1LDKの間取りで子育てできる?部屋の使い方とレイアウトまとめ

1LDKといえばLDKにメインルームが1室の間取りです。

パートナーとの同居や新婚世帯であれば、ゆとりのある間取りですが、これに「子育て」という要素が加わると悩みが出てきます。

もちろん子育てといっても、子供の年齢によっても悩みのポイントは変わります。

ただ、子育てをする環境というのは「住み方」だけでなく「住む環境」も関係してきます。

それだけに「周りの環境を考えたら1LDKでも住み続けたい」というケースもあるはずです。

そこで、「1LDKの間取りで子育てができるのか?」という悩みを、メリット、デメリットの両面から検証します。

さらに、1LDKで子育てをするときの部屋のレイアウト例を挙げながら、紹介していきます。

1. 1LDKの間取りで子育てできる?

1-1. メリット

・地域の環境を変えずに子育てができる

子供が生まれると、家の間取りも気になりますが、地域の環境も気になります。

小学校に上がる前から、子供には保育園や幼稚園などを通して子供同士のコミュニティができます。

さらにそうなると当然ながら、保護者同士のコミュニティも生まれます。

ですから「子供ができたら広い家に引越す」という選択だけが正しいとは言い切れません。

子育てをするということは、「子供を育てる」というだけでなく、「子供と一緒に暮らし方を変化させる」ということでもあります。

変化に応じて暮らし方を変えていく、ということが自然とできるのであれば、子供ができたのをきっかけに、広い物件に引越しをするということも良いでしょう。

ただし「環境」は親の努力だけでは変えられません。

「安心して暮らしていける環境」「子育てがしやすい環境」が1LDKの物件以外では手に入らないのであれば、たとえ狭さを感じたとしても1LDKに住み続ける方がメリットはあると言えます。

・夫が自然に子育てに参加してくれる

LDKとメインルームという限られたスペースなので、すべての部屋が家族全員の共有スペースになります。

つまり言い換えれば、「家の中にいれば自然と子供の姿が目に入る」ということです。

子育てといっても、子供の成長によって親と子供とのかかわり方は変わってきます。

でも家族全員で部屋を共有しているので、必然的に子供と関わる時間が増えます。

女性は妊娠中から母親としての自覚が出てきますが、男性の場合は子供が成長するのに合わせて、父親としての自覚が芽生えてきます。

実際に1LDKで子育てをしている人からのコメントには、「夫が積極的に家事を手伝ってくれるようになった」「自然と子育てに参加してくれる」などの意見が多いのです。

・子供の将来のための貯金ができる

子供が小さいうちは、工夫次第で1LDKでも快適に暮らすことができます。

もともと未就学児の間は、子供にかかるお金もそれほど家計の負担にはなりません。

授乳も母乳がメインであれば負担はありませんし、離乳食も工夫次第で一般職の代用もできますから、特別家計の負担になることはありません。

ただ小学校に上がると、何かと子供にかかる費用が増えてきます。

もちろん子供の体が大きくなれば食事の量も増えてきますから、当然食費もかさんできます。

だからこそ、子育てにお金がかからない時期は、部屋の広さよりも家賃の安さを重視すべきです。

ここできちんと節約できれば、貯めたお金でマイホームの購入資金に充てることもできるのです。

1-2. デメリット

・子供の人数が増えると寝るスペースがなくなる

1LDKのリビングダイニングの広さは12.4㎡(8畳)以上と広いのですが、メインルームの広さは9.29㎡(6畳)~12.4㎡(8畳)が一般的なので、思っているほど広くはありません。

しかも子供がいると、どんどん増えてしまうのがおもちゃです。

夫婦二人きりの生活ではありえない存在のおもちゃですが、子供ができると不思議と少しずつ増えていきます。

そして問題になるのが、「おもちゃ置き場」です。

月齢の低い子供用のおもちゃは、誤飲防止のために大きく作られているため、収納するにしてもかさばってしまいます。

ほかにも子供服や紙おむつなど子供用品が次々と増えてしまうため、いつの間にかメインルームが荷物でいっぱいに…ということになってしまいます。

これが子供1人であれば、まだ工夫次第で何とか乗り切ることもできるでしょうが、子供が2人、3人…と増えてしまうともう大変です。

最終的に子供の寝場所を確保するために、やむなく父親がリビングで就寝、ということもありえます。

この状態が数日だけで済むのであれば父親としても我慢できるでしょうが、これから先も同じ状態が続くとなれば、さすがに父親からの不満も出て来るはずです。

・子供の成長に伴い生活スペースが足りなくなる

子供が小学校に上がると、学習机やランドセルが必要になります。

また絵具セットや習字道具、お道具箱や文房具など学用品もたくさん増えます。

とはいえメインルームが1室しかありませんし、LDKは主に家族のくつろぎのスペースになるわけですから、子供の勉強道具などをどこに置くのかは大きな問題です。

子供の勉強部屋としてメインルームを使うのであれば、必然的に家族が寝る場所の確保が難しくなります。

かといってLDKに勉強机を置くとなると、せっかくのくつろぎのスペースが圧迫感のある窮屈な空間になってしまいます。

ですから子供の成長や子供の人数によっては、1LDKでの子育ては厳しいといえます。

2. 1LDKで子育てはいつまでできる?快適に暮らせる子供の人数は?

2-1. 子供が1人なら小学校卒業までは問題なし

子供が1人だけであれば、小学校卒業までは1LDKでも問題ありません。

かえって子供の勉強を親がすぐに見ることができる環境ですし、父親の帰宅時間が遅くても必ず親子が触れ合う時間ができます。

親子3人の1LDK暮らしは、家族との関係が悪化しにくいというメリットもありますから、「親子の絆が強くなる幸せの間取り」と言い換えることもできるでしょう。

2-2. 子供が3人以上なら上の子が小学生に上がるまでは大丈夫

物理的な生活スペースの問題からいうと、大人2人子供3人で1LDKはギリギリのスペースといえます。

子供の体も年齢とともに大きくなり、徐々に寝るスペースも場所をとるようになります。

また子供たちの服やおもちゃの数も人数の分増えてしまうので、子供の人数が増えるほど居住スペースはかなりきつくなります。

この状況で子供の学習机やランドセルなどが加わると、家の中は荷物であふれかえり、足の踏み場もないような状態になります。

ですから子供が3人以上であれば、上の子供が小学校に上がるまでが1LDKで暮らすことができるギリギリのラインだといえます。

2-3. 子供の成長に合わせた暮らし方で、子供2人でも小学生までは大丈夫

「寝る時は布団」「学習机はおかずにダイニングテーブルで代用」であれば、子供2人までなら小学校卒業までは1LDKでも大丈夫です。

そのかわり、上の子供が中学校入学のときには、メインルームが2室以上ある物件に切り替えるのがおすすめです。

ダイニングテーブルを学習机代わりにする場合は、「子供の姿勢が悪くならないように、身長にあった椅子を準備する」「手元が暗くならないように照明器具を追加する」などの配慮をしてあげましょう。

3. 1LDKで乳幼児〜未就学児の子育てをする場合のレイアウト

3-1. ベッドを使うなら、ベッド2台を並べて配置

未就学児までの家庭なら、メインルームを完全な寝室にしてしまう使い方もおすすめです。

布団を使うのも良いのですが、子供のお休みタイムのたびに布団を敷かなければならなくなります。

少しでも効率よく子育てをするなら、ベッド2台を並べて配置するのがおすすめです。

子供が寝返りをしたり多少動いても、ベッド2台分の広さがあるので、落下する心配はありません。

3-2. おもちゃ置き場はみんながくつろぐLDKにあえて置く

子供のおもちゃは「出したら片付ける」という習慣をつけないと、あっという間におもちゃで部屋中が散らかってしまいます。

ただ、子供が小さいうちは「子供がおもちゃを片付ける」というよりも「親がおもちゃを片付ける」という場面の方が圧倒的に多いでしょう。

子供は集中力がそれほど長く続きませんから、おもちゃを出してもすぐに飽きて、次のおもちゃを取り出してきます。

そのたびに片付けるのが大変、と思ってメインルームにおもちゃ置き場を置いてしまうと、気がついたらおもちゃだらけに…。

さすがにこの状況を何度も繰り返すと、親の片付ける気力がなくなってしまいます。

そうなる前に、親が常に片付ける習慣をつけておけば、自然と子供も親の様子を見習って自分からおもちゃを片付けるようになります。

その習慣が親子ともに身につくまでは、LDKの見える位置におもちゃ置き場をつくり、意識的に片付けをするようにすることが大事です。

4. 1LDKで赤ちゃんの子育てをする場合のレイアウト

4-1. おむつ置き場は数か所に分散

限られたスペースだとかさばるおむつを、トイレや押し入れにおいてしまいがちですが、これだとその都度取り出す手間がかかります。

「面倒だな」と思うようになると、1LDKのスペースはすぐに荷物だらけになります。

そうならないためにも、頻繁におむつ替えが必要な時期は、各部屋におむつを小分けして置いておくのがおすすめです。

ストック用の大量のおむつは、トイレや押し入れに置き、使った分だけストック用から取り出して補充するようにすれば、おむつ替えの効率も良いですし部屋もスッキリと使えます。

4-2. 小さくなった子供服はこまめにリサイクルへ

子供の体はすぐに大きくなります。

「記念にとっておこう」という気持ちもわかりますが、1LDKにはスペース的な余裕はほとんどありません。

できるだけスッキリと暮らすためにも、小さくなった子供服はこまめにリサイクルショップに出すようにしましょう。

5. 1LDKで中学生・高校生の子供と暮らす場合のレイアウト

・リビングルーム→子供部屋、メインルーム→夫婦の寝室兼プライベートルームへ

生活のリズムが少しずつ夜型に変わっていく中学生・高校生のプライベートルームは、あえてLDKに持っていきます。

そのかわり、メインルームを夫婦の寝室兼プライベートスペースにします。

実はこのようにすることによって、子供の様子を自然な行動の中でチェックすることができるようになります。

どうしても子供部屋を作ってしまうと閉じこもってしまってしまい、部屋の中で何をしているかわからなくなるものです。

でも1LDKの場合はトイレが共有ですから、夜中でもトイレに行きたくなればLDKを通ることになります。

つまり「トイレのついでに子供の様子をチェックすることができる」というわけです。

さらに朝は、わざわざ起こさなくてもキッチンの音が目覚まし代わりになりますから、子供の生活リズムが崩れる心配もありません。

6. 子育て世代が1LDKに暮らす場合の部屋の使い方まとめ

子育て世帯が1LDKで暮らすためには、いろいろな部分で工夫が必要です。

でも、あえて1LDKで子育てをするからこそ育つ家族の形もあります。

「子供ができたからすぐに引越し」というのではなく、「どうやって暮らしていきたいのか」が夫婦の間で、きちんとしたビジョンとしてでき上がっていれば特に問題はありません。

等身大で子育てができるのも、子供との距離が近い1LDKならではの魅力と言えますよ。