2016年4月の「電力自由化」によって、賃貸物件の場合であっても自由に電力会社を選べるようになりました。
これにより、持ち家や戸建てに限らず、賃貸物件に住んでいる人でも電気代を節約することが可能になっています。
そんな電力自由化について説明しています。
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このページでわかること
1.賃貸契約時の電気の契約について
引っ越しをする場合、やらなければいけないことがたくさんあります。
なかでも忘れてはいけないのが、電気やガスなどライフラインの手続きです。
この手続きを済ませなければ、引っ越し後の生活が大変なことになってしまいます。
ここでは、賃貸契約時の電気契約について、4つのポイントを紹介します。
1-1.電力自由化
「電力自由化」とは、その名のとおりさまざまな電力会社から契約する会社を選ぶことができるシステムのことをいいます。
これまでは電気の契約というと、住んでいる地域で定められた電力会社としか契約することができませんでした。
しかし、2016年4月の「電力自由化」によって、契約したい電力会社を自由に選ぶことができるようになり、よりお得に電気が利用できるようになったのです。
このサービスは地域によって選べる電力会社数が異なっており、たとえば北海道は20社、東北地方は27社があります。
そして全国でもっとも選べる電力会社が多いのはダントツで関東・甲信越地方、いわゆる東京電力エリアです。
会社数も255と非常に多く、他にも関西・近畿地方など人口が多い地域は、積極的に電力自由化を取り入れているようです。
ひとくちに電力自由化で利用できる電力会社といってもさまざまですが、大きく業種を分けると「PPS」「都市ガス・LPガス会社」「通信・TV」「自治体・地域」などが挙げられます。
「PPS」とは特定規模電気事業社のことで、「Looopでんき」が有名です。
またスマ電やまちエネといった小売業者なども、電力自由化を行っています。
1-2.賃貸でも電力会社を選べる?
賃貸マンションやアパートにお住まいの方も多いことでしょう。
これらの住居でも、電力会社を選ぶことができる物件があります。
そういった物件にお住まいで、現在契約している電力会社から乗り換える場合、「マンションやアパートは工事などが大変なのでは?」という心配も出てくるかもしれません。
これに関しては、もともと敷かれている電線を使って電気の出元を換えるだけなので、特に大がかりな工事は不要です。
唯一スマートメーターへの交換が必要になりますが、作業自体は短時間で終わるので、問題になることはないでしょう。
また、スマートメーターがもともと設置されていれば、この工事も不要になります。
実際、メーターの交換時に管理人や入居者に連絡が入ったケースは少ないといいます。
要するに許可なしでも交換できる作業ですので、「電力会社を換えると住民に迷惑をかけてしまうのでは?」と心配する必要はないでしょう。
マンションやアパートでも好きな電力会社を選べるのであれば、家庭に合ったプランで節約をすることが可能です。
ただ、なかには電力会社を選べない賃貸もありますので、事前に確認をすることが必要です。
1-3.電力会社を乗り換えられない場合
先にも述べたように、なかには電力会社を乗り換えられない場合もあります。
まず確認すべきなのは、「契約内容」です。
賃貸より分譲に多く見られるのですが、マンション自体が「一括受電契約」になっていると、電力会社の乗り換えができないといわれています。
「一括受電契約」とは、マンションの全世帯が同じ電力会社に契約していることで、電気代が安くなる反面、電力会社の乗り換えができないといったデメリットがあるのです。
「一括受電契約」のほうが戸別で契約するよりも安くなるのであれば、わざわざ乗り換える必要はないのでは?と思う方が多いかもしれません。
しかし、電力会社の競争が激しい地域では、戸別で契約をしたほうがよりお得になるともいわれています。
マンションの契約を、一度「一括受電契約」にしてしまうと、どんなに乗り換えたくても契約期間内は難しくなります。
もうひとつは、大家さんによって物件が管理されている場合です。
アパートの場合はこのケースが時折見られますが、こちらも大家さんの許可がなければ、電力会社の乗り換えはできません。
1-4.退去時
電力会社との契約も必要ですが、引っ越しをするとき、いわゆる退去時にも手続きが必要になります。
まず、契約している電力会社に利用停止の申し込みをすることが必要です。
退去する1週間前には手続きを済ませておくようにしましょう。
最近は、インターネットから簡単に手続きができるので、忙しい方でも時間を取られずに行うことができます。
利用停止時の立ち合いは不要ですから、電話・郵送・インターネットなどで手続きを終わらせれば、あとは引っ越し後に使用開始の連絡をするだけで良いでしょう。
ちなみに、電力自由化のマンションから退去する場合も、同じ方法で手続きをします。
一度交換したメーターは、そのままにしておいてもとくに問題はありません。
2.賃貸でも電力会社を選べる?
1-2.でも説明しましたが、現在では賃貸物件であっても電力自由化の恩恵を受けることができます。
ただ「一括受電契約」の場合は、契約満了になるまで乗り換えることができません。
契約期間は10年といわれていますから、マンションやアパートへの引っ越しを考えている方は事前に確認しておきましょう。
さて、賃貸でも電力会社を自由に選択できることが分かりました。
では、いざ選ぶとなったときのポイントは何でしょうか?
自由に電力会社が選べるということで、料金にばかり目がいきがちですが、一番重要になるのは「ライフスタイルに合うか合わないか」というポイントです。
せっかく電力自由化の恩恵を受けることができても、実際利用してみると「電気代が高くて損をした」「以前の電気代のほうがお得だった」という方は少なくありません。
そのため、料金プランよりも「どんなサービスを受けられるのか」「そのサービスは家族の生活に適しているのか」ということを重視して選ぶようにしましょう。
3.電力会社を乗り換える場合の注意点
先ほども述べたように、ライフスタイルに合わせた電力会社を選ぶことが大切です。
ただし、選ぶときに注意したいのはそれだけではありません。
ここで説明するポイントは「契約内容はどのようになっているのか」「セット割について」「使用量を確認しておくこと」の3点です。
まず、契約内容は電力会社によって異なります。
「一括受電契約」の場合は10年ですが、期間が決まっているということはその期間中は解約できないことになります。
たとえば2年縛りの契約なら、1年目で解約してしまうと違約金や解約金が発生してしまいます。
これを防ぐために、契約をする前にきちんと契約内容を確認しておいてください。
次にセット割ですが、これは「抱き合わせ方式」といって、自社のサービスと合わせて契約することで割引があるといったプランになります。
たとえば、電気とネットを同時契約することで、電気代がお得になる……というような内容です。
この場合、どんなサービスがあるのかをきちんと確認しておけば、あとで「もっとお得なプランがあったのに……」と後悔することもないでしょう。
最後に、「使用量の確認」です。新電力は、使用量に応じてお得になるように提供されています。
そのため、使用量が少ない家庭、いわゆる一人暮らしや二人暮らしの場合は、ここを確認しておかないと損をすることになってしまうかもしれません。
残念ながら、料金体系はファミリー向けのサービスがほとんどになっているためです。
ちなみに、悪徳の電力会社も存在します。
料金体系だけで選ぶのではなく、「どんな電力会社なのか」、情報をしっかり収集することも、失敗を防ぐポイントになります。
4.賃貸におススメの電力会社
4-1.Looopでんき
今話題になっている「Looopでんき」。
一番の魅力は、なんといっても「基本料金0円」という値段設定でしょう。
通常、契約するアンペア数によって電気料金が上がりますが、Looopでんきはどれだけ増やしても基本料金は変わらず0円で契約することができます。
ただし、一人暮らしで契約する場合は割高になりますので注意してください。
4-2.東京ガス
「東京ガス」は、関東エリアのなかでもっとも電気料金が安いといわれています。
ガスと一緒に契約すると、セット割が利用できるため、さらにお得になるでしょう。
また、特典が充実しているのも嬉しいところです。
さらに、LNG火力電力(燃料が主に液化天然ガスのもの)がメインなので、環境に優しい電力会社でもあります。
4-3.あしたでんき
「あしたでんき」は、2つのプランから選ぶことができ、電気使用量に応じて基本料金が無料になります。
もちろん、使用量が多い家庭でも低料金で契約できるので安心。
解約金が発生しないのも、お財布に優しいポイントです。
5.まとめ
電力自由化によってライフスタイルに合った電力会社を選べるようになりました。
ここでは賃貸での契約について紹介してきましたが、実際にマンションやアパートでも自由に乗り換えができるのは助かるという人は多いでしょう。
ただなかには乗り換えができない賃貸もありますので、引っ越しをする際や乗り換えを検討している場合は事前に確認することをオススメします。
ここで述べたおすすめ電力会社を参考に、あなたのライフスタイルも自由化してみませんか!




