2LDKと3LDKの5つの違いを比較!選ぶべき間取りはどっち?

マンションの間取りは1LDK~4LDKと幅広くあります。

もっと広い間取りの、2階部分までつながるマンションも販売されています。

マンションを購入するときに、4LDKは価格が高めになってしまうので、一般的には2LDKと3LDKが人気の高い間取りになっています。

2LDKと3LDKの間取りは、転売する時もニーズがあることで売れやすいとも言われています。

しかし、実際にマンションを購入する場合などは、2LDKと3LDKでは間取りが違う分値段も全く違ってきます。

そこで、今回は2LDKと3LDKについて徹底比較してみました。

1. 2LDKと3LDKの違いとは?

間取り図は一般的に〇DK、〇LDKなどと表記されます。

〇の部分には居室の数が入ります。

「2LDK」の場合

居室が2部屋、リビングとダイニング・キッチンがついたお部屋です。

リビングとは、ソファやテレビがあってくつろげる場所となっています。

来客があったら、リビングで対応する人が多いでしょう。

ダイニングはテーブルなどを置いて食事をする場所で、キッチンは料理をする場所です。

LD(リビングダイニング)はひと続きになっていることが多く、間取りによってはキッチンのみ別の向きに独立したタイプのお部屋もあります。

「3LDK」の場合

居室が3部屋、リビングとダイニング・キッチンがついたお部屋です。

表記上は2LDKに1つ部屋が増えたものとなっていますが、LDKの広さが2LDKより広く設定されている場合もあります。

住む人数が多いことを考慮してリビングの大きさを設計するので、そのような間取りに自然となる傾向があるようです。

2. 2LDKと3LDKの違い①「間取り・広さ」

実際に間取り図を見たとき、勘違いしている人が多いのが、LD(リビングダイニング)の広さです。

不動産屋さんが提示している図面に表記されている帖数が「LD」の広さなのか、「LDK」の広さなのか、それによって全然違ってきます。

分けて記載されているのが理想ですが、実際の広さを見てみなければわからない場合があります。

2-1. 対面キッチンの間取りは注意

特に対面キッチンの場合は、キッチンスペース(K)がその周辺のスペースを含んでいるので、実質使用できるLDの広さは表記されている帖数より狭くなります。

実際にお部屋を内覧したときに「狭い!」と思って驚くことが多いのはそのためです。

帖数的に大きな数字であっても、全然イメージと違う事が起こってしまいます。

2-2. どこからがLDK?どこまでがDK?

賃貸住宅の場合、LDとKを分けて広さ(帖数)表示することはほとんどありません。

では、どれくらいの広さから「LD」として表記できるのでしょうか?

この明確な線引きとして、公益社団法人・不動産構成取引協議会により、平成23年11月に指導基準が定められました。

以下文書抜粋です。

「公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会」https://www.sfkoutori.or.jp

◆DK(ダイニング・キッチン)及びLDK(リビング・ダイニング・キッチン)の広さ(畳数)の目安となる指導基準

1 DK又はLDKの適正な広告表示

広告表示においてDK又はLDKとの表示を用いるときに、表示規約の要件(居室(寝室)数に応じ、その用途に従って使用するために必要な広さ・形状・機能を有するもの)を備えているのであれば、単に「2DK」、「3LDK」等と表示すればよい。

さらに、形状や機能がどのようなものであるか解るよう積極的に間取り図などを表示し、これに各部屋の畳数を付記することが望ましい。

2 DK又はLDKの最低必要な広さの目安

事業者(広告会社などを含む)が、DK又はLDKとの表示を用いるときには、実際それぞれの広さはまちまちであるとしても、次表に記載する居室(寝室)数に応じて最低必要な広さ(畳数)の目安(下限)を定め、これをもって指導基準とする。

〈最低必要な広さ(畳数)の目安(下限)〉

居室(寝室)数 DK LDK
1部屋 4.5畳 8畳
2部屋以上 6畳以上 10畳以上

 

なお、一畳当たりの広さは、1.62平方メートル(各室の壁心面積を畳数で除した数値)以上をいう(表示規約施行規則第10条第16号)。

また、この基準は、あくまでも建物が取引される際に、DK又はLDKという表示を行う場合の表示のあり方を示すものであり、不動産事業者が建築する建物のDK又はLDKの広さ、形状及び機能に関する基準を定めたものではない。

・居室(寝室)が1部屋の場合 → DKは4.5畳以上8畳未満、8畳以上はLDK

・居室(寝室)が2部屋以上の場合 → DKは6畳以上10畳未満、10畳以上はLDK

実際のお部屋を見てみたときに、1LDKの間取りとしては30㎡台も多く見かけますが、厳密には広さ的にLDKではなくDKであったり、洋室(ベッドルーム)が極端に狭かったりします。

目安は40~45㎡が基準となります。

二人で暮らす場合、収納がある程度確保できる50㎡がおすすめです。

2LDKのお部屋の場合は、二人暮らしで対面キッチンを前提とすると目安は55~60㎡が基準となります。

70㎡以上の広さがあると3LDKが作れますが、賃貸物件では広さとゆったりさを売りとして、2LDKタイプにしている物件が多く見受けられます。

つまり、1LDKと2LDKでは全く基準が異なるのです。

LDは最低でも9帖、理想を言えば12帖は欲しいところです。

そうなると、間取りによっては2LDKでは狭く感じてしまう部分もあるかもしれません。

3LDKであれば、2LDKよりも居室の数が多い分、リビングダイニングももう少しゆったりと作っている場合が多いです。

3. 2LDKと3LDKの違い②「快適に暮らせる人数・家族構成」

2LDKと3LDKの違いとして、そのお部屋で快適に暮らせる人数と家族構成の違いがあります。

たとえばマンションを購入する場合、2LDKと3LDKで迷ったとき、重要な部分は「誰が買うのか」という点です。

誰が住むかによって、理想の間取りは大きく変化します。

2LDKと3LDKの需要者層の違いは明確なのです。

・2LDKの場合

2LDKは広さとしては40〜50㎡が中心です。

一人で住むには広過ぎの2LDK、しかし3〜4人の家族で住むには狭過ぎます。

結果的に、2LDKは二人で住むのにちょうど良いサイズと言えるでしょう。

・2LDKの需要者層

2LDKに住みたいと思う中心需要者は、二人暮らしの夫婦、子どもを持たないと決めているDINKS、30代後半以降の独身女性、子育て終了後の老夫婦などです。

独身女性は単身ですが、狭いワンルームを避ける傾向が多く、来客時にも対応でいるような少し広い2LDKを好みます。

また、独身女性は「いずれ親の介護をしなければならない」と思っている人も多く、いつの日か親を呼べるようにと2LDKの間取りを選ぶことが多いようです。

しかし、これらの人たちは必ずしも2LDKを購入するとは限りません。

賃貸を選択しても構わない人たちです。

・新婚カップルにはあまり人気がない2LDK

二人世帯というと新婚カップルをイメージしますが、今後子どもを産む予定があるケースが多く、家族が増えてしまうと2LDKの間取りでは手狭になる可能性があります。

いずれ住み替えることを考えると、ローンを抱えてまで2LDKのマンションを買う人はほとんどいません。

新婚カップルであれば2LDKを賃貸で住むことはあり得ますし、もしくは3LDKのマンションを購入するでしょう。

これらのことから「2LDKのマンションを購入する」という人たちは、かなり少数派に限られてしまいます。

2LDKのマンションは、基本的には需要が低いのが現状です。

・3LDKの場合

3LDKは、65~80㎡の広さがが中心です。

夫婦と子どもなどのファミリー層が住むには、ちょうど良いサイズになっています。

3LDKの中心需要者は、夫婦と子どものファミリーや、これから子どもが生まれる予定がある新婚さんです。

これらの人たちは子どもが生まれたタイミングや、結婚と同時にマンションを購入する人たちも多いのです。

そしていつも需要が明確にあるのも特徴です。

・3LDKは家賃が高い

3LDKは2LDKに比べると家賃が高いため、ファミリータイプは賃貸を選択してしまうと、家賃が家計を圧迫してしまいます。

そのため「家賃を払うなら、自分の家を持ってローンを支払った方が良い」と思い、マンション購入を選択する人が必然的に多くなります。

これらのことから、3LDKのマンションは、2LDKと比較すると強い動機と需要があるので売れやすい物件でもありますし、需要者層もいつの時代も多い間取りです。

4. 2LDKと3LDKの違い③「賃貸マンション・アパートの家賃」

2LDKと3LDK、賃貸マンションやアパートの家賃では金額が全く違ってきます。

1つお部屋が増えるだけなのに、かなりの差額です。

では具体例をもとに、マンションとしての家賃を見てみましょう。

◆賃貸マンションAの場合

・2LDK 86,000円(家賃+管理費+駐車場含む)

・3LDK  106,000円(家賃+管理費+駐車場含む)

家賃の差額は2万円です。

この2つの選択で迷う場合、金額のことだけを考えると、10万円以上の家賃が厳しいと思う場合は、2LDKに住む人が多いでしょう。

しかし、2LDKの家賃としての金額は有難いのですが、広さがもうちょっと欲しいと思う人は迷ってしまうでしょう。

子どもが小さい夫婦であれば、2LDKの間取りは十分でしょう。

しかし、いずれ子どもは成長し大きくなります。

また家族が増える予定がある場合は、2LDKでは手狭になってくる可能性もあります。

そうなると3LDKの間取りが必要になってきます。

一旦物件を契約すると、だいたい2年更新だとしたら、次の更新は2年後になります。

すると家賃差額が2年間では48万円にもなりますから、結構な金額になってしまいます。

4年住めば96万円、6年住めば168万円の差額になります。

もし今2LDKを借り入れて「やっぱり手狭だわ」と3LDKに引っ越すとなると、改めて敷金や礼金がかかります。

借り換えなしで最初から3LDKを決断していたら、必要のない出費ということになります。

いずれマイホームの購入を視野に入れているという人は、出費を抑えられる2LDKを選択することが多いでしょう。

5. 2LDKと3LDKの違い④「分譲マンションの販売価格」

2LDKや3LDKのマンションをこれから買う人、これから売る人、どちらも購入者層、需要車層がどんな人たちなのか気になりますね。

2LDKや3LDKは、それぞれどういう人が購入していくのでしょう。

マンションを購入しようと考えている人の中には、「2LDKは資産価値が低いだろうから、将来売却を視野に入れて考えると、3LDKの間取りの方が良いのだろうか」などと疑問を感じている人もいるかもしれません。

分譲マンションの販売価格は、地域によってかなりの差があります。

地方では2LDKのマンションだと、新築で1,000万円台のものも多数あります。

都心部であれば、3LDKのマンションだと何億円もするものまであります。

都心部で3LDKのマンションとなると、販売価格も賃貸価格もとても高くなるため、通常の生活層では住めないレベルの金額になってきます。

そのため、みんな郊外に家を構えて都心部に通勤しているのです。

6. 2LDKと3LDKの違い⑤「需要と売りやすい間取り」

マンションの価格には幅がありますが、将来売却することを考えると、需要の多い3LDKの方が売りやすくなります。

たとえば、間取り以外の条件が全て同じである2LDKと3LDKのマンションであれば、3 LDKのマンションの方が明らかに売れやすくなります。

たとえ価格は2LDKの方が安かったとしても、3LDKのニーズの方が高いため売却しやすいのです。

将来は実家に帰ることが決まっていて、マンションは仮の住まいという人であれば、売却するときに楽な3LDKのマンションを購入しておく方がおすすめだと言えるでしょう。

しかしマンションは間取りだけで決まるものでもなく、エリアも重要になってきます。

マンションは生活していく上でクオリティ・オブ・ライフや暮らしやすさも重要になってくるので、価格が安ければ売れる、というものでもありません。

結局は、2LDKと3LDKのどちらが資産価値として高いのか、またそれを維持できるかということや、2LDKと3LDKのどちらが売却しやすいか、ということを考えていきます。

郊外に住んでいる人なら間違いなく3LDKが売却しやすく、都心部であれば2LDKのマンションもまだまだニーズがあります。

反対に郊外の2LDKのマンションは、売却時は苦戦することも覚悟しておいた方が良いかもしれません。

7. 2LDKと3LDKの違いまとめ

2LDKと3LDKの間取りや暮らしやすさ、どんな人たちに適しているかなどの違いを説明してきました。

2LDKと3LDKで迷う人が多い分、どちらも魅力的な物件であることには間違いありません。

住む人の目的によって判断なさると良いでしょう。

またマンションは、間取りだけでなくトータル的に判断されて売れることも多いので、間取りよりも環境を優先する人も多いのです。

駅に近いなど利便性の高いマンションや、買い物に便利なマンション、子育て世代には教育機関や公共施設が周辺にあるかどうかなどで、マンションを選択することも多いようです。

同じ間取りでも、暮らしやすさ、利便性、環境が良いかどうかでマンションの査定価格は大きく変化します。

マンションを購入する際は、この点も頭に入れておいた方が良いでしょう。