狭いからいつも片付かない、狭いから思っているようなレイアウトができないのは、インテリア好きには辛いですね。
狭い2LDKを広く見せて快適に暮らすインテリアレイアウトにはどんな方法があるのでしょう?
狭くても諦めない、部屋を広く見せる・感じさせるインテリアの使い方やレイアウトについてみていきましょう。
このページでわかること
1. 2LDKで狭い部屋の上手なインテリアの使い方
2LDKといえば、10畳程度以上のリビングダイニングキッチン(LDK)と個室が2部屋ある間取りです。
東京では50平方メートル前後の場合が多いですが、中には42平方メートルとやや狭い物件もあります。
50平方メートルだとLDKが10帖、押し入れかクローゼットのある6帖が2つですが、42平方メートルになると、LDK9.6帖、3.2帖、クローゼットつき4.5帖となります。
どちらも独立したバス・トイレはある物件での間取りです。
これが59.64平方メートルになると押入れつき6帖、クーロゼットあり7帖、LDKが14.8帖とゆったりしてきます。
2LDKは個室が2部屋あるのでカップルやルームシェアにも向く間取りですが、狭いとインテリアを最小限に絞ってコンパクトにまとめる工夫が必要になってきます。
ミニマリストのようにごく少ない家具と持ち物なら、狭い2LDKでも十分ですが誰もができることではありません。
まずは狭い2LDKを暮らしやすく、狭さを感じにくくさせるインテリア選びのコツを確かめていきましょう。
1-1. 家具は少なく・大きさを考えて選ぶ
・ダイニングソファーをつかう
ダイニングソファーとテーブルを使うと、ワンセットで食事場所とくつろぎ場所が確保できます。
狭いのにダイニングテーブルと、ソファのどちらも置くとLDKが狭くなってしまうので、一箇所にまとめて、なんでもダイニングソファーのところで済ませるのが省スペースな方法です。
・リビングでは座布団やビーズソファ
キッチンが対面カウンターになっているなら、食事はカウンターで済ませるようにし、リビングスペースを広く取ります。
さらにちゃぶ台テーブル+座布団やビーズソファのように、目線が低くなるライフスタイルにすると狭さが感じにくいでしょう。
・布団を上げ下げするスタイル
ベッドを入れるとそれだけで場所を取られてしまいますが、布団だと簡単に片付ける事ができます。
昼間は布団を上げて押入れに入れてしまう方法なら、部屋を広く使えます。
・おける収納に収まる荷物の量にする
持ち物が多いと収納場所に収まりません。
ミニマリストほどまで極端でなくても、決めた収納場所に収まらないものは処分して溜め込まないことが大事です。
1-2. 家具の背の高さ・配置を工夫する
・目線が通る配置にする
①入り口から見たときに部屋の奥に向かって視線が遮られないようにする
②普段よくいる場所から窓などに向かった視線が遮られないようにする
部屋の中程で部屋を区切るような背の高い家具、ソファのように大きな家具が途中に置かれると視線が抜けにくく空間が細切れになります。
・家具の高さをそろえる
目線のさきに収納のごちゃつきがあると窮屈に感じます。
また、背の高い家具が多いと圧迫感が出てしまうので、背の低い家具で統一したほうが、ゆとりがでます。
座布団やビーズクッションを使ったリビングでは、背の高い家具は避けたほうが良いでしょう。
・遠近法で奥行きが感じられる配置
入り口からみて、奥に窓がある場合には視線は入り口から窓に向かいます。
このとき、壁に沿ってだんだん家具が小さく、背が低くなるように配置すると遠近法の効果で奥行きを感じやすくなります。
また、背の高さのあるものは入り口付近においたほうが、死角になるので目立ちにくいでしょう。
1-3. 家具・インテリアの色・配置を工夫する
・開放感の感じられる配色
高い位置に淡い色を持ってくると広がりが感じられやすくなります。
壁面が濃い色だと圧迫感が出てしまうので、狭い部屋ではカーテン、インパクトの強いラグは避けたほうが良いでしょう。
床のラグの印象が強いと、空間が区切られる効果を持っていますから狭い部屋で使いたいときには淡い色がおすすめです。
・ベースカラーを意識したインテリア選び
色の統一感がないとごちゃごちゃして狭い印象になってしまいます。
白、ベージュを基本にして3色以内に抑えるようにカラーをコントロールしましょう。
大きなものは淡い色にして、引き締めを狙う差し色は小物を使うように意識してみると広く感じられます。
・ゆとりコーナーを作る
狭いからお気に入りのものを飾る場所もない…という方がいますが、狭いからこそほっとできるインテリアの工夫は大事です。
荷物を減らしてできたゆとりにファブリックフレームを飾る、観葉植物やフォトフレームの居場所を作るなどちょっとしたコーナーを作るとゆとりが感じられます。
2. 2LDKが狭い問題を解決!インテリア・家具配置シミュレーション
視線の抜け、色の印象など、見た目で狭さを感じさせないポイントをみてきましたが、実際には必要な動線が確保されているかをプラスして家具の配置をシミュレーションしていきましょう。
- 正面を向いて通るのに必要な幅⇒55~60cm
- 横向きに通るのに必要な幅⇒45cm~
- 正面を向いて二人がすれ違うのに必要な幅⇒110~120cm
動線が狭い、まっすぐに確保できていない場合にはストレスを感じて狭さを感じてしまいます。
視線の抜けや配色と合わせて、実際の動線をイメージして家具の配置を考えることが大事です。
では、実際の広く見せるための実例レイアウトをみていきましょう。
2-1. 実例①LDKと隣り合った部屋をつなげて使う
40平方メートル程度の場合、2LDKと言っても広めの1LDKと変わらない広さになっています。
個室が2つあるといっても、3帖ほどしかない部屋がある場合はLDKの延長と考えてレイアウトしたほうが広く使えるケースもあるでしょう。
4人掛けができるダイニングテーブルを使いたいなら、ベンチやダイニングソファーを使って食事とくつろぎタイムの居場所を兼用すると良いでしょう。
ダイニングテーブルのサイズは120センチメートル、135センチメートル、150センチメートルが一般的です。
大人の4人がけなら135センチメートル×80センチメートル、6帖は360センチメートル×270センチメートルですから、椅子に座るゆとり75センチメートル、後ろに通路を作るなら60センチメートル以上の余裕が必要です。
135センチメートル×230センチメートル、周囲に通路を確保するならそこに60センチメートルプラスして考えると255センチメートル×350センチメートルになりほぼ6帖のスペースを使い切る感じになりますから、残りの居室スペースにテレビを置いてちょうどよい感じになります。
一体感がでるようにLDKと居室のテイストやベースカラーを統一して、淡い色でコーディネートすると開放感が出せるでしょう。
2-2. 実例②背の低い家具で統一感を出す
LDKを広く使うには、背の低い家具で統一感を出し、ビーズソファや座布団を使ったレイアウトもおすすめです。
大型の家具や背の高い家具で収納力を増やそうとすると、窮屈に感じやすくなります。
4人がけのダイニングテーブルが必要ないなら、ちゃぶ台や小ぶりのセンターテーブルにビーズソファや座布団を使って視線が低くなるスタイルでレイアウトしてみましょう。
そのまま床に寝そべってくつろげますし、座布団とちゃぶ台の組み合わせなら部屋の端に片付けて寝ることもできますから、一つの空間をいろいろ使えて実用的な広さが感じられます。
また、お子さんが小さくて、キッチンから見える場所で遊ばせたいというときにも、家具が低いと、視線が通りやすく家事をしながら目配りできるメリットもあります。
ときめきが失われたものは処分し、ロータイプの収納に収まるいまの暮らしに必要な荷物の量を見極めて、スッキリさせることが必要かもしれません。
その上で、LDKで使いたいもの、おきたいものを精選してロータイプの収納にどんなふうに配置していくか考えます。
人によって持ち物や生活スタイルが違うので、狭い2LDKを使い勝手良くするにはインテリアに合わせて荷物を減らすことが必要なのです。
2-3. 実例③収納力アップのため壁面収納
狭い空間を広く見せるには、床がきちんと見える面積を増やすことがポイントになります。
動線が細切れにならない、空いた場所がある程度残っていてゆとりがある…という条件がそろっているインテリア配置ができていると、床が見える面積が多くなります。
狭くて窮屈に感じるレイアウトでは、何も置いていない床面積が少なく、ごちゃごちゃしがちだということです。
部屋の面積が狭いけれど、どうしても処分できない荷物が多いと言う場合には、収納力アップのため、壁面収納や床下収納といった最終手段を取らなければなりません。
窮屈に感じない暮らし方をしたくても、部屋の面積に対して荷物が多い場合には、デッドスペースをなくして空間を活用しなければなりません。
背の高さ・奥行きに凸凹があると圧迫感や狭さを感じさせてしまうので、壁のように感じるように天井いっぱいまでを使い、奥行きをそろえた収納を使いましょう。
さらに、壁と一体になった壁面収納の目線の高さの棚を抜くこと、目の高さで抜けている空間より低い家具を置いているような印象になり、収納力が高いのに部屋を広く感じさせることができます。
テレビボードを壁面収納にするとリビングで使いたいものがかなり収納でき、小さなラックやボックスをおいて床が見えなくなることや、ごちゃつきを避けられます。
ただ、壁面収納は高い場所に収納するのがめんどうになって、もとの収納場所に片付けるのがめんどうになることもあるので、仕様頻度によって収納レイアウトを考えましょう。
指定の居場所を決め、そこへ戻すようにしていけば、自然と床にものが出しっぱなしになるのも防げます。
2-4. 実例④家具を最小限に絞りゆとりコーナーをもうける
狭い2LDKだから何もできない…と諦めてしまっては、可能性を握りつぶしてしまうことになります。
狭い2LDKだから仕方がないと、ものを積み上げてギュウギュウにしていると、圧迫感がでますし、居心地の良いコーディネートができません。
日常生活の場面ごとにそれぞれ部屋を割り当てることは難しいのですから、LDKでは食事とくつろぐことを中心にどんなスタイルで過ごしたいのか考えて、最小限の家具でレイアウトするのがポイントです。
そこで大事なのは、狭いからといってゆとりコーナーを諦めてしまわないことです。
必要な家具を最小限にすることで、好きなものを飾る空間を捻出でき、ゆとりが感じられるコーディネートが可能になります。
- ・LDKを目線の低いレイアウトでまとめ、空いた壁面に有孔ボードを使って観葉植物や好きな小物をディスプレイする。
- ・目線の高さでそろえた収納家具の上を使ってフォトフレームやハーバリウムを飾る。
おしゃれアイテムが活かせるレイアウトを工夫することで、部屋にゆとりが生まれます。
また、突っ張りアイテムは奥行きが最小限に済むので物理的にも部屋が広く使えます。
2-5. 実例⑤淡い色を中心に統一感のあるコーディネート
狭い部屋を広く見せたいときには、一番大きな空間になるLDKを中心に淡い色でまとめるのがおすすめです。
ブルックリンスタイルやインダストリアルなどのテイストはステキですが、暗い色味のアイテムが多くなり重くなりがちです。
アクセントクロスや壁面を一面のみレンガにするというスタイルもステキですが横長になる壁面に使うと圧迫感がでます。
淡い色を中心にコーディネートしやすい、北欧スタイルや、明るい木目を生かしたナチュラルスタイル、白い床や壁を活かせるシンプルなミニマムスタイルは、開放感が出やすいスタイルです。
白やアイボリーのテーブル、床がダークな色ならアイボリーやクリーム系のラグやカーペットでカバーし、差し色にイエローや黄緑のクッションなどを持ってくると清潔感があり広く見えます。
3. 狭い2LDKが広く見えるおすすめのインテリア
狭い2LDKを広く見せるには、高低差の少ないレイアウトでまとめて視線の抜け感をつくることがポイントです。
家具を最小限に絞るには、日本人に馴染み深い床に近い生活スタイルが向いています。
2LDKを広く見せたい時に役立つインテリアをまとめてみましょう。
・ダイニングソファー
ダイニングテーブルは、食事だけでなく仕事や勉強スペース、家族の団らんスペースなど、いくつもの役割を果たしてくれます。
しっかり4人がけできるサイズを選んでおくと、希望する生活スタイルによってはむしろ省スペースになる場合があります。
6帖サイズ相当が必要な場合もありますが、ダイニングソファーを選んでくつろぎ場所をかねられるレイアウトにし、壁につけてしまう配置にすると通路分の空間もいらなくなります。
仕事や勉強スペースをダイニングテーブルに集約できれば、勉強机やデスクがいらない分、家具の数も減らせます。
・突っ張り収納
狭い2LDKを広く見せるには、家具をできるだけ減らすのがポイントです。
突っ張り収納なら横板がないので、視線が抜けやすく、奥行きも薄く済むので部屋が広く見えます。
好きな位置に棚を作ったり、吊り下げたりできるので、見せる収納としても活用でき、床にものが散らばるのを防いでくれます。
読みかけの本、リモコンやティッシュなどの指定席が、省スペースでダイニングテーブル横につくれます。
また、寝室横に衣類を収納するウォークインクロゼットのような空間を作りたいときには、間仕切りとして活躍します。
収納スペースと、生活スペースのメリハリをつけて、普段過ごす生活スペースが広く感じられるようにレイアウトできます。
タンスやロッカーを使うよりも少ない床面積で大量収納の場所が確保できるでしょう。
・ロータイプの収納
部屋が狭いと収納力アップのため背の高い棚を選んでみたものの、他の家具とのバランスが悪く圧迫感がでてしまうことがあります。
ロータイプの収納で収まるように持ち物を精選すると、視線の抜け感が良くなり、部屋を広く見せることができます。
また、床に座布団やロータイプのソファを使ったレイアウトでは、収納も背の低いものとの相性がよいです。
・ビーズソファ・クッション
床で寝転んでゴロゴロするスタイルが好きなら、ビーズソファ・クッションがおすすめです。
形を自由に変えてくれるビーズソファ・クッションは、寄りかかって座る、スツールやソファのように座るなど、いろいろな姿勢にフィットしてくれます。
一つで何役もしてくれるのと、床に近いくつろぎシーンとの相性が良いところが部屋を広く使える感覚を与えてくれます。
ビーズの量を自分で調節して、しっかりめの座り心地から、体を埋めて座るときにフィットする使い方まで応用範囲が広いのも魅力です。
4. まとめ
- 狭い2LDKを広く見せるには淡い白っぽい色のインテリアコーディネートが◎。
- 視線が抜けやすい家具の少ないレイアウトにはロータイプの暮らしが◎。
- 収納量にみあった持ち物を精選して、ものの指定席を作りやすくする。
狭いからと収納グッズを増やすと、持ち物の絶対量が増え続けてしまいます。
収納スペースに見合った持ちものの量を見極めて、片付けられる量以上は処分すると決めておくと生活スペースにものが溢れ出すことがありませんし、心地よいインテリアのバランスを保つことができます。




