新生活を始めるにあたって、お部屋探しでの失敗や後悔は絶対に避けたいもの。
そのためには物件を事前に自分の目で見る「内見」が必須です。
内見は、昼間の明るい時間帯に行うという人がほとんどではないでしょうか。
しかし、夜の時間帯だからこそわかることも多いのです。
例えば一番わかりやすいメリットですが、昼間のお仕事をされている場合、実際の日常生活をおくる上で、一番家にいる時間が多いのは夜になります。
つまりその時間に内見することでリアルな生活シミュレーションが想像できるという事です。
その時に見てもらいたいポイントは以下です。
- 周りの騒音の程度
- マンションの共用部(入り口、廊下、駐車場など)
- マンション周辺の雰囲気
お部屋の中に聞こえてくる騒音や、目の前の道路などの周辺環境を含めたマンション自体の明るさなど、その時間帯に物件を訪れることで初めてわかることも多いです。
それでは、夜の時間帯での内見についてさらに深く掘り下げてみましょう。
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このページでわかること
1. 気になる物件の内見を夜にするメリット
お部屋探しをする際、ほとんどの人が「昼間の明るい時間帯に内見した方が、色々見えて気づけることが多い」と思うでしょう。
しかし考えてみると、世間の大多数の人は週の半分以上、昼間は学校や仕事で家を空けています。
そのため、家で過ごす時間の大半は夜間になります。
つまり夜に内見をするということは、実際にその物件で過ごす時間帯でのシミュレーションが、より現実的な状況下でできるということです。
夜の時間帯が快適に過ごせるか否かによって、生活の質も大きく変わってしまいます。
後の項目で触れるチェックポイントを踏まえ、物件の良し悪しが判別できるようにしましょう。
2. 物件の内見を夜にするデメリット
夜の内見のデメリットについて触れておきましょう。
夜の内見では、次のようなことが懸念されます。
2-1. 日当たりの良し悪しが判断できない
いくら日中は家を空けている場合がほとんどであっても、日当たりが悪いと湿気がこもり、空気が淀みがちで気分も晴れません。
朝の日光浴により、体内に分泌されるセロトニンというホルモンが自律神経や体内リズムの正常化を促してくれます。
これだけでも健康面に大きな差が生じるのです。
また、日当たりが悪いと、洗濯物が乾きにくいという点も考えられます。
浴室乾燥機が部屋についていても、日光にさらして乾き上がった衣類や布団は、使い心地や衛生面でも違いますよね。
また、季節や天候にも大きく左右されます。
日当たりが悪いと真冬は底冷えしやすくなり、暖房に頼らざるをえない状態になります。
日当たりが良い場合でも、窓の向きや方角によっては西日が直撃することがあります。
そうなると熱がこもりやすくなり、夏場は特につらいでしょう。
こういった想定をしづらいのが、夜に内見を行うデメリットと言えるでしょう。
2-2. 電気が通っていない場合がある
部屋単位でなく、建物全体で電気の利用契約を行なっている物件の場合は、電気が点かないという心配はありません。
また、前の住人の契約状況によっても電気が利用できる可能性もあります。
これらの場合は問題なく電気が点きますが、空き物件だと電気が止まっている場合がほとんどです。
電気が点かず、真っ暗な室内を懐中電灯で照らしながら内見した人もおられるようですが、それはなかなか大変ですよね。
夜に内見を希望するならば、内見当日に電気が利用可能であるか必ず確認しましょう。
2-3. 不動産会社の営業時間外は対応不可能な場合がある
不動産会社の営業時間は大体19〜20時までというところがほとんどです。
そのため、多くの社会人は平日の定時に仕事を終えてから内見したいと思っても、営業時間ギリギリもしくは時間外となる可能性があります。
中には快く対応してくれる不動産会社、また物件のオーナーもいますが、サービス残業には厳しいこのご時世なので、対応不可と断られるケースも充分考えられます。
そもそも夜の内見ができる確率は、極めて低いと思っておいたほうが良いでしょう。
それでも夜の内見を希望する場合は、あくまでも謙虚な姿勢で、対応可能かどうか尋ねてみましょう。
3. 夜に内見する場合に確認すべき3つのチェックポイント
夜に内見可能となった場合にチェックすべき項目を挙げていきます。
多くの人にとって、在宅の時間帯は夜になるわけですから、しっかりと確認していきましょう。
3-1. 駐輪場など共有部の利用状況
夜になると多くの住人が帰宅し、駐輪場には自転車やバイクが並びます。
整然とされているか、雑に停められているかによって、住人のマナー意識や気質が汲み取れる場合があります。
少し大げさに言えば、物件の治安の良し悪しにも関わりかねません。
ゴミ集積所やエレベーター、階段付近なども同様です。
共有部で不快に感じる点は入居後の住み心地に影響するので、慎重に検討しましょう。
3-2. 騒音
一般的に空気と地表の温度差によって、昼よりも夜の方が、音が響きやすくなります。
それに加えて夜の時間帯は車通りもぐっと増えるので、車による騒音が懸念されます。
また、帰宅後に酒盛りをはじめ、酔っ払って大声で歌ったり大音量で音楽を流したり…という住人もいるかもしれません。
そこまででなくとも、帰宅してきた隣または上下階の住人の足音や生活音が気になる…と気づくこともあるでしょう。
いずれにせよ、夜の内見は物件の「素」の姿を垣間見る、良い機会だと言えます。
また、夜間になると乗用車以外にも大型トラックの運行が増えます。
大通りに面した部屋の場合は特に、防音設備はしっかりしているか確認しましょう。
3-3. 周辺の雰囲気
物件の近所に飲食店や繁華街があると、グルメな人は特に楽しみになりますよね。
しかし、そういった場所は、昼と夜とで雰囲気がガラリと変わります。
迷惑な酔っ払いは多そうか?
ゴミやタバコの吸い殻のポイ捨てなど、路上マナー違反が見られるか?
などの点を確認しておきましょう。
場所によっては「危ない人たち」が集まり治安が悪く、毎晩不安な気持ちで過ごすことにもなりかねません。
逆に全く人気がなく、周辺が真っ暗の場合もあります。
特に女性の場合は、帰り道が真っ暗だと不安ですよね。
街灯は点いているか、もしものときに駆け込める場所(交番やコンビニなど)があるかどうかも確認しておくと良いでしょう。
4. 内見におすすめの曜日や時間帯
夜の内見のメリットとデメリットについて検証してきました。
では実際に、夜間に物件の内見をする際におすすめの曜日と時間帯について触れていきます。
4-1. 曜日
不動産業界では水曜日定休となっているお店が多いです(契約が「水」に流れる、という縁起の悪さを想起させることから)。
最近では水曜日も営業しているところもありますが、できれば水曜日は最初から外しておくのが正解です。
また、店舗が混むのはもちろん土日です。
この間に条件に合った空き物件が公開されても、他の客によって次々と確約されてしまうケースはよくあります。
「一足お先に」という感覚で、金曜日に来店して内見までこぎつけるのがベストでしょう。
4-2. 時間帯
夜間の内見は非常に時間が限られます。
なぜなら一般的な不動産屋の営業時間が18時から19時ごろまでだからです。
内見の予約を取って、現地に向かって、実際にお部屋を見てとなると一時間はかかります。
そのため営業時間に間に合わせるためには遅くても17時から18時には店舗で予約してもらい、17時半や18時半に現地を見るという流れになります。
ですので、季節によりますが夏場などは夜とまではいかず夕方ぐらいの時間帯になってしまいます。
ここからは不動産屋さんによって違いがありますが、事前にもう少し遅い時間で内見がしたいとお願いしてみるのも手です。
通常不動産業界では、お客様の賃貸契約が成約できれば、それを担当した営業の方にメリットがあるようになっています。
そのため対応してもらえることもありますが、やはり難しい時間などありますのでケースバイケースです。
5. まとめ
いかがでしたか?
一般的には対応が難しいとされている夜の内見ですが、物件の住人や周辺地域の「ありのまま」の状態を見られる貴重なチャンスなのです。
不動産会社の担当者や物件のオーナーへの配慮も忘れず、入居後の生活をより現実的にシミュレーションするためにも、夜の内見を良い機会にしましょう。




