元の近くには石油ストーブが置かれているはずです。
ストーブの本体には十分に補充された石油も入っていますから、火が起これば炎が大きくなる要素がそろっていると言えます。
このようなケースが原因で火災が起こることはよくありますし、たった一つの石油ストーブが原因で家全体が焼けてしまったケースもあります。
このように石油ストーブにまつわる火事の原因を知ると、石油ストーブが火事のリスクが高い暖房器具であるということは分かったはずです。
そして大家さんとしては「出来る限りリスクは避けたい」と考えますので、賃貸の場合は契約書の中に「石油ストーブ禁止」としていることが多いのです。
2. 石油ストーブ禁止の賃貸で無断で使用するとどうなるか?
賃貸住宅を契約する時には「火災保険の加入」もセットで行うのが一般的です。火災保険は「火事が起きた時の保険」ですから、ほとんどの賃貸では賃貸契約とセットで火災保険の加入手続きもします。
でも、火災保険に入っていていれば「どんな火災にあっても対応してくれる」ということではありません。
賃貸契約書の禁止事項に「石油ストーブの使用」と書かれているのに、こっそり石油ストーブを使って火事が起きた場合は最悪です。
そもそも石油ストーブの使用は禁止されていますから、その時点であなたは大家さんとの契約を違反したことになります。
しかも、禁止している石油ストーブが原因で火事が起きたのですから、あなたが加入した火災保険の保険金が支給される可能性は極めて低いです。
火事による被害があなたの部屋だけとは限りません。
もしも建物全体に火がまわり、建物が焼け落ちてしまったとしたら大変です。
賃貸住宅では入居者に対して原状回復の義務がありますから、火事によって建物が破損すればそれをもと通りに修復する義務があります。
火災保険が適用されれば保険金で被害額を補填することが出来るのですが、契約違反(この場合は「石油ストーブを使う」ということ)によって火事が起きた場合はその対象とならないのが一般的です。
つまり被害額は全額あなたが負担することになります。
このリスクを背負ってでも、あなたは禁止されている石油ストーブを使い続けますか?
もしも大家さんに黙ってこっそり石油ストーブを使っているのであれば、今すぐ使うのをやめたほうがいいでしょう。
そうすれば、火災や火災被害補償のリスクが大幅に減るからです。
3. 賃貸マンションにおすすめの暖房器具
3-1. オイルヒーター
オイルヒーターはオイルを使って空気を暖めるのですが、そのオイルを暖めるのは電気なので石油ストーブのように火事の心配があまりありません。
さらにオイルヒーターは温風が本体から出てこないので、自然なスピードで部屋を暖めてくれます。
さらに風によって部屋の中のほこりが舞い上がることもありませんし、音も静かです。
なによりも冬の暖房器具としてうれしいのは「空気が乾燥しにくい」という点です。
冬は一年の中でも乾燥がひどいうえに、即暖性があり経済的なエアコンは空気の乾燥を加速させます。
その点オイルヒーターは空気を乾燥させません。ですから冬場の乾燥が気になる人にもおすすめの暖房器具です。
3-2. ホットカーペット
足元が冷えるとどうしても温かさを感じません。
特にオールフローリングの部屋の場合、「床の冷えが辛い」と感じる人が多いです。
そこでオススメなのがホットカーペットです。
もちろんホットカーペットを使っても暖められるのは床部分だけなので、空気を暖めるために別の暖房器具とセットで使うのが一般的です。
また、乾燥が気になる人には「ホットカーペット&オイルヒーター」という組み合わせもススメです。
4. まとめ
賃貸に石油ストーブ禁止が多いのは「火事のリスクを避ける」という理由からでした。
石油ストーブファンにとっては、残念なことですよね。
ストーブが禁止となれば、ストーブの上に置いたやかんから湯気が出るなんてこともなくなり、心まであたたまるような風景が見られなくなりますという方もいらっしゃるかもしれません。
でも賃貸住宅は共同住宅ですから、ルールを守って暮らすことが入居者の義務でもあります。
石油ストーブ以外の暖房器具を使っても、風情を楽しみながら暖かく部屋で過ごす方法はあります。
ですから、石油ストーブの使用の是非についてはよく確認して、使用が認められていることを確認した暖房器具で楽しく今年の冬を過ごしてくださいね。




