母子家庭の場合、フルタイムで仕事をしていることが多いでしょうから、子どものPTAなどの学校行事には仕事を休んで行かなければなりません。
仕事内容や時期によっては、仕事休むこともちょっとだけ抜けるということも難しい場合も多いです。
母子家庭の皆さんは、PTAの役員決めはどのように対応しているのでしょうか。
このページでわかること
1. PTA役員は母子家庭でもやらなくてはならない?
春はお子さんの進学、進級と喜び事も多い時期ですが、お子さんを持つ母親はPTA役員決めが控えていることが気になってしまい、憂鬱になりますよね。
PTA役員決めの最中、委員長などの大役をくじで引き当ててしまったお母さんが泣き崩れる風景も学校の風物詩となっていますが、時間の都合がつかずに役員が出来ないと思っている保護者もたくさんいるのです。
しかし、基本的に、PTA役員は母子家庭でもやらなくてはなりません。
たとえ母子家庭だったとしても父子家庭だったとしても「PTA役員を引き受けなくてもいい」という理由にはならないのです。
各家庭によって、母子家庭や父子家庭だけでなく、病気を持つ子どもを抱えているケースや、両親の介護をしているケースなど、事情は様々です。
また最近では共働き夫婦が増えている中で、それぞれみんなが時間を作ることが難しい状況にあります。
そんな中で、母子家庭の人だけ特別に役員免除になるなんてことはないのです。
特例として、シングルマザー、シングルファザーは役員から免除される学校もありますが、全国的に見るととても少ない傾向があります。
1-1. 役員をしなくて良い場合もある
大規模な学校だと、小学校の6年間で1度も役員をしなかったという人も中にはいます。
実際わたしも、二人子どもがいますが、役員を全くしたことはありません。
子ども達が通う学校が、市内1大きなマンモス校だったため、役員が全員に回ることがなかったのです。
一方、小規模小学校の場合は、役員が小学校の6年間で2回は回ってくるというケースもあります。
1-2. 固定メンバーがPTA役員をする場合もある
役員を使命感として感じているような人がいる場合は、何度か役員を引き受けてくれることもあるため、役員をしなくてすむ保護者も数名でてきます。
1-3. 町内会の役員をすれば、PTA役員は免除される地域もある
学校と町内の子ども会が連携している場合は、子ども会の役員をすれば学校の役員は免除されることもあります。
しかし、多くの場合は、PTA役員と子ども会の役員は別と考えられているため、どちらの役員も兼任している場合は、週に何度も子ども関係の用事で出て行かねばならなくなります。
2. PTA役員の断り方「母子家庭」を理由にすることは可能?
PTAの役員決めの会議の日に、役員をどうしても断りたい場合「母子家庭だから役員は出来ません」と理由を伝えて辞退をお願いすることはやめておきましょう。
みんな何らかの事情があって生きているので、母子家庭だからという理由を述べても、同情されるどころか反感を買う場合もあります。
母子家庭よりも、赤ちゃん連れのお母さんの方が、PTA役員極めに関しては免除に近い方法を取られることが多いのが現状です。
PTA役員決めの時に、母子家庭を断る理由にしようと思っても理由にならないことの方が多いことは、きちんと知っておきましょう。
3. PTA役員の免除規定とは?
PTA役印には、免除規定というものがある場合もあります。
各学校によって、PTA役員の免除規定は異なりますが、以下のような内容であることが多いです。
<PTA役員の免除規定>
- 配偶者がPTA会長である
- 年度途中で引越し予定がある
- 前年度、前々年度などの近い時期に役員をしている
- 妊娠中である(妊娠予定では不可)
- 1歳未満の赤ちゃんがいる
- 未就園児の子どもを抱えている
- 障害を持つ子どもを抱えている
- 母親自体が病気を抱えている
- 法律上で、独身の親が子育てしている場合(親ではない人が育てている場合は特に当てはまりやすいです)
公に「この事柄が免除の規定です」と掲げているわけでもなく、上記の事柄を、役員の免除規定として挙げていることが多いです。
そのほかにも、個人的な理由を述べて、ほかの保護者から納得してもらった場合は、免除申請が通る場合もあります。
ですから、フルタイムで仕事をしていることや、母子家庭だからということが、直接の免除になるという規定はありません。
また、兄弟児が別の学校に所属している場合、別の学校にて役員をしていることがPTA役員の免除になることもないです。
4. 母子家庭でもPTA役員を無理なくこなす方法
役員決めは、母子家庭であろうがそうでなかろうが憂鬱な人は多いのです。
いくら母子家庭だからといっても、役員免除の理由にはならないことが多いのです。
そこで、母子家庭でもPTA役員を無理なくこなす方法をご紹介します。
その前に役員システムについて簡単にご説明します。
・PTA役員システム
PTAの役員というのは、学校全体でPTA会長1名、副会長3名、書記2名、会計監査2名などが存在し、その下に各クラスから選出されるクラス委員長、クラス副委員長、広報委員、文化・生活委員、保健・体育委員、推薦委員などで組織作られています。
役員決めで決められていくのは、クラスから選出されるクラス委員長、クラス副委員長、広報委員、文化・生活委員、保健・体育委員、推薦委員とだいたい6人ほどが選出されることになり、この6人が大役の役員と言えるでしょう。
この大役をこなしておくと「役員経験あり」として認められるのです。
その他の残った保護者は「一人一役制度」などで図書の補修係や、挨拶運動係などが割り振られることが多いです。
一人一役制度での役は役員経験としてカウントされることはありません。
1クラス35〜40人学級だったとすると、6人が役員を引き受けることになるとすれば、人数の多い学校の場合は役員を免れることもあり得るのです。
① 感じ良く役員を引き受ける
たとえ母子家庭であっても役員を逃れられないとすれば、いっそのこと潔ぎよく役員を引き受けて「母子家庭ですが、出来る限りのご協力をさせて下さい」と言っておく方が、周りの人たちからの協力や理解を求められやすいです。
「母子家庭だから絶対に役員が出来ません!」と無理やり押し通そうとすると、周りの保護者からは「みんなそれぞれ事情があるのに、何勝手なこと言っているの…」と反感を買ってしまう可能性もあります。
学校に通う子どものことを考えたら無駄に保護者内で敵を作る必要はありません。
それよりも、一度は感じ良く役員を引き受けておくことをおすすめします。
もし小学校在学中に2回役員が回ってくるような学校であれば「一度は役員をお引き受けしたので、2回目は免除していただけないでしょうか」と提案すると、その場合は免除される可能性が高くなります。
② 子どもの学年が小さいうちに役員をしておく
「もしかして役員決めから逃れられるかもしれない…」と毎年役員決めの際にドキドキするのが嫌であれば、子どもの学年が小さいうちに役員を引き受けておくことをおすすめします。
なぜなら、子どもが高学年になると、広報部などの部会での長を引き受けなければならないタイミングがくる可能性が高いのです。
役員だけでも大変なのに、その中で部会長を引き受けなければならなくなったら、学校へ出向く回数も増えてしまうこともあるのです。
それなら、子どもの学年が小さいうちに「新米役員」として役員活動に参加する方が気軽ですよね。
③ 仕事が落ち着いたタイミングで引き受ける
母子家庭でフルタイム社員として働いている場合は、数年先の仕事のことなど想像がつかないかもしれません。
小学校の入学時点で多少仕事が忙しくても、子どもが小学校に入って一旦落ち着いたタイミングであると判断するのであれば、先に役員を引き受けておくことをおすすめします。
「まだ入学したばかりだし、役員は子どもが高学年になってから…」と先延ばしにしていると、数年後には自分の仕事の状況が多忙になっている可能性もあります。
④ 自分が動きやすいようにシステムを変えてしまう
PTAの召集がかけられる集まりは、仕事自体は単純なことが多く短時間で済む場合が多いのですが、段取りが悪かったり、みんなで集まって話している時間が多かったりして、無駄に時間を拘束されていることも多く「この時間、無駄だな…」と思ってイライラしてしまう人も多いです。
確かに「仕事を抜けて役員仕事に来ているのに、無駄話をしている暇はない!」と思いますよね。
だったら、いっそのこと誰もが役員をしやすい環境を作ってしまう提案をしてしまいましょう。
自ら役員決めの時に委員長に立候補し、どんな保護者でも役員活動がしやすいように仕事を簡略化していくことや、短時間で作業が終わる提案をしてみることもおすすめです。
⑤ 家で出来る仕事は家でやらせてもらうように提案する
家庭で出来る仕事は各役員が担当して責任を持って仕上げて学校に持ち寄るなど、家でやる仕事を認めてもらうことも提案する価値があります。
出来るだけ学校で集まる回数を減らしてもらうように働きかけてみるのも良いでしょう。
例えば、ベルマーク集めをしている学校では、ベルマークの回収係が役員として割り振られていることが多いです。
ベルマークを、枠線より広めに切り取り点数を数えるという作業が地道な作業なのですが、この仕事こそ学校に集まってする必要がなく、家庭で出来る内職作業です。
自宅でベルマークを広げるのは大変かもしれませんが、仕事を休んで学校に出向くよりは、自宅で隙間時間に作業が出来た方が仕事を休まずに済むのでありがたいですよね。
5. まとめ
母子家庭でも学校のPTA役員を引き受けなければならないことと、母子家庭でもPTA役員を無理なくこなす方法についてご紹介しました。
母子家庭や父子家庭が多くなった今、「母子家庭だからPTA役員が免除になる」ということは少ないです。
しかし、PTA役員をすることになったとしても、役員仕事をするのは1年間だけです。
しかも、毎日続くことではありません。
子どもが通う学校に対して、自分なりの奉仕をするというスタンスで構いませんので、気負わずに出来るだけ早いうちに役員を引き受けてしまうことをお勧めします。




