賃貸住宅では、一般的に2年ごとに契約の更新があります。
更新にはお金がかかりますが、賃貸契約をする時と同じように家賃が基準になるので支払う金額もかなり高額です。
そのためネットなどでは「賃貸の更新料を払わない裏技がある」とも言います。
ただしこの裏技にはリスクがあります。
そこで今回は「更新料を払わない裏技にはリスクがある理由」をわかりやすく解説!
「本当に困った時にはどうすればよいのか」「更新料を払わなくて済む方法はないのか」という疑問についても詳しく紹介します。
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このページでわかること
賃貸の更新料を支払わない場合のリスク
契約内容に更新料のことが書かれている場合は契約違反になる
賃貸契約をしたときのことを思い出してみてください。
びっしり字で埋め尽くされた契約書類のすべてを読み上げながら「内容に疑問や不満はありませんか?」と何度も確認されたことを思い出しませんか?
そのせいで契約をする時には早くても1時間以上かかったはずです。
なぜここまで時間をかけて細かいところまで契約に時間をかけるのでしょうか?
その答えが「賃貸借契約書」にあります。
一般的に「契約書」と呼ばれているものは、借主であるあなたと貸主である大家さんの間で「お互いにここに書かれている内容は守りましょう」という約束事を書類にしています。
もちろん契約書にはいろいろなことが書かれています。
ただこの中には「契約の更新・解除」に関することも書かれています。
その中に「契約の更新をする場合は更新料を支払う」という内容が書かれている場合もあります。
この一文がある場合は、どんな理由があったとしても更新料を支払う義務があなた(借主)にはあります。
なぜなら「この書類に書かれている内容に同意します」という意味であなたは入居前の契約の時に契約書に印鑑を押したはずです。
つまりその時点であなたは「支払いに同意した」ということになります。
ですからこのことに反すれば「契約違反」となります。
契約違反の場合は、最終手段として「強制退去」という措置もあります。
正当な理由があれば大家さん側から契約の解除が出来る
賃貸住宅で「契約の解除」というと、引っ越しの為に部屋を退去するというのが一般的です。
そのため「借主側から申し出るもの」というイメージがあるはずです。
ところが「借主であるあなたの方からでなければ契約の解除はできない」というわけではありません。
大家さん側からあなたに対して契約の解除を申し出ることもできるのです。
もちろん大家さん側から申し出る場合には「正当な事由がある」ということが大前提です。
では大家さんから契約の解除を申し出ることが出来る「正当な事由」とは何を言うのでしょうか?
分かりやすくいえば「住人が守るべきルールを守らない場合」が正当な事由として認められます。
例えば「ペット禁止」の物件でペットを飼っているのはルール違反になりますよね?
また音に関することにおいてもルールがあります。
さらにあまり意識していないかもしれませんが、賃貸住宅では「ベランダでのガーデニングが禁止」というケースもあります。
このようなルールは全て契約書の中に書かれています。
だからこそ賃貸契約をする時には時間をかけて借主が納得できるまで説明しなければならないので、あんなにも時間がかかるのです。
ちなみに契約の満期を過ぎても契約の更新手続きをしていないこともありますよね。
でもこれだけでは大家さん側が主張する正当な事由にはなりません。
そもそも「法定更新」と呼ばれるものがあるので、「手続きが済んでいないのに退去しない」としてもそれだけが理由で契約解除とはならないのです。
ただそのために「更新料を払わなくても問題がない」という勘違いが生まれます。
その結果これまで借主と貸主の間でトラブルが度々起こりました。
そこでこうしたトラブルを避けるために、最近の契約書には「法定更新であっても借主は更新料を支払う」という一文が書き加えられていることがあります。
このような特記事項がある場合は、必ず契約書に書かれています。
そしてあなたは契約の段階でその内容に合意の意味のサインをしています。
ですからこの場合はあなたが更新料を払わないことに対して、大家さんは契約違反を理由に契約の解除を正当に主張することが出来ます。
これは強制力がありますのであなたには相当なリスクとなるはずです。
賃貸の更新料を支払わない方法があるって本当?
契約書に書かれている以上支払いをする義務がある
契約書の「契約の更新」の中で、更新料に関することがかかれているのであればその内容に従うことが借主の義務です。
もちろん金額は高額になりますが、その内容も含めて契約をする際に「合意します」とあなたは意思表示しています。
それは契約書に押した印鑑が証明になります。
この場合は残念ですが支払い義務があるとみなされます。
あなたが借りている物件がどのような取り決めになっているのかは、手元に保管している契約書を確認すればすぐにわかります。
内容に不安がある時は内容をよく読んで確認してください。
契約書に書かれていない場合は支払う必要がないこともある
実は更新料は、契約時に支払う「礼金」と同じような意味があります。
礼金は「お部屋を貸してくれてありがとうございます。これからよろしくお願いします」という謝礼の意味があります。
ただしこれは古くからの慣習に基づいているので、法的な根拠があるお金ではありません。
それと同じように更新料も「今後もよろしくお願いします」という意味があります。
しかもこちらも慣習なので、法的な根拠を持たないお金です。
ですからもともとそのような慣習がない地域では更新料を払う必要がありません。
また慣習が残っている地域でも契約書に書かれていない場合は、支払わなくても契約の解除とならないことがあります。
賃貸更新料は高い‥「更新料なし」物件に引っ越した方が良い?
まずは分割払いの相談をしてみる
更新料が高すぎて支払えないという場合は、「引越しをする」という以外にも方法があります。
その一つが「分割払い」です。
ただしどの物件でも分割払いが出来るとは限りません。
あくまでも応じる・応じないは大家さんの判断によるものと考えます。
でも大家さんがあなたの事情を理解したうえで分割払いに応じてくれれば、高額な支払いの負担はかなり減ります。
その代わり「過去に家賃の滞納が何度かある」「かねてから周辺住民から苦情が出ている」などの場合は応じてもらえる確率はかなり低くなります。
値引き交渉を相談してみることも検討してみよう
「これからも住み続けたいけれど、どうしても高すぎて支払うのが難しい」というのであれば、値引き交渉をしてみるという方法もあります。
ただし値引きは大家さん側にとってメリットではありません。
ですから分割払い交渉よりも値引き交渉の方が難しくなります。
ただし直接大家さんに相談するのではなく、不動産会社に交渉の仲介をお願いするという方法ならまだ可能性はあります。
いずれにしてもあなたが優良な住人であるということが条件になります。
契約によっては更新料が要らないこともある
更新のために大家さんに支払うお金はあくまでも慣習です。
ですから契約書の中に更新料について書かれていない場合があります。
この場合は「更新料は不要」と考えて構いません。
ですから「もうすぐ契約が切れる」というのであれば、まずは落ち着いて契約書の内容を確認しましょう。
契約書に「更新にはお金がかかる」と書かれていなければ支払う必要がないと考えられます。
もしも「これからお部屋探しをする」というのであれば、契約の更新に関する内容を詳しく不動産会社に説明してもらってください。
この時点で「この物件では必要ありませんよ」と説明されれば、契約の満期を過ぎても更新料を支払わなくて済みます。
引っ越しを決めたら新居の契約内容に注意しよう
戸建て住宅とは違い賃貸住宅は共同住宅です。
だからこそいろいろな決まりがあり、その決まりをきちんと守らなければ契約違反となって大家さんから退去を求められることがあります。
でもこうしたトラブルは出来るだけ避けたいものですよね?
そのためにもお部屋探しの段階からきちんと契約の内容をチェックすることが何よりも大事です。
まとめ
契約料については地域の風習・慣習という意味が強いお金なので、大家さんの考え方や地域によっても「支払わなくても良い」「支払うのが常識」に分かれます。
ただこうしたトラブルをできるだけ未然に防ぐためにあるのが「契約書」です。
ですから更新に関することで困ったと感じたら、まずは契約書の内容をよく読んでくだいね。




