母子家庭の理想の間取りは2LDKといわれていますが、なぜそのようにいわれるのでしょうか。
お子さんが小さいうちは少し広過ぎるのでは、と思われるかもしれません。
でも中学生になる頃には、お子さんもプライバシーが守られる個室で過ごす時間が必要となってくるでしょう。
そんな時に、莫大な費用がかかる引越しを考えなくてもすむように、そこに長く暮らすことができるお部屋選びのポイントを、色々な比較をしながらご紹介していきます。
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このページでわかること
1. 母子家庭におすすめの2LDKの間取り
それでは、どうして2LDKの間取りが良いとされているのか、なぜ2DKではないのか、という点からお話ししていきます。
2DKも2LDKも、個室の数は同じ2部屋です。
では、2DKと2LDKの大きな違いは何でしょうか。
それは、リビングがあるかどうかということです。
リビングと呼ぶことができる部屋の条件はというと、そのお部屋が10帖以上かどうかという点なので、10帖より狭い間取りであれば、そこはダイニングと呼ばれ2DKの物件となるのです。
この2つの物件を実際に見たことがある方はわかると思うのですが、2DKと2LDKとでは広さが全く違って見えます。
リビングが10帖以上あるかないか、その違いだけで空間の余裕が全く違って感じられるのです。
そこで、母子家庭におすすめな間取りがなぜ2LDKなのかという話しに戻ると、このリビングのある空間が、家族で暮らすうえでとても大切な空間となるからです。
ではこれから、お子さんの人数に着目してお部屋の使い方のご紹介をします。
1-1. 子供が1人の場合
お子さんが小さいうちは、お部屋にいる時は、ほとんどの時間をお母さんと一緒に過ごすことになります。
ですので、リビングと続きのお部屋を1部屋として使えるような間取りもおすすめです。
対面キッチンなどであれば、遊んでいるお子さんを見ながらお料理もできますね。
お子さんに個室が必要になるまでは、
- リビングと続きで使えるお部屋をリビングの一部として開放し、もう1部屋はお子さんとの寝室として使う
- もしくは1部屋は寝室として、もう1部屋を収納部屋として使う
ということもできます。
ただ収納部屋があることで、物が増えてはせっかくの2LDKの空間が活かせなくなるので、断捨離を行うことで空間を極力広く、快適に使うことをおすすめします。
また、お子さんが個室が必要な年齢になった時には、各個室をそれぞれのプライベート部屋として使うことができます。
2LDKの間取りは多種多様です。
リビングの広さを確保できれば、個室の広さは何でも大丈夫と思われるかもしれません。
しかし、お子さんが子供部屋として使うようになった場合、やはり4.5帖しかない個室だとベッドと机を置くだけでスペースがなくなり、とても狭いお部屋だと感じてしまうかもしれません。
理想を言うなら、個室は2部屋とも6帖以上の広さの物件を選ばれるといいでしょう。
さらに、お子さんが成長した時に、それぞれのプライバシーを確保したいのであれば、
- 各部屋がリビングを挟んでいるタイプ
- 個室同士が横並びになったタイプ
- 廊下を挟んで向き合っているタイプ
などの間取りがあります。
2LDKの暮らしを選ぶことで、将来に向けてのお部屋のレイアウトも考えることができますね。
お子さんが成長した時に、どのように暮らしたいかという点も考慮に入れながら、間取り選びをするといいでしょう。
1-2. 子供が2人の場合
お子さんが2人いる場合にも、小さいときはお母さんと同じ空間で過ごすことが多いでしょう。
そして夜寝るときだけは、お子さん2人は同じお部屋で、お母さんは1人で、という使い方も2LDKの間取りがあれば可能です。
さらにお子さんが大きくなって、それぞれの個室空間が欲しいと思った時には、このようなお部屋の活用法はしてみてはいかがでしょうか。
【1部屋をシェアするインテリア】
家具やカーテンを使って、空間を分ける
- カーテンや布で部屋に仕切りを作る
- 部屋の中央に本棚などを置き、仕切りを作る
- ベッドをL字型に置き、机も個々で離して置く
- ベッド付きデスクで、それぞれの空間を最大限広げる
中央の仕切りが完全なものでなくても、視覚的に見えないだけで個室感は出るものです。
少しの目隠しで作れる、空間作りのアイデア一例です。
そして、次のアイデアは少し斬新なものではありますが、リビングを夜は寝室として使うことで、お子さん2人に個室を与えることも可能になります。
リビングにソファベッドを置き、そこに目隠しのカーテンやパーテーションを置くことで、リビングの中にもう1つのお部屋ができ上がります。
寝るだけの空間として使うのであれば、この狭小感も良いかもしれませんよ。
お子さんが2人いる場合には、1つのお部屋をシェアする形で子供部屋を作る、というケースが多いと思います。
ですのでその点を考慮して、ある程度の広さを確保するためにも、1部屋はできれば6帖よりも広い物件を選ばれるといいでしょう。
将来的にその1部屋の中に、新たにそれぞれの個室を作り出すことができますよ。
2. 母子家庭で2LDKの賃貸を借りる時の注意点
母子家庭でお部屋を借りる場合、一般的に審査などが厳しくなると言われています。
ただそれは民間の賃貸業者についてであって、公共の賃貸契約に関してはその限りではありません。
ではまず、審査に通るための家賃費用の目安などをご紹介します。
2-1. 家賃目安
母子家庭の場合、家賃は手取りの3分の1以下に抑えるといいでしょう。
それを超えると、審査に通りにくくなるといわれています。
また養育費など継続性が確実ではないものに関しては、この収入の中には含まれないことになっています。
・家賃の目安一覧
| 手取り | 家賃(手取りの3分の1) |
| 150,000円 | 45,000円 |
| 160,000円 | 48,000円 |
| 170,000円 | 51,000円 |
| 180,000円 | 54,000円 |
| 190,000円 | 57,000円 |
| 200,000円 | 60,000円 |
| 210,000円 | 63,000円 |
| 220,000円 | 66,000円 |
・マンション、アパートの場合
マンションは築年数が浅いものが多いため、どうしても家賃は高くなる傾向にあります。
ただ、地域の一般的な利便性や築年数が経っているものであれば、支払い可能な物件もあるはずなので、探してみてください。
アパートであれば、マンションよりも家賃相場が低い物件が多く出ています。
もちろん、アパートにも理想的な2LDKの間取りはあると思うので、探してみましょう。
ただアパートの注意点としては、マンションより壁が薄いため、お子さんの泣き声や走り回る音が漏れやすくなります。
それを極力避けるためには、居住階を下にしてみたり、同じ年代のお子さんがいそうな物件を探してみてはいかがでしょうか。
・公営住宅の場合
家賃は世帯の収入により変動しますが、一般的に民間の物件の3分の1程度と言われています。
安いものになると、1万円前後からのものなどもあります。
入居資格も、母子家庭であっても、条件を満たせば得ることができます。
この点は、民間の賃貸業者よりもかなり優遇されている点だと言えます。
また公営住宅には、入居時の初期費用がかかりません。
更新料などもかからないため、これから母子家庭で生活をするご家庭には、とても魅力を感じる物件であるといえるでしょう。
また、入居者自体の収入が条件に達していない場合でも、連帯保証人を立ててその保証人の収入が条件を満たしていれば、入居の申し込みができます。
ただし、こういう好条件のため競争率は非常に高く、狭き門となる場合も少なくありません。
またこちらは補足となりますが、公営住宅の場合、生活環境面で問題が生じる場合もあるようです。
それらの点も考慮しつつ、入居の申し込みをされてはいかがでしょうか。
2-2. 入居審査項目
民間の賃貸業者の場合、母子家庭の入居審査は一般的に厳しくなると言われています。
具体例を挙げるとしたら、一般的に賃貸物件を借りる際の審査項目と同様に
- 収入面
- 勤め先
- 連帯保証人の有無
などが挙げられますが、母子家庭の場合はこれに加えてお子さんの年齢が問われます。
実は、年齢が低ければ低いほど、審査が厳しくなるとも言われています。
その理由として、お子さんの泣き声や騒音がご近所とのトラブルにつながるという点や、留守番が多くなるであろうお子さんの監督責任などの点などが挙げられます。
ただしもっとも重要視されるのは、家賃支払い者の見た目や人柄です。
家賃をきちんと継続的に支払える人物かどうか、という点を賃貸業者とオーナーは複合的に判断していきます。
3. 母子家庭なら知っておきたい支援制度
3-1. 児童扶養手当
「児童扶養手当とは、父母が離婚などで父又は母の一方からしか養育を受けられない一人親家庭などの児童のために、地方自治体から支給される手当である」(ウィキペディアより)
※平成30年8月に児童扶養手当の上限が、30万円引き上げられました。
これにより、今まで一部支給対象となっていた世帯の中から15万世帯が、全額支給に切り替わるということです。
ちなみにこちらは、平成30年12月支給分からとなります。
3-2. 住宅手当
母子家庭の住宅手当は、各市町村で独自の政策となるため、居住地での確認が必要となります。
代表的なもので、
- 20歳未満の子供を育てている場合
- 家賃が10,000円以上の民間の賃貸物件を借りていること
などが条件となります。
3-3. 公営住宅への優先入居
公営住宅とは、入居者の選考にあたり住宅困窮の事実を確認したうえで、入居の選考をするものとされており、必ずしも抽選にのみ依存するものではないとされています。
また、母子家庭については生活の困窮具合が著しく高いものとして、優先的に取り扱うこととされています。
さらに、公営住宅の供給を行う場合に母子家庭の福祉が増進されるよう、特別な配慮をしなければならないとされています。
公営住宅については、以上のような文句でうたわれてはいますが、現実は必ずしもこうではない場合もあるようです。
母子家庭の公営住宅への優先入居の詳細については、居住地の市区役所等に問い合わせてみてください。
4. 母子家庭で2LDK賃貸を選ぶ時のポイントまとめ
母子家庭だけでなく、誰しも日々を過ごす空間は、落ち着ける場所であることを願っています。
その空間は、部屋を整理整頓することでも作り出せますが、賃貸物件に住む場合には、お部屋の広さが限られるため、間取りはとても重要になってきます。
- 家族がくつろげる空間はあるか
- 幼い子供が、キッチンにいる母親の見える所で遊べる空間はあるか
- 思春期に入った時に、子供部屋を作ることができるか
- 子供が成長した時、親子のプライバシーを守ることができるか
これらの項目を挙げてみると、母子家庭の方におすすめの間取りは2LDKということになります。
将来に向けて、快適な生活を送ることができる間取りであるよう、是非理想の物件を探してみてくださいね。





