PTA役員といえば、小学生のお子さんを持つ方にとっては、切っても切れないほど重要な役割です。
PTA役員は、6年間のうちで1回は引き受けなければいけないものです。
そんなPTA役員ですが、最近の社会問題の1つとして、引き受け手がいないということがあります。
日々の子育てや仕事などで忙しい中、更にPTAの活動もするとなると、確かに主婦の方にとっては辛いものですね。
ところがそんなPTA役員には様々な役割があり、中には楽な役割や、何年生の時にPTA役員になるかによっても仕事の困難さが違ってきます。
今回はそんなPTA役員についての概要と、どの時期にPTA役員を引き受けるべきなのかというタイミングについてご紹介していきましょう!
このページでわかること
1. PTA役員とは?
1.1 PTA役員の定義
小学校の委員としてのイメージのあるPTAですが、本当はどのようなことをするのでしょうか?
まず、PTAとはParent Teacher Association(親と教師の協同組織)といった意味の略語のことを指しています。
学校と家庭とが協力して、子供の教育に関わるために作られた団体です。
基本的には、小学校から高等学校までの間にPTAがあります。
イメージとしては、小学校PTAというのが強いかもしれませんが、最大で12年もの間PTA役員とは切っても切れない関係を持たなければなりません。
学校によって仕事内容は異なるものの、基本的には保護者同士のつながりや学校行事への参加、学校との意識共有が目的とされています。
1-2. PTA役員と委員との違い
PTAには、役員と委員とがあります。
同じように仕事をするという点では変わりないものの、これらは違う役職となります。
基本的に、PTAの運営に関わる役職としては、委員と役員との2つがあります。
PTAの総会には一般の方も参加することが可能です。
では委員と役員とに分けて、どのような役職なのかを見ていきましょう。
◆委員
委員では、学年ごとに数名が毎年選出されます。
保護者の中でのクラス委員というイメージで、1ヶ月に1度ぐらいの頻度で開かれる総会への出席と、学校行事がある時には仕事が増えます。
学校によってクラス委員の仕事内容は異なりますが、例を挙げていきましょう。
- 学年学級委員…クラス懇談会の司会、運営、書記、親睦会の進行係や企画など
- 広報…広報誌の作成、イベントの際の写真撮影など
- 校外委員…通学路の安全確認、登校班の統括、地域や警察との連携
このように、クラスに関わる仕事を行っていくのが委員です。
PTAに関わるというよりも、クラスのために仕事をするというイメージでしょう。
◆役員
役員はPTAの代表になります。
1ヶ月に1回程度実行委員としての集まりがあり、役割ごとに仕事内容が異なります。
- 代表…選出されるのはたいてい3人程度で、PTA業務の統括という役割を担います。会長、副会長という役割です。
- 会計…PTA会費の管理を行います。
- 書記…保護者2人、教員1人程度が選出されます。議事録やイベント記録、書類の整理などがあります。
役員の方が、PTAの仕事の中でも全体をまとめなければいけないため、重い役割となります。
中でも、最も忙しいのが会長です。
1-3. PTA役員の決め方
PTA役員や委員の選出方法は、学校によってルールが異なりますが、たいていの流れが決まっています。
まずPTA本部の役員(会長、副会長、書記、会計など)の選出時期は、11月頃です。
推薦委員会をその頃に立ち上げ、役員の立候補者を募集します。
立候補者がいなかった場合は、抽選あるいは推薦などの方法で役員を指名していきます。
そしてPTA運営委員(広報、学年学級委員など)の選出は、新年度開始時の4月頃です。
保護者が集まり各委員を決めていきますが、その場合もまずは立候補者を募り、いなかった場合は抽選あるいは推薦で選出されます。
委員と役員とは学校ごとに細かいルールがありますが、基本的にはその学校に通っている子ども1人につき1回は何らかの役職に付かなければいけません。
役員や委員にはポイント制度があり、子供が学校に通う間に必要なポイントがあるので、それも学校のルールに合わせる必要があります。
2. PTA役員の仕事内容とは?
PTA役員には様々な仕事があります。
自分がなった時のためにも、事前に知っておきましょう。
2-1. 小学校PTA役員の仕事内容とは?
まず前述したように、役割ごとに仕事内容を見ていきます。
◆役員
主にPTA本部としての仕事を行います。
各委員会との予算配分や学校との連絡、地域のPTA協議会への出席などが主な仕事です。
- 会長…役員の中でも最も高い地位の役職で、PTA役員のまとめ役です。学校行事や式典での挨拶や、地域のPTA協議会の出席も代表して会長が行います。
- 副会長…会長補佐として会長の仕事をサポートしていきます。学校との予定や連絡の調整や、委員間の連絡を受け持ちます。
- 書記…PTAからの文書作成や、PTA総会などの議事録作成を行います。
- 会計…PTA本部で必要な経費などの会計を全て受け持ちます。
◆運営委員
PTAを運営していくための運営委員会では、主にクラスや行事、地区で必要な仕事ごとに係が分けられます。
係は学校によって様々ですが、主に以下のようなものがあります。
- 学年学級委員…保護者同士の親睦会の開催や企画・運営。クラス懇談会の企画運営などを担います。
- 広報…PTA広報誌の編集や作成を主に行います。広報誌に掲載する写真を行事の時などに撮影することもあります。
- 地区委員会…児童の登下校時の見回りや校区内のパトロールを主に行います。
- 文化委員会…PTA向けの講習会などを企画・運営します。
2-2. PTA役員で楽な仕事は?
委員と役員とで上記のような仕事内容となります。
こうしてみると、どの役割もそれほど困難なものではないようにも思えるでしょう。
実際にPTA役員の中でも、楽な仕事というのは存在するのでしょうか?
役割によっては向き不向きがあるとは思いますが、意外にも楽だと言われているのが副会長などの「副」がつく役割です。
PTA会長だと、全体をまとめていくリーダーシップが必要となりますが、副会長は、その会長の仕事を補佐するのが役割となります。
そのために、意外にも仕事内容的には楽なことが多いのです。
ただし会長の性格によっては、仕事を副会長にたくさん押し付ける場合もあるようなので、そこは注意しましょう。
その他に楽な仕事は、文章を書くのが好きだという方には書記があります。
議事録を作ったり総会での言葉を書き留めるなど、書くことが好きなら楽しい仕事でしょう。
逆に負担が大きい仕事としては、会計や会長が挙げられます。
会長はPTA全体をまとめなければいけないため、大変なのは予想できますが、会計に関してもお金が関わることなので、慎重に行っていかなければなりません。
以上のことから、PTAの中でも楽な仕事というのは人により異なる、という結論です。
楽な仕事を見極めるには、立候補者の多い仕事を選ぶと良いでしょう。
1年目は様子を見て、その年に多かった役職を覚えて自分が立候補するというのが1つの手です。
その他にも、学校によって楽な仕事というのは異なるものなので、ママ友同士で意見交換をするのも良いでしょう。
3. PTA役員をするのにベストなのはいつ?
PTA役員は、小学生のうちであれば6年間あります。
その間でいつPTA役員をするのがベストなのでしょうか?
3-1. PTA役員は断ることができる?
PTA役員は人前に立つ仕事であり、子供がいる限りは必ずしなければいけないものなのですが、正直なところやりたくないという方は多いでしょう。
実際、最近ではPTA役員を立候補する人がいないため、役員の選出の際に困難になっている傾向にあり、社会問題の1つにもなっています。
そんなPTA役員に自分が選出された場合、断ることはできるのでしょうか?
まず基本的には、PTA役員に選出されて、まだ通っている子どもが在学しているうちにPTA役員を一度もしていなければ、断ることはできません。
ですが断る際に特別な理由があるという方は、事情が違ってきます。
基本的にPTA役員を断れる理由として正当なのは、妊娠中、病気療養中、0歳児を育児中といったことが挙げられます。
これらの理由がある方は、そもそもPTA役員の選出からは排除されることが多いようです。
こういった免除される理由に入らなくても、親の介護をしている場合やシングルマザーの場合にも、基本的には断ることができるでしょう。
このような個人的な事情であっても、PTA役員に話して同意を得ることができたら免除されます。
これらのような正当な理由がある場合に断れるのはもちろんなのですが、最もグレーなラインとしてあるのが、フルタイムで仕事をしているという場合です。
最近では、特に仕事やパート勤めなどをする方が多い傾向にありますが、仕事が理由で断ることは難しいようです。
誰しもが一度はしなければいけない役割なので、仕事で平日には来られないという場合は、土日の活動には参加したり、自宅でもできる書類の作成などの仕事なら受け持つというように、活動の助けになることを強調すべきでしょう。
PTAは多くの人で構成されているため、中には仕事などが理由でなかなかPTA活動に参加できない人もいるでしょう。
共働きで働いている保護者が増えてきている中、PTAをそのような理由で断ってしまうのではなく、少しは手伝うことができるという気持ちで引き受けるように心がけましょう。
3-2. PTA役員をするには〇〇年生がベスト!
小学校であれば6年間もある学校生活の中で、PTA役員を受け持つには、どのタイミングがベストなのでしょうか?
いつかはしなければいけないのであれば、なるべく楽に終わらせたいですね。
まずPTA役員をするにあたって、最も大変な時期は6年生です。
6年生は卒業式の運営があったりと、最終学年であるため何かと仕事量がどの学校でも増える傾向にあります。
6年生でPTA委員長になってしまうと、かなり大変です。
そのために、楽に終わらせたい場合は何としてでも5年生までには、PTAに立候補するようにしましょう。
中でもおすすめなのは、低学年のうちに終わらせることです。
1年生の時は、まだどのようなことをするのかわからないので、2年生以降でやりやすい役員の様子を見て立候補する、というのがベストでしょう。
低学年の頃にしておくメリットとしては、PTAをすることでたくさんのママ友が増えるという点です。
同級生のママ友から学校の情報をもらったり、上級生の人からは今後の学校生活のことを教えてもらったりと、良い親交を深めることができるでしょう。
最初のうちは知らない人が多いとは思いますが、低学年のうちは誰しもがそうなので、親睦を深めるにもおすすめです。
逆に高学年の時にしておくメリットとしては、学校内に知り合いが増えてきているので、仕事がやりやすくなるという点があります。
すでにPTAを経験したママ友も中には増えてくる年でもあるため、具体的な活動内容などもすぐに知ることができるでしょう。
こういった点からも、2~5年生のうちにPTAに立候補するのがベストですね。
3-3. PTA役員は中学・高校まで続きます
ちなみに、PTA役員は小学校のイメージが強いものの、中学・高校と長く続いていきます。
中学校や高校になると学区の幅が広がるため、小学校の頃とはまた違ったPTA活動となっていきます。
地域密着型の活動は排除されるものの、子供が大きくなると立候補する親も少なくなってしまうなどということもあります。
中学・高校も、その学校の先輩ママからの口コミなども参考に、PTAの仕事内容に関しても事前にチェックしておくと良いでしょう。
子供を持つ親にとっては、PTAとは12年もの長い付き合いになりますね。
4. まとめ
今回は、PTA役員についてご紹介しました。
PTAは役員と委員から構成されており、学校生活のうちで必ず一度はやらなくてはいけません。
免除の理由もかなり限られているので、仕事でできない場合でも、少しはPTAの仕事を助けるというイメージで行うようにしましょう。
親にとっては面倒な仕事の1つかもしれませんが、周りとの親睦を深められたり、学校のことをよりよく知ることができたりと何かとメリットもあります。
役員の仕事を通して、子供の普段の生活にさらに寄り添えると良いですね。




