マンションで高層階を選ぶ人の中には「虫が出ない」と考えている人も多いようです。
でも実際にマンションの高層階の住人のコメントには「高層階なのに虫に悩んでいる」という意見もよく見られます。
たしかにマンションの高層階でも虫は出ます。
でも高層階で出る虫の種類や駆除の方法は低層階のものとは違います。
そこで今回はマンションの高層階で出る虫の種類や駆除の方法、さらに高層階ならではの防虫対策についてまとめて紹介していきます。
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このページでわかること
1. マンションの高層階でも虫は出る?!
高層階では蚊の出現率はかなり低い
マンションの低層階では「蚊」の被害に悩む人が多いです。
低層階は高層階と比べて室温が1~2℃下がります。
つまり風通しが良い間取りであれば、窓から入る自然の風だけで快適に過ごすことが出来ます。
もちろん窓を開ける時には虫よけのために必ず網戸を利用しますよね?
ところがこの網戸にもやや問題があります。
網戸にはゴム製のパッキンが使われています。
でもゴム製品は時間がたつと劣化してしまいます。
また網戸の開閉をしているうちに部分的に穴が開いてしまうこともよくありますよね?
こうした小さな隙間を蚊は見逃しません。
つまり蚊が飛ぶことが出来る高さであればマンションであっても部屋の中に入り込んでくるわけです。
ただし蚊の飛翔高度にも限界があります。
マンションの高さでいうと、概ね3階までといわれています。
ですから蚊の飛翔能力を元に考えるとすれば「高層階まで蚊が飛んでくることはない」と言えます。
高層階に必須アイテム「エレベーター」が虫を運んでくる
「蚊の飛翔高度がマンション3階程度だから高層階には蚊はいない」と言う話には続きがあります。
高層階の場合、移動のためにはエレベーターを利用しますよね?
もちろんエレベーターはマンションの住人が快適に暮らすために必要な設備なのですが、その空間にいるのは「人だけ」とは限りません。
エレベーターのドアが開いてあなたが乗り込んだのと同時にあなたの知らないところで蚊が同乗したとしたら、あなたの部屋がある高層階まで蚊も一緒に移動します。
ドアが開けばあなたと一緒に蚊もエレベーターの外に飛び出していきます。
あくまでも蚊が自力で飛ぶことが出来る高さが「マンション3階程度」ということですから、高層階についた時点で蚊が死んでしまうということはありません。
もしも高層階の住人の庭に卵を産み付けることが出来るような環境(ベランダに人工池があるなど)があれば、蚊はそこで繁殖します。
ですから高層階で蚊がでる可能性はゼロではありません。
廊下などの夜間電灯が虫を引き寄せる
共有スペースや廊下には、住人たちの安全を確保するために夜間は電灯がついていますよね?
でも虫は光を好む傾向があります。
特にエレベーターの中には必ず電灯がついています。
だからどんなに虫に気を付けていたとしても、共有設備である電灯に虫が引き寄せられてしまうのです。
ただしこれは虫特有の傾向なので、マンションの低層階・高層階は問いません。
ベランダの水たまりが虫の繁殖場所になる
高層階は低層階のようにいろいろな種類の虫が集まることはありません。
特にガーデニングを楽しむ人であれば、手をかけて育てた花や植物が虫の被害に遭わないように手間もかけて虫の駆除もしますよね?
ただ高層階の場合、基本として虫の影響はほとんどありません。
そのため高層階のバルコニーは「虫が苦手だけどガーデニングを楽しみたい」という人にとっては天国のような場所といえます。
ただ先ほども説明しましたが「高層階だから虫が来ないは間違い」なのです。
もちろん何らかが原因で高層階まで虫が入り込んだとしても、そこが繁殖に適した場所でなければ虫の寿命と共に問題はクリアになります。
でも「高層階に住んでいれば虫は来ない」と思い込んでしまっていると、プランターに水やりをした後にできるベランダの水たまりのことをすっかり忘れてしまってはいないでしょうか?
バルコニーに水たまりが常にできている状態だと、そこは蚊や虫の繁殖場所になります。
しかもあなたもバルコニーにできた水たまりが虫の繁殖場所になるなんてことは想像もしていないでしょうから、実際に虫が大量発生するまでそのままの状態で放置してしまうことでしょう。
対策が遅れれば蚊の大量発生は防げませんから、その後に待っているのは「蚊と戦う日々」です。
周りの住人のバルコニーが虫の繁殖場所になっているかも…
もちろんあなた自身が十分に気を付けていても、マンションは共同住宅ですからあなただけではどうにもならないこともあります。
特に上下左右の住人のバルコニーが虫の繁殖場所になっていたとすれば、高層階に住むあなたの部屋にも虫はどんどん侵入してきます。
廊下のような共有スペースが原因であれば管理事務所などを通して注意・または撤去をしてもらうこともできます。
でもバルコニーはあくまでも専有スペースですから、それぞれの住人たちのモラルが求められるだけで注意をしたとしてもそのことに強制力はありません。
それどころか注意したことが原因で隣人トラブルに発展してしまうこともあります。
こういう場合は住人同士が直接話し合いをするよりも、管理事務所に相談するようにしましょう。
ベランダにごみ箱を設置している
バルコニーにごみ箱を設置している場合、高層階であっても虫が発生することがあります。
特に虫の中でも「害虫」に分類される虫は、日常生活の中で出る生活ごみが最高の好物です。
最初は見ても気にならない程度の小さな虫が集まるだけだったものが、時間と共にどんどん大きな虫が集まり繁殖していくようになります。
残念ですがこうした状況で発生した虫が、繁殖場所となったバルコニーの管理者(住人)のところだけにとどまっているということはありません。
飛ぶことが出来る虫であれば自由に周辺のバルコニーに移動していくでしょうし、飛べない虫でも壁や床を伝って上下左右のバルコニーに移動していきます。
しかも「虫が飛んでくる」というだけでは管理事務所も対応が出来ません。
悪臭がしたリ外観に影響があるなどの事情があれば対応に応じることもありますが、虫が大量に飛んでくると言うだけでは動けません。
まして「どこが虫の発生場所か特定できない」という段階では、注意をすることもできないのです。
2. マンションの高層階でも注意したい虫の種類と駆除方法
蚊
マンションの高層階で意外と耳にするのが「蚊」の被害です。
「高層マンションに蚊はいない」というイメージが強いということも問題が悪化する一つの原因になりますが、条件がいろいろ揃えば高層階のバルコニーでも蚊は大量発生します。
駆除方法
まずあなたのバルコニーが蚊の繁殖場所になっていないかチェックしてみましょう。
プランターに水やりをした後には、バルコニーの表面にできた水たまりはほうきなどを使って排水口に流しましょう。
またプランターや植木鉢の受け皿にたまった水も、そのままにしておくと蚊の卵が産みつけられてしまいます。
ですから受け皿にたまった水は定期的に捨て、1週間に1度はきれいに洗うようにします。
もしもボウフラが発生したら、すぐに殺虫剤を使って駆除しましょう。
早めに駆除をすればそれ以上被害が広がることは食い止められます。
それと同時に網戸のチェックも行います。小さなサイズの蚊は、網戸の本の隙間や穴からもどんどん部屋の中に入り込んできます。
少しでも隙間がある場合はすぐに修理をしましょうね。
ゴキブリ
高層階でもゴキブリは部屋の中に侵入してきます。ただし高層階の場合、低層階の侵入方法とは違いバルコニーや共有設備(エレベーター・階段・廊下など)から高層階のあなたの部屋に入り込みます。
駆除方法
とにかく目の前に現れたゴキブリの駆除から始めましょう。
即効性があるのはスプレータイプの殺虫剤です。
その場で駆除できなかった場合は、テレビや冷蔵庫などの家電の裏側など手の届きにくい場所に潜り込んでしまいます。
こうなったら駆除をするのが大変です。
ですから「高層階だからゴキブリはいない」という思い込みは捨て、非常事態に備えてゴキブリ駆除専用の殺虫剤を常備しておくのがおすすめです。
コバエ
高層階で意外と多く耳にするのが「コバエ」の存在です。
ハエは基本的に外から侵入してくるのですが、コバエは家の中で発生します。
しかも生ごみや食べ残しがあるとすぐに発生する厄介な存在です。
駆除方法
駆除には「即効性のある駆除」と「発生の元を断つ駆除」の2つがあります。
即効性のある駆除としておすすめなのは、コバエ専用の殺虫剤です。
置くだけでコバエを駆除するタイプのものもあるので、こうした殺虫剤を使ってみるとかなり早い段階で効果が実感できます。
発生のもとを断つこともコバエの駆除には必要です。
コバエは「汚い場所」が大好きです。
言い換えれば「清潔な場所には寄り付かない」ということです。
だから「生ごみをこまめに処理する」「バルコニーに発生源を作らない」ということでかなりの効果が期待できます。
手間のかかる合わせ技ですが、コバエには効果がありますので是非試してくださいね。
3. 高層階でも用心したい虫対策3選
ペットのノミ・ダニ
ペットのノミ・ダニは高層階でも必ず出てきます。
ところが高層マンションの場合、景観の保護や落下物防止のためにバルコニーでの布団干しを禁止していることも多いですよね?
だからと言ってそのままにしておけば被害はどんどんひどくなります。
もちろんペットが原因であれば、まずはペットのノミ・ダニの駆除が最優先です。
でもそれと並行して部屋の中に蔓延してしまったノミ・ダニの駆除もしていきましょう。
ただ煙が出るタイプの殺虫剤は、高層マンションの場合火災報知機に反応してしまう恐れがあります。
そこでおすすめなのが「煙が出ないタイプの殺虫剤」です。
ただ使用する前にはマンションの管理人に相談しておくのが無難です。
また万が一のために火災報知機をビニール袋でカバーをしておくのもおすすめです。
布団乾燥機もよく聞く対策ではありますが、ノミが死ぬのは60℃からで、布団乾燥機はギリギリ60℃になるかならないか…ですので、コインランドリーの大きな乾燥機に入れて布団についたノミやダニをまんべんなく死滅させましょう。
カメムシ
10月になると大量発生するのがカメムシです。
カメムシは越冬するうえに温かい場所を探して高層階に移動してくることがあります。
しかも困ったことにカメムシは体が小さいので、気流や強風にのって高層階のバルコニーまで飛んでくることがあります。
もしもそこにカメムシのエサになる植物などがあれば、あっという間に卵を産み付け春になると大量発生します。
実は高層マンションの住人の間ではカメムシの駆除に悩む人が多いため、カメムシ専用の殺虫剤も販売されています。
即効性が高い殺虫剤もありますが、寒さに弱いカメムシの特徴を生かして冷却スプレーで駆除する方法もあります。
ユスリカ
蚊によく似ているのですが昆虫に分類されるユスリカは、意外と厄介な存在です。
種類が多いのもユスリカの特徴で、日本には全部で約2000種類あるといいます。
人に害を加えるものではないのですが、見た目が蚊によく似ているので見かけると不快になる人が多いです。
ユスリカの発生場所は「蚊」とよく似ています。つまり汚れた水やドブによくみられるので、バルコニーの水たまりやプランターの受け皿などに発生します。
対処法としては「ユスリカを近づけないこと」に限ります。
水場といっても清潔な水には近づいてきません。
ですからこまめにバルコニーや廊下の水たまりを掃除することでかなりの効果があります。
4. まとめ
高層階のマンションでも虫はやはり出ます。
でも低層階とは違い、高層階のマンションの場合は対処法さえきちんとしておけばかなりの確率で虫と無縁の生活が出来ます。
ただどの種類の虫でも効果的な駆除方法があります。
ですから種類によって一番効果のある方法を試すのが、あなたの悩みを一日でも早く解決するポイントですよ。




