3LDKのマンションリフォームでは、どの部分をどの程度リフォームするかが大きな課題になります。
一言でマンションリフォームといっても、3LDKの場合は3つの部屋だけでなくリビングダイニングにキッチン、浴室、玄関など様々な場所のリフォームが考えられます。
そうなればもちろん費用も気になりますが、リフォームするからには理想通りの仕上がりになるかどうかも気になりますよね?
そこで今回は3LDKのマンションリフォームを成功させるために知っておきたいリフォームの基本を徹底解説!
リフォーム箇所ごとの費用相場だけでなく、業者選びのポイントなどもわかりやすく紹介します。
このページでわかること
1. 3LDKマンションのリフォーム費用の相場
中古マンションが新築マンションよりもメリットがあるのは「実物を見て状態を確認したうえでマンション購入をすることが出来る」ということです。
新築マンションの場合はモデルルームの内覧で部屋全体のイメージはわかりますが、出来上がるまでは実物を見ることはできません。
それだけに実際に出来上がったマンションを見て「イメージと違う!」とガックリすることもあります。
ただし中古マンションの場合、自分の理想通りの部屋とは言い切れないということもよくあります。
また購入前にハウスクリーニングされていたとしても、物自体が古くなっていてイメージしている暮らしとは合わないこともあります。
このような場合は入居前に思い切って全面的にリフォームしてしまうのがおすすめです。
ただし全面的なリフォームにはデメリットもあります。
1-1. 水回りの移動には限界がある
水回りの設計には給排水の配置が関係するため、基本的に大きく位置を移動することは難しいです。
特にリフォームの場合は「どこまで位置を変えられるか」が大きなポイントにあります。
そのため予算を組んでもリフォームが難しい場合もあります。
1-2. マンションの構造によっては間取りの変更が出来ない場合もある
間取りを変えるリフォームもありますが、マンションの場合は構造によってリフォームに制限を受けることもあります。
特に壁と床の面で建物を支える「壁式構造」の場合は、壁を撤去して間取りを変更するとマンションそのものの構造に影響が出てしまいます。
このように構造上の問題で全面的なリフォームが出来ないケースもあります。
2. 3LDKマンションのリフォームとリノベーションの違い
リフォームとリノベーションの違いは「規模の違い」と説明した方が分かりやすいかもしれません。
マンションのリフォームは、部分的な改修を希望している場合に行います。
たとえば「壁紙の汚れが気になる」「フローリングを張り替えたい」などの場合は、リフォームで十分対応できます。
もちろん「壁付のキッチンを対面式キッチンに取り換えたい」という場合や「窓から雨漏りするのを何とかしたい」という場合もリフォームで解決します。
ただリフォームでは「3LDKを4LDKにしたい」「部屋の間取りを変えたい」など大規模な改修には向いていません。
このような規模の大きな改修の場合はリノベーションで行います。
特に中古マンションで資産価値を上げるためには、家の性能や機能を上げた方が価値は高まります。
このような改修の場合は、リノベーションした方が理想通りの仕上がりになります。
2-1. 築年数が長いマンションの場合はリフォームの方がおすすめ
中古マンションの場合は、築年数が長いと耐久性に問題が出て来る場合があります。
特に老朽化が進んでいる場合は、部屋のリノベーションをしても建物自体の資産価値が下がっているため逆に割高になってしまいます。
もちろんリノベーションをすることによって理想の部屋にすることはできますが、その場合も老朽化している部分の補強工事が必要になることもあります。
今の生活を大きく変えずに快適な家に変えたいのであれば、リノベーションよりもリフォームの方がメリットはあります。
2-2. 自分好みの間取りを手に入れたいのであればリノベーションの方がおすすめ
中古マンションの間取りは、基本的に万人受けするように設計されています。
つまり「どんなオーナーからでも合格点がもらえる設計」というわけです。
ただマンション選びは間取りだけでなく住環境なども関係してきますよね?
そのため「理想とまではいかないけれど、妥協が出来る範囲だから」という理由で中古マンションを購入する人も多いです。
このようなケースでは、リノベーションして自由に間取りを設計した方が間違いなく満足度は上がります。
部屋の間取りは暮らしのゆとりに関係してきます。
ですから不満を抱えながら暮らし続けるよりは、理想の間取りにリノベーションしてゆとりのある暮らしを手にした方が断然お得です。
3. 3LDKマンションのリフォーム費用の内訳とリフォーム内容一覧
3-1. キッチンのリフォーム
・壁付キッチンから対面式キッチンへのリフォーム
スタンダードな壁付キッチンから人気の対面式キッチンへのリフォームは、今人気のキッチンリフォームです。
ただ対面式キッチンにはアイランド型とペニンシュラ型の2タイプあります。
さらにそれぞれのタイプは、比較的価格も安くシンプルな機能の「ローグレードタイプ」と充実した機能が魅力の「ハイグレードタイプ」があります。
値段を抑えつつも対面式キッチンにリフォームしたいのであれば、ペニンシュラ型のローグレードタイプがおすすめです。
リフォーム費用も120~160万円が相場です。
アイランド型のローグレードタイプでは、リフォーム費用が180万円~となっており、ハイグレードタイプになるとリフォーム費用が300万円になるケースもあります。
3-2. 浴室のリフォーム
・浴室暖房乾燥機を取り付けるリフォーム
マンションの場合ベランダのスペースが限られているため、浴室に暖房乾燥機を取り付けるリフォームを希望している人も多いです。
この場合、暖房乾燥機代金は10万円前後が相場ですが、取り付け工事費用として5万円前後追加されるのが相場です。
・浴槽交換リフォーム
バスタイムを充実させたい人に人気なのが浴槽の交換リフォームです。
浴槽の素材にも様々なものがあります。
触り心地の良さを重視したいのであればホーローがおすすめですし、保温性を重視したいのであればステンレスがおすすめです。
ちなみに「素材にこだわらないが新しいものに取り換えたい」というのであれば、価格が安い繊維強化プラスチックの浴槽がおすすめです。
浴槽本体の価格は素材によっても異なりますが、交換工事費用としては15万円前後が相場です。
費用の内訳は「既存浴槽の取り外し」「浴槽の撤去」「浴槽の取り付け」「下地補修」となります。
3-3. トイレのリフォーム
トイレのリフォームは、便器の本体価格によってリフォーム費用が変わります。多
機能便器に取り換えるのであれば、本体価格だけで20万円以上しますしさらに工事費が追加されます。
・タンク付き旧式便座に「温水洗浄」「暖房便座」機能付き便座にリフォーム
タンク付きの便器からタンク付きの新型便器に還るリフォームは比較的簡単にできます。
本体価格だけなら15万円前後で十分ですし、さらにオート開閉機能やオート洗浄機能などが付いた多機能便器であっても20万円前後になります。
本体価格が15万円前後の便器であれば、取付工事費込みでも20万円未満が相場になります。
・トイレ内に手洗い場を設置するリフォーム
タンクがない便器の場合はトイレのスペースにゆとりがあります。
そのためトイレリフォームで手洗い場を作ることも可能です。
この場合は10万円~がリフォーム費用の相場です。
ちなみに便器の交換リフォームにオプションとして手洗い場の増設工事を追加することもできます。
3-4. 洗面台のリフォーム
・内装のみの洗面台リフォーム
既存の洗面台を使い内装のみをリフォームするのであれば、20万円未満でできます。
・スタンダードタイプの洗面台に交換するリフォーム
ユニット型洗面台からスタンダードタイプの洗面台に交換するリフォームの場合は、洗面台の本体価格に内装工事費が含まれて20~50万円が相場です。
・洗面台の位置を変えて洗濯機置き場を広くするリフォーム
多機能型洗濯機に取り換える場合、既存の洗濯機置き場では入らない場合があります。
このような場合は洗面台の位置を変え、洗濯機置き場の広さを広げるリフォームが必要になります。
この場合の費用相場は50万円~となります。
3-5. 内装(壁紙・フローリング)のリフォーム
・クロス(壁紙)張替えリフォーム
クロス(壁紙)の張替えリフォームの場合、壁紙の素材によって費用が変わります。
一般的なリフォーム業者の見積もりは「平米価格表記」と「メートル価格表記」のどちらかになります。
表記される時には「○○円/m2」または「○○円/m」となり、「○○円」には壁紙の材料費のほかにも工事費などが含まれています。
壁紙の価格は素材によっても異なりますが、大きく分けると「量産品クロス」と「1000番台クロス」の2つに分かれます。
賃貸マンションなどでよく使われるのが「量産品クロス」で、相場は1m2あたり500円~となります。
壁紙の素材やカラー、機能などにこだわりたい場合は「1000番台クロス」から選びます。
費用の相場は1m2あたり1000円~となります。
・クッションフロアからフローリングへリフォーム
クッションフロアからフローリングへリフォームするのは、比較的手ごろなリフォームになります。
ただしフローリング材の種類や防音効果の有無によっても料金が違います。
マンションの場合は管理規約によって防音ありの素材を使う必要があります。
そのため合板フローリングまたは無垢フローリングの防音あり素材から選びます。
ちなみに合板フローリングの場合、4.5畳で10~13万円が相場です。
無垢フローリングの場合は4.5畳で11~14万円が相場です。
3-6. 和室のリフォーム
・畳をフローリングに変えて洋室にリフォーム
畳をフローリングに変えて洋室にリフォームする場合も、フローリング材の素材によって価格が変わります。
合板材であれば4.5畳で15~18万円、無垢材であれば4.5畳で16~19万円が相場です。
ちなみに畳からフローリングに変えると床の冷たさが気になることもあります。
この場合はフローリングに張り替える前に断熱材を入れるオプションメニューがあります。
断熱材を追加する場合は、リフォーム費用にプラス1万円が相場となります。
3-7. リビングのリフォーム
リビングは家族の共有スペースですし応接スペースでもあるので、リフォームをする場合も壁のクロス張替えやフローリングの張替え、室内照明の追加(シャンデリアやダウンライトの取り付け)などが多いです。
リフォーム費用の相場としては50~100万円がもっとも多いです。
壁紙も布クロスなど高級感のある素材を選ぶケースが多いので、クロス張替え費用だけでもやや高めです。
ただ量産品クロスを使うなど材料費を節約すれば、同じ内容であっても50万円以下でリフォームすることが出来ます。
3-8. 寝室のリフォーム
・断熱性をアップさせつつ内装をリフォーム
寝室の場合、広さがそれほど大きくないのでリフォーム費用としては比較的安いです。
クロス(壁紙)張替えに通常構造の窓を二重窓に取り換える工事を追加したとしても、リフォーム費用としては20~50万円以内が相場になります。
3-9. 玄関のリフォーム
・玄関のドアの見た目をきれいにするリフォーム
玄関のドアの見た目をきれいにしたい場合は、表面にシートを張るリフォームがあります。
リフォームをする場合も「片側のみ」「両面」から選ぶことが出来ます。
費用の相場としては片側のみの場合は6~9万円、両面の場合は8~11万円が相場です。
3-10. 子供部屋のリフォーム
・2室の子供部屋にリフォーム
子供部屋のリフォームで多いのが、「間仕切り壁を設置して2間にリフォーム」です。
間仕切りの壁を設置し既存の壁紙にできるだけ近い手頃な壁紙を使えば10円未満でもリフォームは出来ます。
ただし部屋が2室になるということは室内照明やエアコンの設置、入口のドアの設置なども必要になります。
こうした工事も全て依頼する場合は20~50万円がリフォーム費用の相場になります。
4. 失敗しないリフォーム業者の選び方!まずは費用の見積もりを!
どの場所のリフォームを行うにしても、リフォーム費用は決して安いものではありません。
またマンション内でのリフォームですから、音が出るリフォームなどの場合は工事期間なども契約前にきちんと確認する必要があります。
せっかくのリフォームでがっかりな結果にならないためにも、まずは費用の見積もりを事前にしっかりと取っておくことが大事です。
また事前見積もりも1社で済まさず複数の見積もりを依頼することも失敗しないためのポイントです。
・見積時の対応が良い業者は施工後の評価も高い
見積時の業者の対応も、業者選びでは重要なポイントです。
事前見積もりはあくまでも無料です。
でもお金のかからない部分においても丁寧な対応をするリフォーム業者は、施工後の評価も高いです。
逆に事前見積もりを依頼しただけなのに、「今契約しないと提示した見積金額より高くなりますよ」など契約を急がせるような業者は要注意です。
このような対応をするリフォーム業者は施工工事を下請け業者に流す場合が多く、リフォーム後にクレームが多いです。
5. リフォーム費用の支払い方法
リフォーム費用の支払い時期は、原則としてリフォーム完了後です。
ただ支払方法に関してはリフォームの内容や業者によっても異なることがあります。
そのため契約によっては「着手金として費用の半額を施工前に支払うケース」「工事の進捗状況に応じて中間金を支払うケース」などがあります。
6. 3LDKマンションのリフォーム費用と失敗しない業者の選び方まとめ
3LDKマンションのリフォームは、マンションの構造によってはリフォームの内容に制限を受けるケースもあります。
また工事の内容によっては、リフォームよりもリノベーションにした方がメリットが大きくなるケースもあります。
また子供の成長や家族のライフスタイルの変化によっても、今後さらにリフォームが必要になることがあります。
ですから3LDKまるごとリフォームを考えている場合は、まずは信頼できる不動産業者やリフォーム業者に相談してみることが大切です。
さらに費用の支払い方法についても、リフォーム費用として申し込むことが出来るリフォームローンや助成金など知っておくと便利な制度もあります。
こうした情報を上手に集めながら、お得かつ理想的なお部屋作りを目指してくださいね。




