賃貸借契約と聞くと、何やら難しい響きに聞こえますね。
煩雑な手続きを思い浮かべる人もいるかもしれません。
しかし、実際は必要書類を把握しておき、事前にある程度準備することができれば、スムーズに契約手続きを進めることができます。
今回は、賃貸借契約に必要なものについて説明していきます。
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このページでわかること
1. 賃貸を契約する時に必要なもの【書類編】
希望の賃貸物件に関する入居審査が終わり、無事入居が決定すれば、次は契約手続きを進めることになります。
個々のケースによって異なりますが、入居審査が行われてから7~10日で契約準備を整えることになります。
その時には不動産会社の「宅地建物取引士」と呼ばれる資格を持つ従業員から、重要事項の説明という契約内容や、物件に関する内容についての詳細説明を受けることになります。
ここでしっかりと内容を把握して、納得ができれば本契約を行います。
本契約での必要書類は次のようになっています。
1-1.賃借人の住民票
物件を借りる本人の住民票です。
住民票は市区町村の役所に設置されている市民課の窓口、自動交付機、コンビニ等で取得することができます。
住民票は、契約者の所在や、氏名、出生年月日の他に前住所や世帯主など、多くの情報が載っているため、詳細に個人情報を確認するために用いられます。
また、運転免許証等も提出を求められますが、これらの書類と個人情報が、きちんと一致しているかが確認されます。
これは、運転免許証や保険証だけの契約では、本人になりすまし契約されるなど、犯罪等で利用されることもあるためです。
そのため住民票と免許証等で、二重に個人情報をチェックする仕組みとなっているのです。
注意点としては、免許証の住所変更等を怠っていた場合です。
その場合、住所の相違等を指摘されることがあるので、事前準備の段階で各書類の「住所」が一致しているかは、十分確認を取るようにしましょう。
また、住民票には抄本と謄本があり、取得の際に確認を取られます。
本人情報のみ記載されているのが「抄本」で、賃借人の家族全員が記載されているのが「謄本」です。
単身世帯で引っ越しの場合は「抄本」、家族で引っ越しをする場合には「謄本」が必要となりますから、この点はどちらの取得が必要か、事前に不動産会社の担当者に確認を取っておくのが良いでしょう。
1-2.借主の実印(銀行引き落としの場合は銀行員)
賃貸借契約時は契約の当事者である、賃借人本人、賃貸人、保証人が集まり署名捺印を行います。
この時、賃貸借契約書には各当事者の署名捺印が必要になります。
契約時には、実印が求められる場合と認め印で済む場合があります。
契約時には、いくつかの書類の情報を照らし合わせて本人確認を行います。
他の書類で十分信頼性が担保されれば、実印まで求められず、銀行印や認め印で済むケースもあります。
しかし、基本的には実印を求められたら、印鑑登録している実印と印鑑証明を準備しなければなりません。
1-3.借主の収入証明
入居審査時や賃貸借契約時に、収入証明書が求められる場合があります。
収入証明書と一言にくくられていますが、実際はその種類は複数あり、賃借人の職業によって提出書類が変わってきます。
・源泉徴収票
源泉徴収票は会社に勤務している方であれば、年末に会社から発行してもらえる書類になります。
年間の収入と、源泉徴収された所得税の金額を証明する書類となります。
・課税証明書
課税証明書は、各市区町村より発行されます。
「1月1日~12月31日」までの所得と、それに対する住民税の課税金額の証明書で、これも収入証明書類として提出可能です。
・住民税課税決定通知書
通常毎年6月に、勤めている会社を経由して交付されます。
課税証明書は、1月1日現在で住民登録している市区町村の役所等で取得可能です。
・確定申告書
個人事業主の方であれば、確定申告した際の申告書を収入証明書類として提出可能です。
白色申告の場合、申告書Bと収支内訳書が必要です。
青色申告であれば、申告書Bと損益計算書、貸借対照表が必要になる場合もあります。
(申告書Aの方は申告書Aが必要になります。)
・雇用契約書
新社会人等で就職したばかりで収入証明書が出ないときや、転職等で前年度の収入証明で今期の収入の予測ができない場合は、雇用契約書記載の「見込み収入額」を収入証明書として提出することが可能です。
・銀行通帳の写し
個人事業主などで、定期的な収入がある証拠として、銀行の通帳の写しを提出するケースがあります。
ただし、入金額すべてが自由に使える収入とは判断されないので、収入の証明力は他書類に比べると低くなります。
法人の場合は、決算書を提出します。
中小企業で、社宅や寮として借り上げる等の法人契約で必要になります。
複数期分(2~3期)の提出を求められますので、あらかじめ準備をしておくとよいでしょう。
1-4.連帯保証人の住民票
連帯保証人の住民票も取得しておく必要があります。
1-5.連帯保証人の印鑑証明書
連帯保証人の署名捺印が求められている場合は、連帯保証人の印鑑証明が必要となります。
1-6.連帯保証人の収入証明
貸主側から求められる収入証明ですが、連帯保証人の仕事の内容によって、提出する書類が変わります。
2. 賃貸を契約する時に必要なもの【お金編】
2-1.礼金
礼金は賃貸人に支払いします。
部屋を貸してくれることに対する表敬的なお金です。
賃料の1ヵ月分が目安ですが、礼金がないケースもあります。
2-2.敷金
敷金は賃貸借契約時に、賃料の支払いや修繕費の支払いを担保するために支払われるお金です。
賃料の1~2ヵ月分が目安です。
家賃の滞納や、部屋の損傷などがなければ、退去時に全額返してもらうことができます。
しかし一般的には、損傷等がなくてもハウスクリーニング費用と相殺されて、戻ってこないことが多いようです。
2-3.前払い家賃
入居時に賃料の翌月分を前払いします。
例外もあり、後払いの場合もあります。
2-4.仲介手数料
不動産会社に仲介を依頼した場合は、報酬として支払いが必要になります。
限度額は、宅地建物取引業法という業者規制の法律で決まっており、不動産会社は、賃貸人と賃借人から合計で、月額賃料の1.08ヵ月分までの範囲で報酬を請求することが可能です。
よく広告等である賃借人の仲介手数料無料は、この報酬を全額賃貸人に請求しているので、無料となっているのです。
2-5.損害保険料
賃貸物件に住んでいる間に、賃借人の責任で起きた火事などの損害を、賃貸人や損害を与えた他の部屋の賃借人に補償するため加入します。
借り主の保険加入が、契約の必須条件となっていることが多いようです。
損害保険料は、契約内容によって金額が変わってきます。
どの保険に入れるかは、賃借人が選択できる場合が多いようです。
3. 賃貸を契約する時に必要なもの【注意すべきこと】
3-1.住民票取得のよくある落とし穴
学生などで、一時的にその地域に住んでおり、地元から住民票を移していないケースが見受けられます。
この場合契約時に、現住所と住民票の住所が一致しないので、事前に不動産会社に申し伝えておく必要があります。
事前にきちんと伝えておけば、問題なく契約できる場合がほとんどなので、早めの連絡が大切です。
3-2.不動産会社や賃貸人によって必要書類、諸費用の支払い方法は変わる
不動産会社や賃貸人よって必要書類は変わりますから、必ず不動産会社や相手方の指示に従って手続きを進めましょう。
諸費用についても、契約日に持参か、口座への振込か等も、不動産会社や賃貸人によって変わりますから注意が必要です。
4. まとめ
賃貸借契約時には、個人情報確認のため住民票をはじめ様々な書類の提出が求められます。
また、求められる書類も賃貸人や不動産会社によって異なるので、事前確認がスムーズな契約手続きの鍵と言えます。
契約時には敷金、礼金や仲介手数料など様々な費用が発生します。
これも各地域ごとに慣習があるので、どのような費用が必要になるかは、不動産会社に確認して予算も多めに見積もっておくほうが良いでしょう。
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