ファミリー層などに人気といわれる低層マンション。
けれども、ひと口に低層といっても、地上階なのか最上階なのかによって住み心地が変わってきます。
マンションの最上階は、物件の中で一番高価で高級で、ステイタスがあるというイメージがありますが、最上階ならではの悩みもあるのです。
そこで、ここでは低層マンションの最上階に住む5つのデメリットを紹介します。
低層マンション最上階のデメリットを知って、マンション選びの参考にしていきましょう。
このページでわかること
低層マンションの最上階に住む5つのデメリット
低層マンションといってもさまざまなタイプがあります。
以下では、とくに断りのない場合には、エレベーター付き2~3階建てのマンションをイメージしてみてください。
したがって、低層マンション最上階とは3階程度の高さということになります。
そんな低層マンション最上階だということで感じる5つのデメリットとは何でしょうか。
見晴らしが高層マンションほどよくない
低層階のマンションでは、最上階でも、部屋からの見晴らしという点では高層マンションの中層よりも低い場合が多いです。
周囲にビルやマンションがあると、視界が遮られてしまうので、低層階マンションでは最上階でも見晴らしが期待できない場合があります。
周囲にビルやマンションがなければ、落ち着いた住環境が得られるかもしれません。
立地場所が、部屋からのながめに直接影響してしまうのが低層マンションの特徴といえます。
屋上からの侵入者の可能性がある
マンションへの侵入は上の階ほど難しいといわれます。
ところが、近年では、最上階だからといって、夜に窓を空けて風を通す、そのまま寝てしまう、施錠をせず外出するなどという家庭があることから、屋上を伝って最上階に侵入するという事例が増えていると言われます。
侵入者は油断につけ込んできますから、屋上から壁伝いにベランダに降りることができる構造や、そういった侵入経路がノーマークのマンションでは注意が必要です。
低層マンションは最上階であっても侵入リスクがあると考えておく必要があります。
また、セキュリティ面に関しては、最上階では、中間階やラウンジ、ほかの施設が入っている階のようにフロアの住人以外が来ることが少ない点も考慮する必要があります。
最上階は、フロアの住人以外が訪れることが少ないため、部外者がフロアにはいると不自然さがある反面、人通りがないのでカメラを避ければ、異常があってもひと目につきにくいのです。
プライバシーが気になり開放感がイマイチ
高層マンションでは、高性能の望遠レンズでも使わない限り、高層階の部屋の中の様子を見ることはできません。
ところが、低層マンションの場合には、最上階でも近隣のビルやマンションから肉眼で部屋の中の様子を見ることができる場合が少なくありません。
室内を裸でウロウロしたり、窓の近くでくつろいだりしないように気を使う人は多く、開放感が味わいにくいと言えるでしょう。
下の階よりも夏暑く冬寒いことが多い
最近の物件は、断熱性がよくなっていて、最上階だからといっても外気温度の影響を受けにくくなっているマンションが増えています。
しかし、最上階は位置的に、「夏は熱がこもりやすく冬は熱が逃げやすい」という特徴を持っています。
建てられた年代によっては、空調が旧式なのに戸別にエアコンを設置できないルールになっているケースもあるので、確認が必要です。
周囲に気を使うおそれも
分譲マンションでは、階数が高くなるほど価格が上がり、高層では税金も違ってくるということから、最上階に住んでいるというだけで「お金持ち扱い⇒嫉妬されやすい」というイメージがあります。
最上階は、ステイタスがあり、限られているため高値になりやすく、そういったイメージをもたれがちなのです。
そのため、最上階に住むことで周囲の住民や知り合いに気を使うと感じる人もいます。
低層マンション最上階と高層マンションの違い
低層マンションの高層階で感じるデメリットは、高層マンションなら解消されるのでしょうか?
マンションを選ぶときに知っておきたい、低層マンションと高層マンションの違いについてみていきましょう。
開放感を優先させるなら高層マンション
高層マンションの最上階なら、視界を遮るような建物もほとんどなく、高さがあるため遠くまで景色がよく見えます。
また、近くに同じくらい高層な建物がないなら、外から肉眼で室内をのぞかれてしまうこともないので、プライバシーが保たれやすく開放感を味わいやすいといえます。
高層マンションの一番のアピールポイントとして、開放感やステイタス、周辺の景色を一望できる点があげられることが多いように、高層マンション最上階からの眺望には誰もが憧れるでしょう。
ただし、その高さが原因で、日常生活では不便に感じることもあります。
高層マンションのデメリットとしては…
- 駅チカなのに、エレベーター待ちで駅までの所要時間が10分以上になってしまう
- 災害などでエレベーターが使えない場合の移動が大変
- 地震での揺れや長周期振動が不安
開放感があり、ステイタスを感じさせるプラスイメージを持つタワマンでも、日常的な暮らしの中では、不満を感じるところがいくつか出てきます。
そこで、高層マンションか低層マンションかを選ぶ場合には、生活の中で何を優先したいのかを考えることが必要になってくるでしょう。
物件の特徴やニーズによってチェックポイントは変わる
子どもが小さいファミリーの暮らしやすさ
「子どもが小さいファミリーの暮らしやすさ」を考える場合には、保育所や学校、習い事などの教育環境が良い立地で、高層過ぎないことがベストです。
高層マンションではエレベーターでの移動が基本になります。
外出を面倒に感じることが多く、階段を使うことは、小さな子どもを抱えている場合、とくに大きな負担になります。
また、住んでいる世帯数そのものが多く、ご近所づきあいに気疲れするという声が多いことから、戸建てや低層マンションのほうが良さそうです。
都心へのアクセス・都会的な眺望重視
限られた土地を有効利用しなければならない都心では、再開発でタワーマンションが建てられることが多いです。
建ぺい率や容積率が大きく、高さ制限についても緩やかですし、人口が密集しやすい場所では高層建築にするメリットが大きいからです。
したがって、都心へのアクセスがよい立地を選ぼうと思えば、必然的に高層マンションを選ぶことになるでしょう。
また、都会的な眺望を優先したいという場合も、高層マンションがオススメといえます。
アクセスや眺望を重視していて、予算に余裕がある場合は、最上階を狙うのもアリです。
歴史ある住宅街は落ち着いた住環境が得やすい
もともと高級住宅街だったエリアは、高層建築への規制が厳しいものです。
そんな街に暮らしてみたいと思うなら、眺めがよく、ほかの住人の出入りが少ない低層マンションの最上階に、より大きなメリットを感じるでしょう。
また、一戸建てに近い感覚で暮らせるほど床面積が広く、玄関までの動線が短いタイプの高級低層階マンションが増えています。
ゆったりとした戸建て感覚、歴史ある住宅街というところに魅力を感じる場合は、低層マンションが候補になるでしょう。
設備やセキュリティは高層低層の違いだけで語れない
高層マンションが再開発の象徴だった時代には、「高層マンションなら築年数が新しく、現代的で高度なセキュリティが整っている」というイメージがありました。
しかし、最近では高層最上階でも屋上から侵入されるなど、高層マンションなら最新設備で安全だと言い切れなくなって来ました。
時代にあったセキュリティシステムを導入していること、侵入しにくい設計や構造であることなどが、安全性を保つためには必要になっているのです。
安全性に重点を置いて物件選びをするなら、高層低層の違いではなく、建物や設備の質に目を向ける必要があります。
シニア時代を見越した物件選び
シニアになってからの暮らしを考えた場合、外出や通院のしやすさ、散歩や趣味の場の確保しやすさがポイントになります。
見晴らしがよく、落ち着いた街並みという点でも、低層マンションの最上階は魅力的です。
地方の田舎暮らしでは、70代以降で車の運転が心配になった途端に不便を感じ、便利の良い都心物件を再び探すというケースが増えています。
50代以降の暮らしを想定して、シニアが暮らしやすい条件がそろった低層マンションを検討する人は増えて行くのではないでしょうか。
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まとめ:低層マンションの特徴を確認して最適な部屋を選ぼう!
まとめますと、低層マンション最上階には以下のような5つのデメリットがあるといえます、。
- 眺望が良いとは限らない
- 外部からの侵入リスクがある
- 外から見られることもあり、プライバシーの懸念が存在
- 夏は気温が高くなりやすく、冬は気温が低くなりやすい
- 周囲の住人に気を使うことも
低層マンションの最上階では、以上のようなデメリットがありますが、もちろん、メリットも存在しています。
眺望は物件の環境に左右されますが、最上階ならではのメリット(ほかの住人がフロアに入り込みにくい、日当たりが良い)がありますし、低層階であることのメリット(外出がしやすい、エレベーターの影響を受けにくい)も持っているのです。
低層マンションと高層マンションという軸だけでなく、最上階かどうかなどのさまざまな角度からの比較の視点を持つことで、選択肢が広がり、満足度が高くなるでしょう。




