賃貸物件を探す際に、自分の力だけで良い物件を探し出すのは難しいものです。
そこで、不動産仲介会社を利用して賃貸物件を探すほうが効率良くお望みの物件を見つけ出すことができます。
不動産仲介会社を利用するためには仲介手数料が必要となりますが、手数料はどの程度支払えばよいのでしょうか。
ここでは、賃貸の仲介手数料について解説します。
このページでわかること
1. 賃貸の仲介手数料の相場は家賃の1ヶ月
賃貸物件を借りる場合、様々な費用を支払う必要があります。
賃貸物件を借りたばかりの段階で特に多くの費用が発生しますが、その費用は初期費用と呼ばれています。
初期費用となるものとしては、次のようなものがあります。
- 敷金
- 礼金
- 前家賃
- 火災保険料
- 保証料
- 仲介手数料
- その他(鍵の交換料、消臭費用、害虫駆除代など)
以上の費用の殆どが、家賃をベースとして計算するケースが大半です。
この中で、仲介手数料とは賃貸借の取引において、貸す側と借りる側の間に入って各種調整を行う不動産会社に対して支払う手数料のことを指します。
仲介手数料は、物件を探している段階で発生するものではなく、取引が成立した時点で支払う成功報酬となります。
参照元:「仲介手数料のトラブルについて | 公益社団法人 全日本不動産協会」(https://www.zennichi.or.jp/public/knowledge/rental/chukai/)
よって、最終的に契約が成立しなかった場合において仲介手数料は発生することはありません。
仲介手数料については、借りる側だけでなく貸す側も同時に支払う費用です。
ただ、仲介手数料は後述する上限があるだけで、必ず同じ額支払うわけではありません。
相場としては、概ね家賃の1ヶ月となるケースが大半となっています。
主な家賃別の相場としては、次のような金額となります。
家賃仲介手数料の相場
| 6万円 | 64,800円 |
| 8万円 | 86,400円 |
| 10万円 | 108,000円 |
| 12万円 | 129,600円 |
| 15万円 | 162,000円 |
参照元:「賃貸物件の仲介手数料の相場っていくら? どういう場合に費用を抑えられるかをご紹介 | ライフルホームズ」(https://www.homes.co.jp/cont/rent/rent_00298/)
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2. 賃貸の仲介手数料には上限がある
仲介手数料は家賃の1ヶ月となることが多いのですが、なぜ家賃の1ヶ月となることが多いかというと、上限があるためです。
賃貸における仲介手数料としては、次のように定められています。
宅地建物取引業法
(報酬)
第四十六条
宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。
2.宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。
3.国土交通大臣は、第一項の報酬の額を定めたときは、これを告示しなければならない。
4.宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、第一項の規定により国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない。
参照元:「宅地建物取引業法第46条及び国土交通省の報酬に関する告示 | ライズエステート合同会社」(http://www.rise-estate.com/cyuukaitesuuryoup1.html)
また、宅地建物取引業法に対しての国土交通省告示「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」として、以下の指針となっています。
- 仲介手数料:家賃の1カ月分(共益費・管理費などは含まない)+消費税
これは、貸主と借主が支払う手数料の合計額の上限となりますので、必ず借りる側だけが支払うものではありませんので注意が必要です。
場合によっては、借りる側は一切負担する必要がなく、貸す側だけが負担するというケースもあります。
ただ、宅地建物取引業法及び国土交通省告示によって、家賃の1ヶ月が上限であり、その上限が仲介手数料となるケースが大半ということは覚えておきましょう。
もし、不動産会社が上限額を超える仲介手数料を受け取ると、法令違反ということになります。
仮に上限を超える請求が行われた場合は、不動産会社に確認することが重要です。
3. 賃貸選びのコツ|仲介手数料の違いを比較
仲介手数料の上限は家賃の1ヶ月となりますが、これはあくまでも上限であって満額支払う義務はありません。
また、家賃に連動して決定されることになるので、仲介手数料の支払額もケースバイケースで異なります。
3-1. 家賃で異なる仲介手数料
仲介手数料の上限額の算出方法でも家賃が用いられるのが一般的です。
例えば、家賃が10万円の場合の仲介手数料は以下となります。
10万円×消費税(8%) = 10万8,000円
家賃が仮に5万円であれば、仲介手数料の上限も単純計算でその半分となり、5万4,000円となるのです。
なぜ家賃をベースに算出されるのかというと、仲介手数料は成功報酬主義であるという側面があるためです。
不動産会社では、ボランティアで賃貸物件を紹介しているわけではありません。
仲介して利益を得ることで事業が成り立っているのですが、物件探しの依頼をしただけでは支払われません。
あくまでも成立して成功報酬という形でのみ支払われることになり、
契約の大小を判断する要素の一つに、家賃額があります。
よって、家賃を一つのファクターとして、大きな契約(=家賃が高い)の場合はそれに比例して仲介手数料が高くなるように制度設計されています。
3-2. 仲介手数料が半額の賃貸
仲介手数料が半額の賃貸となると、貸す側が仲介手数料の半額を負担していることになります。
この場合、借りる側にとっては折半なので特に問題ないと感じるかもしれませんが、注意すべき点があります。
それは、物件自体に何かしらの問題点がある可能性があるという点です。
もし貸す側にとって自信がある物件であれば、仲介手数料はすべて借りる側に負担してもらうという条件を提示することがあります。
それを加味しても、魅力のある物件ならば成約するケースが大半です。
ただ、駅より遠かったり日当たりが悪いなどのマイナスな条件がある場合もあります。
その時に、仲介手数料を多少負担してでも空き室にしておくよりは貸したほうが良いという判断をすることもあります。
よって、物件自体の状態や環境などをしっかりとチェックする必要があります。
3-3. 仲介手数料が無料の賃貸
仲介手数料が無料である場合、貸す側が全額負担するということを意味してます。
半額負担の場合と同様に、貸す側が負担しても空室を埋めたいというケースでこのような設定となることがあります。
他にも、不動産会社自体が大家となって管理している物件である場合や、礼金などと称して借りる側から徴収している場合もあります。
更に、貸す側と借りる側、不動産会社以外に元付け業者が入る場合もあります。
元付け業者とは、貸す側と専属の契約を結んでいるなどして、貸す側の依頼でお客様を探している人のことを指します。
通常、貸す側から元付け業者に対して成約時には広告料が支払われるのですが、それを元付け業者ではなくダイレクトに不動産会社に支払うことがあります。
これが、実質的な仲介手数料となることがあるのです。
このように、借りる側から見えないところで無料となっていることもあります。
4. 賃貸の仲介手数料は値引き交渉可能?
仲介手数料の上限は法律上で決まっていて、それがベースで相場が形成されています。
ただ、下限は決まっておらず無料というケースもありますので、「この金額が正解」というものがないのです。
基本的には不動産会社の中で基準となる仲介手数料があるのですが、交渉することによって値引きすることも可能です。
これは決してマナー違反というわけではありませんが、不動産会社側では人気物件の場合は交渉に応じるよりも他の方に貸すという判断をされてしまう可能性があります。
もし交渉を行うにしても、あくまで慎重に行うことが重要です。
また、交渉自体にもあまり時間をかけずに、効率よく行うことも重要です。
5. 賃貸選びのコツ!仲介手数料の相場は家賃の1ヶ月が上限
仲介手数料の相場は家賃の1ヶ月が上限でありますが、下限がないので各不動産会社に独自に設定しています。
借りたい物件の価値などを総合的に判断して、適切な仲介手数料であるかを確認することが重要です。
もし適切でないと判断できれば、値下げ交渉するというのも有効的です。




