管理費なしの賃貸物件を契約する3つのメリット&3つのデメリット

賃貸住宅では、月々に大家さんへ支払うお金の一部として「管理費・共益費」と呼ばれるものがあります。

管理費と共益費はどちらも同じ意味合いで使用されていますので、今回は管理費として表記をしていきます。

その名の通り「建物の管理に使うためのお金=管理費」なのですが、賃貸契約の内容によっては「管理費なし」となっているものもあります。

ただしこれには注意が必要です。

なぜならメリットだけでなくデメリットもあるからです。

そこで今回は「管理費なし」となっている賃貸物件のメリット・デメリット6つをそれぞれ詳しく解説!

あなたにあったお部屋探しのヒントを紹介していきます。

 

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1. 賃貸で管理費なし物件を契約する3つのメリット

1-1. お部屋探しの効率が良くなる

最近はお部屋探しをする時にネットで公開されている物件情報を検索する人が増えています。

特に便利なのは「検索条件を絞り込む」という機能です。

例えば家賃70,000円のワンルームを探すとしましょう。

この場合は「家賃70,000円」「ワンルーム」を検索条件にすると、ワンクリックで該当する物件の情報がずらりと出てきます。

さらに「広さ」「角部屋」を検索条件に加えれば、「家賃70,000円・角部屋で希望の広さのワンルーム」というところまで条件を絞り込んでピックアップしてくれます。

でもお部屋選びで重要なのは、「月々に合計いくらお金がかかるのか」ということの方ですよね?

もちろんネットの検索情報でも「家賃」に関する条件の指定ができます。

ただし先ほどの例のように「70,000円」と指定すると、2つのタイプの物件情報が出てきます。

1つは「家賃のみ管理費なし」のタイプです。

このタイプであれば月々に支払うお金は表示されている70,000円のみということになります。

そのため、お部屋探しは家賃以外の条件を参考にすればよいだけになります。

ところがもう1つのタイプは「家賃とは別に管理費が必要」なものとなります。

この場合もネットの物件検索では「家賃70,000円」でヒットします。

ところが内訳をよく見てみると、家賃とは別に「管理費〇万円」という文字が見えてきます。

この場合は「建物の管理にかかる費用は家賃とは別に支払ってください」ということで、毎月家賃と一緒に支払う必要があります。

これでは予算が70,000円までという場合には予算オーバーになります。

実際には後者のタイプの方が一般的なので、「1ヶ月の支払総額が70,000円の物件」を探さなければ予算70,000円の場合は困ってしまいます。

その点「管理費なし」となっていれば表示された家賃が1ヶ月に支払うお金となります。

ですからいろいろと考えずに効率よく予算の範囲内の物件を探したい人にはとても便利なのです。

 

1-2. 全部込みの料金だから1ヶ月の支出シミュレーションがしやすい

初めての1人暮らしの場合は、1ヶ月に生活にかかる費用がどれくらいになるかイメージしにくいというところがありますよね。

もちろん1人で暮らすには家賃以外にもいろいろなお金が必要です。

でもこの時に管理費が家賃とは別に必要となると、「いくら大家さんにお金を支払えばいいんだっけ?」と考えてしまいます。

もちろん住み続けていればライフスタイルも決まってきますので、1ヶ月に必要なお金のシミュレーションは無意識にできるようになります。

ただ慣れないうちは失敗の連続で、「月末になるとお金が無くなる!」ということを度々経験します。

その点、「管理費込み」はわかりやすいです。

「家にかかるお金が〇万円」とはっきりしているので、あらかじめその費用を差し引いて生活費をやりくりしていけば月末に慌てる必要はありません。

ですから家賃のみで借りることが出来る物件は「初めての1人暮らし」にはメリットが大きいのです。

 

1-3. 初期費用の準備がしやすい

初期費用は賃貸契約をする時に支払いをしなければいけないものです。

ただいろいろな項目があるので、総額で考えるとかなりの出費になります。

もちろんこの中には「前家賃」や「敷金、礼金」などもあります。

これらは全て家賃が基本となって計算されるので、契約条件を見ただけで初期費用がいくらなになるか、アバウトな計算はすぐに出来ます。

賃貸住宅の場合は月々の家賃の支払い能力があったとしても、契約の時に初期費用が準備できないと部屋を借りることが出来ません。

ですから物件選びをする時は部屋の内容と併せて「この物件で初期費の支払いが出来るだろうか?」ということも考えなければいけません。

こうして考えてみると家賃以外の支払いがない「管理費なし」という物件の方が、たくさんある物件の中からあなたの生活レベルにあったお部屋選びをしやすいということがいえます。

2. 賃貸で管理費なし物件を契約する3つのデメリット

2-1. 初期費用の金額が高くなる

初期費用は契約をする時に必要になるお金です。

いろいろな項目があるのですが、金額が大きくなるものとして「敷金」「礼金」「前家賃」「仲介手数料」があります。

この4つはどれも家賃を基準にして考えます。

例えば「家賃70,000円、管理費なし」という場合は、70,000円を基準としてそれぞれの金額が計算されます。

ところが「家賃65,000万円、管理費5,000円」の場合を見てみると違いが出てきます。

この場合も1ヶ月に支払う金額の合計は70,000円になるのですが、家賃は65,000円ですから初期費用のそれぞれの計算は65,000円を基準にして計算されます。

もちろん「敷金なし・礼金なし」という場合であればそれほど大きな問題ではありません。

仲介手数料の支払いはありますが「家賃65,000円+消費税」が一般的です。

ところが「敷金2ヶ月、礼金2ヶ月」だとその差が大きくなります。

  • 家賃70,000円の場合

敷金2ヶ月:70,000円×2ヶ月=140,000円

礼金2ヶ月:70,000円×2ヶ月=140,000円

合計:280,000円

  • 家賃65,000円、管理費5,000円の場合

敷金2ヶ月:65,000円×2ヶ月=130,000円

礼金2ヶ月:65,000円×2ヶ月=130,000円

合計:260,000円

つまり管理費なしの場合は、「家賃を基準に計算する初期費用が高くなる」というデメリットがあるのです。

 

2-2. 更新料の金額も高くなる

賃貸住宅の場合、契約期間を2年間としていることが多いです。

契約期間を過ぎても更新すれば引っ越しをしなくても住み続けられるのですが、そのためには更新料を支払う必要があります。

更新料も家賃が基準となります。

一般的に家賃1ヶ月分を更新料として大家さんに支払うのですが、それ以外にもお金がかかります。

1つは必ず発生する費用で、契約の時に加入した火災保険の費用です。

火災保険は契約更新と同時に更新するので、保険期間は2年間としているのが一般的です。

そのため保険金も2年分を一括支払いします。

2つめは物件によるのですが、契約更新のための手続き代行料として、不動産管理会社に手数料を支払う場合があります。

こちらは「更新事務手数料」などとして契約書の更新に関する部分に記載され、相場は2~3万円程度です。

つまり「家賃70,000円、管理費なしのワンルーム」と「家賃65,000円、管理費5,000円のワンルーム」では、2年ごとに更新にかかるお金にも違いが出るということなのです。

これは契約の時には見落としがちなポイントなので、十分に注意すべきデメリットですよ!

 

2-3. 本当の家賃がいくらなのかわかりにくい

「管理費がない」とはいえ、建物の掃除や管理を一切しないということではありません。

もちろんこうした作業にはお金がかかります。

しかも同じ建物の住人との共有設備やスペースの管理のために使うお金なので、いずれにしても住民が支払う必要があります。

そのため「管理費なし」という場合も、実はちゃんとその費用は徴収されているのです。

ただそれをスマートに見せるために、表記上家賃に含めているだけです。

ちなみに管理に関する料金の設定は大家さんの考え方次第です。

比較的良心的な大家さんの場合は家賃の5%程度に抑えてくれますが、場合によっては10%以上を管理にかかるお金として考えている大家さんもいます。

つまり一体いくらが本当の家賃として支払うのかがわからないのです。

場合によっては管理のためのお金を家賃から差し引くと、同じエリアで同条件の物件の相場よりも高い場合もあります。

そのため一見わかりやすいように思えるのですが、実は「管理費なし」の物件の方が本当の家賃が分かりにくいというデメリットがあるのです。

とはいえ、結局月々の支払う金額は一緒です。

 

2-4. デメリットは交渉でカバーしてみよう

3つのデメリットを考えた上で、管理費としてあった方が良いと思った方が家賃70,000円、管理費0円のお部屋に住みたいと思った場合は交渉してみましょう。

「 "家賃70,000円、管理費0円" を "家賃65,000円、管理費5,000円" になりませんか?」と不動産仲介会社の担当さんに伝えて、大家さん・不動産管理会社さんに交渉してもらいましょう。

大家さんとしては「早く入って欲しい」という気持ちが一番先行します。

月々に支払われる値段が変わらないなら、初期費用が少し減っても安定した家賃収入を選択するでしょう。

もちろん不動産仲介会社の交渉方法あったり、大家さんの背景がありますので希望がかなわない事もあります。

しかし、大家さんにとって「家賃の値下げ交渉」よりデメリットが少ないので、交渉としては良い条件ではあります。

 

3. 「管理費なし」と「管理費あり」の賃貸を比較!どっちを選べばいい?

3-1. 節約したい人・明朗会計が希望の人は「管理費あり」がおすすめ

初期費用を節約したい人や明朗会計が希望という人は、内訳がはっきりとしている「管理費あり」の方がおすすめです。

気になる物件の家賃があなたにとって適正家賃かを考える時には、「家賃とは別に管理費がかかる」ということを前提に考えればよいだけです。

ですからこのことを頭に入れておけばお部屋選びに悩むこともありません。

その上「本当の家賃がいくらかかるのか」がわかるので、物件選びの時に家賃相場と比較して考えることもできます。

 

3-2. 初めて1人暮らしをする場合は「管理費なし」がおすすめ

初めての1人暮らしの場合は、1ヶ月1人で暮らすのにどの程度のお金が必要なのかわからないはずです。

この場合は「固定費(必ず支払いをしなければいけないお金)」がはっきりとわかっている方が1ヶ月あたりのお金の流れがわかりやすいです。

もちろん1人暮らしも慣れてくれば、1ヶ月あたりのお金の流れがわかってきます。

また1人暮らしの場合は荷物も部屋のサイズもコンパクトですので、契約更新のタイミングで引っ越しをする人が多いです。

そこではもう1人暮らしに慣れ、月々自分がいくらで生活しているかがわかっているので、次は「管理費あり」「管理費なし」のどちらの方がお得なのかを考えても問題ありません。

ただお金の流れがわからないうちは、「家賃は準備していたけど、管理費のことを忘れていた!」ということもあるようです。

もちろんどちらも決められた期日までに家賃として支払いをしなければいけないわけですから、月末にお金が無くなってしまい家賃が払えないでは困ります。

ですからお金の流れがイメージできない初めての1人暮らしでは、計算がしやすい「管理費なし」の方がおすすめなのです。

 

4. 管理費なしの賃貸物件の注意点まとめ

管理費なしの物件は、最近増えてきています。

もちろん暮らし方やお金の使い方に関する考え方も時代とともに変わってきています。

ただし管理費なしの物件でも、建物の管理に関するお金は家賃に含まれています。

それだけにメリットだけでなくデメリットもあります。

ですから今のあなたにとってどちらがお得なのかを考えることが大事です。

そのためにも「管理費なし」を選ぶときには、メリットとデメリットをしっかりと考えてみることが大切ですよ。