「自宅でピアノ教室を開きたい」という夢を形にするために、賃貸マンションでピアノ教室を開く方法をお伝えします。
隣近所に迷惑をかけないように、一軒家へ引越しをしたいと思っていても、実現できないことだってあります。
そんな人へのアドバイスになるように、賃貸マンションでピアノ教室を開くときの手順や最適な物件の見つけ方、そして誰もがストレスを感じないためにできる注意点の紹介をします!
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1. 賃貸マンションでピアノ教室を開く方法
「あいさつは先手必勝」と言われることがありますが、賃貸マンションでピアノ教室を開くときにも「事前の対策とあいさつが先手必勝」です。
クレームが来てから対策やお詫びをするのではなく、あらかじめ可能な限りの防音対策と隣近所とコミュニケーションをしておくことが、お互いにとってストレスがかからない最善の策です。
普段から大家族で暮らし、にぎやかな空間に慣れている人と音楽のボリュームも小さく絞って静かな暮らしを好む人とでは、音に対しての感じ方が異なります。
もしかしたら、お隣や階下に住む人が音に敏感な人かもしれません。
事前の防音対策とコミュニケーションが、ご近所とのストレスやトラブルを未然に防ぎます。
ご近所にピアノ教室を開くことを伝えることや、関わり合いを可能な限り避けたい場合には、二重に防音構造を施している特殊なマンションを探しましょう。
現在住んでいる賃貸マンションでピアノ教室を計画している時には、まずはマンションの『管理規約』に書かれている内容を確認することをおすすめします。
2. ピアノ教室が開ける賃貸マンションの探し方
さまざまな要望に対応するために、ピアノやコントラバスなどの楽器を演奏する人向けの賃貸マンションもあります。
高性能防音マンションと言われるような、特別に設計された物件を見つければピアノ教室も演奏会も気兼ねすることなく、安心して開催できます。
24時間楽器を演奏しても、生ドラムを叩いても大丈夫な二重防音構造の賃貸マンションも誕生しています。
敷金や礼金などの初期費用、家賃は高くなってしまいますが、防音室を設置することを考えれば、費用が抑えられ安心してピアノ教室が開ける選択肢です。
また、楽器の演奏に特化している場合には、隣や階下に住んでいる人も音楽好きの人ばかりですので、ストレスを感じることも少ないでしょう。
音楽大学の周辺には防音対策がしっかりしている賃貸マンションが数多くありますが、人気物件はすぐに埋まってしまいますので、アンテナを張っておきましょう。
二重防音構造並のマンションでピアノ教室が開ければ理想的ですが、家賃の関係や探している地域に希望する物件がないこともあるでしょう。
そんな時には、次の3点に注意して物件を探していきましょう。
- 『管理規約』で楽器の演奏が許可されているマンション
- 壁の厚さが150~180mm以上、グランドピアノを置く場合には、200~250mm以上ある物件
- 最上階や角部屋の物件
マンションやアパートには、そこで暮らす人たちに向けて決まりごとを記した管理規約があります。
物件探しをする時に、どんな約束ごとがあるのか事前に確認をしておきましょう。
管理規約に『楽器可』や『ピアノ可』と書かれていても、この言葉だけではとても曖昧です。
どんな楽器の演奏が可能なのか、ピアノは電子ピアノだけなのか、それともグランドピアノも大丈夫なのかをきちんと確かめましょう。
『ピアノ可』と書かれていても、ピアノをおいても耐えられる強度を示しているケースもあります。
また、管理規約の中に演奏できる時間が明記されていることもありますので、ピアノ教室を開ける物件を見つけましょう。
ピアノの音が伝わりやすい場所は、下の階、上の階、そして両隣の順番です。
下の部屋と隣の部屋への防音対策はしやすいのですが、天井に響いてしまう音を小さくするのは難しく、簡易防音室を検討することになります。
簡易防音室の防音効果はとても高いのですが、費用が50~200万円ほどかかること、室内が狭くなってしまうデメリットがあります。
3. 賃貸マンションでピアノ教室を開く場合の注意点
賃貸マンションを活用して順調にピアノ教室を開いている人もいれば、周りからの苦情に耐えられずピアノ教室をやめてしまうケースもあります。
賃貸マンションで近所と円滑な関係を築きながら、ピアノ教室を開いていくポイントは、徹底した防音対策を始めからしておくことと、自主的なコミュニケーションです。
防音対策は少しずつ始めていくのではなく、100%完了した時点で教室を開くようにしましょう。
一度ピアノの音が気になってしまうと、防音対策を強化して音が小さくなっていても、解決策にならないことがあります。
周りの人にピアノ教室を開く予定でいることを、事前に伝えておくことも肝心です。
完備した防音対策のことや予定しているレッスン時間を伝えて、気になることがあった時には、教えてもらえるようにお願いしておきましょう。
意識したい防音対策は、大きく分けると2種類あります。
壁を通して隣へ聞こえる音と、床から伝わる振動です。
音の伝導には2種類あり、テレビや話し声などの『空気電波音』と壁を叩く時に伝わる『個体振動音』です。
壁の防音対策がしっかりされていれば、空気電波音にあたるピアノの音はそれほど心配することはないでしょう。
個体振動音は鍵盤を叩くときの音とペダルを踏むときの音で、階下に住んでいる人に驚くほど響いてしまうことがあります。
工業用ミシンの音と勘違いされるケースもありますので、床を通して響く音に対しても十分な対策が必要です。
大きな予算を掛けなくても、簡易騒音装置や防音カーテン、防振マットなどを活用して、ピアノから伝わる音を小さくできる方法はあります。
アップライトピアノの場合には、壁から15cm程離してピアノを置くだけでも、音の伝わりを小さくできます。
賃貸マンションの壁の厚さが十分でない場合には、防音パネルなどを購入して対策をしておきましょう。
外に漏れる音を小さくするには、窓を二重にすることがベストです。
窓が二重になれば、昼間から防音カーテンを使わずにすみますので、部屋が明るくなります。
ただし、予算が大きくかかることと退去する時にもとに戻すために再度工事をしなくてはならないケースもあります。
ピアノは打弦楽器ですので、叩いて音を出します。
そのため、ピアノの防音対策は床が一番肝心と言われています。
カーペットだけでは不十分ですので、防音、防振、吸音の機能を果たす防音マットを選びましょう。
特にグランドピアノの場合には、音も床に響きますので、しっかり対策をしておくことをおすすめします。
4. まとめ
実際に賃貸マンションで暮らしている人が、上の階や隣の部屋から聞こえてくるピアノの音がうるさくて困っていると管理会社や弁護士に相談されているケースがあります。
音やニオイなどは伝わっていくのが自然ですので、ある人にとっては心地よい音や香りであっても、他の人が同じように感じるとは限りません。
周りに民家のない戸建ての家ならば近隣のことをは気にせずに、自由にピアノの演奏ができますが、賃貸マンションで暮らす以上は隣近所への配慮は欠かせません。
隣近所を気にしないでピアノ教室を開くことを希望する場合には、二重防音構造などの対策がしっかりしている物件を見つけることをおすすめします。
家賃は割高ですが、通ってくる子どもたちもストレスなくピアノが弾ける教室になります。
予算などの理由から、管理規約でピアノの演奏ができる物件でピアノ教室を開催する時には、隣近所とのコミュニケーションと可能な限りの防音対策が鍵ですが、どちらも前もってすることです。




