賃貸契約初期費用節約方法

物件を賃借するには初期費用として物件の契約に必要な費用と、新生活を始めるために必要な費用の2種類があります。

どのような名目で費用が発生するのでしょうか。

 

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1. 賃貸契約にかかる初期費用について

物件を賃貸契約したら家賃を払えばそれでいいというものではありません。

契約をすると家賃以外に様々な名目の費用を大家さん、不動産管理会社さんや不動産仲介会社さんに払わなければなりません。

1-1. どんな費用があるのか

まず大家さんに払わなければならない費用として敷金・礼金・前家賃があります。

敷金

敷金:退去時に物件の原状回復に使用される費用

生活して行く上で自然に発生した経年劣化などは借主が負担する原状回復費用に当てはまらず、きれいに使用していればクリーニング費用のみで、その他の負担なしで敷金が返って来る場合も多々あります。

東京都に住む場合は必ず契約と共に「賃貸住宅紛争防止条例」という書面を提示されることになっています。

この条例は、住宅の賃貸借に係る紛争を防止するため、原状回復等に関する民法などの法律上の原則や判例により定着した考え方を宅地建物取引業者が説明することを義務付けたものです。

ですが、実際には敷金返金に関するトラブルはまだまだあるのが現状です。

契約時しっかり書面に目を通しておいてくださいね。

通常は、家賃の1ヶ月分~2ヶ月分という金額が目安です。

礼金

礼金:大家さんへのお礼の意味を込めたお金

現代風にいうと契約金といった方がしっくり来るかもしれません。

毎月家賃を払うのに更に最初にお礼までしないといけないの?という声も多く、最近では礼金なしの物件も増えています。

退去時に返金されません。

通常は家賃の1ヶ月分程度が目安です。

前家賃

前家賃:入居月(または翌月)の家賃を先払いすること

2月中に契約を交わし、3月1日が契約開始日の場合は、契約時に3月分の家賃を収めるということです。

例えば、2月中旬に契約を交わし2月20日が契約開始日の場合は、2月20日から2月28日(または29日)までの9日間の日割り家賃+3月分の家賃を収めるということです。

鍵交換費用

意外とする費用、忘れてはいけません。

前の入居者さんと同じ鍵は防犯上使えませんよね、これは基本的に借主負担になります。

物件によっては費用が掛からない、または交換せずにそのまま使用することを交渉できる大家さんもいます。

通常の鍵で15,000円程度、ディンプルキーで30,000円程度、特殊なセンサーキーだと50,000円程度かかることもあるようです。

仲介手数料

不動産仲介会社に払わなければならない費用です。

最近は仲介手数料のかからない物件もたくさん見かけるようになりましたが、仲介手数料の目安は家賃の0.5ヶ月〜1ヶ月分です。

法律では1ヶ月分(税別)が上限と定められています。

火災保険料

最後にお部屋の保険「火災保険料(または他の名称の保険)」を払う必要があります。

火災保険料は不動産会社を通して損害保険会社に支払ってもらうことが多いです。

1人暮らしで15,000円程度、ファミリー向けの部屋で20,000円程度です。

1-2. 契約時に必要な費用

上記の費用を合計したものが契約時にまず用意としないといけない費用になります。

例えば、一人暮らしのAさんが、現在2018年8月1日から「家賃60,000円 管理費2,000円」のアパートの契約開始をする場合

  • 敷金:60,000円(家賃)
  • 礼金:60,000円(家賃)
  • 前家賃:62,000円(家賃+管理費)
  • 鍵交換費用:16,200円(仮で15,000円の消費税)
  • 仲介手数料:64,800円(家賃の消費税)
  • 火災保険料:15,000円

上記のような内訳だとすると合計280,000円程度は見ておかないといけない計算になります。

1-3. 関東の相場

関東の初期費用は前述した内容で考えておけば大丈夫でしょう。

1-4. 関西の相場

一昔前まで京都以外の関西地方は、関東の敷金礼金のシステム自体が異なりました。

まず敷金の代わりに保証金というものがあり、家賃の3~6ヶ月程度かかりました。

保証金は退去時に戻って来る費用です。

そして保証金の中に敷引というものが含まれており、これが関東でいう礼金にあたります。

どういうことかというと、保証金6ヶ月、敷引3ヶ月の場合、退去時に返金される最高額は6-3=3ヶ月分です。

そして借主が修繕費用を一部負担しないといけない場合は、その3ヶ月分から引かれます。

ですので、大阪で東京と同じ「家賃60,000円 管理費2,000円」のアパートに住もうとした場合、発生する初期費用は

  • 保証金360,000円
  • 前家賃62,000円
  • 仲介手数料 64,800円
  • 火災保険料 15,000円

合計502,000円は見ておかないといけない計算になり、気軽に引越しができる状況ではありませんね。

とはいえ、インターネットの普及により現在はその制度も少なくなっており、敷金礼金システムが普及しています。

まだその文化が色濃く残るお部屋もありますので、やはり関西でお部屋探しの際は初期費用に気を付けてください。

1-5. 支払方法

初期費用の支払い方法は基本的には現金や銀行振込、クレジットカード払いになります。

クレジットカード払いにすれば分割払いが可能になるので、まとまったお金がすぐ用意できない方には助かります。

不動産仲介会社によってはクレジットカード払いができない場合があるので注意が必要です。

2. お部屋の契約に必要な費用以外にかかる初期費用

さて、これまでご紹介した契約に関わる初期費用以外にも、新しい生活を始めるための準備費用もあります。

だいたいどれくらいを目安に考えておけばいいのでしょう。

2-1. 引っ越し費用

引越し費用は荷物の量や距離によっても異なるので一概には言えませんが、一人暮らしの場合3〜10万円、家族の場合6〜20万円くらいかかると考えておく必要があります。

もちろんこれは引越し業者を使用した場合なので、荷物が少ない単身者の場合は自力で荷物を運ぶことで節約可能かもしれません。

引っ越しは相見積もりを取って、自分にあった会社を選びましょう。

引っ越し業者さんの記事もあります→【引越し手続き】引越選業者さん選びのポイント

2-2. 生活用品(家電家具)

全てを捨てて身一つで新しい土地に転がり込むような場合は、生活用品が全くない場合もあるでしょう…。

初期の必須家電、家具としては冷蔵庫と電子レンジ、掃除機、布団、ソファくらいは必要でしょうから10万円くらいは予算を用意しておきたいものです。

2-3. 当面の生活費

転勤や転職のように仕事が決まった状態で引越す場合は問題ないのですが、新しい土地でゼロから仕事を探す場合は収入がしばらくない場合もあるでしょう。

1〜2ヶ月分の生活費は用意しておきたいものです。

勤務開始しても給与が当月末締めの翌月末払いだと実質2ヶ月収入がないなんてこともあり得ます。

もし、全く手持ちがない状態で引っ越さないといけない場合は新聞配達や建築現場系、ナイトワーク関係などの「寮付き日払い可」の仕事で食いつなぐことを検討したほうがいいかもしれません。

3. 初期費用を抑える方法

賃貸契約に関わる初期費用で大きな割合を占めているのは敷金と礼金と仲介手数料です。

両方ともないか、片方だけないか、あってもかなり抑えられている物件を探すのが近道です。

それには不動産仲介会社さんの協力が必要になります。

仲介手数料無料の物件しか出していない不動産仲介会社さんもありますが、実は空いているお部屋の仲介手数料無料にできるものしか紹介してくれないので、そうでない不動産仲介会社さんにもお部屋探しをお願いして、良いと思ったいくつかのお部屋の初期費用を比べるのが良いです。

仲介手数料が無料でも実は敷金や礼金、その他の費用で高くつくお部屋もたくさんあります。

3-1. 敷金、礼金が少ない物件

敷金礼金が少ない物件、またはゼロの物件は契約のハードルが低いため入居が決まりやすく、部屋を遊ばせておくよりはとりあえず入居してもらって家賃収入が欲しいという場合も多いようです。

礼金のない物件は非常に増えていますので、予算を抑えたい場合には助かります。

敷金なし物件も稀にありますが、退去時の修繕費やクリーニング代の請求は結局ありますので「いつ払うか」の問題になります。

また、敷金としてではなく最初からクリーニング代として請求があるお部屋もありますが、退去時に修繕費が発生したらやはり請求されます。

敷金に関しては先に払うから損、ということはなく、結局支払う金額は同じだということを考えて用意をするようにしたいですね。

3-2. 仲介手数料不要物件

仲介手数料なしの物件は、不動産会社さんが直に所有しているような物件の場合にもあり得ます。

その場合は、本当にお得・紹介されて良かったお部屋です!

地元密着型の歴史の古い不動産屋さんにありがちです。

ここ・・・不動産屋さん?と思うような店構えのお店もありますが、良い出会いのためにもお店に入ってお部屋の紹介を受けることをお勧めします。

そうではなく、別に大家さんがおり普通のお部屋を紹介されている場合は、なぜ無料にできるのでしょうか?

そのお部屋を紹介しても不動産仲介会社さんにとっては一銭の得にもなりませんよね。

情報社会の現在ではまず無いでしょうけれども、実は仲介手数料分が敷金や礼金に上乗せさられていたりするかもしれません。

カラクリとしては、大家さんからお部屋の紹介料としてお金をもらえるお部屋が存在するので、仲介手数料は必要ないということです。

しかし、大家さんもお金は極力払いたくありません。

お部屋が長い期間空いている、周辺で建設が始まった、お部屋で事故があった、など何かしらの理由があり、お部屋に住んでもらえる望みが薄い場合に大家さんが出す決断をすることが多いようですので、無料も気をつけなくてはならないという場合があります。

もちろん通常は、今の入居者さんが出て、間髪入れず次の入居者さんを決めたいから、紹介料を出すので早く決めてください、という意味が込められていることがほとんどです。

不動産仲介会社さんは、お客様には安く入居してもらって満足してほしいし、大家さんには感謝してもらいながら紹介料1ヶ月分をもらいたいと思っています。

しかし、先にも述べましたが仲介手数料無料の物件しか紹介しない不動産仲介会社さんですと、紹介されるお部屋の幅がすごく狭いものになりますので、無料でないお部屋も紹介してもらうようにしましょう。

仲介手数料無料にこだわると痛い目を見るかもしれません。

3-3. フリーレント物件

フリーレント物件とは無料で借りることができる期間が設定されている物件です。

最初に1ヶ月または2ヶ月間家賃無料という場合があります。

空室を埋めたい大家さんにとっても借主にとってもメリットがあります。

ただ、フリーレント物件は契約期間の縛りがある場合がほとんどです。

たとえば、短期解約で違約金として1ヶ月分の家賃がかかるというものです。

短期解約の期間は半年、1年、2年などがあります。

基本的に2年で更新時期になるので、それ以上長い期間はないと思われます。

長期的に借りないお部屋に対してフリーレントがある場合は注意をしないと違約金が退去時にかかってしまうことがあります。

初期費用を抑えたい場合には効果的ですね。

3-4. 大家さんに交渉

今はなかなか難しくなっている方法です。

インターネット上で誰でも相場等を調べられる時代になったため、昔に比べると敷金礼金を適正に下げている大家さんが多いので、よほど関係性が良くないと値下げは厳しいでしょう。

しかし、絶対にダメということはありませんので、少しでも望みがある場合は不動産仲介会社さんに頑張ってもらいましょう。

何かしら借主にとって嬉しいことが起こることもあります。

4. 契約時に必要な費用以外にかかる初期費用を抑える方法

引越し費用や家具家電購入費用なども費用を抑えるためにはチェックしないといけない項目です。

どのような方法が考えられるのでしょうか。

4-1. 引っ越し費用

引っ越し費用は持って行く荷物がそもそも少なければ発生しません。

車を持っている場合は2,3回の往復で運べてしまう場合もあるでしょう。

友人を動員してピストン輸送してもらうのもいいでしょう。

それが難しい場合は普段から身の回りのものを整理しておくのも効果的です。

急に住まいを離れないといけない事情が頻繁に発生する境遇の方は、大きな家電は購入しないようにしておくこと、ものは溜め込まないようにしておくことを心がけてください。

4-2. 家具家電の購入方法

家具家電を引越し先で購入する場合は、ネット通販で引越しセットのようなものを扱っていたりするので、そう言ったものをまとめて購入することで費用を抑えることができるでしょう。

また自治体が運営するリサイクルショップや、差押え物件の放出品を売っているような店であれば民間の業者よりかなり安く購入できる場合があります。

家具付きの状態で賃貸している物件を狙うのもありです。

5. まとめ

いかがでしたか。

今回は物件の賃貸契約にかかる初期費用についてご紹介しました。

費用と物件の内容のバランスをうまくとって、素敵な新生活が始められることを祈っております。