マンションを購入するときに気になることのひとつに、固定資産税が挙げられますね。
いったい、どのように決められているのでしょうか?
3LDKマンションの固定資産税の平均額や目安、さらに計算方法や支払い方法についても、疑問が尽きないという方は多いでしょう。
今回はそんな固定資産税に関することについて、詳しくご紹介していきます。
このページでわかること
1. 3LDKマンションの固定資産税の平均
「3LDKマンションの固定資産税の平均額はどれくらいなのだろう?」
この疑問に対して、ネットで調べても「全国平均〇〇万円」という情報はヒットしないでしょう。
固定資産税の課税額は、実際に購入するマンションの建築年やグレード、立地などの条件によって変動します。
では、どのようにして固定資産税の目安や相場を調べればいいのでしょうか。
◎固定資産評価額
固定資産税は、「固定資産評価額」によって課税額が変動します。
固定資産評価額とは、国が査定した建物や土地の評価額です。
この固定資産評価額に各市町村で定めている固定資産税の税率を掛けた額が、固定資産税として徴収されます。
固定資産税は地方税で、市町村ごとに税率は異なります。
国が定めている標準税率の目安は1.4%です。
固定資産評価額に1.4%を掛けて固定資産税を算出します。
◎固定資産評価額の相場
固定資産評価額は、建物が新築か中古か、土地の利便性はどうか、を査定して評価額が決定されます。
マンションの建物部分は、住居以外の付加価値がない限り年数の経過とともに価値は下がります。
固定資産評価額は3年ごとに更新されるので、固定資産税額も3年ごとに変動します。
土地は市町村が発表している「路線価」で相場を知ることができます。
建物は国税庁が定める「建物の標準的な建築の価額表」で表記されている建築年の価額に、経年減価補正率を掛けて現在の評価額を算出します。
<土地の評価額>
路線価格(円/㎡)×土地面積(㎡)×画地補正率*
*画地補正率とは、立地条件や利用方法などの現状を補正するための利率です。
(東京都主税局HP:http://www.tax.metro.tokyo.jp/map/H27/chizu.html)
<建物の標準的な建築の価額表>
建築年の価格×床面積(㎡)×経年減価補正率*
*経年減価補正率とは、築年数に応じて減額するための利率です。
(国税庁HP:https://www.nta.go.jp/index.htm)
次に、新築マンションと中古マンションの固定資産評価額の違いを見ていきます。
1-1. 新築マンションの場合
新築マンションは、売買契約時に家屋調査が終わっていない場合が多く、固定資産評価額が決まっていません。
ですから契約前に、不動産会社の担当者に固定資産評価額を確認することをおすすめします。
担当者は「建物の標準的な建築価額表」や「路線価」の相場を用いて、固定資産評価額の予測を立てています。
1-2. 中古マンションの場合
建物の固定資産評価額は、年数が経過するたびに価値が下がります。
評価の査定は、3年ごとに行われます。
前オーナーが所有していた直近の課税額は、内覧に行く前に不動産会社に確認することをおすすめします。
自分で調べたい方は、市役所で固定資産税台帳から購入予定物件の固定資産評価額を調べることも可能です。
ただし、市役所で固定資産税台帳を閲覧できるのは、1年のうち4月1日〜4月20日に限ります。
2. 3LDKマンションの固定資産税の決まり方
3LDKマンションの固定資産税は、土地と建物の固定資産評価額に、市町村で定める税率を掛けたものになります。
マンションの場合、居住スペースの敷地面積や床面積だけでなく、共用スペースも課税対象になります。
マンション全体の敷地面積と床面積を算出し、所有者の持分割合に応じて課税されます。
3. 3LDKマンションの固定資産税を計算する方法
例えば、土地と建物を合わせた中古マンンションの固定資産評価額が900万円だった場合は、次のように計算されます。
(固定資産評価額)900万円×(標準税率)4.1%=12,600円
土地や新築マンションには減税措置が適用され、課税額が減額されます。
中古マンションに対する減税措置はありませんが、年数を経るごとに固定資産価値を下げているので、建物の評価額は3年おきに減額されることになります。
一般的に新築マンションは建物自体の価格は高いものの、固定資産税などの諸経費は低くなり、中古マンションは建物自体の価格は新築より安いものの、固定資産税などを含む諸経費は高くなる傾向にあります。
<マンション購入時の諸経費>
- 新築マンションの諸経費:購入価格の3~5%
- 中古マンションの諸経費:購入価格の5〜8%
4. 固定資産税の減額措置とは?
固定資産税は、一定の要件を満たした場合に課税減税措置が適用されます。
では、どのような場合に減税されるのでしょうか。
<土地の課税軽減措置>
・要件:マイホームの敷地
・減税:200㎡以下の部分は評価額が6分の1になる
200㎡を超える部分は評価額が3分の1になる
敷地面積が300㎡土地の場合、200㎡は課税額が6分の1となり、残りの100㎡は3分の1になります。
土地の評価額が6,000万円だった場合は、1平方メートルあたりの単価が20万円なので、200㎡の評価額4,000万円は6分の1、100㎡の評価額2,000万円は3分の1になります。
敷地面積が200㎡で、評価額が3,000万円だった場合の固定資産税は、次のように計算されます。
3,000万円×1/6×1.4%=7万円
<建物の課税軽減措置>
・要件:新築
本人が住んでいる
床面積が50〜280㎡
・減税:120㎡以下の部分は評価額が2分の1になる
新築から5年間は、この課税軽減措置が有効になります。
長期優良住宅と認められた場合は、7年間の減税が可能になります。
中古マンションの評価額が900万円だった場合の固定資産税は、減税措置がないので次のようになりました。
900万円×1.4%=126,000円
新築マンションの評価額が2,000万円だった場合は、減税措置が適用されます。
2,000万円×1/2×1.4%=14万円
このように評価額で1,100万円の差があっても、固定資産税の課税額では14,000円の差額にしかなりません。
新築マンションも6年目からは、中古マンションと同じように、建物の建築価額表に該当する建築価額に、経年減価補正率を掛けた額が固定資産評価額になり、減税措置はなくなります。
<参考>都市計画税
購入するマンションが都市計画の市街地区域だった場合、固定資産税とセットで納税通知書に記載されます。
都市計画税も固定資産税と同様に地方税なので、お住いの市町村によって税率が異なります。
国が定めた最高税率は0.3%なので、固定資産税に0.3%を掛けて算出すると良いでしょう。
都市計画税にも減税措置が認められていますが、要件を満たした土地にのみ有効で、新築、中古にかかわらず建物には適用されません。
土地に対する減税措置は以下の通りです。
<都市計画税の減税措置>
・要件:マイホームの敷地
・減税:200㎡以下の部分は評価額が3分の1になる
200㎡を超える部分は評価額が3分の2になる
5. 固定資産税の支払い方法
マンションなどの不動産を購入し、登記が終わるとお住いの市町村から納税通知書が届きます。
毎年1月1日の時点で保有する土地や不動産に課税される地方税になります。
納税通知書は、年4回に分割して市町村に納付するようになっていて、納付書には第1〜4期までの納付期限が記載されています。
支払い方法は、以下の4つ方法があります。
① 現金窓口支払い
納付書に記載された現金取り扱い窓口で、現金で支払います。
各市町村役所の窓口、金融機関・郵便局の窓口、コンビニエンスストアが該当します。
② 口座振替による自動支払い
自動で引き落とされるので、納付忘れがありません。
領収書が発行されないので、記帳をしておきましょう。
注意点としては、残高不足で引き落としができなかった場合、再振替がされないことです。
③ Pay-easy(ペイジー)での支払い
ペイジーマークが付いている納付書を持っている場合は、ペイジー対応の金融機関ATMで支払いができます。
事前に金融機関と契約をすれば、インターネットバンキングでの支払いも可能です。
④ クレジットカードでの支払い
各市町村のHPからクレジットカード支払いの申し込みができます。
ただし、市町村窓口やコンビニエンスストアのレジでクレジットカード支払いはできません。
6. 3LDKマンションの固定資産税の平均(目安)と計算方法まとめ
以上3LDKマンションの固定資産税が、どのように計算されているのかを紹介してきました。
- 固定資産税はLDKの間取りではなく土地の評価額と建物の評価額で決定されます。
- 固定資産税は土地と建物を合算した固定資産評価額に1.4%(標準税率)を掛けて算出されます。
- マンションの契約前に不動産担当者に固定資産評価額を確認しましょう。
- 新築マンションには減税措置が適用されます。(5年間)
- 固定資産税の支払いは年4回の窓口現金支払いが一般的です。
固定資産税のことについては、詳しくわかっているという方のほうが少ないのではないでしょうか。
この記事を参考にして、目安の計算や支払いに役立ててくださいね。




