
個人間で結ぶ賃貸契約の例を見てみましょう。
今では、不動産会社が仲介するシステムが当たり前のようになっていますが、貸主・借主が直接賃貸契約を結ぶこともあります。
では個人間で賃貸契約を進めていく上で、一体どんなことが重要になるのでしょうか。
ここでは個人で作成する賃貸契約書の内容や必要な書類、さらに注意すべき点などについてご紹介していきます。
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1. 賃貸を個人間で契約する場合について
不動産会社が仲介に入っている場合は、賃貸契約書や重要事項説明書など、契約に必要な書類は当たり前のように用意されています。
しかし個人間の賃貸契約は、その書類が用意されているとは限りません。
難しい不動産用語や、似たような内容が細かく記載されている賃貸契約書がなければ、得したように感じるかもしれませんが、何かあった時には大きなトラブルに発展しかねません。
賃貸契約を結ぶ相手が親しい間柄であっても、賃貸契約書はしっかり作成しておきましょう。
万一のトラブルを回避するためにも、次のような内容を明記しておくことをおすすめします。
・物件の名称や所在地
契約する物件の名称や住所、部屋番号などに誤りがないかどうかを確認します。
複数の物件を持つ貸主の場合、勘違いなどで間違った内容が記載される可能性も否定できません。
署名・押印をする前に、しっかりチェックしましょう。
・間取りや面積
実際と違う間取りになっていないかどうか確認しましょう。
・家賃の金額
金額を確認するのはもちろんですが、月の途中から入居もしくは退去する場合、日割り計算での支払いになるのか、それとも月単位や半月単位なのかということもはっきりさせておきましょう。
・駐車場や駐輪場などの附属施設について
駐車場の有無はもちろんですが、その場所についても確認することが大切です。
入居する物件から不便な場所にあるようなら、別の駐車場を借りた方が利便性が良い場合もありますよ。
・共益費、管理費、敷金等の有無
共用部分の維持や管理を行うための費用が、共益費や管理費です。
敷金は、退去時の原状回復を行うための預かり金です。
この敷金は入居時に一括で支払うものですが、共益費や管理費は毎月の家賃と一緒に支払うケースが一般的です。
事前に確認しておくようにしましょう。
・契約期間の設定
賃貸契約の場合、契約期間は2年となっているのが一般的ですが、これは物件や貸主の意向によって異なります。
また1年にも満たない期間で解約すると、違約金が発生することもあります。
違約金が発生するような重要な内容は、特約欄に明記するようにしましょう。
・契約更新について
契約を更新するときの方法や更新にかかる費用を明記します。
・連帯保証人の有無
不動産会社が仲介する場合には、連帯保証人が必要となるケースが一般的ですが、個人間の賃貸契約では必ずしも必要とは限りません。
これは貸主・借主の間柄や話し合い等で必要性が変わることもあります。
・設備等の修繕、原状回復義務の負担の範囲
設備の修繕はどこからどこまでが借主、もしくは貸主の負担になるのかをはっきりさせておきましょう。
また退去時の原状回復義務についても、その負担の範囲を明らかにしておくことが、敷金トラブルの回避につながります。
国土交通省のサイトには「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が掲載されているので参考にしてみるといいでしょう。
・無断転貸や改築、使用目的制限などといったルールの取り決め
貸主に無断で第三者に転貸することや、勝手に改築や改造を行わないという取り決めも重要です。
また住居としてではなく、商売や事務所などに使うことがないよう、事前にルールを決めておきましょう。
・同居人の有無
家族はもちろんですが、友人や同僚などとシェアする場合も、貸主に承諾を得ることが必要です。
誰が住んでいるのか分からないような状況は、近隣に住む人達にも不安を与えます。
同居人が増えたら、それも報告するようにしておくと貸主も安心ですね。
・契約解除や解約について
契約が解除になる借主・貸主それぞれの義務違反の内容、契約解除や解約を申し入れるタイミングや方法なども明記しておきましょう。
・その他
その物件ならではの設備がある場合や、特に注意しておきたい内容については特約欄などを使用して、分かりやすく明記しておく必要があります。
国土交通省のサイトでは「賃貸住宅標準契約書」のひな形(モデル)をダウンロードできるようになっています。
必要事項が分かりやすくまとめられているので、こういったものを参考にしてみるのもいいでしょう。
不動産会社が仲介する物件の場合は、賃貸契約書に必要事項が記入されたものを用意してもらえますが、個人の場合は貸主・借主ともに契約書の内容を繰り返しチェックすることが大切です。
記入漏れがないかどうかを細かく見ていくようにしましょう。
2.不動産会社が仲介しない賃貸契約で必要な書類は?
不動産会社が仲介しない個人間の賃貸契約の場合、どんな書類が必要になるのでしょうか。
前項で触れたように、面倒であっても賃貸契約書は交わすことが大切です。
信用できる相手、人柄を良く知っているからと言っても、絶対にトラブルにならないとは限りません。
ここはビジネスと割り切って、対処することも必要です。
不動産会社が仲介する賃貸契約の場合は、賃借人やその連帯保証人の住民票や印鑑登録証明書、収入証明書などを提出するのが一般的です。
しかし個人間の場合は、その間柄などによって、必要な書類に違いが出てくる可能性があります。
賃借人本人のことは良く知っていても、連帯保証人とは面識がない場合などは、その住民票や収入証明書の提出を求めるケースもあります。
また親しい間柄であっても、賃貸契約はビジネスと割り切るのなら、一般の契約と同じ書類を揃えなければなりません。
必ずしも「こうでなければいけない」という決まりはありませんが、貸主側の意向に沿った書類が必要になると思っておいた方がいいでしょう。
3. 不動産会社が仲介しない賃貸契約で注意すべきこと
不動産会社が仲介しない賃貸契約の場合、一番気になるのはトラブルが起きた時の対処法です。
間に人を入れずに直接の話し合いになるため、場合によっては不愉快な思いをする可能性もあります。
また身内や知り合いなどが相手だと言い出しにくいことなども出てきて、余計なストレスを感じてしまうデメリットも考えられます。
そういったケースも視野に入れ、契約時には賃貸契約書を交わしておくことが必要不可欠です。
今後起きる可能性が否定できないトラブル、そしてその回避にもつながるものだと考えましょう。
貸主側にとって一番気になるのは、「借主が家賃をちゃんと支払えるかどうか」ということです。
家賃の滞納は、賃貸契約で最も多いトラブルのひとつと言えます。
その心配をある程度軽減するために必要となってくるのが連帯保証人です。
借主本人に何かあったとしても、連帯保証人がいれば安心です。
本人の人柄が良いとか悪いとかではなく、万が一の時のことを考えて連帯保証人を立てるようにしましょう。
4.まとめ
不動産会社が仲介しなければ仲介手数料も発生しないので、初期費用を家賃1ヶ月分程度抑えられる可能性があります。
引越しは賃貸契約以外にも結構お金がかかるものなので、少しでも安ければ助かりますね。
また貸主・借主が身内や知り合いであれば、特に審査なども行うことなく契約を結べるというメリットもあります。
しかし、トラブル発生の可能性も視野に入れておかなくてはなりません。
口頭でも契約はできますが、後々「言った」「言わない」で揉めてしまうことや、契約内容の確認もできないという事態になることを考えると、最低でも賃貸契約書は交わしておくべきです。
たとえ親しい間柄でも「賃貸契約はビジネス」と割り切り、双方にとって大きなトラブルにならないような契約を結ぶことが大切です。
 
											
 
                     
                     
                     
                    




