マンション選びの不安|地震に強い階はどこ?

日本では、阪神大震災、東日本大震災、熊本地震など、幾度か震災レベルの地震が起きています。

地震による建物の倒壊などの犠牲者もいることから、マンションを選ぶ際、地震に強いものを条件とする人も多いです。

本記事では、地震に強い階について解説します。

マンションは階によって地震のリスクが異なるため、それに関する情報もお届けします。

 

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1. マンション選びのポイント!地震に強い階はどこ?

マンションでは、地震に強い階は、一般的に5階までと考えられます。

ただし、1階が駐車場などの吹き抜け構造になっている場合は、 大震災クラスの地震で押しつぶされてしまうリスクがあるため要注意です。

その場合、2階も1階が潰れた影響を強く受け、階自体が大きくゆがむ可能性があります。

3階の場合は、2階と比べてその影響を受けづらいため、1階が吹き抜けであったとしても比較的安全で避難しやすいと考えられます。

マンションは、低層階よりも、高層階の方が、地震による揺れが大きくなりやすいです。

また、避難の際に敷地外に出るまでの距離も遠いというデメリットが存在し、防災上地震に遭ったときのリスクが高めです。

高層マンションを借りる場合、地震に対する不安が強い人はあまり高い方の階は選ばない方がいいでしょう。

2. かつてマンションは1階が危険と言われた理由

以前、マンションでは、1階が最も危険と言う意見が多く見られました。

以下にその理由と、現在の耐震基準で建てられた建築物の地震への耐性について述べます。

2-1. マンションが倒壊する可能性

大地震が起きた際、マンションの1階が最も危険と言われる理由は、その階が最も建物の重量を支えているからと言われていました。

地震のエネルギーを受けて建物自体が損傷したら、最も重量を支えている1階部分が耐えきれず崩落する可能性が高いという説が有力です。

実際に阪神大震災や熊本地震などの直下型の大地震では、 一戸建てやマンション、ビルの1階部分が崩壊する被害が出ています。

現在の新耐震基準に基づいて作られたマンションでも、地下ではなく1階に駐車場があったり、その階がピロティという吹き抜けのスペースや、ショーウィンドウのある店舗になっていると、地震の時に支えきれなくなり危険という指摘もあります。

繁華街などの商業ビルでは、開業などを希望する人を多く受け入れるために新たな階を増築するケースもあります。

建築安全上、これは避けるべき行動と言われています。

増築された階にも耐えられるように建物が設計されていなかったり、下の階と鉄筋が別物になっている関係で増築部分が脆弱になったりするからです。

阪神大震災では、この構造になっていた市民病院自体の中層階が押しつぶされる被害が出ています。

2-2. 新耐震基準では震度7まで倒壊しない

新耐震基準に基づいて作られたマンションは、素材や構造などが工夫されぬいた末、震度7の地震にも耐えられるように設計されています。

住宅会社のなかには、複数回の震度7にも耐えられるとして、実験映像とともにCMや動画などで宣伝する動きもあります。

新耐震基準には3つの等級が設けられており、最も低い1はマンションのほとんどが対象で、2や3は学校や病院などの公共施設が当てはまっています。

しかし、1にあたるマンションの場合でも、震度6や7の地震にも耐えられるよう設計されています。

阪神大震災や熊本地震などで崩壊した建物の多くは、1981年6月1日に新耐震基準が施行される前に完成したものです。

現在の建物の多くは、大震災クラスの地震が起きても、外壁などのダメージは多少あっても、崩壊という最悪の事態は免れられるようになっています。

<h2>マンションの高層階は地震・災害時の避難にデメリットあり

特に高層マンション (タワーマンション)の高い方の階に住んでいると、地震などの災害が起きた場合にデメリットの影響を受けやすいです。その理由は2つが挙げられます。

 

3. 地震のとき、低層階よりも揺れやすい

高層階に住んでいると、地震が発生した際、低層階よりも大きく、そして長く揺れやすいです。

ネギやゴボウなどの細長い野菜を縦に持ったとき、上にいくほどしなっています。

持った手で振ると、上の方がよく揺れて、振った手を止めても一瞬だけまだ揺れています。

同じようなことが高層マンションにも言えます。

高層階に伝わる地震のエネルギーは長周期地震動となり、外にいる場合よりも揺れ幅が大きくなります。

高層階は、家具の転倒などのリスクも大きいので、住む場合は注意が必要です。

3-1. 避難場所までの距離が遠い

高層階は、地震の揺れが大きくなりやすいだけでなく、避難する際のリスクも大きいです。

マンションでは、震度4~5以上の地震が発生した際、エレベーターが自動で停止する場合が多いです。

元々エレベーターは緊急停止により閉じ込められたり、それ自体が地震で損傷するリスクもあるため、避難時の利用が推奨されていません。

マンションからの避難の際は、非常階段を利用することになります。

しかし高層階だと非常階段で出口までたどらなければならない距離が遠いです。

高齢者や障害者の場合、高層階からの避難はさらに困難を極めることも考えられます。

マンションでは、高層階の住民でも安全に行動できるように、防災マニュアルが配布されている場合があります。

それでも、高層階に住む場合は、災害からの避難で負うリスクが低層階よりも高いことを認知し、備蓄品や家具の固定、避難の方法や経路の確認などの安全対策を行うことが大切です。

4. 中層階も強い揺れを受けやすい

高層階ほどではありませんが、中層階も地震の揺れを強く受けやすいです。

押しつぶされるリスクのある低層階や揺れが大きくなりやすい高層階よりも安全なイメージがありますが、実は中層階にもリスクが存在します。

制震構造などにより地震のエネルギーをコントロールするマンションだと、高層階が本来受けるエネルギーを一部が中層階に流れ、さらに地面からの揺れのエネルギーも受けるため、地震の影響を受けやすくなっています。

そのため中層階も決して安全な場所とは言えず、住民独自による防災上の対策が重要になります。

5. 低層マンションと高層マンションの地震に対する強さの違い

低層マンションと高層マンションでは、建築時に施される地震対策が異なります。

低層マンションは建築物自体を頑丈にすることを優先し、通常の耐震構造を施されがちです。

高層マンションは、特に上層階の揺れを抑えるため、地震エネルギーをコントロールする制震構造または免震構造を施されがちです。

低層マンションは通常の耐震構造を施されているものが多く、地震が起きても大規模な崩壊を避けられるようになっています。

しかしその構造は地震のエネルギーをコントロールすることを前提としていません。

地震のエネルギーをありのままに受けるため、外にいる時と変わらない規模の地震を体感することになります。

それでも、マンションの元々の階数が少ないために、高層マンションの高層階と違い、本来よりも地震を強く感じる心配自体はありません。

現在、物件探しをしていて、地震に対する不安が強い人は、低層マンションを視野に入れることも考えられます。

高層マンションに見られる制震構造は、地震のエネルギーを吸収するよう設計されています。

免震構造は地震のエネルギーを、基礎に設けられため免震装置で受け流し、揺れを抑えられるよう設計されています。

このため、低・中層階の揺れの体感は外で感じるよりも抑えられます。

しかし高層階は、下の方の階と比べると、相対的に大きく長く揺れやすいことに変わりはありません。

そのため、外で感じるよりも地震を強く感じやすくなる可能性もあります。

制震や免震の構造は、あまりにも高層階が揺れ過ぎて、被害を大きくしないために施された最低限の対策であり、地震の影響を完全に受けなくすることを意味していません。

高層階への引越しや、今高層階に住んでいる方たちは、そのことを前提として地震に対する安全対策を施すことが大切です。

6. まとめ:地震に強いマンションなら低層マンションもおすすめ

低層マンションは震度7の揺れにも耐えられることを優先して設計されており、高層マンションの高層階のように揺れを本来以上に強く感じるリスクもありません。

そのため、地震に強いことを物件探しの条件とする人におすすめです。

現在の新耐震基準に従って建てられたマンションのほとんどは震度6や7でも倒壊しない設計になっています。

しかし高層マンションの中層階以上は、地震の影響を強く受けやすいため注意が必要です。

特に高層階の場合は、避難経路が下の階よりも長いため、移動に苦労することも考えられ、入念な対策が重要になります。

マンションは低層か高層かにより、施されている耐震構造のタイプが異なります。

低層マンションはタワーマンションの高層階のように、本来より揺れを強く感じるということがありません。

通常の耐震構造により建物全体が頑丈に設計され、防災上最も懸念される崩壊のリスクも抑えられている場合が多いです。

高層マンションは制震や免震構造で地震エネルギーをコントロールする設計になっていますが、 それでも階が高いほど揺れは大きく長く感じやすいことに注意しましょう。