賃貸マンション・アパートを借りる時には、いろいろな条件があるはずです。
でも最も重要なのは「毎月支払うお金のこと」ではないでしょうか?
賃貸物件で1ヶ月に支払うのは、賃貸料だけとは限りません。
管理費が別に必要な場合は、賃貸料と併せて毎月支払わなければいけません。
もちろんそれは次に引っ越しをする(契約を解約する)時までずっと続きます。
さすがに家賃の値下げ交渉はよほどの事情がない限り難しいです。
でも管理費であれば値下げ交渉が出来ることもあります。
そこで今回は賃貸管理費の値下げ交渉について詳しく解説!
交渉が出来る場合や上手く交渉を進める時の方法、さらに注意点なども併せて紹介します。
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このページでわかること
賃貸管理費の値下げ交渉ができる場合
築年数が古い場合
築年数は建物の賃料設定の目安になります。
よほどの好条件がない限り、間取りや立地条件が同じであれば築年数が新しい方が家賃は高くなります。
ただ築年数が20年以上になると、さすがに賃料設定の基準も変わります。
もしも10年住み続けるとすれば、築30年になります。
こうなると設備の老朽化も目立ってきますし、見た目の雰囲気もかなり変わります。
もちろん築年数が古ければ同じ条件の物件であっても家賃の相場は下がります。
ただし家賃そのものを下げる交渉はなかなか難しいです。
その代り家賃と一緒に毎月支払っている管理費であれば、築年数を理由に交渉が出来る可能性が高いです。
事故物件だったことが分かった場合
事故物件と呼ばれるものは、基本的に入居希望者に告知をする必要があります。
ただ事故物件といってもその範囲は広く、これといった定義がありません。
いわゆる「殺人現場となった部屋」「入居者が自殺した部屋」などは典型的な事故物件です。
ただしそのことが起きてからも何名かの入居者が入り、その間に特に何の問題もなく契約の解約まで至った場合は事故物件であることを新しい入居希望者に告知する必要はありません。
もちろん事故物件だとしても、生活そのものに支障が出るとは考えられません。
でも実際に住む側としては、住んでいる部屋が事故物件だと分かればあまり気持ちの良いものではありません。
このような場合には値下げの交渉があれば、大家さんも応じてくれる可能性が高いです。
しかし事件性のない孤独死や病死など、その部屋の中で人が亡くなっている場合も事故物件として扱われます。
その場合は交渉は難しいでしょう。
ずっと空き家状態の部屋が何ヵ所もある場合
空き家があるということは、その分大家さんの収入が減ります。
ただそのことと借主であるあなたが負担しなければならない建物の維持管理費である「管理費」とは関係ありません。
たださすがに空き家状態が続いている部屋が同じ建物の中に何か所もあれば、セキュリティーのことを考えてもあまりよくありません。
また共有部分の管理や掃除が行き届かないこともあります。
このようなケースの場合は、思い切って値下げ交渉してみると大家さん側が応じる可能性があります。
なにしろこれ以上空き家が増える方が大家さんとしては痛手なはずですから、少しでも空き家が減るのであれば大家さん側にもメリットがあります。
ですから交渉次第で成功する可能性が高いです。
日当たりが悪い部屋
日当たり条件も賃貸料金の設定には関係します。
ただし契約した時点では日当たりが良くても、周りに建物が建つと日照条件は変わります。
特に高層マンションなど高い建物が周囲に立つと、それまで日当たりがよかった部屋でもほぼ1日中陽が入らなくなることもあります。
さすがにこれは契約時の条件とは異なります。
特に「日当たりが良いことを条件に部屋選びをした」という場合は、一番優先したい条件が満たされないことになってしまいますよね。
この場合はまずは値下げ交渉をすることをお勧めします。
交渉してもあまり良い条件を提示してもらえなかった場合は、契約の解約も考えてみた方がよい場合もあります。
残念ながら契約後に周辺の状況が変わったことに対して大家さんが保証をする義務はありません。
ただし借主であるあなたと良好な関係が築けている場合や、あなたが退去することの方がデメリットだと判断した場合は例外です。
本来であれば契約前にこの事情に対して値下げの申し出をすることが一番なのですが、入居後も条件さえ合えば交渉に応じてくれる可能性もあります。
ただし入居後の値下げ交渉は確実に成功するとは言い切れません。
ですから入居後に交渉する場合は「成功したらラッキー」という程度に思っておいた方がよいですよ。
賃貸管理費の値下げ交渉ができない場合
地域でも人気の物件
人気がある物件で値下げ交渉しても成功率は限りなくゼロに近いです。
そもそも人気がある物件であれば、空きが出ればすぐに入居希望者が殺到します。
だから大家さん側が明らかに不備を認めるような新たな不利な事情がない限り、値下げに応じることはまずないでしょう。
交通の便が良くなった
かつては駅まで徒歩30分以上かかるような不便だったのに、都市開発によって徒歩5分圏内に電車の駅が出来るということもあります。
これだと「以前よりも賃料を決める上での条件が良くなった」と言えます。
この場合なら「大家さん側から家賃の値上げ交渉をされる」ということは考えられますが、借主であるあなたの方から値下げ交渉をするのは無理があります。
交渉しても受け入れられないでしょう。
さらに厳しいことを言うと、交渉の仕方で相手に不快な想いをさせてしまった場合はあなたに不利な条件が提示される可能性もあります。
もしかしたら「値上げに応じてもらえないなら契約満期で解約してほしい」といわれてしまう可能性もあります。
ですから入居した時点よりも現在の条件が良くなった場合は、値上げを切り出されないように大家さんと良好な関係を保つ努力をした方が絶対にお得ですよ。
賃貸管理費の値下げ交渉のやり方
最近の賃貸物件では、借主・貸主間でトラブルとならないために不動産仲介会社が契約までの手続きを代行してくれるのが一般的です。
もちろん不動産仲介会社としては、オーナーである大家さんもお客様ですし、借主であるあなたもお客様です。
ですからあなたが優良なお客さんだと分かれば、あなたの要望に少しでも応じられるように出来る限りの努力をしてくれます。
さらに不動産会社は借主・貸主の両方の情報を持っています。
つまり「借主側の不利な事情」も知っている代わりに「貸主側の不利な事情」も知っているわけです。
お互いの事情が値下げによってうまくまとまるのであれば、ある程度の交渉はあなたの代わりに行ってくれる可能性があります。
賃貸管理費の値下げ交渉のタイミング
値下げ交渉のタイミングは「本契約をする前」がベストです。
契約書にサインをした後で値下げの交渉をすることもできますが、成功率はかなり下がります。
もちろん入居後に周辺の環境が変わったり、借主であるあなたにとって不利益となるような情報が事前に伝えられていなかった場合は十分に交渉の余地はあります。
ただしその場合でも契約前の成功率よりも下がります。
賃貸管理費の値下げ交渉をする場合の注意点
契約の意思があることをしっかりとアピールすること
値下げ交渉のタイミングとしては正式契約の前が良いのですが、この場合もあなたがはっきりとその物件に対して契約の意思があることをアピールしなければいけません。
不動産会社も営業が仕事ですから、初めから出さなくても良い条件を提示するということはありません。
ただしあなたが本気で借りたいと思っていると分かれば、何とかして契約まで持ち込むために奥の手を出してきます。
そのひとつが「値下げの提案」です。
でもあなたが本当に契約するかわからない状態では、不動産会社の奥の手を出してくることはありません。
ですから「本気で借りたい」という意思表示をしっかりとすることが値下げ交渉を成功させるカギだと思ってください。
「あれもこれも…」は失敗のもと
賃貸管理費の値下げ交渉がうまくいった時についやってしまいがちなのが、「ついでにこっちも値下げしてほしい」という申し出です。
これは交渉術としてはあまりよくありません。
値下げの交渉を成功させるポイントは「お互いにメリットがある」ということです。
これは「借主(あなた)」「貸主(大家さん)」「不動産仲介業者」のそれぞれにメリットがあることです。
借主であるあなたとしては少しでも金額が下がれば嬉しいですよね。
でも大家さんの立場から考えてみると、値下げは出来れば避けたいことです。
でも空き部屋の状態が続くよりは多少の値引きに応じても入居してもらった方が、大家さんとしてはメリットがあります。
さらに不動産会社としてはお互いに納得したうえで契約にこぎつければ、仲介手数料が入ってくるわけです。
ですからこの条件であれば「みんながwin‐winの関係」です。
ところが値下げ交渉に成功したからと言ってあなたがさらなる値下げを求めてきたなら、この関係は崩れてしまいます。
あくまでも「あなたが得する、相手も得する、みんなが得する」が値下げ交渉成功のポイントです。
ですから1つ成功したからと言って「あれもこれも値下げして!」というのは絶対にNGですよ。
まとめ
賃貸管理費の値下げ交渉を成功させるためにポイントが3つありました。
- 値下げに値する条件があること
- あなたが本気で借りたいと思っていること
- 大家さんにとっても得になる条件があること
値下げ交渉は、この3つの条件がそろっていればかなりの確率で成功します。
ただし欲を出して「あれも」「これも」と値下げ交渉をするのは、よほどあなたと不動産仲介業者の担当さんの交渉術が高くなければ逆効果になります。
あくまでも賃貸住宅ですから、あなた(借主)と大家さん(貸主)が良好な関係を築くことがこれからの住みやすさにも大きく関係してきます。
ですから交渉をするにしても自分の意見ばかりを通そうとせず、お互いの妥協点を見つけられるようにうまく交渉してみてくださいね。





