もしも分譲賃貸にて何らかのトラブルが起こってしまった時は、どのように対処すればよいのでしょうか。
できれば起きてしまいたくないトラブルですが、問題に合わせてきちんと対処法もあります。
今回こちらの記事では、分譲賃貸にて起こりうるトラブルと、有効な対処法についてご紹介します。
これから分譲賃貸にて暮らそうと思っている人、現在暮らしている人などは参考にしてみてくださいね。
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このページでわかること
1. 【分譲賃貸のトラブル】もしトラブルが出てきた場合、どうしたらいい?
新しい物件を探していると、ときどき「分譲賃貸」というものがありますよね。
この分譲賃貸とは、一体どういった物件なのでしょうか。
普通の賃貸物件との違いやメリット・デメリット、さらに気を付けたいトラブルについてご紹介します。
分譲賃貸とは、かつて分譲マンションとして販売されていた部屋が、なんらかの理由があり現在は貸し出されているという物件のことを指します。
普通の賃貸マンションの場合、建てるときから人に貸すことを目的にしていますよね。
そのため、設備や内装もコストが抑えられていることが多いはずです。
それに対して分譲賃貸マンションの場合は、もともとが分譲物件を想定して建てられているため、例えば「構造がしっかりしている」「トイレやキッチンの設備が高級」など賃貸に比べると質が良いことが多く、管理が行き届いているのが特徴です。
どうして分譲賃貸として貸し出されているのかというと、例えば大家さんが最初から投資目的で購入していた、もしくは大家さんが転勤などで住めなくなった、などの理由が考えられます。
さらに、分譲マンションのなかでも、一部の部屋タイプだけは賃貸であるという物件や、分譲として建てたけれども、売れなかったために結局賃貸になったというものもたまにあります。
分譲賃貸のメリットとしては、やはり賃貸マンションに比べると、設備も環境も良いということになりますね。
賃貸とは違いずっと住むことを想定して作られているため、立地や間取りなどもやはりよく考えられていて、良い条件がそろっていることが多いです。
例えばシステムキッチンに食洗機がついていたり、トイレにウォシュレットがついていたり。
さらに通常の賃貸に比べて防音性にも優れているなど、設備も行き届いています。
ちなみに、住人の質も高いことが多いのも特徴ですね。
良いことばかりのように思いますが、意外にデメリットもあります。
まず家賃については、一般の賃貸物件よりも高めに設定されています。
設備が良い分仕方のないことかもしれませんが、通常の賃貸の感覚でいると驚くでしょう。
さらに、大家さんと賃貸契約を結ぶことになりますが、そのマンション自体にも管理規約があります。
そのため、両方の規約を守らなくてはいけません。
さらに、分譲賃貸のなかには、もともとオーナーが住むつもりで購入しているものもあります。
そのため、賃貸契約に期限が付いている場合があるのです。その時は、期限が来れば退去する必要があります。
そして、このような分譲賃貸にてトラブルが発生した場合は、どのように対処したらよいのでしょうか。
2. 【分譲賃貸のトラブル】害虫の場合
害虫トラブルは意外とよくある話です
。個人で出来る範囲であれば対処を行う必要がありますが、もしも害虫が出てきてしまい、自分ではどうにもできないという場合には、不動産管理会社を通すなどして、大家さんに状況を伝えましょう。
大家さんと話し合いをしながら、きちんと駆除し、解決する必要があります。
分譲マンションにて害虫が発生した場合、駆除の相談と要望については管理組合にするようにしましょう。
すると、管理組合の方から管理会社に駆除と清掃の要請がされます。
特に、マンションのなかの共用部に発生した場合においては、個人の責任となりません。
そのためこの部分については、管理組合が対応しなければならないのです。
個人が所有している範囲内で発生した場合は、責任はその個人のものとなるのですが、他の室内でも発生する可能性も考え、その場合においても管理組合に報告をする必要があります。
それでは、害虫駆除はいつ行うのがよいのでしょうか。
住んでいる状態のままでも可能なものなのでしょうか。
害虫駆除の方法には様々ありますが、基本的には住んだままで大丈夫な場合が多いです。
ここからは、虫別に紹介していきます。
・ゴキブリ
ゴキブリの駆除に最適な期間は4~6月です。
基本的には1年中繫殖しているのですが、特にオススメなのはこの時期でしょう。
駆除方法としては、ゴキブリホイホイやホウ酸団子などの、毒エサでおびき寄せるのが1番良いです。
・ダニ
ダニは繁殖する前に行いましょう。
時期としては5~6月がよいです。
対策としては湿気をなくす、ダニのエサになるようなものをなくす、清潔にしておく、などになります。
またダニ取りマットなども有効です。
・ノミ
ノミは梅雨の時期に繁殖するため、その前に行いましょう。
対策としては、ペットのノミ対策ですね。ブラッシングなどをしてあげましょう。
・ハエ、コバエ
種類があまりにも多いため一概には言えませんが、一般的に春から秋に多く繁殖します。
また、温度が低くなると不活発になることが多いですね。
これに関しては、駆除するというよりも家の中に入れない工夫をしましょう。
当たり前ですが、ゴミはこまめに捨てるなども有効です。
・蚊
蚊の活発に活動する時期はやはり夏です。
特に20~30度位の温度を好みます。
駆除方法としては、まず家に入れないこと、蚊取り線香、虫よけスプレー、また蚊の良く止まる場所に液材を散布するなどの方法があります。
・アリ
アリの大量発生する時期は、4月~6月、9月~10月です。
発生の原因はやはり食べ物になります。
アリも種類が多く、それぞれ習性が異なります。
アリの中でもやっかいなのはシロアリですが、基本的に1年中駆除を行うことができます。
薬剤については、床下への侵入口、通気口に散布することになります。
危険なので近づかないようにしましょう。
・ハチ
ハチもやっかいですが、特にスズメバチが危険ですよね。
特に夏に活発に活動しています。
大人しくなるのは夜間ですが、駆除は大変危険です。
ここは業者に任せるようにしましょう。
なかなかにやっかいな害虫ですが、寄せ付けないようにするにはどうしたら良いのでしょうか。
まず方法としては、害虫の通り道を知っておくことです。
侵入経路としては、サッシの隙間、エアコンの配管口、床下収納の隙間、さらにネズミやアリの穴などが考えられます。
まずは侵入経路をふさがなければキリがありませんので、隙間を見つけ次第テープや粘土で塞ぐようにしましょう。
さらに害虫によっては、ゴキブリやアリなど、出没する場所と巣がある場所が離れている場合があります。
この場合には巣をつぶすことはできませんので、毒エサを使った駆除が有効になります。
更に害虫は、水気のある所によって来る習性があります。
そのため、定期的に水気を取り除くようにしましょう。例えばキッチンシンクの中の生ごみは毎日捨て、洗面所、洗濯機置き場などの水気をまめにふき取るようにしましょう。
また、鉢植えなどに水が溜まっていても蚊やコバエが発生しやすいため、こまめに水をとりましょう。
そうすると、自然と害虫が寄り付かなくなるため、効率よく駆除することができます。
さらに習性として、虫は光によってきますよね。
これは、紫外線に反応して集まってきているのです。
そのため、虫を呼び寄せる光を遮断し、外に漏れないようにしましょう。
おすすめなのは紫外線のないLEDです。
さらにおすすめな方法として、ベランダにハーブを置くと、虫よけになる場合もあります。
虫よけにオススメなハーブとしては、ペパーミント、ハッカ、タイム、バジル、ローズマリー、ラベンダー、ゼラニウムなどです。
害虫の種類によって有効な駆除方法は違うため、それぞれの虫に合った方法を行う必要があります。
また、害虫駆除は1度行えばすぐに効果が出るというものではありません。
特に室内に巣がある場合は要注意であり、卵から害虫がふ化してしまいます。
この場合は何度か駆除を行う必要があるため、注意しましょう。
また、新しく引っ越しをする場合、引っ越し先が必ずしも害虫駆除がされているというわけではありません。
たとえ新築マンションであっても、初日にゴキブリに出くわしてしまう、なんて話もあるのです。
それでは、害虫が出にくい物件とはどのようなものなのでしょうか。
さらに、出る前に出来る害虫対策とはどのようなものなのでしょうか。
・防虫剤を散布する
管理会社が害虫駆除を行う場合でも、そこから入居まで日が経ってしまった場合は特に、念のため自分でも防虫剤を撒いておくと良いですね。
市販の防虫剤である、煙が部屋全体に噴射されるタイプのものは、散布している間は部屋に入ることができません。
さらに、家具を布などで覆っておかなければならない場合もあります。
そうなるといろいろと面倒なため、部屋に荷物を運びこむ前にしておくのが1番ですね。
・虫の侵入経路をふさぐ
防虫剤を散布したあとは、虫の侵入経路をふさぐ必要があります。
侵入経路としては、キッチンや洗濯機、洗面所のパイプの隙間あたりですね。
またエアコンホースの隙間にも注意しましょう。
隙間をふさぐ際はビニールテープなどで補修することになりますが、ビニールテープは永久ではありません。
・引っ越し用の段ボールは新品のものを
荷造り用に段ボールを使う際、例えばスーパーなどからもらってきた段ボールを使った場合、害虫がついてくることがあります。
実は段ボールの隙間は、ゴキブリが卵を産みつけるのに適した場所なのです。
そのため引っ越し用の段ボールは、全て新品を使う必要があります。
また長いこと家に段ボールを残さないこともポイント。引っ越し後はすぐに荷解きをしましょう。
・引っ越し前の家具チェック
新居がきれいになったとしても、いまの住居から害虫を持ち込んでしまっては意味がないですよね。
1番良いのはいまの住居でも防虫剤を散布することですが、もしできない場合については、荷造りの際に家具に虫が潜んでいないかチェックする必要があります。
3. 【分譲賃貸のトラブル】電気ガス水道の手続き忘れ
あってはならないことですが、電気やガス、水道などの開始手続きを忘れて使用し続けていた場合、どうなるのでしょうか。
電気の場合は、毎月電力会社の人が検針を行っています。開始手続きのない家のメーターが動いていることがわかると、連絡をよこすように連絡票を置いていきます。
ここで気づいて連絡をし、「いつから使用しているか」「名義は誰か」、そして支払方法などを告げると、前までの利用分も含めて請求書を送ってきます。
きちんと支払えば、あとは問題ないでしょう。
万が一、ここでも連絡もせずに使い続けてしまった場合はどうなるのでしょうか。
その場合は、集金担当や調査の担当者が自宅を訪問してきます。
それでも無視を決め込み、何度か連絡票を入れても連絡をせず、まったく会わなかった場合には、電気を一旦停められてしまいます。
ここで連絡を取って、きちんと電気代を支払えば、継続して使用することができます。
絶対にあってはならないことですが、ここでも完全無視をしなんと退去してしまった場合には、調査の上、使用者に請求が送られてきます。
場合によっては、引っ越し先での電気の使用にも差し支えがでてきます。
どうやっても情報は伝わっているため、移転先は突きとめられてしまうのです。
逃げることは出来ません。
あまりにも悪質な場合は、窃盗罪にもなるため要注意です。
また、解約手続き忘れについてもご紹介します。
マンションやアパートを退去した後、入居者が電気会社との解約を忘れてしまった場合には、発生していた電気代は誰の負担になるのでしょうか。
通常の場合、空室物件の電気については、大家さんやマンション管理会社が負担することになります。
このときは対象不動産の管理者名義で契約しています。
それでは入居者が解約を忘れていた場合はどうなるのかというと、当然ですが契約者に支払い義務があります。
まず大前提として、電気会社が利用料金を請求をするのは契約者です。
誰が使用したのか、という問題ではなく、誰が契約をしているのか、という問題になってくるのです。
この場合、当然ですが契約しているのは元入居者ですよね。
この契約者が解約することを忘れているという状況のため、元入居者がまだ契約者であることがわかります。
そのため、賃貸管理会社にも大家さんにも、この契約解除忘れによって請求される電気代を負担する義務はないのです。
内見時の電気代を大屋さんや管理会社が負担しているのは、前の入居者が電気会社の契約を解除していることが理由です。
やはり現在はその住所に住んでいなかったとしても、解約を忘れたことの責任は取る必要はあるのです。
それでは、万が一既に新しい入居者がいる場合については、電気代の請求はどうなるのでしょうか。
この場合はもっとややこしいですね。
新しい賃借人がいるのに、契約者は前の入居者のままということになります。
そのため新しい入居者が使用した電気代を、元入居者が肩代わりしているような状態なのです。
当然ですが、金額はより大きくなりますよね。
こういったケースにおいても同様、賃貸管理会社や大家さんが電気料金を負担する必要は全くありません。
ここでも、電気料金の支払いの義務については契約者にあるというルールが適応されます。
この場合においてはさらにやっかいなのが、新しい入居者は電気会社へ利用開始の連絡をせずに、ブレーカーだけ上げて無断利用している可能性があることです。
例えばもしも電力会社に連絡した場合は、契約が解除されていないことに気が付きそうですよね。
つまりこの場合においては、電気会社と、元入居者と、新しい入居者の間で解決しなければいけない問題ということになります。
ここからわかる管理会社や大家さんのすべきこととしては、「新しい入居者には、入居してすぐに電気会社に使用開始連絡を行うこと」と、「前の入居者には、退去時にインフラ関連の契約を必ず解約しておくこと」の案内を徹底して行う必要があります。
忘れてはならないことではあるのですが、引っ越しのバタバタした時期に行うことということで、意外と抜けが多いのもこのあたりです。
油断せず、しっかり手続きを進めておく必要があります。
4. 【分譲賃貸のトラブル】思わぬ欠陥を発見
設備が故障しているなど、入居した後に思わぬ欠陥を発見した場合は、どのように対処すべきなのでしょうか。順番に解説していきます。
・まずは契約内容を確認
どこまで補償してくれるのかなど、どのような契約・約束になっていたのかの確認をとる必要があります。契約書などの書面をしっかり見ておきましょう。
・記録をとる
話し合いを行う際には、内容の記録をとると良いです。
書面にして相手と共有するようにしておきましょう。
また、トラブルが発生してしまった場合は、その経緯も記録しておくのをおすすめします。
後々役に立つことがありますよ。
・各種相談窓口に相談
当事者だけで解決できればそれに越したことはありませんが、なかなかうまくいかない場合もあります。
「どのような解決法があるのか解らない」「どうしたらよいのか知りたい」「第三者や専門家の意見を聞きたい」などのような場合には、相談窓口を利用しましょう。
例えば消費生活センタ、国民生活センター、法テラス、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターなどがおすすめですね。
5. 【分譲賃貸のトラブル】騒音
これは分譲賃貸において最もよくあるトラブルなのではないでしょうか。
騒音のトラブルに関しては、良く発生しますがなかなか解決が難しいです。
騒音と言っても、例えば大騒ぎをしたり子どもが走り回ったり、夜中に洗濯機を回したり楽器を演奏したり、大音量で音楽を聴くなど……、そのようなものがトラブルの原因になるといったらある意味当たりまえの部分があるかと思います。
しかし日常の歩行音やドアの開閉する音、さらにはトイレの水が流れる音などの生活音が原因で騒音トラブルが発生することもあるのです。
騒音のトラブルに関しては、こればかりは仕方ないといえばそれまでなのですが、音の感じ方に個人差がありますよね。
そのため、その微妙な認識の違いによってトラブルが発生する場合があるのです。
双方で解決がすんなりいけば1番良いのですが、なかなかそうもいかない場合には、管理組合に間に入ってもらう必要があります。
6. 【分譲賃貸のトラブル】ペット
通常の賃貸とは違うため、分譲マンションにはペット可のところが多いのも特徴です。
しかし現状として、それによるトラブルも少なくないのが事実です。
例えば犬によっては、ストレスなどさまざまな原因により常に鳴いているような子もいます。
これは先述した騒音の問題にもつながってきます。
さらに廊下などの共用部分ににおいがついたりすることも考えられますよね。
同じ敷地内に動物が苦手な人などが居た場合には、特に深刻な問題になってきますよね。
大抵の場合そのような問題については、物件の下見の際に気がつくことができるはずです。
ペット可の分譲賃貸の場合は特に、においや鳴き声については注意して内見するようにしてみましょう。
7. 【分譲賃貸のトラブル】リロケーションの大家さんと!
分譲賃貸のなかにいて、誰かともめるとなったら大きく2つに分けられます。
1つがオーナーとの契約上のトラブルが発生するか、もう1つが周辺住民とのトラブルが発生するかになりますね。
大家さんとの契約上のトラブルについては、例えば入居時に使っていたエアコンを買い換えたいが可能であるのか、ペットは飼ってもよいのか、さらに退去時の原状回復の度合いなどはどのようにすればよいのか……などによって起こりえます。
オーナーが置いていった物も含めて、備品の扱いなどに関しては、修理や交換時にどのようにするのか、入居時に細かく確認しておく必要がありますね。
特に要注意なのが、退去時の原状回復についてです。
投資物件である場合は特に、身に覚えのないことまで修復要求されるという事例があるため、しっかり確認しておきましょう。
ちなみに床やクロスの汚れなどについては、入居年数に応じて負担率が軽減していきます。
万が一トラブルにつながりそうな何かがあったときのやり取りについては、どうしてもお互い感情的になってしまうことも考えられます。
その場合はさらに大きなトラブルにつながってしまうことも考えられるため、必ず仲介者を通すことをおすすめします。
8. まとめ
以上が、分譲賃貸にて起こるトラブルについての紹介でした。
通常の賃貸よりもグレードが高い分譲賃貸ですが、よくよく見てみるとメリットばかりではないということがわかりました。
さらにトラブルが起こってしまった時の対策についてもご紹介しました。
トラブルはできるだけ避けたいところではありますが、やはりどうしても起きてしまうことはあります。
そのような時に落ち着いて対応できるように、先に対策や対処法を知っておく必要がありますね。
起こる前に充分予防できるようなトラブルもありますので、注意深く見ておく必要があります。




